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【USCPA試験】試験内容

【2024年1月】USCPA試験制度の大変更(CPA Evolution)新USCPA試験はどうなる?

【2024年1月改正】USCPAの新ライセンスモデルと新試験の内容を先取り
知りたい君
知りたい君
USCPA(米国公認会計士)試験の勉強中だよ。

2024年1月にUSCPA試験が変更されると聞いたけど、どう変更されるのか知りたいな。

どこ
どこ
どこは、ワシントン州のUSCPA(米国公認会計士)だよ。

USCPA試験については、小規模の変更は時々あるけど、2024年の変更は約20年ぶりの大規模なものになる予定だよ。

2024年1月なので少し先だけど、この変更の影響は、今から徐々に出てくると思うから、知っておいて損はないのではないかな。

2024年1月のCPA試験の変更について、今分かっている情報を基に説明していくね。

2024年1月の試験制度変更の今後の予定

  1. 2022年7月1日:Blueprintsのドラフトを含めて発表
  2. 2022年後半:新試験制度での受験申請について発表
  3. 2023年1月:Blueprintsの最終版を含めて最終発表
  4. 2023年7月~10月:Sample Testsの統合
  5. 2024年1月1日:新試験制度開始

 

AICPAとNASBAがCPA Evolution Model Curriculumの改訂版を発表(2021年11月20日)

CPA Evolutionに基づく2024年CPA試験への移行方針を発表(2022年2月25日)

2024年のCPA試験のインフラ変更(2022年4月6日)

 

2024年1月の変更の方向性は、2021年7月1日から有効のBlueprintsにも、既に反映されているそうです。

2021年7月の変更については、以下の記事を参考にしてください。

【2021年7月改正】USCPA試験 試験内容の変更
【2021年7月改定】USCPA試験 試験内容の変更 追加・削除項目とスキルレベルの低下2021年7月のUSCPA(米国公認会計士)試験の試験内容の変更点について、何が追加されるのか、削除されるのか、理解度が変更されるのかまとめました。...

 

Contents

1.2024年1月の試験制度変更の背景

USCPA試験は、2024年に1月に新しくなる予定です。

米国公認会計士協会(AICPA)と全米会計士協会(NASBA)は、「CPA Evolution」を共同で発表しました。

CPA Evolution: New CPA Licensure Model(CPAの進化:新しいCPAライセンスモデル)

 

「CPA Evolution」を発表した背景は以下の通りです。

 

(1)CPAが必要とするスキルセットが変化

技術革新により、ビジネスが進化しています。

それに伴い、実務で必要とされるスキルセットも急速に変化しています。

CPAとしては、公共の利益に貢献するために、システム、コントロール、データ分析についてより深い理解が必要となっています。

 

(2)新米CPAに求められるスキルが高度化

これまでCPAライセンスを取得したばかりの新米のCPAが行っていた業務は、自動化されたり、外部に委託されたり、専用の会計ソフトの助けを借りて完成させることが多くなっています。

結果として、新米のCPAに求められるのは、より深い批判的思考、問題解決能力、専門的判断と高度になっています。

 

(3)CPAライセンスモデルも進化

CPA試験は、世の中の変化を反映したものでなければなりません。

現在のCPAライセンスモデルの試験と教育の要件は、CPAが必要とするすべての知識をカバーできていません。

よって、AICPAとNASBAは、CPAライセンスモデルを変革する必要があると考え、「CPA Evolution」を推進することになりました。

「コア+専門分野 CPAライセンスモデル(new core + discipline CPA licensure model)」の導入を進めており、2024年1月までに新しいCPA試験を開始する予定です。

ちなみに、CPE(継続教育)については変更はないそうです。

 

 

2.2024年1月の試験制度変更の試験内容

2024年1月の試験制度の変更により、CPAライセンス取得までの道のりは、「コア+専門分野 CPAライセンスモデル(new core + discipline CPA licensure model)」に沿ったものとなります。

Proposed Model

画像提供元・情報参照先:New Model for Licensure, New CPA Exam Expected to Launch 2024(ライセンス取得の新モデル、新CPA試験は2024年に開始予定)

 

(1)「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」とは

「コア+専門分野 CPAライセンスモデル(new core + discipline CPA licensure model)」とはどんなものか、詳細を見ていきます。

