BARはどんな科目で、どのように勉強すればいいのかわからなくて困ったな。
新USCPA試験では選択科目を1つ選ぶことになったけど、日本の受験生はBARを選ぶ場合が多いよね。
BARという科目の特徴、受験対策を解説するね。
新USCPA試験のBARのBlueprintについては、こちらを参考にしてください。
新USCPA試験のFARのBlueprintについては、こちらを参考にしてください。
新USCPA試験のFARの試験対策については、こちらを参考にしてください。
新USCPA試験の選択科目の選び方については、こちらを参考にしてください。
新USCPA試験制度については、こちらを参考にしてください。
USCPAの勉強を始めていない場合「USCPAの始めかた」も参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
新USCPA試験に対応しています。
1.BARはどんな科目?
この記事を読んでくださっているのは、USCPA試験の選択科目でBAR(Business Analysis & Reporting:ビジネス分析と報告)を選んだ方でしょう。
もし、まだ選択科目が選べていない場合USCPA試験の選択科目の選び方を参考にしてくださいね。
2024年からの新USCPA試験で選択科目ができて
- こんなキャリアの人にこの科目を選んでほしい!
- この科目ではこんなことを学んでほしい!
など、旧USCPA試験より求められることが明確になっています。
よって、BARを選んだからには、BARという試験科目についてよく理解してから試験対策を始めた方がいいでしょう。
BARはどんな科目?
- データ分析に重点を置いている
- FARが前提で会計周りのBECの内容も出る
- MC問題とTBS問題が50%ずつ
- 求められるスキルレベルは高い
- 合格率は低い
(1)データ分析に重点を置いている
BARという試験科目がどんな科目かというと、データ分析に重点が置かれた科目です。
財務リスク管理と財務計画手法に関し、USCPA受験生の知識を評価するように設計。
AICPAのBlueprintsによれば、このような内容がBARに含まれます。
- Business combination(企業結合)
- Derivative and hedge accounting(デリバティブとヘッジ会計)
- Employee benefit plan statements(従業員給付制度明細書)
- Data analytics and visualizations(データ分析と視覚化)
出題されるのは高度な会計トピックであり、データ分析ができるかどうかが肝になります。
(2)FARが前提で会計周りのBECの内容も出る
BARは、FARの延長にある科目、つまりFARを前提とした科目です。
新USCPA試験では、3つの必須科目(FAR・AUD・REG)でUSCPA受験生の基礎的な知識を試します。
そして、3つの選択科目(BAR・ISC・TCP)で高度な知識を試します。
新USCPA試験での必須科目と選択科目の関係
必須科目 | 選択科目 | |
会計 | FAR | BAR |
監査 | AUD | ISC |
税務 | REG | TCP |
つまり、会計について、FARで基礎的な知識が試され、BARでは高度な知識が試されることになります。
収益認識、リース、企業結合、デリバティブ、ヘッジ会計、従業員給付制度の財務諸表、その他の専門的な会計が出題されるわけです。
BARには、旧USCPA試験のFARだけではなく、BECで出題されていた内容も含まれます。
BECの内容は、税務科目(REGとTCP)以外に配分されます。
ガバナンスやITはAUDやISCに配分されますが、会計周りはFARかBARに配分されます。
BARでは、管理会計、ファイナンス、経済学などが出題されます。
(3)MC問題とTBS問題が50%ずつ!
BARの得点割合は、MC問題が得点の50%、TBS問題が残りの50%を占めます。
テストレット(問題群)は5つあります。
テストレット1と2は、それぞれ25問のMC問題(四択問題)で、合計50問。
テストレット3、4、5は、2問、3問、2問のTBS問題(事例形式問題)で、合計7問。
BARのMC問題は50問と少ないのですが、得点の割合は50%です。
よって、MC問題も確実に得点していく必要があります。
計算問題が多くなるので、50問だからラクというわけではないです。
(4)求められるスキルレベルは高い!
