USCPA試験ってどんな試験なのか知りたいな。
USCPA試験は、米国の試験だから、情報が少ないよね。
USCPA(米国公認会計士)試験がどんな試験なのかがよくわかるように、知っておいてほしい情報を網羅して説明していくね。
注意:2024年1月にUSCPA試験制度が大きく変わります!
2024年にUSCPA試験が大きく変更になることを知っていますか?
変更後はしばらくUSCPA試験の対策が大変になるので、USCPAにチャレンジすることを考えているなら、USCPAの勉強を早く始めることをおすすめします。
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1.USCPA試験の試験形式
USCPA試験は、全米統一の試験で、どの州に出願しても試験問題や採点基準は同じです。
また、CBT(コンピュータ・ベースド・テスティング)で、コンピュータが出題し、AIが採点を行います。
受験生は、コンピュータのモニター画面に出題される問題に対し、コンピュータのキーボードで回答を入力します。
問題は、データベースに蓄積された中から、コンピュータがランダムに出題します。
受験に必要なコンピュータスキルについては、以下の記事を参考にしてください。

2.USCPA試験の試験科目
USCPA試験の科目は、以下の4科目で、各科目の試験時間は4時間です。
試験科目
- FAR (Financial Accounting & Reporting):財務会計
- BEC (Business Environment & Concepts):企業経営環境・経営概念
- REG (Regulation):諸法規
- AUD (Auditing & Attestation):監査及び証明業務
1度に何科目受験するか、どの順番で受験するかは、受験者が決められます。
各科目の出題内容は、以下の通りです。
試験各科目の出題内容
- FAR:企業会計と政府・非営利組織会計
- BEC:企業リスク管理、経済学、財務管理、情報技術、業務管理
- REG:連邦税法、ビジネス法
- AUD:監査と証明業務、会計士としての責任
USCPA試験の出題方針は、「広く浅く」です。
よって、出題範囲は幅広いのですが、新人のCPAとして知っておく必要がある基礎知識を問う問題が中心ですので、難易度は高くありません。
試験科目ごとの時間配分については、以下の記事を参考にしてください。

試験科目の特徴については、以下の記事を参考にしてください。

出題内容や、出題割合、さらに必要とされるスキルのレベルなどは、「Blueprints」に書かれていますので、一読すると良いでしょう。
「Blueprints」については、以下の記事を参考にしてください。

3.USCPA試験の出題形式
出題形式は、大きくは、Multiple Choice Question(MC問題)とTask-based Simulation(TBS問題)に分かれます。
ただし、BECのみ、TBS問題の一部として、Written Communication(WC問題)が出題されます。
USCPA試験の出題形式
- Multiple Choice Question(MC問題):4択問題
- Task-based Simulation(TBS問題):事例形式問題
- Written Communication(WC問題):記述式問題 ☜BECのみ
MC問題とは、4つの選択肢の中から、1つの正解を選ぶ形式です。
TBS問題とは、ケース・スタディーの形式で、CPAが実際に実務で遭遇するであろう業務がケース化され、分析力・判断力・応用力・リサーチ力などが問われます。
WC問題とは、メールやメモを英語で記述する形式で、CPAとしてクライアント・上司・同僚などに対して、キーワードを含めて適切な回答ができるかが問われます。
そして、各科目につき、5つのテストレット(問題群)があります。
各科目のテストレット(問題群)の出題形式
FAR、REG、AUD
- テストレット1と2:Multiple Choice Questions(択一問題)
- テストレット3、4、5:Task-based Simulation(事例形式問題)
BEC
- テストレット1と2:Multiple Choice Questions(択一問題)
- テストレット3と4:Task-based Simulation(事例形式問題)
- テストレット5:Written Communication(記述式問題)
テストレット1から順に回答することになります。
各テストレット内では問題ごとの行き来ができますが、次のテストレットに進むと、前のテストレットには戻ることはできません。
テストレット内は、色々なトピックの問題が順不同で並んでいます。
Task-based Simulation(事例形式問題)とWritten Communication(記述式問題)については、以下の記事を参考にしてください。


4.USCPA試験の合格基準
各科目99点満点中、75点以上で合格となります。
合格者数の制限はなく、落とすための試験ではないため、一定の基準に達成した受験生は全員合格となる、「絶対評価」の試験です。
難易度に応じて、得点の調整がされるため、正解数の比率とは一致していません。
難しい問題に正解した場合と、簡単な問題に正解した場合では、同じ点数が配点されるわけではありません。
採点方法については、以下の記事を参考にしてください。

