【USCPA試験】基礎情報

USCPA(米国公認会計士)試験 合格率から何が分かる?合格率に惑わされないのが吉

知りたい君
知りたい君
USCPA(米国公認会計士)試験の勉強を始めたよ。

USCPA試験の合格率って、どのくらいなのか知りたいな。

合格率が高くてお得な時期ってあるのかな。

昔より今の方が試験も難しくなって、合格率が下がったりしてないのかな。

どこ
どこ
どこは、ワシントン州のUSCPA(米国公認会計士)だよ。

USCPA試験の直近の合格率がどのくらいなのか、昔と比べて合格率がどう変わったのか、日本の合格率は他の国と比べてどうなのか、合格率にはどのような傾向があるのか、深堀りして説明していくね。

 

1.USCPA試験の合格率とは

USCPA試験の合格率については、AICPAが四半期ごとに公表しています。

過去の合格率を見ていただくと分かるのですが、合格率は変動しています。

 

合格率が変動するのは、試験の難易度が変動するからでしょうか。

いいえ、違います。

 

AICPAによれば、合格率は「USCPA受験生がどれだけ試験の準備ができていたか」を示すものです。

つまり、合格率が高かったときは、試験が簡単だったわけではなく「しっかりと準備をして試験に挑めた受験生が多かった」ということを示すということでしょう。

 

過去にさかのぼってみていくと、合格率の変動には傾向があることが分かってきます。

ですが、このことを理解していれば、「合格率が高いときに自分も受験しよう」などという、的外れの受験計画をすることがなくなるでしょう。

 

2.最近の合格率

まず、最近のUSCPA試験の合格率を見ていきましょう。

2020年度と2021年度の合格率(小数点以下四捨五入)は、以下のようになります。

AICPA公表のUSCPA試験の合格率

 

(1)2020年度の合格率

2020年度の合格率は、以下の通りです。

科目 Q1 Q2 Q3 Q4 累計
AUD 48% 65% 57% 48% 53%
BEC 62% 77% 70% 61% 66%
FAR 46% 63% 56% 44% 50%
REG 55% 75% 66% 58% 62%

 

2020年は、1年を通して、4科目とも合格率が高くなりました。

2020年のQ2とQ3の合格率は異常な高さで、Q2の合格率は、過去10年の中で最も高くなりました。

特に、BECの2020年Q2の合格率は、Q1より15%増の77%で過去最高だったそうです。

 

2020年の合格率の急上昇は、新型コロナが原因です。

世界のほとんどの地域でロックダウンが実行されていたため、受験者にとっては勉強時間が増え、勉強時間を奪うような用事が減っていました。

AICPAによれば、合格率が上がっただけでなく、スコアも向上していたそうです(4科目全てにおいて、MC問題、TBS問題、WC問題で通常よりスコアが良かったそうです。

 

2020年は特殊な年だったので、これから受験するあなたにとっては、あまり参考にはならないかもしれません。

ですが、過去の合格率と比較する際に間違った解釈をしないよう、急上昇した理由を挙げ、あえて記載しておきます。

 

(2)2021年度の合格率

2021年度の合格率は、以下の通りです。

科目 Q1 Q2 Q3 Q4 累計
AUD 49% N.A. N.A. N.A. 49%
BEC 62% N.A. N.A. N.A. 62%
FAR 47% N.A. N.A. N.A. 47%
REG 59% N.A. N.A. N.A. 59%

注)2021年5月31日時点では、2021年はQ1だけが発表されています。

2021年Q1の合格率は、2020年Q1の合格率と大きな差異はありません。

現時点では、2021年度のQ2、Q3、Q4の合格率も、通常と同じくらいに戻ると思われます。

 

3.日本を含めた国ごとの合格率

次に、日本を含めた国ごとの合格率を見ていきましょう。

 

(1)2018年度の国ごとの合格率

2018年の国ごとの合格率をサイトに記載している方がいたので、参考にさせていただきました。

CPA Exam Pass Rate BY Country

 

CPA受験生の数が多い上位5ヶ国の2018年の合格率は、以下の通りです。

ちなみに、米国を除けば、日本が一番CPA受験生が多いです。

国名 受験者数 合格率
日本 1,852名 43.1%
インド 1,378名 41.7%
中国 1,283名 50.5%
韓国 988名 48.3%
カナダ 327名 51.8%

 

2018年の日本の合格率は43.1%だそうです。

このデータを見る限りは、日本の合格率はそこまで低くないと思うのですが、いかがでしょうか。

 