BARで合格するために必要なスキルレベル(Skill Level)は高いです。
BARは、Remembering and Understanding(記憶と理解)、Application(応用)、Analysis(分析)という3つのスキルレベルがあります。
その中でも、Application(応用)とAnalysis(分析)の割合が大きく、高いスキルレベルが必要となります。
のちほど改めて解説しますが、BARには3つの出題分野があります。
BARの出題分野
- 出題分野1:ビジネス分析(40~50%)
- 出題分野2:技術的な会計と報告(35~45%)
- 出題分野3:州政府と地方政府(10~20%)
Remembering and Understanding(記憶と理解)
記憶と理解は、全体の10%から20%です。
覚えておけば解ける問題はかなり少ないですね。
3つの出題分野が該当しますが、主に出題分野2と3で、会計の概念、フレームワーク、基準に重点を置いて評価されます。
Application(応用)
応用は、全体の45%から55%です。
3つの出題分野が該当します。
会計やビジネスの概念を用いて、企業の業績や財務諸表の金額を測定することが問われます。
例えば、ある取引がビジネスにどのような影響を与えるかを判断し、仕訳をし、財務諸表を作成するなど。
Analysis(分析)
分析は、全体の30%から40%です。
出題分野1と2に集中し、結果の意味づけ、選択肢の比較、勘定残高の照合、合意事項の理解などの能力が試されます。
USCPA試験で必要なスキルレベルについては、こちらを参考にしてください。
(5)合格率は低い
2024年Q1、Q2、Q3の合格率は既に公表されています(12月時点で)。
BARの合格率は、Q1が約43%、Q2が約40%、Q3が約40%でした。
USCPA試験の2024年Q1の合格率(Pass Rate)が公表されました。
なんとTCPの合格率は82.36%で、選択科目の中でダントツで高いです!
REGの合格率も63.42%で、必須科目の中で高くなっています。
40%代から50%代におさまると思っていたので、ここまで差がついて驚きです!#USCPA pic.twitter.com/GMt7Ey1lXv— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) June 6, 2024
USCPA試験の2024年Q2の合格率(Pass Rate)が公表されました。
依然としてTCPの合格率は75.67%と選択科目の中で一番高く、REGの合格率も63.45%と必須科目の中で一番高いです。
ISCの合格率が50.93%から57.93%へと大幅に高くなったのにも注目ですね。#USCPA pic.twitter.com/8cvVUti0UU— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) August 8, 2024
USCPA試験の2024年Q3の合格率(Pass Rate)が正式に公表されました。
Q2と比較し、ISCとTCP以外は誤差の範囲での変化となっています。
ISCは約4%の上昇、TCPは約3%の下落と少し変化がありましたが、これは母数の変化によるものでしょうね。#USCPA pic.twitter.com/9dQpaP0gFY— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) November 18, 2024
BARは選択科目の中で一番低かったことになります。
FARも低かったですし、やはり計算問題がある科目の合格率は低めな気はします。
とはいえ、TCPは色々な事情で高かったので、比較対象として適していません。
今後は、FARもBARも、50%に近づいていくはずです。
USCPA試験の合格率については、こちらを参考にしてください。
2.BARはどう試験対策をする?
新USCPA試験でのBARの試験対策を解説します。
BARの試験対策
- 出題内容をよく理解すること
- FARとBARを同時並行で学習・受験しないこと
- 出題分野2から学習を始めること
- メリハリをつけて学習を進めること
- TBS問題に十分な時間を残すこと
- 覚えた方がいいものをまとめておくこと
- 問題集を追加でやること
(1)BARの出題内容をよく理解すること
BARの試験内容は、ビジネス分析と報告に関する高度な概念をカバーするものです。
どんな内容を押さえておけばいいのでしょうか。
BARの出題内容は、以下のようになります。
BARの出題内容
- 財務諸表・財務情報の分析(過去の実績と予算や予測との比較、取引イベント・市場の状況が財務や非財務的パフォーマンス指標に与える影響の算出、投資案の比較など)
- 営利企業に適用される専門的な会計と報告要件(株式報酬、企業結合、デリバティブ、ヘッジなど)、高次スキル(収益認識とリース会計といった特定のトピック)
- 州・地方公共団体に適用される会計と報告要件
- 旧USCPA試験制度でのBECの内容(非財務的業績評価、管理会計および原価計算の概念、差異分析、予算作成など)
