【USCPA試験】受験中

【2024年1月改正】USCPAの新ライセンスモデルと新試験の内容を先取り

知りたい君
知りたい君
USCPA(米国公認会計士)試験の勉強中だよ。

2024年にUSCPA試験が変更されると聞いたけど、どう変更されるのか知りたいな。

どこ
どこ
どこは、ワシントン州のUSCPA(米国公認会計士)だよ。

USCPA試験については、小規模の変更は時々あるけど、2024年の変更は大規模なものになる予定だよ。

2024年1月なので少し先だけど、この変更の影響は、今から徐々に出てくると思うから、知っておいて損はないのではないかな。

2024年1月のCPA試験の変更について、今分かっている情報を基に説明していくね。

2021年7月の変更については、以下の記事を参考にしてください。

【2021年7月改正】USCPA試験 試験内容の変更 追加・削除項目とスキルレベルの低下2021年7月のUSCPA(米国公認会計士)試験の試験内容の変更点について、何が追加されるのか、削除されるのか、理解度が変更されるのかまとめました。...

2024年1月の変更の方向性は、2021年7月1日から有効のBlueprintsにも反映されているそうです。

1.2024年1月の変更について

USCPA試験は、2024年に1月に新しくなる予定です。

米国公認会計士協会(AICPA)と全米会計士協会(NASBA)は、「CPA Evolution」を共同で発表しました。

CPA Evolution: New CPA Licensure Model(CPAの進化:新しいCPAライセンスモデル)

 

「CPA Evolution」を発表した背景は以下の通りです。

(1)CPAが必要とするスキルセットが変化

技術革新により、ビジネスが進化しています。

それに伴い、実務で必要とされるスキルセットも急速に変化しています。

CPAとしては、公共の利益に貢献するために、システム、コントロール、データ分析についてより深い理解が必要となっています。

 

(2)新米CPAに求められるスキルが高度化

これまでCPAライセンスを取得したばかりの新米のCPAが行っていた業務は、自動化されたり、外部に委託されたり、専用の会計ソフトの助けを借りて完成させることが多くなっています。

結果として、新米のCPAに求められるのは、より深い批判的思考、問題解決能力、専門的判断と高度になっています。

 

(3)CPAライセンスモデルも進化

CPA試験は、世の中の変化を反映したものでなければなりません。

現在のCPAライセンスモデルの試験と教育の要件は、CPAが必要とするすべての知識をカバーできていません。

よって、AICPAとNASBAは、CPAライセンスモデルを変革する必要があると考え、「CPA Evolution」を推進することになりました。

「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」の導入を進めており、2024年1月までに新しいCPA試験を開始する予定です。

 

2.2024年1月の変更の内容

2024年1月の変更により、CPAライセンス取得までの道のりは、「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」に沿ったものとなります。

Proposed Model

画像提供元・情報参照先:New Model for Licensure, New CPA Exam Expected to Launch 2024(ライセンス取得の新モデル、新CPA試験は2024年に開始予定)

 

(1)「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」とは

「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」とはどんなものか、詳細を見ていきます。

 

①3つのコアスキル

CPAライセンス取得のために必要なコアスキルは、「会計」「監査」「税務」の3つです。

CPA受験生は、この3つの基本的なコアスキルに加えて、「技術」も身につける必要があります。

コアスキル

  1. ACCT(会計)
  2. AUDIT(監査)
  3. TAX(税務)

3つのコアスキルの随所に、Technology(技術)が取り入れられています。

コアスキルは、すべての受験生に必要となるものです。

 

②3つの専門分野

さらに、以下の3つの専門分野のいずれかで、より深いスキルがあることを証明する必要もあります。

専門分野

  1. Business analysis and reporting(ビジネス分析とレポーティング)
  2. Information systems and controls(情報システムとコントロール)
  3. Tax compliance and planning(税務コンプライアンスとプランニング)

 

専門分野は、CPAの職業の3つの柱を反映しています。

各受験生は、自分の興味のある分野を1つ選びます。

1つの分野にしか合格できず、他の分野に合格する選択肢はありません。

 