5.USCPA試験の科目合格制度
試験科目は4科目ありますが、科目合格制度であり、1科目ずつ受験できます。
4科目全て合格になった時点で、「USCPA試験合格」となります。
ただし、科目合格の有効期限は18か月です。
最初の科目に合格してから、18か月以内に全科目合格する必要があります。
18か月経過した科目は、合格実績が失効(Expire)しますので、再度受験する必要があります。
この科目合格の有効期限は、「受験日」が基準です。
最後の合格科目の「受験日」が有効期限内であれば、その科目のスコアリリース(合格発表)が有効期限を過ぎて行われ、合格が分かったとしても、全科目合格となります。
6.USCPA試験の難易度変化
テストレット1と2はMultiple Choice Questions(択一問題)ですが、正答率によりテストレットの難易度が変化します。
まず、テストレット1では「通常(Medium)」の問題を解きます。
よくできていると、テストレット2では「難しい(Difficult)」の問題が多く出題され、あまりできていなければ、テストレット2でも「通常(Medium)」の問題が多く出題されます。
難易度変化は、限られた問題数で、効率的に受験生の実力を測る方法であり、理屈は「視力検査」と同じです。
テストレット2が「難しい(Difficult)」にならなくても合格できますし、「難易度変化」は判断がつかない場合も多いため、受験中は気にしなくて良いでしょう。
7.USCPA試験のダミー問題
出題されるのに、採点されない「ダミー問題(Pretest Question)」が出題されます。
採点されないので、正解でも不正解でも、合否には関係ありません。
全てのテストレットに「ダミー問題」は含まれています。
Multiple Choice Questions(択一問題)は、約20%、つまり5問に1問くらいは「ダミー問題」です。
「ダミー問題」は、出題者側のデータ収集が目的です。
USCPA試験の問題は、膨大な問題のデータベースからランダムに抽出される仕組みです。
問題のレベルを一定の範囲に保つため、受験者の正答率を調査するための実験的な採点しない問題も出題しています。
「ダミー問題」は判断がつきませんので、受験中は気にしなくて良いと思います。
ただし、もしあまりにも難しい問題が出題された場合は、「ダミー問題」の可能性があるとして、時間をかけすぎないようにすることは大事な受験のテクニックです。
正答率の極端に低い難問や奇問は、実力を判定するのに適さないとして、データベースから省かれているため、「採点される問題(Operational Questions)」ではない可能性が高いからです。
「難易度変化」と「ダミー問題」については、以下の記事を参考にしてください。

8.USCPA試験の休憩時間
テストレットは5つありますが、テストレットとテストレットの間に休憩を取ることができます。
ただし、テストレット3とテストレット4の間以外に休憩をとると、試験時間が短くなってしまいます(タイマーが進みます)。
テストレット3とテストレット4の間の15分間の休憩は、試験時間に含まれません(タイマーが進みません)。
試験の画面上で「休憩する」を選択すると、席から離れて休憩することになります(席で休憩する際は「休憩する」を選択しないようにします)。
休憩時間には、お手洗いに行ったり、ロッカーを開けて、飲み物、お菓子などを取り出し、飲食が可能となります。
9.USCPA試験の試験会場
試験会場は、プロメトリック(Prometric)というコンピュータ試験の運営会社のテストセンターから選択します。
日本で受験する場合、東京の御茶ノ水か、大阪の中津のプロメトリックテストセンターでの受験となります。
日本での試験会場


日本以外にも米国には約300か所の受験会場があり、欧州、南米、中東などでも受験が可能です。
米国で受験する場合は、出願州と受験州を一致させる必要はありません(出願はワシントン州、受験はグアムなども可能)。
ちなみに、日本で受験できなかった頃は、グアムで受験する日本人が多かったのですが、グアム会場も日本会場と同じく追加手数料の支払いが必要です。
受験当日の持ち物、流れなどについては、以下の記事を参考にしてください。



10.USCPA試験の受験料
出願時に、受験料として、出願手数料(Application Fee)と試験料(Examination Fee)を払います。
さらに、日本で受験する場合、日本会場手数料がかかり、受験票(NTS)を受領し、試験会場を選択する前に払います。
料金はしばしば変更されるのですが、2023年3月時点では、以下の通りです。
出願手数料(州により異なる)
- 初めての出願:約170ドルから約250ドル
- 再出願:約100ドル/回
受験料(全米統一価格)
238ドル/科目
日本会場手数料(全米統一価格)
390ドル/科目
受験料は、1科目238ドルですので、4科目で952ドルです。
日本会場手数料は、1科目390ドルですので、4科目で1,560ドルです。
1回ずつの受験で合格したとしても、1科目628ドルかかるので、4科目で2,512ドルとなります(不合格の場合、さらにかかります)。
受験料をはじめとして、USCPA試験合格までにかかる費用については、こちらを参考にしてください。