また、BARには3つの出題分野があります。
出題分野に沿って、さらに出題内容を見てみましょう。
BARの出題分野
- 出題分野1:ビジネス分析(40~50%)←BECの内容を含む
- 出題分野2:技術的な会計と報告(35~45%)←旧FARの内容を含む
- 出題分野3:州政府と地方政府(10~20%)←旧FARの公会計の内容を含む
出題分野1:ビジネス分析(40~50%)
出題分野1では、過去、現在、将来の財務分析が出題されます。
また、旧BECのCost Accounting(管理会計)や 経済学が含まれます。
- データの活用を含む、現在または過去の分析
- データの活用を含む、予測分析
出題分野1はBECの内容を含むことに留意してください。
旧BECはWC問題(ライティング問題)があったため、キーワードを押さえたり、自分の言葉で説明するといった対策が必要でした。
新試験ではWC問題がなくなったため、この点では対策がラクになっています。
とはいえ、高いスキルである分析レベルが求められるので、決してカンタンになったわけではないので注意しましょう。
出題分野2:技術的な会計と報告(35~45%)
出題分野2では、FASB Codificationの技術的な財務会計・報告要件が出題されます。
以下のようなものが出題されます。
- のれんを含む無期限無形固定資産
- 自社開発ソフトウェア
- 収益認識
- 株式報酬
- 研究開発費
- 企業結合
- 連結財務諸表
- デリバティブとヘッジ会計
- リース
- 公開企業の報告トピック
- 従業員給付制度に関する財務諸表
出題分野2は旧FARの内容を含むことに留意してください。
旧FARで出題されていた論点の中でも、応用的な内容がBARで出題されるわけです。
とはいえ、収益認識とリース以外は高いスキルは求められませんので、そこまで心配はいらないでしょう。
出題分野3:州政府と地方政府(10~20%)
出題分野3では、GASB基準や解釈指針に基づき、州政府や地方自治体に対する財務会計・報告要件が出題されます。
以下のようなものが出題されます。
- 年次包括財務報告書の財務セクションのフォーマットと内容
- 政府全体の財務諸表の導出と調整要件
- 代表的な項目と特定のタイプの取引や事象:公企業の財務諸表における測定、評価、計算および表示
出題分野3は旧FARの公会計の内容を含むことに留意してください。
高いスキルは求められず、MC問題での出題となるでしょう。
MC問題が全体の50%、その中で10%から20%の出題割合となるので、MC問題の中では20%から40%も占めます。
MC問題の中でかなりの割合を占めるので、しっかり対策をする必要があります(多く出題されるとはいえ、旧FARほどではない)。
詳しくは、BARのBlueprintsを参照してくださいね。
(2)FARとBARを同時並行で学習・受験しないこと
FARの次にBARを学習・受験する方が多くなると思います。
順番としては、FAR→BARというのが効率的でしょう。
FARとBARを同時に学習・受験した方がいいのでは?と思われるかもしれません。
ですが、FARとBARを同時並行で学習・受験するのはおすすめしません。
なぜなら、どのくらいのレベルで合格できるのかわからないため、学習が多すぎたり、反対に足りなかったりする可能性があるからです。
まずはFARを受験し、合格レベルを把握(たとえFARに不合格であっても)。
それからBARの学習をするのがいいと思います。
(3)BARは出題分野2から学習を始めること
BARの中でもFARと内容が被っている(近い)出題分野2から学習を始めることをおすすめします。
BARの出題分野は以下の3つですね。
BARの出題分野
- 出題分野1:ビジネス分析(40~50%)←BECの内容を含む
- 出題分野2:技術的な会計と報告(35~45%)←旧FARの内容を含む
- 出題分野3:州政府と地方政府(10~20%)←旧FARの公会計の内容を含む
出題分野2はFARの内容と近いです。
多くの方は、FARの次にBARの学習をすると思いますので、出題分野2(アビタスの場合Vol2)から学習するとスムーズでしょう。
もしFARが不合格でFARの学習に戻る場合も、出題分野2の学習をしているところであれば、違和感がないでしょう。
(4)BARはメリハリをつけて学習を進めること
BARは応用論点が出題されるため、理解するのが難しく、論点によっては試験対策に時間がかかります。
よって、メリハリをつけて学習を進める必要があります。
BARの学習の優先度はこのようになります(自分だったらこのような優先度で学習するというもので、必ずこうなるというものではありません)。
低いスキルレベル(Remembering and Understanding)が必要な論点から始め、高いスキルレベル(Analysis)が必要な論点もできるようにするといいでしょう。
また、出題割合が多い論点に時間をかけるといいでしょう。
つまり、3つの出題分野について低いスキルレベル(Remembering and Understanding)の論点をマスターする。