 

コア+専門分野 CPAライセンスモデル

  1. 3つのコアスキル(基本的なスキル)
  2. 3つの専門分野(より深いスキル)

 

①3つのコアスキル(基本的なスキル)

CPAライセンス取得のために必要なコアスキルは、「ACCT(会計)」「AUDIT(監査)」「TAX(税務)」の3つです。

CPA受験生は、この3つの基本的なコアスキルに加えて、「テクノロジー」も身につける必要があります。

コアスキル

  1. ACCT :Accounting and Data Analytics(会計・データ分析)☜現行のFAR
  2. AUDIT :Audit and Accounting Information Systems ☜現行のAUD+BEC
  3. TAX: TAX(税務)☜現行のREG

3つのコアスキルの随所に、Technology(テクノロジー)が取り入れられています。

コアスキルは、すべての受験生に必要となるものです。

 

②3つの専門分野(より深いスキル)

さらに、以下の3つの専門分野のいずれかで、より深いスキルがあることを証明する必要もあります。

専門分野

  1. BAR :Business Analysis and Reportingビジネス分析と報告)☜現行のFAR+BEC+AUD
  2. ISC :Information Systems and Controls(情報システムとコントロール)☜現行のBEC+AUD
  3. TCP :Tax Compliance and Planning(税務コンプライアンスとプランニング)☜現行のREG

 

専門分野は、CPAの職業の3つの柱を反映しています。

各受験生は、自分の興味のある分野を1つ選びます。

1つの分野にしか合格できず、他の分野に合格する選択肢はありません。

1つの分野で受験し不合格となった場合、再受験の際に他の分野に変更することは可能なようです。

 

試験のために選択した分野は、合格後、CPAの業務がその分野に限定されることを意味するものではありません。

また、たとえ合格しても、受験生がその分野の専門家になったということを意味するわけでもありません。

その分野で働くCPAが多く遭遇することになる(その分野に焦点を当てていないCPAが遭遇する可能性が低い)高度な内容が出題されるそうです。

なお、合格した分野によってCPAライセンスの取得に違いはありません。

コアスキル:最低限のスキルと知識

専門分野:より複雑で専門的なトピック

 

(2)コアスキルの詳細

コアスキルの詳細について見ていきます。

AICPAとNASBAが2021年の初めに公表した CPA Evolution Model Curriculum(CPA進化モデルのカリキュラム) にコアスキルのカリキュラムが掲載されていますので、現時点ではこれを参考にします。

ちなみに、カリキュラムには、2024年の新しいCPA試験に向け、2020年の秋以降に始まる会計プログラムに入学した学部生が習わなくてはならないことの概要が示されています。

 

カリキュラムでも、コアスキルは3つに分けられています。

カリキュラムでのコアスキル

  1. Accounting and Data Analytics Core(会計およびデータ分析コア)
  2. Audit and Accounting Information Systems Core(監査・会計情報システムコア)
  3. Tax Core(税務コア)

 

①Accounting and Data Analytics Core(会計およびデータ分析コア)

Accounting and Data Analytics Core(会計及びデータ分析コア)では、以下のような内容が取り上げられます。

会計及びデータ分析コア:9のモジュール

  1. 財務諸表
  2. 財務諸表の勘定科目の選択
  3. 財務諸表の取引と事象の選択
  4. 財務諸表の分析と指標
  5. 非営利団体(NFP)の財務諸表と取引
  6. 州政府および地方自治体の財務諸表と取引
  7. 批判的思考(クリティカル・シンキング)
  8. 財務データ分析
  9. デジタルの洞察力

 

②Audit and Accounting Information Systems Core(監査・会計情報システムコア)

Audit and Accounting Information Systems Core(監査・会計情報システムコアでは、以下のような内容が取り上げられます。

監査・会計情報システムコア:15のモジュール

  1. 監査の環境
  2. 契約の計画と留意点
  3. 企業と企業環境の理解 ☜現行のCPA試験のBEC?
  4. 情報技術
  5. 不正とコンプライアンス違反のリスク評価
  6. 重要な虚偽表示のリスク評価
  7. 重要性
  8. 監査証拠
  9. 監査手続き
  10. 特別な検討事項
  11. 監査結果
  12. 監査報告書
  13. その他の契約
  14. 後発事象および後から判明した事象
  15. デジタルの洞察力