(2)最近の日本の受験生について

NASBAが、日本の受験生の合格率の詳細データを公表したのは、2014年の分が最後です(もし、最近また公表していましたら、教えていただけると嬉しいです)。

2014年当時は、日本の受験生が年々減少しており、合格率もあまり高くなかったです(それは、日本だけではなく、全体的にですが)。

「日本の受験生の合格率は、実際はかなり低い、だまされるな(?)」などと言われたりしていますが、2014年当時のデータを見て言っている方が多いです。

2014年当時とは状況が変わっていますし、2014年のデータでは古過ぎではないでしょうか。

 

2014年当時は、日本でのUSCPAブームは去ったのかと思っていたのですが、最近は、アビタスの広告宣伝の効果もあるのか、USCPAの認知度が上がり、色々な方がUSCPAに挑戦するようになっています。

さらに、日本で受験できるようになったので、気軽にUSCPA試験にチャレンジできるようになりました。

合格率自体は、日本では色々な方が挑戦できるので、他の国と比べるとそこまで高くないかもしれません(TOEICのスコアも、同じ理由で高くないですよね)。

 

とはいえ、きちんと試験の準備をして受験すれば合格するので、合格率はあまり気にしなくてもいいかと思います。

試験の準備が十分でなければ不合格になるだけ、合格率は関係なく、自分は自分、しっかりと勉強すればいいだけでしょう。

 

4.過去の科目ごとの合格率の推移

さらに、科目ごとの合格率の推移を見ていきましょう。

 

(1)AUDの合格率

過去のAUDの合格率は、以下の通りです。

合格率
2016 46%
2017 49%
2018 51%
2019 51%
2020 53%

 

AUDの合格率は、50%前後ですが、合格率はわずかに右肩上がりです。

そして、4科目の中ではちょうど平均的な合格率となっています。

米国の受験生にとっては、AUDは大変な科目という認識はあまりないようです。

ですが、日本の受験生の一定数は、「AUDの沼」にはまってしまう場合があるので、もう少し合格率が低いのではないかと思います。

 

(2)BECの合格率

過去のBECの合格率は、以下の通りです。

合格率
2016 55%
2017 53%
2018 59%
2019 60%
2020 66%

 

BECの合格率は、60%前後で、合格率は右肩上がりと言っていいでしょう。

そして、4科目の中で最も高い合格率となっています。

BECの合格率が高いのは、BECは最後に受験をする受験生が多いので、既にFARやAUDの知識を活かせるからだと言われています。

ですが、これは米国の受験生の場合で、日本の受験生は、FARの次に受験する場合が多いですし、WC問題(記述式問題)でハンデがあるので、そこまで合格率が高くないと思います。

 

(3)FARの合格率

過去のFARの合格率は、以下の通りです。

合格率
2016 46%
2017 44%
2018 46%
2019 46%
2020 50%

 

FARの合格率は、45%前後で、合格率の変動はあまり大きくないと言えるでしょう。

そして、4科目の中で最も低い合格率となっています。

FARの合格率が低いのは、USCPA受験生にとって、最も準備が大変な科目だからだと言われています。

FARの範囲が広いこと、単に暗記するだけではなく、関連する概念を理解して仕訳や計算をする必要があることなどが原因として挙げられます。

とはいえ、それは米国の受験生の場合でしょう。

日本の受験生は日商簿記2級くらいに合格しているパターンが多く、そこまで準備が大変だと思う人は少ないと思うので、もう少し合格率は高いのではないかと思います。

 

(4)REGの合格率

過去のREGの合格率は、以下の通りです。

合格率
2016 48%
2017 47%
2018 53%
2019 56%
2020 62%

 

REGの合格率は、最近は50%を超えてきています。

そして、4科目の中ではちょうど平均的な合格率となっています。

REGは、税法やビジネス法など会計以外の分野が問われますので、会計しかなじみがなかった受験生にとっては、取っつきにくい科目です。

とはいえ、REGは準備が大変だという声をあまり聞きません。

特に、日本の受験生は、最後にREGを受験する場合が多いので、気持ちにゆとりをもって十分に準備をしてから受験をしており、合格率も高めかと思います。

 

(5)推察:科目ごとの合格率の推移

2016年から2020年の5年間の科目ごとの合格率を記載しましたが、約20年間の合格率を見ても、基本的には右肩上がりで合格率が上がってきています。

 

