FARのリサーチ問題では、FASB Codificationというのを参照するみたいなんだけど、全然わからなくて困ったな。
FARのリサーチ問題では、FASBのASC （Accounting Standards Codification）という会計基準がコード化されたものの理解が必要だよ。
FASBのASC のトピック一覧を日本語も併せて記載するので、どんな体系になっているのか理解に役立ててね。
どこの著書『USCPA（米国公認会計士）になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かし方やUSCPA短期合格のコツも記載しています。
まだUSCPAの勉強を始めていない場合は「USCPAの始めかた」も参考にしてください。
１．FARのリサーチ問題
最初に簡単にFARのリサーチ問題について説明しておきます。
（１）FARのリサーチ問題で参照する基準
FARのリサーチ問題では、FASB Codificationを参照します。
FASB Codificationとは？
- FASB （Financial Accounting Standards Board：財務会計基準審議会）が作成したUSGAAP（米国会計基準）の唯一のソース
- USGAAP（米国会計基準）の構成要素となる膨大な数の基準書を検索可能なフォーマットで体系化したもの
- 米国会計基準を明確化することで、リサーチ時間を短縮化し、有効に適用できるように
- IFRS（国際財務報告基準）との対応も明確に
- 階層はAuthoritativeとNonauthoritativeという2階層（リサーチ問題で参照するのはAuthoritative）
FASBA Codificationは、オンラインで検索できるようになっています☟
（２）FARのリサーチ問題の解答（新試験で解答形式が変更）
注）新USCPA試験ではリサーチ問題の形式が変わります。
既に旧USCPA試験でも、新しい形式での出題が始まってはいました。
2024年7月時点では、新USCPA試験でどのようになるのか確信が持てないため、旧USCPA試験でのリサーチ問題の形式をしばらく残しておきます。
FARのリサーチ問題は、問われている基準を検索して特定し、解答します。
具体的には、FASB Codificationの基準書番号を4つのボックスに入力して解答します。
ちなみに、ASCは、Accounting Standards Codification（米国会計基準コード化体系）のこと。
基準書のタイトルです。
FASB Codification の構成
- トピック：3桁
- サブトピック：2桁
- セクション：2桁
- パラグラフ：１桁、2桁、3桁
当記事でご説明するのは、このFASB Codificationのトピック番号（3桁）についてです。
リサーチ問題対策の詳細については、以下の記事を参照してください。
２．FASB Codification のトピック
FASB Codificationのトピックを見ていきましょう。
参考までに、和訳も記載しています。
FASB Codificationのトピック番号（3桁）
- 100番台：General Principles（一般原則）
- 200番台：Presentation（表示）
- 300番台：Assets（資産）
- 400番台：Liabilities（負債）
- 500番台：Equity（資本）
- 600番台：Revenue（収益）
- 700番台：Expenses（費用）
- 800番台：Broad Transactions（その他取引）
- 900番台：Industry（産業別会計）
100番台：General Principles（一般原則）
100番台：General Principles（一般原則）です。
- 105：Generally Accepted Accounting Principles（一般に公正妥当と認められた会計原則）
200番台：Presentation（表示）
200番台：Presentation（表示）です。
- 205：Presentation of Financial Statements（財務諸表の表示）
- 210：Balance Sheet（貸借対照表）
- 215：Statement of Shareholder Equity（株主資本等変動計算書）
- 220：Income Statement—Reporting Comprehensive Income（損益計算書-包括的利益の報告）
- 225：Income Statement（損益計算書）
- 230：Statement of Cash Flows（キャッシュ・フロー計算書）
- 235：Notes to Financial Statements（財務諸表に対する注記）
- 250：Accounting Changes and Error Corrections（会計上の変更および誤謬の訂正）
- 255：Changing Prices（価格の変更）
- 260：Earnings Per Share（1株当たり利益）
- 270：Interim Reporting（中間報告）
- 272：Limited Liability Entities（有限責任企業）
- 274：Personal Financial Statements（個人の財務諸表）
- 275：Risks and Uncertainties（リスクと不確実性）
- 280：Segment Reporting（セグメント報告）
300番台：Assets（資産）
300番台：Assets（資産）です。
- 305：Cash and Cash Equivalents（現金および現金同等物）
- 310：Receivables（売掛金）
- 320：Investments—Debt Securities（投資-負債有価証券）
- 321：Investments—Equity Securities（投資-持分有価証券）
- 323：Investments—Equity Method and Joint Ventures（投資-持分法適用会社およびジョイント・ベンチャー）
- 325：Investments—Other（投資-その他）
- 326：Financial InstrumentsーCredit Losses（金融商品ー信用損失）
- 330：Inventory（棚卸資産）
- 340：Other Assets and Deferred Costs（その他の資産および繰延費用）
- 350：Intangibles—Goodwill and Other（無形資産-営業権およびその他）
- 360：Property, Plant, and Equipment（有形固定資産）
400番台：Liabilities（負債）
400番台：Liabilities（負債）です。
- 405：Liabilities（負債）
- 410：Asset Retirement and Environmental Obligations（資産除去債務および環境債務）