 

③Tax Core(税務コア)

TAX Core(税務コア)では、以下のような内容が取り上げられます。

税務コア:12のモジュール

  1. 税務業務における責任
  2. 課税方法
  3. 連邦税の手続き
  4. 法的義務と責任
  5. 資産の取得と処分
  6. 個人への連邦税の課税
  7. 株式会社
  8. 小規模会社
  9. パートナーシップ
  10. 有限責任会社
  11. 非課税団体
  12. テクノロジーとデジタルの洞察力

 

コアの内容は、特に目新しいものではないと思います。

あえて挙げれば、「批判的思考(Critical Thinking)」が「会計及びデータ分析コア」でわざわざ別項目で記載されていることに注目したいです。

2017年の試験制度変更から「批判的思考(Critical Thinking)」は「問題解決(Problem Solving)」「分析能力(Analytical Ability)」とともに、高度スキルの(Evaluation・Analysis)の1つとして問われるようになっています。

 

最近AICPAやNASBAのサイトを読んでいると、「批判的思考(Critical Thinking)」というキーワードはよく出てくるので、重要視されていることを感じています。

AICPAは「批判的思考(Critical Thinking)」について、既に色々なマテリアルを提供しています☟

Critical Thinking Reference Flyer

 

批判的思考(Critical Thinking)」は、「適切な財務上の意思決定を行うために、関連する事実を用いて、財務データのリスクと機会を特定する能力」と定義されています。

与えられた前提情報を検証し、それ以外にも情報はないか、自身の考えは偏っていないかを検証することになるのですが、「職業的懐疑心(Professional Skepticism)」とも絡んでくるのではないかと思っています。

真実ではない状況が設定され、「職業的懐疑心(Professional Skepticism)」で解く必要のあるTBS問題が既に出題されているようですので、さらにこの傾向は強まる気がします。

 

一番の注目点は、3つのコアのすべてに、「デジタルの洞察力(Digital Acumen)」が含まれていることかと思います。

デジタルの洞察力(Digital Acumen)」は、「デジタルツールとテクノロジーの世界の変化に対応するために必要な能力」という意味のようです。

 

この「デジタルの洞察力(Digital Acumen)」が、「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」の「Technology(テクノロジー)」を示しています。

「Technology(テクノロジー)」が、モデル図でも、「ACCT(会計)」「AUDIT(監査)」「TAX(税務)」の下に書かれているのは、独立した科目になるのではなく、各科目に含まれるという意味です。

カリキュラムでは、Technology(テクノロジー)に関する知識を「デジタルの洞察力(Digital Acumen)」と呼んでいる。

 

(3)専門分野の詳細

3つの専門分野の詳細について見ていきます。

専門分野については、AICPAが既に内容を発表しています。

ですので、専門分野のカリキュラムと併せて、AICPAが発表していることをご紹介します。

 

カリキュラムでも、専門分野は3つに分かれています。

選択分野

  1. Business Analysis and Reporting(BAR:ビジネス分析と報告)
  2. Information Systems and Controls(ISC:情報システムとコントロール)
  3. Tax Compliance and Planning(TCP:税務コンプライアンスとプランニング)

専門分野は、将来のCPAが、テクノロジーに重点を置いて、高度な内容や新たな内容の分野に深く取り組めるように設計されています。

 

Business Analysis and Reporting(BAR:ビジネス分析と報告)

Business analysis and reporting(BAR:ビジネス分析と報告)では、以下のような内容が取り上げられます。

BAR(ビジネス分析と報告)の専門分野:10のモジュール

  1. 会計研究
  2. 非営利団体の財務諸表
  3. 財務諸表の勘定科目の選択
  4. 取引の選択
  5. 原価計算
  6. 州政府および地方自治体
  7. 従業員給付制度の会計
  8. プランニングの手法
  9. 財務諸表分析
  10. 高度なデータ分析

 

BARは、アシュアランスやアドバイザリーサービス、財務諸表の分析や報告、テクニカルアカウンティング、財務およびオペレーション管理に興味がある受験生を対象としています。

内容は、データ分析に重点を置き、財務リスク管理や予算を含む財務計画などのトピックを評価することもあります。

また、BARでは、収益認識、リース、企業結合、デリバティブ、ヘッジ会計、従業員給付制度など、より高度な会計や報告のトピックを、より高いスキルレベルで扱うことを想定しています。