11.USCPA試験の受験日
年間を通じて、土日を含めほぼ毎日受験可能です(ただし、テストセンターの休業日は、受験できません)。
受験日は決まっておらず、テストセンターの空きがあれば、自分の都合で受験日を選ぶことができます。
ただし、受験票(NTS)は6か月の期限がありますので、その期限内に受験する必要があります。
各科目の年間の受験回数に制限がありませんので、試験結果が不合格だと分かりしだい、その科目を再受験することができます。
2020年7月に通年受験制度(Continuous Testing)が導入されました。
「各科目各期1回、年間最大4回受験」の制約がなくなり、通年で受験できるようになっております。
12.USCPA試験の試験会場の予約
試験会場の予約は、プロメトリックのサイトで手続きできます。
受験したいプロメトリックテストセンター(日本での受験の場合は、東京御茶ノ水ソラシティか大阪中津試験会場)を選び、空席状況を確認します。
それから、NTS(受験票)の試験IDを入力して予約します。
日本での受験の場合は、日本会場手数料を払ってから約24時間経つと(カード決済が処理されると)、日本会場の予約ができます。
NTS(受験票)の試験IDの有効期限は6か月ですので、テストセンターに空席さえあれば、NTS(受験票)が発行されてから6か月以内の好きな日に受験できます。
また、受験日の予約変更も可能です。
ただし、受験予約日からどのくらい前かにより手数料が変わり、受験予約日の24時間以内は変更ができません(受験料が没収されます)ので注意が必要です。
プロメトリックテストセンターの予約と変更(リスケ)について、こちらの記事を参考にしてください。

13.USCPA試験の試験結果(スコア)の確認
試験結果(スコア)は、NASBAのサイトで発表されますので、自分で確認することになります。
結果発表(スコアリリース)の日は、AICPAのサイトに記載されています。
結果(スコア)は、年間を通じてローリングベースで発表されます。
受験日のカットオフが決まっており、その期間に受験した場合、何日に結果発表(スコアリリース)されるかが分かります。
ですので、受験日を決める際に、結果発表(スコアリリース)までの期間がなるべく短くなるようにするなど、受験計画にも参考にできます。
また、NASBAが、結果発表(スコアリリース)直前には、時間もお知らせしてくれます。
よって、早く合否を知り、早く次の一手を決めるのに役立ちます。
結果発表(スコアリリース)については、以下を参考にしてください。


補足:USCPA試験の関連機関
既に、当然のように書いてしまっておりますが、USCPA試験の関連機関として、以下の3つは最低限知っておいた方が良いでしょう。
USCPA試験の関連機関
- AICPA(米国公認会計士協会):USCPA試験の作成と採点
- NASBA(全米州政府会計委員会):USCPA試験受験の手続き全般
- Prometric(プロメトリック):USCPA試験受験会場の運営
AICPA(米国公認会計士協会)は、USCPA試験を作成しており、学習に役立つ情報を発信しています。
たとえば、AICPAサンプルテスト、AICPAリリース問題、Blueprintsは、必ず受験前に取り組みたいマテリアルです。
NASBA(全米州政府会計委員会)は、USCPA試験の受験に関して情報を発信しています。
前述のように、結果発表(スコアリリース)の時間などもお知らせしてくれますので、ツイッターでNASBAのTwitterアカウントをフォローしておくといいでしょう。
Prometric(プロメトリック)は、USCPA試験の会場に関して、分からないことがあったらプロメトリックに問い合わせるといいでしょう。
たとえば、受験当日に持っていく物、持ち込める物など疑問点があったら、丁寧に教えてくれます。
USCPA試験の関連機関については、こちらを参考にしてください。

以上、「USCPA(米国公認会計士)の試験制度【USCPA試験の全体像を最初につかむ!】」でした。
コンピュータ試験で、試験会場の予約から、受験、試験結果の確認までパソコンでできるんだね。
好きな日に受験できるし、全員が同じ問題を解くのではなく、ランダムに出題されるとか進んでるね。
年間を通して受験できるのも、基本的な知識が身についていれば、全員合格になるのも、日本の公認会計士試験に比べて魅力だよね。
USCPAに興味があったら、ぜひUSCPA試験にチャレンジしてみてね。
USCPAの試験制度については、日本の公認会計士試験と比較すると分かりやすいと思いますので、参考にしてください☟

また、USCPAについては、こちらの記事も参考にしてください☟

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USCPAの受験ガイド(どこの本)
USCPAの始め方(参考ページ)
CIA(公認内部監査人)
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CIAの詳細情報(参考ページ)
CIA(公認内部監査人)とは?試験の難易度は?どうやって勉強する?
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