試験のために選択した分野は、合格後、CPAの業務がその分野に限定されることを意味するものではありません。

また、たとえ合格しても、受験生がその分野の専門家になったということを意味するわけでもありません。

なお、合格した分野によってCPAライセンスの取得に違いはありません。

 

(2)3つのコアスキルの詳細

3つのコアスキルの詳細について見ていきます。

まだ詳しくは分からないのですが、CPA Evolution Model Curriculum(CPA進化モデルのカリキュラム)にコアスキルのカリキュラムが掲載されていますので、現時点ではこれを参考にします。

 

カリキュラムでも、コアスキルは3つに分けられています。

カリキュラムでのコアスキル

  1. Accounting and Data Analytics Core(会計およびデータ分析コア)☜ACCT(会計)に対応?
  2. Audit and Accounting Information Systems Core(監査・会計情報システムコア)☜AUDIT(監査)に対応?
  3. Tax Core(税務コア)☜TAX(税務)に対応でしょう

 

①Accounting and Data Analytics Core(会計およびデータ分析コア)

Accounting and Data Analytics Core(会計及びデータ分析コア)では、以下のような内容が取り上げられます。

会計及びデータ分析コア:9のモジュール

  1. 財務諸表
  2. 財務諸表の勘定科目の選択
  3. 財務諸表の取引と事象の選択
  4. 財務諸表の分析と指標
  5. 非営利団体(NFP)の財務諸表と取引
  6. 州政府および地方自治体の財務諸表と取引
  7. 批判的思考(クリティカル・シンキング)
  8. 財務データ分析
  9. デジタルの洞察力

 

②Audit and Accounting Information Systems Core(監査・会計情報システムコア)

Audit and Accounting Information Systems Core(監査・会計情報システムコアでは、以下のような内容が取り上げられます。

監査・会計情報システムコア:15のモジュール

  1. 監査の環境
  2. 契約の計画と留意点
  3. 企業と企業環境の理解
  4. 情報技術
  5. 不正とコンプライアンス違反のリスク評価
  6. 重要な虚偽表示のリスク評価
  7. 重要性
  8. 監査証拠
  9. 監査手続き
  10. 特別な検討事項
  11. 監査結果
  12. 監査報告書
  13. その他の契約
  14. 後発事象および後から判明した事象
  15. デジタルの洞察力

 

③Tax Core(税務コア)

TAX Core(税務コア)では、以下のような内容が取り上げられます。

税務コア:12のモジュール

  1. 税務業務における責任
  2. 課税方法
  3. 連邦税の手続き
  4. 法的義務と責任
  5. 資産の取得と処分
  6. 個人への連邦税の課税
  7. 株式会社
  8. 小規模会社
  9. パートナーシップ
  10. 有限責任会社
  11. 非課税団体
  12. テクノロジーとデジタルの洞察力

 

3つのコアの内容は、特に目新しいものではないと思います。

あえて挙げれば、「批判的思考(Critical Thinking)」が「会計及びデータ分析コア」に含まれているのが新しいかと思います。

批判的思考(Critical Thinking)」は、最近AICPAやNASBAのサイトを読んでいるとよく出てくるキーワードで、重要視していることを感じています。

 

一番の注目点は、3つのコアのすべてに、「デジタルの洞察力(Digital Acumen)」が含まれていることかと思います。

デジタルの洞察力(Digital Acumen)」は、「デジタルツールとテクノロジーの世界の変化に対応するために必要な能力」という意味のようです。

 

この「デジタルの洞察力(Digital Acumen)」が、「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」の「Technology(技術)」を示しているのではないでしょうか。

「Technology(技術)」が、モデル図でも、「ACCT(会計)」「AUDIT(監査)」「TAX(税務)」の下に書かれているのは、独立した科目になるのではなく、各科目に含まれるという意味なのではないかと推測します。

 

(3)3つの専門分野の詳細

3つの専門分野の詳細について見ていきます。

専門分野については、AICPAが既に内容を発表しています。

ですので、専門分野のカリキュラムと併せて、AICPAが発表していることをご紹介します。

 