出題分野3については、MC問題での出題がメインで、Applicationレベルまでしかないので確実にマスター。
出題分野1については、TBS問題での管理会計とファイナンスの計算問題までできるように。
出題分野2については、Analysisレベルまで出るのはリースと収益認識なので、この2つはしっかり対策しておく。
このように学習を進めると効率的ではないでしょうか。
(5)BARはTBS問題に十分な時間を残すこと
BARは4時間のコンピューター・ベースの試験です。
この限られた時間の中で、すべての問題を解き終えるためには、タイムマネジメントが重要です。
BARの試験でのおすすめの時間配分は、以下のようになります。
BARはデータ分析に重点が置かれているため、TBS問題に時間がかかることが想定されます。
よって、テストレット1と2のMC問題に時間をかけすぎず、テストレット3、4、5のTBS問題に十分な時間を残す必要があります。
BARのおすすめの時間配分については、こちらを参考にしてください。
(6)覚えた方がいいものはまとめておくこと
旧BECのときもそうだったのですが、暗記しておいた方がいい事項は自分なりにまとめておいた方がいいです。
とはいえ、どのようにまとめたらいいのかわからないということもあるでしょう。
BARのまとめをしてくれている人がいたので、cheat sheetを参考にしてください。
内容が合っているかの検証はしていないのでご注意ください。
(7)BARの問題集を追加でやること
選択科目については、新USCPA試験が始まったばかりですので、まだまだ問題が少ないです。
よって、自分の予備校以外の問題集を取り入れてもいいでしょう。
Darius Clarkという人がUSCPAの動画(i75)を出していますが、2024年新USCPA試験の問題集をAmazonで販売しています。
動画は評判がいいため、問題集もおそらくいいのではないかと思います(使った人の評判は悪くないです)。
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普通に購入すると15,000円ほどしてしまって高いです。
なので、Kindle Unlimitedに加入していない場合は、加入してもいいかもしれません。
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Darius Clark 2024 CPA Reviewシリーズ
USCPA試験の洋書問題集については、こちらを参考にしてください。
3.BAR受験体験記・感想、手応えと結果は?
BARを実際に受験したUSCPA受験生からの受験体験記や感想、そして手応えと結果を紹介します。
まだBARを受験した人が少ないので、今後どんどん追記していきます。
(1)アビタス受講生:BAR合格
BARの情報は少なく対策が大変だった。
結果的に、アビタスのテキスト・問題集、AICPAリリース問題だけで対応可能だった。
(2)アビタス受講生:BAR合格
新試験制度になってすぐに受験。
予想していた出題範囲と本番はズレを感じた。
正直全く手応えはなかったが、合格していたので驚いた。
(3)アビタス受講生:BAR合格
正直なところ全く手応えはなかった。
計算問題が多く、合っているのか自分では判断できないので。
(4)アビタス受講生:BAR合格
BARは管理会計やファイナンスなどの計算を重点的に対策したが、実際はそこまで出題されなかった。
旧試験でのFARの論点の細かい例外的な処理方法がよく狙われていた。
(5)アビタス受講生:BAR合格
BARは他の科目より簡単で手応えがあった。
手応えがあると逆に落ちているという話を聞いていたので、不安があった。
本番は時間を守って解いた。
わからない問題は周りもわからないから点差がつくことはないと前向きに捉えるようにしていた。
(6)アビタス受講生:BAR合格
MC問題は3周、TBS問題は2周、正解率の低い問題を数回。
そして、リリース問題と模擬試験を解いた。
本番では4時間ちょうどかかって、時間の余裕はなかった。
(7)アビタス受講生:BAR不合格
TBS問題で「こんなのは習ってない、アビタスの教材にはなかった」と思ったが、アビタスのテキストを読み返したら、しっかり載っていた。
どのように出題されるのか分かったので、テキストでインプットして、再受験するつもり。
(8)アビタス受講生:BAR合格
仕訳を意識して演習しておいた。
本番でも基本的な問題は全く落とさなかったので手応えがあった。
TBS問題が非常に難しかったが、基本的な問題はできたので不合格にはならないと思った。
(9)アビタス受講生:BAR合格
テストレット3までは非常に解きやすい基礎的な問題が多く、かなり手応えがあった。
だが、テストレット4と5は非常に計算が必要な問題が多く、特にテストレット5の問題で細かい論点が問われたため、手応えが全く感じられなかった。
結果として合格できたのは、MC問題はしっかり得点し、TBS問題で難しい問題であっても諦めずに何とか解答を出したことだと思う。
BARは手ごたえはなかったが合格していたという受験生が多かった印象。
Q&A:BARに関するよくある質問
(1)旧FARのどの部分がBARに移ったの?