- 420：Exit or Disposal Cost Obligations（撤退または処分費用に関する債務）
- 430：Deferred Revenue（繰延収益）
- 440：Commitments（コミットメント）
- 450：Contingencies（偶発事象）
- 460：Guarantees（保証）
- 470：Debt（負債）
- 480：Distinguishing Liabilities from Equity（負債と資本の区別）
500番台：Equity（資本）
500番台：Equity（資本）です。
- 505：Equity（資本）
600番台：Revenue（収益）
600番台：Revenue（収益）です。
- 605：Revenue Recognition（収益認識）
- 606：Revenue from Contracts with Customers（顧客との契約から生じる収益）
- 610：Other Income（その他の収益）
700番台：Expenses（費用）
700番台：Expenses（費用）です
- 705：Cost of Sales and Services（売上高およびサービスにかかる費用）
- 710：Compensation—General（報酬-一般）
- 712：Compensation—Nonretirement Postemployment Benefits（報酬-退職後給付）
- 715：Compensation—Retirement Benefits（報酬-退職給付）
- 718：Compensation—Stock Compensation（報酬-株式報酬）
- 720：Other Expenses（その他の費用）
- 730：Research and Development（研究開発費）
- 740：Income Taxes（法人税等）
800番台：Broad Transactions（その他取引）
800番台：Broad Transactions（その他取引）です。
- 805：Business Combinations（企業結合）
- 808：Collaborative Arrangements（協働取決め）
- 810：Consolidation（連結）
- 815：Derivatives and Hedging（デリバティブとヘッジ）
- 820：Fair Value Measurement（公正価値測定）
- 825：Financial Instruments（金融商品）
- 830：Foreign Currency Matters（外国通貨関連）
- 835：Interest（利息）
- 840：Leases（リース）
- 845：Nonmonetary Transactions（非貨幣性取引）
- 848：Reference Rate Reform（基準金利改革）
- 850：Related Party Disclosures（関連当事者情報の開示）
- 852：Reorganizations（組織変更）
- 853：Service Concession Arrangements（サービスコンセッション契約）
- 855：Subsequent Events（後発事象）
- 860：Transfers and Servicing（譲渡および債権回収）
900番台：Industry（産業別会計）
900番台：Industry（産業別会計）です。
- 905：Agriculture（農業）
- 908：Airlines（航空）
- 910：Contractors—Construction（請負-建設）
- 912：Contractors—Federal Government（請負業者-連邦政府）
- 915：Development Stage Entities（開発段階の企業）
- 920：Entertainment—Broadcasters（娯楽-放送局）
- 922：Entertainment—Cable Television（娯楽-ケーブルテレビ）
- 924：Entertainment—Casinos（娯楽-カジノ）
- 926：Entertainment—Films（娯楽-映画）
- 928：Entertainment—Music（娯楽-音楽）
- 930：Extractive Activities—Mining（採掘-鉱業）
- 932：Extractive Activities—Oil and Gas（採掘-石油・ガス）
- 940：Financial Services—Broker and Dealers（金融-ブローカーおよびディーラー）
- 942：Financial Services—Depository and Lending（金融-預託金および貸し付け）
- 944：Financial Services—Insurance（金融-保険）
- 946：Financial Services—Investment Companies（金融-投資会社）
- 948：Financial Services—Mortgage Banking（金融-担保付貸付）
- 950：Financial Services—Title Plant（金融-タイトルプラント）
- 952：Franchisors（フランチャイズ）
- 954：Health Care Entities（医療関連企業）
- 958：Not-for-Profit Entities（非営利団体）
- 960：Plan Accounting—Defined Benefit Pension Plans（制度会計-確定給付型年金制度）
- 962 Plan Accounting—Defined Contribution Pension Plans（制度会計-確定拠出年金制度）
- 965：Plan Accounting—Health and Welfare Benefit Plans（年金会計-健康および福祉給付制度）
- 970：Real Estate—General（不動産-一般）
- 972：Real Estate—Common Interest Realty Associations（不動産-共益不動産協会）
- 974：Real Estate—Real Estate Investment Trusts（不動産-不動産投資信託）
- 976：Real Estate—Retail Land（不動産-小売業用地）
- 978：Real Estate—Time-Sharing Activities（不動産-タイムシェアリング）
- 980：Regulated Operations（規制されている事業）
- 985：Software（ソフトウェア）
- 995：U.S. Steamship Entities（米国の蒸気船事業体）
FASB ASC （Accounting Standards Codification）のトピックは以上です。
以上、「【FAR】FASB Codification ASC トピック USCPA受験生用」でした。
トピックの何百番台がどんな分野なのかを覚えて、あとは、各分野にどんな基準が含まれているのか理解してみてね。