カリキュラムでも、専門分野は3つに分かれています。

選択分野

  1. Business analysis and reporting(BAR:ビジネス分析とレポーティング)
  2. Information systems and controls(ISC:情報システムとコントロール)
  3. Tax compliance and planning(TCP:税務コンプライアンスとプランニング)

 

Business analysis and reporting(BAR:ビジネス分析とレポーティング)

Business analysis and reporting(BAR:ビジネス分析とレポーティング)では、以下のような内容が取り上げられます。

BAR(ビジネス分析とレポーティング)の専門分野:10のモジュール

  1. 会計研究
  2. 非営利団体の財務諸表
  3. 財務諸表の勘定科目の選択
  4. 取引の選択
  5. 原価計算
  6. 州政府および地方自治体
  7. 従業員給付制度の会計
  8. プランニングの手法
  9. 財務諸表分析
  10. 高度なデータ分析

 

BARは、アシュアランスやアドバイザリーサービス、財務諸表の分析やレポーティング、テクニカルアカウンティング、財務およびオペレーション管理に興味がある受験生を対象としています。

内容は、データ分析に重点を置き、財務リスク管理や予算を含む財務計画などのトピックを評価することもあります。

また、BARでは、収益認識、リース、企業結合、デリバティブ、ヘッジ会計、従業員給付制度など、より高度な会計やレポーティングのトピックを、より高いスキルレベルで扱うことを想定しています。

現段階では、BARには、現行のCPA試験のFARで出題されている内容とスキルに対応できるよう、公会計に関する分野も含むことが想定されています。

 

Information systems and controls(ISC:情報システムとコントロール)

Information systems and controls(ISC:情報システムとコントロール)では、以下のような内容が取り上げられます。

ISC(情報システムとコントロール)の専門分野:5のモジュール

  1. ITガバナンスとリスク評価
  2. 手続きの実施と内部統制のテスト
  3. SOC業務
  4. データの利用と管理
  5. 情報セキュリティと情報資産の保護

 

ISCは、技術およびビジネスコントロールに重点を置き、ビジネスプロセス、情報システム、情報セキュリティ、ガバナンス、IT監査に関連する保証またはアドバイザリーサービスに関心のある受験生を対象としています。

IT、データガバナンス、内部統制テスト、ネットワークセキュリティ、情報システムセキュリティに焦点を当てた内容が含まれると考えられています。

また、SOC業務の遂行も、ISCで取り上げることが想定されています。

 

Tax compliance and planning(TCP:税務コンプライアンスとプランニング)

Tax compliance and planning(TCP:税務コンプライアンスとプランニング)では、以下のような内容が取り上げられます。

TCP(税務コンプライアンスとプランニング)の専門分野:14のモジュール

  1. 個人の税金の基礎とタックスプランニング
  2. 資産の取得・使用・処分
  3. 税務会計の手法
  4. 企業の連邦税制
  5. 株式会社
  6. 小規模会社
  7. パートナーシップ
  8. 企業のタックスプランニング
  9. 信託
  10. 非課税団体
  11. 複数の国にまたがる税金の基礎知識
  12. テクノロジー
  13. 税務調査
  14. パーソナル・ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス

 

TCPでは、個人や企業のより高度な税務コンプライアンスに加え、個人や企業のタックスプランニングに焦点を当てた追加コンテンツを含む税務トピックを扱います。

個人のタックスプランニングについては、総所得への算入や不算入、贈与税のコンプライアンスやプランニングなどの分野を含むと考えられています。

TCPの企業の税務コンプライアンスの内容としては、連結納税や複数の国にまたがる納税問題などがあります。

また、事業計画には、企業の設立や清算に関する税務上の取り扱いも含むことが想定されています。

 

(4)「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」での試験形式

「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」での試験の形式は、現時点(2021年8月時点)では、まだ確定されていません。