現段階では、BARには、現行のCPA試験のFARで出題されている内容とスキルに対応できるよう、公会計に関する分野も含むことが想定されています。

また、BARには、現行のCPA試験のBECで出題されている原価計算が含まれます。

Business analysis and reporting(BAR:ビジネス分析と報告)

高度なデータ分析に重点が置かれる。

 

Information Systems and Controls(ISC:情報システムとコントロール)

Information Systems and Controls(ISC:情報システムとコントロール)では、以下のような内容が取り上げられます。

ISC(情報システムとコントロール)の専門分野:5のモジュール

  1. ITガバナンスとリスク評価
  2. 手続きの実施と内部統制のテスト
  3. SOC業務
  4. データの利用と管理
  5. 情報セキュリティと情報資産の保護

 

ISCは、テクノロジーおよびビジネスコントロールに重点を置き、ビジネスプロセス、情報システム、情報セキュリティ、ガバナンス、IT監査に関連する保証またはアドバイザリーサービスに関心のある受験生を対象としています。

IT、データガバナンス、内部統制テスト、ネットワークセキュリティ、情報システムセキュリティに焦点を当てた内容が含まれると考えられています。

また、SOC業務の遂行も、ISCで取り上げることが想定されています。

Information Systems and Controls(ISC:情報システムとコントロール)

  • データガバナンス、データの準備と操作などのデータの利用と管理が含まれる。
  • 情報システム、セキュリティ、ITコントロール、その他関連するテクノロジーの概念が強調される。

 

Tax Compliance and Planning(TCP:税務コンプライアンスとプランニング)

Tax Compliance and Planning(TCP:税務コンプライアンスとプランニング)では、以下のような内容が取り上げられます。

TCP(税務コンプライアンスとプランニング)の専門分野:14のモジュール

  1. 個人の税金の基礎とタックスプランニング
  2. 資産の取得・使用・処分
  3. 税務会計の手法
  4. 企業の連邦税制
  5. 株式会社
  6. 小規模会社
  7. パートナーシップ
  8. 企業のタックスプランニング
  9. 信託
  10. 非課税団体
  11. 複数の国にまたがる税金の基礎知識
  12. テクノロジー
  13. 税務調査
  14. パーソナル・ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス

 

TCPでは、個人や企業のより高度な税務コンプライアンスに加え、個人や企業のタックスプランニングに焦点を当てた追加コンテンツを含む税務トピックを扱います。

個人のタックスプランニングについては、総所得への算入や不算入、贈与税のコンプライアンスやプランニングなどの分野を含むと考えられています。

TCPの企業の税務コンプライアンスの内容としては、連結納税や複数の国にまたがる納税問題などがあります。

また、事業計画には、企業の設立や清算に関する税務上の取り扱いも含むことが想定されています。

 

Tax Compliance and Planning(TCP:税務コンプライアンスとプランニング)

  • 「テクノロジー」が追加され、データを活用した分析レビューや、税務コンプライアンスと、プランニングにおけるテクノロジーの使用に関する規制が強調される(サイバーセキュリティの問題から、重要視される)。
  • 個人のファイナンシャル・アドバイザリー・サービスに関するモジュールは新しい。

 

(4)「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」での試験形式

「コア+専門分野 CPAライセンスモデル(new core + discipline CPA licensure model)」での試験の形式は、現時点(2022年5月時点)では、まだ確定されていません。

ただ、現時点では、4科目(コアスキルから3科目、専門分野から1科目)、各科目4時間の試験になる計画のようです。

科目数と試験時間は変更せず、「Familiar format(慣れ親しんだフォーマット?)」のままになるとAICPAの担当者は予想しています。

 

「コア+専門分野 CPAライセンスモデル」での試験の形式

 

コアスキル

  1. Accounting and Data Analytics(会計・データ分析)☜現行のFAR
  2. Audit and Accounting Information Systems ☜現行のAUD+BEC
  3. TAX(税務)☜現行のREG

 

3科目(全員が受ける科目)

「Technology (テクノロジー)」は、3科目それぞれに含まれます。

 