旧USCPA試験のどのFARの部分がBARに移ったのかというと、以下のようになります。
BARに再配分される旧USCPA試験制度でのFARの内容
- のれんを含む無期限無形固定資産
- 自社開発ソフトウェア
- 収益認識(「分析(Analysis)レベル)
- 株式報酬
- 研究開発費
- 企業結合
- 連結財務諸表
- デリバティブとヘッジ会計
- リース(セール・リースバック・賃貸側)
- 公開企業の報告
- S-X・S-Kの報告要件
- XBRL
- 報告対象セグメントの開示
- 従業員給付制度に関する財務諸表
- 政府会計
- 年次包括財務報告書の財務セクションのフォーマットと内容
- 政府全体の財務諸表の導出と調整要件
- 代表的な項目と特定のタイプの取引や事象
たとえば、収益認識やリースは、新USCPA試験でのFARに残りますが、BARでより高度なレベルで出題されることになります。
また、旧USCPA試験制度のFARにあった「州政府と地方政府」の出題分野が、BARに移行しています。
とはいえ前述の通り、出題分野はなくなっていますが、新USCPA試験のFARでも出題されます。
アビタス受講生向けに説明すると、BARに移った旧FARの内容は以下のようになります。
BARに移った旧FARの内容
- FAR2 無形資産 →BARの13章
- FAR3 株式に基づく報酬 →BARの14章
- FAR4 企業結合 →BARの15章
- FAR4 財務諸表の換算 →BARの16章
- FAR4 デリバティブ →BARの17章
- FAR2 リースの応用的な会計 →BARの18章
- 新規論点(公開企業の財務報告) →BARの19章
- FAR3 年金 →BARの20章
- FAR2と4 その他の応用論点 →BARの21章
- FAR5 公会計 →BARの22章~29章
FAR5 公会計については、BARに移ってもほぼ同じで、MC問題での出題と考えられます。
暗記をすれば対応できますし、MC問題の中では5問に1問くらいを占めるので、旧FARと同じく得点源になります。
企業結合、デリバティブ、その他の応用論点は、難易度が高いでしょう。
理解に時間がかかると思われます。
Analysisレベルのスキルが求められTBS問題で出題されるので、しっかりと対応する必要があります。
新USCPA試験のFARのBlueprintについては、こちらを参考にしてください。
新USCPA試験のFARの試験対策については、こちらを参考にしてください。
(2)BECのどの部分がBARに移ったの?
旧USCPA試験のどのBECの部分がBARに移ったのかというと、以下のようになります。
BARに再配分される旧USCPA試験のBECの内容
- 非財務的な業績評価
- 管理会計と原価計算の概念
- 差異分析
- 予算編成、予測分析
- 企業の資本構造に影響を与える要因(レバレッジ、資本コスト、流動性、ローン条項など)
- 投資案の比較に使用する財務評価の意思決定モデル
- COSOの企業リスクマネジメントフレームワーク
- 経済状況の変化や市場の影響が企業の事業に及ぼす影響
アビタス受講生向けに説明すると、BARに移ったBECの内容は以下のようになります。
BARに移ったBECの内容
- BEC1 管理会計 →BARの1章~5章
- BEC2 ファイナンス →BARの6章~10章
- BEC5 ERM →BARの11章
- BEC3 経済学 →BARの12章
BEC1管理会計とBEC2ファイナンスについては、計算問題が多いです。
試験対策に時間がかかりますし、本番でも解くのに時間がかかるでしょう。
配点割合が大きいので、得点できないと不合格の可能性が高まりますので、苦手分野を作らないようにしましょう。
経済学とERMについては、出題が少ないです。
Blueprintsを見ながら強弱をつけて試験対策しておくといいでしょう。
経済学はまんべんなく出題されるので、特にメリハリが大事。
(3)BARは旧FARやBECより難しくなったの?