ただ、現時点では、4科目(コアスキルから3科目、専門分野から1科目)、各科目4時間の試験になる計画のようです。

科目数と試験時間は変更せず、「Familiar format(慣れ親しんだフォーマット?)」のままになるとAICPAの担当者は予想しています。

 

「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」での試験の形式

 

コアスキル

  1. ACCT(会計)
  2. AUDIT(監査)
  3. TAX(税務)

3科目(全員が受ける科目)

「Technology 技術」は、3科目それぞれに含まれます。

 

専門分野

  1. Business analysis and reporting(ビジネス分析とレポーティング)
  2. Information systems and controls(情報システムとコントロール)
  3. Tax compliance and planning(税務コンプライアンスとプランニング)

1科目(自分の専門を考えて1科目選ぶ)

 

合計4科目、各科目4時間の試験になると予想されます。

 

今後、試験の形式が確定されましたら、当記事も更新します。

 

3.2024年1月の変更の影響

2024年1月までにUSCPA試験が変更されるわけですが、どのような影響があるのか、考えてみました。

 

(1)試験の難易度が高くなる

USCPA試験の難易度は、今より高くなる可能性があります。

残念ながら、この変更によって試験が簡単になるとは考えられません。

米国の会計有識者の意見を見ても、難しくなるだろうと予想している人が多いようです。

 

(2)試験の合格率が一時的に下がる

過去にも、2011年、2017年に大きな試験変更がありましたが、合格率は通常より落ち込みました。

これは、USCPA受験生が、十分に試験対策ができなかったことによるものです。

2024年の変更は大規模ですので、試験の対策が大変になり、一時的に合格率が下がることが予想されます。

ですので、試験が変更される前に、USCPA試験に合格しておくことをおすすめします。

試験変更と合格率の関係については、以下の記事も参考にしてください。

USCPA(米国公認会計士)試験の合格率から何が分かる?合格率に惑わされないのが吉USCPA試験の直近の合格率がどのくらいなのか、日本の合格率は他国と比べてどうなのか、昔と比べて合格率がどう変わったのか、合格率の傾向などについてご説明していきます。...

 

(3)受験生が今まで以上に自分の専門を考慮する

変更後のUSCPA試験では、1科目だけですが、受験生が受験科目を自分で選ぶので、専門性を磨く後押しになると思います。

特に、米国のCPA受験生は、大学在学時から(遅くとも4年次までには)、どの分野を選ぶか考える必要が出てきます。

米国の大学では、会計プログラムのカリキュラムについて、既に議論が始まったようです。

USCPA試験合格後のキャリアに結び付けて、USCPA試験の分野を選択するというのは、興味深い変更だと思います。

 

(4)テクノロジー関連の試験内容が増える

2024年の試験の変更は、世界の変化、主にテクノロジーの変化に対応するためにあります。

現在のCPA試験と、既にテクノロジーが駆使されている実務の現場においてクライアントがCPAに求める内容の間のギャップを解決しようとしています。

財務会計、管理会計、監査、税務といった伝統的な会計の内容に加えて、会計データ分析、デジタルの洞察力、ITガバナンス・コントロールといったテクノロジー関連の内容が多く含まれるようになります。

 

 

以上、「【2024年1月改正】USCPAの新ライセンスモデルと新試験の内容を先取り」でした。

知りたい君
知りたい君
2024年1月のUSCPA試験の変更は、世の中の変化に合わせた大きな変更になるみたいだね。
どこ
どこ
AICPAとNASBAは、CPAのライセンスモデルを革新させようとしているわけだね。

試験の内容を変えるというよりは、もっと根本的なところから変えていこうとしているよね。

特に、試験分野の選択制は、今までの試験になかった新しいしくみだし、どのように変わるのか注目だね。

さらなる情報のリリースを待とうね。

ABOUT ME
どこ
ワシントン州USCPA(米国公認会計士)。USCPAの立場から、USCPA試験、USCPAのキャリア、USCPAの人生設計について書いています。BIG4大手監査法人監査人→米国企業経理職@バンコク→大手グローバル企業連結決算担当。
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