専門分野

  1. BAR :Business Analysis and Reporting(ビジネス分析と報告)☜現行のFAR+BEC+AUD
  2. ISC :Information Systems and Controls(情報システムとコントロール)☜現行のBEC+AUD
  3. TCP :Tax Compliance and Planning(税務コンプライアンスとプランニング)☜現行のREG

1科目(自分の専門を考えて1科目選ぶ)

 

合計4科目、各科目4時間の試験になると予想されます。

科目名については、AICPAとNASBAの情報では確定したという説明はなく、2022年5月時点では、今後も変わる可能性があるとの記述が掲載されたままです。

コア科目については、CPA Evolutionに基づく2024年CPA試験への移行方針を発表(2022年2月25日)では、以下のような名前になるようにも思えますが、確信が持てていません。

  1. Financial Accounting and Reporting(FAR)
  2. Auditing and Attestation(AUD)
  3. Taxation and Regulation(REG)

今後、試験の形式が確定されましたら、当記事も更新します。

 

 

3.2024年1月の試験制度変更とインフラ変更

2024年1月の試験制度の変更に合わせて、インフラ(出題形式、出題タイプ、ユーザーエクスペリエンス)も変更するようです。

AICPAが公表した2024年のCPA試験のインフラ変更(2022年4月6日)によれば、少なくとも以下の4つの変更を想定しているようです。

2024年1月の試験制度変更とインフラ変更

  1. リサーチおよび関連した批判的思考を異なった方法で評価
  2. Java Script ベースの「SpreadJS」の採用
  3. WC問題の削除
  4. 難易度変化の廃止

 

(1)リサーチ及び関連した批判的思考を異なった方法で評価

リサーチと関連した「批判的思考(Critical Thinking)」が評価できるような「リサーチTBS問題」が導入されるようです。

単に検索するだけで解答できるような「純粋なリサーチ問題」は出題されなくなります。

 

現在の「純粋なリサーチ問題」は、BEC以外の3つの科目(FAR・AUD・REG)で出題されていますが、これはデータベースを検索して解答する形式です。

単にデータベースから適切な引用をするという、検索のみの基礎的なスキルに焦点を当てています。

USCPA試験 リサーチ(Research)問題 これだけは知っておきたい基礎知識と対策 も参考にしてください。

 

2024年1月からの「リサーチTBS問題」では、応用・分析・問題解決などの高度なスキルを重視するようになるようです。

「リサーチTBS問題」とは

  1. 問題を特定する
  2. 事実と添付資料として提供された複数かつ抜粋された「AUTH.LIT.(権威ある文献)」を検討・分析する
  3. 適切な回答をする

 

AUTH.LIT.(権威ある文献)は、現在はテストレット3・4・5にて、データベースの形で提供され、検索し問題の解き方が調べられるようになっています。

ですが、2024年1月からはAUTH.LIT.(権威ある文献)は削除され、Exhibits(添付資料)として掲示されるようです。

AUTH.LIT.の内容(現在はデータベース、2024年1月からは資料添付)

  1. FAR: FASB Codification
  2. AUD:AICPA Professional Standards 、PCAOB Auditing Standards
  3. REG: Internal Revenue Code

 

批判的思考(Critical Thinking)」についても異なった方法で評価されるようですが、「会計及びデータ分析コア」でわざわざ別項目で記載されているので注目したい旨は、既にご紹介をさせていただきました。

高度なスキルが重要視されるのですから、「批判的思考(Critical Thinking)」にさらに「職業的懐疑心(Professional Skepticism)」が絡むようなTBS問題が出題されるようになり、現在より難しくなると個人的には予想しています。

  1. AUTH.LIT.(権威ある文献)の削除の一環として、既に新しいTBS問題が出題されています。
  2. 現在は2024年1月に向けた移行期間中ではありますが、TBS問題の再設計は即日有効となっています。
  3. 今までとの違いとしては、検索をしなくても関連文献が提示されているとのことで、この点だけに関していえばラクな方向への変更だと思います。

 

(2)Java Script ベースの「SpreadJS」の採用

現在は本番の試験では「Microsoft Excel 2016®デスクトップ版」が使用できるのですが、2024年1月からはJavaScriptベースの表計算ソフト「SpreadJS」に置き換わるようです。