ただし、2011年のUSCPA試験の大きな改正があったのち、科目ごとの合格率には、大きな差が出るようになりました。

2011年までは、各科目の合格率にほとんど差はありませんでした。

 

2011年のUSCPA試験の改正までは、FAR、AUD、REGの3科目でWC(記述式問題)が出題されていましたが、2011年以降は反対に、BECだけでWC(記述式問題)が出題されることになりました。

また、FARでIFRSが出題されるようになりました。

 

2011年のUSCPA試験の改正後は、BECの合格率が他の科目に比べて高くなり、FARの合格率が他の科目に比べて低くなっています。

日本人受験生の間では、WC(記述式問題)は大変だというイメージが強いのですが、米国の受験生にとっては、WC(記述式問題)はスコア獲得源で、BECの合格率が高くなったのかもしれません。

また、FARの範囲が広くなったことが、特に米国の受験生には大きな負担となって、FARの合格率が低くなる要因になっているのかもしれません。

 

5.合格率の傾向

さいごに、合格率の傾向についてご説明します。

 

(1)四半期で合格率が変動する

ここ10年くらいの合格率を見ると、明らかな傾向があることが分かります。

それは「Q1とQ4の合格率が低く、Q2とQ3の合格率が高い」という傾向です。

前述の通り、合格率が高いのは、試験が簡単だからというわけではないので、Q2かQ3に試験を受けようと考えるのは早計です。

 

(2)Q2とQ3の合格率が高くなる理由

Q2とQ3の合格率が高くなるのには、きちんとした理由があります。

USCPA試験でQ2とQ3の合格率が高くなる理由

  1. Q1は、繁忙期で勉強がしにくい(米国の多くの企業は、12月末決算ですね)。
  2. Q1とQ4は、年末年始やクリスマスなどのイベントで勉強がしにくい。
  3. Q2は、繁忙期が終わり、勉強に時間が取れるようになる。
  4. Q2は、大学を卒業したばかりの受験生が、大学の授業に時間がとられないようになる(米国の大学は、9月から5月までの学期制で、5月に卒業ですね)。
  5. Q3は、Q2から試験の準備をしてきた受験生の準備が十分に整う。

合格率が季節変動するのは、米国の決算スケジュールや大学の学期制の影響ですね。

日本の受験生の皆さんだと、3月末決算の会社にお勤めの場合も多いでしょうし、大学の卒業も3月です。

それに、大学生の受験生の皆さんは、在学中に並行して勉強すると思うので、卒業とはあまり関係ない気もします。

つまり、日本の受験生の皆さんだけの合格率の統計を取ると、AICPAの公表の合格率と傾向が違ってくるでしょう。

 

 

以上、「USCPA(米国公認会計士)試験 合格率から何が分かる?合格率に惑わされないのが吉」についてでした。

知りたい君
知りたい君
USCPA試験の合格率が分かったよ。

Q2とQ3の合格率が高いけど、Q2とQ3の試験が簡単だというわけではないんだね。

それに、合格率は、右肩上がりで上がってきていると言えるんだね。

どこ
どこ
2020年は、コロナの関係で合格率が大幅にアップしたんだね。

また、米国の試験で米国の受験生が多く受けるから、合格率も、米国の会社や大学のサイクルの影響を大いに受けているということだね。

以前は4科目の合格率はほぼ同じだったのに、今はBECの合格率が高くて、FARの合格率が低くて差が大きくなっているんだね。

つまり、今は多くの受験生にとって、BECの準備はしやすく、FARの準備はしにくいということが言えるかな。

色々と合格率について分かったことがあるけど、結局のところ、合格するかは、どれだけ準備ができているかにかかっているわけだよね。

結論としては、自分の環境に影響を与える要因を事前に把握して、少しでも影響を受けないで済むような勉強のスケジュールを立てることが大事ってことだろうね。

USCPA試験の難易度の記事も併せて参考にしてください。

USCPA(米国公認会計士)試験の難易度ー合格しやすいが簡単というわけではないUSCPA(米国公認会計士)試験の難易度について、合格率、科目別の大変さ、必要な英語力と会計知識、日本の公認会計士試験との比較、日商簿記検定1級との比較、資格難易度ランキングから見てみました。...
ABOUT ME
どこ
ワシントン州USCPA(米国公認会計士)。USCPAの立場から、USCPA試験、USCPAのキャリア、USCPAの人生設計について書いています。BIG4大手監査法人監査人→米国企業経理職@バンコク→大手グローバル企業連結決算担当。
こちらの記事もおすすめ