BARは旧FARやBECの内容を含んでいますが、比較して難しくなったのでしょうか。
難しくなったという感じはしないです。
たしかに、今まで旧FARやBECでは出題されていなかった難しい問題が出題されるようになっています。
とはいえ、今までの教材でも解けるようなレベルの問題であり、試験対策が難しいというわけではありません。
(4)リースはFARとBARの両方で出題されるの?
はい、リース(Lease)は、FARとBARのどちらでも出題されます。
よって、FARとBARの両方の講義・教材で確認した方がいいでしょう。
ちなみに、リース(Lease)は、FARとBARで明らかな違いがあります。
- FAR:借手側(Lessee)のリース会計が出題
- BAR:貸し手側(Lessor)のリース会計が出題
FARを学習したすぐ後にBARを学習するのならいいのですが、少し時間が空く場合。
FARのリースのMC問題が解けることを確認してから、BARのリースのMC問題・TBS問題にとりかかった方がいいと思いますよ。
詳しい内容は、USCPA予備校の講義・教材で学習してくださいね。
Blueprintでどのように書かれているかだけ解説します。
①FARのリース(Lease)
FARでは借手側のリース会計が出題されます(Leases, specifically focusing on recalling and applying lessee accounting requirements. )。
出題分野3「取引の選択」にリース(Lease)のタスクが載っています。
FARのリース(Lease)のスキルレベルは、Remembering & Understanding と Applicationだけなので、MC問題で主に出題されると考えていいでしょう。
FARのリース(Lease)のタスク
- 借手のリース取決めに含まれる残価保証、購入オプション、変動リース料の適切な会計処理を想起。R&U
- 借手のリース取引を分類するための基準を識別。R&U
- リース関連資産・負債の帳簿価額を計算し、借手が計上すべき仕訳を作成。Application
- 借手が損益計算書で認識すべきリース費用を計算。Application
②BARのリース(Lease)
BARでは貸手側のリース会計、そして、リース契約の条項が分析できるかが出題されます(Leases, specifically focusing on recalling and applying lessor accounting requirements and analyzing the provisions of a lease agreement to determine whether a lessee appropriately accounted for the lease.)。
出題分野2「技術的な会計と報告」にリース(Lease)のタスクが掲載されています。
BARのリース(Lease)のスキルレベルは、Remembering & Understanding と Application、Analysisの3段階で、MC問題だけではなく、TBS問題でも出題されます。
Analysisのスキルレベルまで出題されることに留意。
BARのリース(Lease)のタスク
- 貸手のリース取引を分類する基準を明確化。R&U
- リース関連資産・負債の帳簿価額を計算し、貸手が計上すべき仕訳を作成。Application
- 貸手が損益計算書で認識すべきリース収益の金額を計算。Application
- セール・アンド・リースバック取引について、売手/借手が計上すべき仕訳を作成。Application
- リース取引の適切な会計処理を判断するために、契約書、合意書、その他の裏付け書類を解釈し、借手が計上すべき仕訳を作成。Analysis
(5)収益認識はFARとBARの両方で出題されるの?