Excelについては、USCPA試験 受験中に使える10個のツールの機能と使い方も参考にしてください。

「SpreadJS」は、Excelと同様の機能を多く持っているそうです。

 

置き換えることになった背景としては、Excelだといくつかの機能を使えないようにする必要があり、受験生からExcelが正常に動作しないなどの苦情があったようです。

また、Sample TestでもExcelは提供しないため、事前に練習をする際は自分が使用しているバージョンでのExcelを使用することになり、本番環境での練習ができないという問題がありました。

 

また、将来のリモート受験を見据えて、クラウドベースへの移行に備えておきたいということのようです。

リモート受験については、USCPA(米国公認会計士)試験は、リモート受験(自宅受験)が可能か?を参考にしてください。

 

(3)WC問題の削除

WC問題は、BECでのみ出題されていますが、CPA試験で出題するには適さないとの判断で、2024年1月からは出題をやめることにしたようです。

 

現在のWC問題は、「記述回答の内容の評価」ではなく、「記述能力の測定」に重点を置いています。

よって、単に「うまくコミュニケーションができるか」だけか採点対象となり、「正確にコミュニケーションができるか」は採点対象となっていません。

 

AICPAは、「WC問題は文法に焦点を当て、論理や文章構成についても採点対象としている」と明言しています。

WC問題については、USCPA試験 BECのWC(ライティング)まず知っておきたい概要と勉強法 も参考にしてください。

 

WC問題はコンピュータの自動採点ですが、自動採点では「正確な文章の評価」が難しかったということのようです。

紙試験の頃は人が採点していたので、「正確な文章の評価」が可能だったのだと思いますが、現在のコンピュータ試験では限界があったということでしょうか。

 

WC問題がなければ、WC問題の開発・運営のコスト削減ができたり、スコアリリースの遅れをなくせるといったメリットもあるため、2024年1月の試験制度変更のタイミングでやめるという判断をしたようです。

 

(4)難易度変化の廃止

難易度変化というのは、テストレット2のMC問題でのみ、テストレット1のMC問題の出来により難易度が変わるというものです。

難易度変化

  1. テストレット1がよくできた→テストレット2の難易度が上がる
  2. テストレット1がよくできなかった→テストレット2の難易度は変化なし

詳しくは、USCPA(米国公認会計士)試験の2大特徴 難易度変化とダミー問題 を参考にしてください。

 

以前の試験制度では、MC問題の割合が高く(しかも、MC問題のテストレットが3つあり、テストレット2と3の2回で難易度変化があったと記憶しています)、難易度変化は効率的に受験生の実力を測るのに適していました。

ですが、現在の試験制度では、高次スキルやTBS問題に重点が置かれるようになったため、MC問題で難易度変化をさせるメリットは減少しているので廃止するとのことです。

 

 

4.2024年1月の試験制度変更の影響

2024年1月にUSCPA試験が変更されるわけですが、どのような影響があるのか、考えてみました。

 

(1)移行時に勉強済みで合格できてない科目があると面倒

2024年1月1日で新試験に切り替わり、それより前に合格している科目については、以下のように合格実績が移行されると発表されました。

CPA EXAM TRANSITION POLICY

CPA Evolutionに基づく2024年CPA試験への移行方針を発表(2022年2月25日)

 

この移行方針は、なるべく混乱を招かず、新試験に移行させることが目的です。

2024年1月の新試験制度への科目合格の移行方針

  1. 現行のCPA試験制度でAUD・FAR・REGに合格済みの場合は、新制度で対応するコアのAUD・FAR・REGを受験する必要はない。
  2. 現行のCPA試験試験でBECに合格済みの場合は、新制度での3つの専門分野のいずれかを受験する必要はない。

反対に言うと、現行制度で対策済みなのに、2023年12月31日までに合格できていないと、新制度での対策をし直さないといけないということになります。

移行方針の説明図について

  1. 現行のAUD・FAR・REGと新制度で対応するコアのAUD・FAR・REGが内容が同じということを示しているわけではありません。
  2. 現行のBECが新制度では3つの専門分野に分かれるということを示しているわけでもありません。

CPA試験移行方針に関するFAQも参考にしてください。

 

以前のCPA試験制度変更では、たとえば、「BECだけWC問題なし」から「BECだけWC問題あり」に変更になった時は、「BECは先に合格しておくこと」が試験戦略としておすすめされていました。

2024年1月の試験制度変更については、Beckerの動画では「Focus on passing BEC so you do not have to take a Discipline. (BECに合格することに集中せよ。そうすれば専門分野を受ける必要がないから。)」と言っています。

専門分野の3科目は難易度が高くなると予想しているためで、なるべく受けなくてすむことをすすめています(NASBAのサイトにも「基礎的な内容はコアに、特定の高度な内容は専門分野に組み込まれる可能性がある」との記載があります)。

 

また、他のCPAプログラムプロバイダーも、「BECが一番合格率が高いので、BECは合格しておいた方が良い」と言っています。

またしても、何か対策できることがあるとすれば、「BECは先に合格しておくこと」になりそうですね。

 

追記(2022年4月7日):「2024年の新試験制度ではWC問題がなくなる予定」であることが公表されました。

よって、WC問題が苦手という場合は、「BECは後回しにする」もアリになってきました。

 

(2)テクノロジー関連の試験内容が増える

2024年の試験の変更は、世界の変化、主にテクノロジーの変化に対応するためにあります。

 

現在のCPA試験と、既にテクノロジーが駆使されている実務の現場においてクライアントがCPAに求める内容の間のギャップを解決しようとしています。

財務会計、管理会計、監査、税務といった伝統的な会計の内容に加えて、会計データ分析、デジタルの洞察力、ITガバナンス・コントロールといったテクノロジー関連の内容が多く含まれるようになります。

 

AICPAは、私の記憶が正しければずいぶん前から、AIによる監査の自動化やブロックチェーンなどのテクノロジーの進展に対応するため、データ分析、特に監査データ分析などの点で、USCPA試験の出題方法(出題内容?)も進化していく必要があると言っていたと思います。

また、ITだけではなく、COSO、全社的リスク、サイバーセキュリティーなどにも注目しているとの発言があった思いますので、既に出題されていますが、問われ方が今後また変わっていくのではないかと思っています。

 

出題内容については、Blueprintsが公表されれば、もう少し詳しいことが分かってくると思います。

AICPAは、「Blueprintsは試験の方向性を知るために有益である」との発言をしていますので、2022年7月のBlueprintsのドラフトが公表されるのを待ちたいです。

 

(3)試験の合格率が一時的に下がる

ここ10年くらいの間にも、2011年、2017年に大きな試験変更がありましたが、合格率は通常より落ち込みました。

これは、USCPA受験生が、十分に試験対策ができなかったことによるものです。

 

たとえば、2017年の試験変更の際には、試験内容が変わったわけではないのですが、問われ方が大きく変わりました。

それまでは、記憶・理解・応用といった「下位思考スキル」が問われていましたが、新人USCPAが課題を考え、解決する能力があるかどうかが見極められるよう、分析・評価といった「上位思考スキル」が問われるようになりました。

データ、レポート、その他の情報を基に解く、実務色が濃い問題が出題されるようになり、ただ覚えておけば対応できるような試験ではなくなったため、「上位思考スキル」が身についていない受験生は合格するのが難しくなりました。

 

スキルレベルについては、こちらを参考にしてください。

USCPA試験 Blueprintsのスキルレベルとは?
USCPA試験 Blueprintsのスキルレベルとは?効果的な学習に必須の認識効果的にUSCPAの学習を進めていくために、Blueprintsに書かれている「スキルレベル(Skill Level)」について、ブルームの「教育目標分類法」と併せてご説明していきます。...

 

2004年にコンピュータ試験となり、2011年にはTBS問題が出題されるようになり(Simulation問題自体はその前からありました)、2017年にはTBS問題が増加したり、試験時間が長くなったり、休憩時間が導入されるようになったりもしました。

過去にもこのように試験制度自体の変更はありますが、2024年の変更は20年ぶりの大規模な変更といわれていますので、試験の対策が大変になり、一時的に合格率がガクッと下がることが予想されます。

ですので、既に学習を始めている場合は、試験が変更される2024年1月より前に合格しておくことを強くおすすめします。

 

試験変更と合格率の関係については、以下の記事も参考にしてください。

USCPA(米国公認会計士)試験の合格率から何が分かる?
USCPA(米国公認会計士)試験の合格率から何が分かる?合格率に惑わされないのが吉USCPA試験の直近の合格率がどのくらいなのか、日本の合格率は他国と比べてどうなのか、昔と比べて合格率がどう変わったのか、合格率の傾向などについてご説明していきます。...