はい、収益認識(Revenue Recognition)は、FARとBARのどちらでも出題されます。
よって、FARとBARの両方の講義・教材で確認した方がいいでしょう。
FARを学習したすぐ後にBARを学習するのならいいのですが、少し時間が空く場合。
FARの収益認識のMC問題が解けることを確認してから、BARの収益認識のTBS問題にとりかかった方がいいと思いますよ。
詳しい内容は、USCPA予備校の講義・教材で学習してくださいね。
Blueprintでどのように書かれているかだけ解説します。
①FARの収益認識(Revenue Recognition)
FARでは5ステップモデル、非営利団体が受領した寄付金の収益認識会計が出題されます(Revenue recognition, specifically focusing on recalling and applying the five-step model and accounting for contributions received by not-for-profit entities. )。
出題分野3「取引の選択」に収益認識(Revenue Recognition)のタスクが載っています。
FARの収益認識(Revenue Recognition)のスキルレベルは、Remembering & Understanding と Applicationだけなので、MC問題で主に出題されると考えていいでしょう。
FARの収益認識(Revenue Recognition)のタスク
- 5ステップモデルを使用した収益の会計処理の概念を想起。R&U
- 非政府・非営利組織の条件付および無条件の寄附約束(プレッジ)に関連する認識要件を想起。R&U
- 代理人または仲介者として活動する非政府非営利団体への移転で、寄付として認識されないものを特定。R&U
- 5ステップモデルを使用して認識すべき収益の金額と時期を決定し、仕訳を作成。Application
- 契約原価の認識要件と事後測定要件を決定し、仕訳を作成。Application
- 非政府の非営利団体が受領した寄附金サービスに対して認識すべき収益の金額と時期を決定し、仕訳を作成。Application
- 非政府非営利団体への拠出金(金融資産及び非金融資産)について認識すべき金額を計算。Application
②BARの収益認識(Revenue Recognition)
BARでは収益が適切に認識されたかどうかを判断するための契約書、合意書、その他の根拠資料を分析・解釈できるかが出題されます(Revenue recognition, specifically focusing on the analysis and interpretation of agreements, contracts and other supporting documentation to determine whether revenue was appropriately recognized. )。
出題分野2「技術的な会計と報告」に収益認識(Revenue Recognition)のタスクが掲載されています。
BARの収益認識(Revenue Recognition)のスキルレベルはAnalysisのみで、TBS問題のみで出題されます。
Analysisレベルでのみ出題されることに留意。
BARの収益認識(Revenue Recognition)のタスク
- 合意書、契約書、その他の裏付け文書を解釈し、5ステップモデルを使用して財務諸表で認識すべき収益の金額とタイミングを決定。Analysis
- ソースデータ及びデータ分析技術(レポート、ビジュアライゼーションなど)からのアウトプットを解釈し、5ステップモデルを使用して財務諸表における収益の認識における潜在的な不一致(エラー、異常値、予期せぬ契約要素等)を検出、調査、解決。Analysis
(6)BARのリリース問題はあるの?
BARのリリース問題(AICPAのReleased Questions)は2024年のものだけあります。
ちなみに、リリース問題と言うのはUSCPA試験の過去問で、リリ問と呼ばれています。
新USCPA試験でのBAR対策として、どのリリース問題をやる?
- 2024年のBARの問題
- 旧USCPA試験でのFARでBARに移った内容の問題
- BECでBARに配分された内容の問題
旧USCPA試験のFARは、一部BARに移っています。
また、BECの内容は、BARに配分されています。
よって、旧USCPA試験でのFARの一部とBECの一部の問題をやることになるわけです。
アビタス受講生ならば、アビタスがリリース問題の分類をしてくれています。
また、リリース問題の分類表を用意してくれていますので、その表を見ながらBARに該当する問題を解くといいですね。
USCPA試験のリリース問題(Released Questions)は、新試験になったため、どの問題が新試験のどの科目になったか見分ける必要があります。
アビタスが2019年〜2023年の問題を分類してくれました!
受講生サイト→資料室→受験直前対策→AICPA Released Questions→■Released Questions Evo対応表 pic.twitter.com/DMG0AQWJso
— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) January 18, 2024
多少、FARなのかBARなのか分類が不明な問題があるかもしれません。
その場合は、FARかもしれない問題も解いておけばいいと思います。
また、BECの問題については、FAR、BAR、AUD、ISCに配分されているので、どれがBARなのかわからないかもしれません。
その場合は、ガバナンスとIT関連の問題は除いて、他の会計関連の問題(Cost Accounting)はBARと考えると分類しやすいでしょう。
AICPAのリリース問題については、こちらを参考にしてください。
(7)BARでリサーチ問題は出題されるの?