 

(4)試験の難易度が高くなる

USCPA試験の難易度は、今より高くなる可能性があります。

残念ながら、この変更によって試験が簡単になるとは考えられません。

 

「WC問題」や「リサーチ問題」の廃止が予定されていることからしても、このようなある意味「ボーナス問題」だった、高いスキルが求められない問題が減ることが予想できるでしょう。

米国の会計有識者の意見を見ても、難しくなるだろうと予想している人が多いようです。

 

(5)受験生が今まで以上に自分の専門を考慮する

新USCPA試験では、1科目だけですが、受験生が受験科目を自分で選ぶので、専門性を磨く後押しになると思います。

特に、米国のCPA受験生は、大学在学時から、どの分野を選ぶか考える必要が出てきます。

米国の大学では、会計学部のカリキュラムについて、既に議論が始まっています。

USCPA試験合格後のキャリアに結び付けて、USCPA試験の分野を選択するというのは、興味深い変更だと思います。

 

自分が新USCPA試験を受けるとしたら、「ISC :Information Systems and Controls(情報システムとコントロール)」を選びたいです。

BIG4の監査業務でも、事業会社の会計業務でも、テクノロジーの知識やスキルが実務で非常に大事だと感じており、そこを強みにしないと生き残れないと感じているからです。

ちなみに、AICPAは2021年の調査報告書でも「会計事務所は、CPAではテクノロジーの知識やスキルが十分ではないため、テクノロジーに関する能力を持つCPA以外のプロフェッショナルを採用することが増えており、非CPAの採用はここ4年で2倍になった」と記載しています。

 

(6)USCPA予備校の負担が増え・対応にばらつきが出る?

現行のCPA試験制度では4科目ですが、新制度では6科目に増えます。

受験生は4科目しか受けませんが、USCPA予備校は6科目分の対策を提供する必要があります。

ただでさえ、過去も新制度になるたびに対応が大変でした(対応できず、USCPA予備校が撤退したりしてきました)ので、今回も大きな負担がUSCPA予備校にのしかかるでしょう。

 

専門分野科目については、日本のUSCPA受験生は自分の得意分野を重視して選びそうですが、日本のUSCPA予備校の対応にばらつきが出るかもしれないので、USCPA予備校の対応状況も選択分野科目を選ぶ要素の1つになるかもしれません。

たとえば、アビタスは、現行制度でもREGの対策は少し弱い気がしますので、新制度の「Tax Compliance and Planning(税務コンプライアンスとプランニング)」の対応も少し弱くなりそうな気もします(あくまでも個人的な感覚です)。

 

 

以上、「【2024年1月】USCPA試験制度の大変更(CPA Evolution)新USCPA試験はどうなる?」でした。

知りたい君
知りたい君
2024年1月のUSCPA試験の変更は、世の中の変化に合わせた大きな変更になるみたいだね。
どこ
どこ
AICPAとNASBAは、CPAのライセンスモデルを「進化(Evolution)」させようとしているわけだね。

特に、試験分野の選択制は、今までの試験になかった新しいしくみだし、どのように変わるのか注目だね。

とはいえ、「進化(Evolution)」であって、「革命(Revolution)」とは言っていないところがポイントかな。

「革命(Revolution)」というと、何もないところから始めるので、先には困難があるというイメージだけど、「進化(Evolution)」だと、今あることを時代に合わせてより良く変化させ、現状維持を打破するというイメージだよね。

つまり、今ある形から、ガラッと大きく変えるのではなく、より良い形に緩やかに変えていくっていうことだから、変更に対して必要以上に恐れる必要はないと思うよ。

でも、もし大きな変更だと思うようだったら、今の試験制度でできる限り多くの科目に合格しておくことをおすすめするよ。

  • 2024年1月より前にUSCPA合格を目指しましょう!

 

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USCPAどこ
ワシントン州USCPA(米国公認会計士)。USCPAの立場から、USCPA試験、USCPAのキャリア、USCPAの人生設計について書いています。BIG4大手監査法人監査人→米国企業経理職@バンコク→大手グローバル企業連結決算担当。