BARでリサーチ問題は出題されます。
とはいえ、新試験では本番で Authoritative Literature のデータベースが使えなくなっており、単純な検索スキルは試されません。
USCPA試験のリサーチ問題は、旧試験では「基本的なリサーチ問題」、新試験では「応用的なリサーチ問題」です。
新試験で抜粋され添付されるAuthoritative Literatureは、旧試験と大きな違いはないでしょう。
なので、旧試験と同じく、会計基準・監査基準・税法は理解しておいた方がいいと思います。 pic.twitter.com/nGtxf3PeBl
— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) February 13, 2024
BARの場合は、FASB Accounting Standards Codification 資料が添付されると考えられるので、どんな構成なのか見ておくといいでしょうね。
USCPA試験のリサーチ問題については、こちらの記事を参考にしてください。
(8)BARでダミー問題は出題されるの?
BARでダミー問題(Pretest Questions)は出題されます。
Pretest Questions(採点されない問題、通称「ダミー問題」)が2024年からの新USCPA試験でもあるかどうかですが、あります!
2024年1月31日(日本時間4時)のNASBA主催のウェビナーで、各科目にあると言っていました。 pic.twitter.com/QqNvp4bDOr
— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) February 5, 2024
AICPAに問い合わせましたが、ダミー問題が何問出題されるのかは公表しないそうです。
本番の試験では、どの問題ががダミー問題なのかわかりません。
よって、全ての問題にしっかり向き合うことが大切だと思いますよ。
「ダミー問題かわかるようになっていないと合格レベルに達していない」ということはないです。
ダミー問題かどうかにかかわらず、すべての問題を解くべき。
ただし、初めて見た問題で、難しく、解くのに時間がかかりそうな場合、後回しにしたり、あまり時間をかけずに次の問題に進むのがいいでしょう。— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) February 9, 2024
(9)BARはFARより難しいの?
BARはFARが前提となっており、FARの延長線上にあります。
BARはFARより専門的であることは確かです。
難易度は、トピックに対するあなたの慣れや準備の程度によって異なります。
ですので、BARはFARより難しいとは言い切れません。
とはいえ、BARはFARが前提ですので、FARを学習した後に準備を始めるのがおすすめです。
FARとBARを並行して学習するのではなく、FARで合格レベルの感触を得てから、BARの学習を始めるのが安全でしょう。
(10)BARの勉強時間は何時間くらい必要?
BARの勉強時間ですが、300時間くらいではないかと思います。
人によって違うのですが、旧試験のBECよりは時間がかかる感じでしょうか。
週20時間の勉強時間が確保できれば、15週間くらいで受験可能な状態に。
また、受験の順番にもよります。
BARはFARの応用科目です。
よって、FARに続けてBARの勉強ができれば、効率よく進められるため、もう少し時間が短縮できるかもしれません。
反対に、FAR→AUD→REG→BARなど、FARの勉強の後しばらく時間がたってしまった場合は、FARの内容を忘れてしまっているため、もう少しかかるかもしれません。
(11)2025年にBARの内容は変更がある?
BARは2025年に試験内容の変更があります。
大きくは2点です。
2025年以降にFAR・BARを受験するアビタス受講生は、FAR補足テキストが受講生サイトに掲載されているので確認が必要です。
FARになっていますが「耐用年数が無期限の無形資産」など、BARのBlueprint改訂に関連していますね。 https://t.co/ftMY3MXq5q— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) December 3, 2024
アビタス受講生であれば、既に「補足テキスト」が受講生サイトに掲載されているので、かならず確認してくださいね(ただ、BARの変更なのにFARの変更に掲載されています)。
BARの改定は2025年USCPA試験Blueprints改訂を参考にしてください。
以上、「【2025年最新】BARはどんな科目?試験対策をUSCPAが解説!」でした。
FARを前提にしているから、しっかりFARを押さえてから、心してBARに取りかかることにするよ。
でも、合格率に関しては、他の科目と比較して低くならないように調整が入ると思うよ。
なので、難しいからといって、他の選択科目にしようかなと思わなくていいだろうね。
本番ではTBS問題の時間が足りなくならないように気を付けるのが大事だね。
USCPA試験については、どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
新USCPA試験に対応した改訂版が出ています!
USCPAの勉強を始めていない場合は「USCPAの始めかた」も参考にしてください。