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USCPAのBlueprints(ブループリント)とは?何が分かる?利用法と注意点

AICPA Blueprints 2021年7月1日有効、2021年10月18日改訂
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知りたい君
知りたい君
USCPA(米国公認会計士)試験の勉強中だよ。

AICPAのBlueprints(ブループリント)って、読んだ方がいいと聞くけど、何なのか知りたいよ。

どこ
どこ
どこは、ワシントン州のUSCPA(米国公認会計士)だよ。

Blueprints(ブループリント)は、AICPA(米国公認会計士協会)が作成したもので、USCPA受験生の試験準備をサポートしてくれるものだよ。

Blueprintsとはどんなもので、Blueprintsから何が分かって、どう使ったらいいのか利用法と注意点を説明するね。

USCPAのBlueprints(ブループリント)とは?何が分かる?利用法と注意点

USCPA試験のAICPAが作成するBlueprints(ブループリント)について解説します。

USCPA受験生やUSCPA予備校から、「Blueprints(ブループリント)」という言葉がよく出てくると思います。

 

「Blue Prints」と書く人もいますが「Blueprints」で一語です。

なぜか、単語を分ける人がいますね。。。

 

Blueprints(ブループリント)は全科目のBlueprintが集まっているので、複数形になっています。

1科目だけを指す場合は「Blueprints」ではなく「Blueprint」です。

 

旧USCPA試験(2023年12月まで)では「Blueprints(ブループリント)なんて見なくても合格できる」と言っているUSCPA合格者がいました。

USCPA予備校の教材は、既に試験実績が積み重なり、教材が確立できていたため、教材さえこなせば合格できたでしょう。

 

ですが、新USCPA試験(2024年)になって、まだUSCPA予備校であっても試験情報・試験実績が少ないです。

なので、自分で「Blueprints(ブループリント)」を読んで情報を取りに行く姿勢が必要だと思いますよ。

 

こんなポストをX(旧Twitter)でみかけましたが、USCPA試験のBlueprintsはめちゃくちゃ大事です。

アビタスは、新USCPA試験についてBlueprintsと教材との対照表を作って受講生サイトに掲載しています。

 

(1)Blueprints(ブループリント)の解説

自分でBlueprints(ブループリント)を読む時間がないという方、全体像が知りたいという方のために、各科目のBlueprint解説をご用意しています。

 

新USCPA試験(2024年1月から)と旧USCPA試験(2023年12月まで)とあります。

 

旧USCPA試験のBlueprintsと、新USCPA試験のBlueprintsを比較したいという方がいますので、どちらもご紹介しておきますね。

 

(2)Blueprints(ブループリント)のオリジナル

Blueprints(ブループリント)のオリジナルも確認したければこちらから。

 

AICPAのサイトにリンクがありますが、過去のは探しにくいので、こちらをご利用ください。

新USCPA試験(2024年1月から)のBlueprintオリジナル

新USCPA試験のBlueprints(2024年1月1日から現在)

 

旧USCPA試験(2023年12月まで)のBlueprintオリジナル

旧USCPA試験のBlueprints(2021年10月18日から2023年12月31日まで)

 

それでは、本編へおすすみください。

 

 

1.Blueprints(ブループリント)とは?

まず「Blueprints(ブループリント)」とは何なのか見ていきましょう。

 

(1)BlueprintsはCPA試験の設計図

「Blueprints」は、AICPA(米国公認会計士協会)が作成します。

AICPAというのは、CPA試験の作成と採点をしている団体です。

AICPAは、「Blueprints」という設計図を基にCPA試験を作成します。

 

(2)BlueprintsはCPAが知っておくべき会計業務のまとめ

「Blueprints」は、CPA資格を新たに取得する人が知っておくべき会計業務(タスク)をトピックごとにまとめたものです。

これらのタスクは、アクションアイテムとして記載されています。

「Blueprints」のアクションアイテムの例

  1. ~を理解する。
  2. ~を作成する。
  3. ~を修正する。
  4. ~を適用する。

アクションアイテムは、常に動詞の形で記載されているのが特徴です。

 

(3)Blueprintsの構成

「Blueprints」は、試験科目ごとに、4つから5つのコンテンツエリア(出題範囲)で構成されています。

コンテンツエリアでは、CPA試験のトピックの階層が説明されています。

知っておく必要のあるタスクがトピックごとにまとめられ、そのトピックがコンテンツグループにまとめられ、コンテンツグループがコンテンツエリアにまとめられています。

 

 

2.Blueprints(ブループリント)から何が分かる?

つぎに、「Blueprints」から何が分かるのか見ていきましょう。

 

(1)BlueprintsからCPA試験に出題される概念が分かる

「Blueprints」には、CPA試験で出題される可能性のある概念が記載されています。

とはいえ、CPA試験の学習に必要な実際の内容が含まれているというわけではありません。

ですが、CPA試験で出題される各問題は、「Blueprints」の概念のどれかに直接関連しているので、理論上は「Blueprints」のタスクをすべてこなすことができれば、CPA試験に合格できると言えます。

 

(2)Blueprintsから何が、どのくらい、どのレベルで出題されるかわかる

「Blueprints」を読むと、以下のようなことが分かります。

Blueprintsから分かること

  1. 何がCPA試験に出題されるのか
  2. どのコンテンツがどのくらいCPA試験に出題されるのか
  3. 各概念がどのレベルでCPA試験に出題されるのか

 

①どこに労力を割くべきかわかる

コンテンツエリアの割合が記載されています。

AUD Content area allocation

新USCPA試験のBlueprintsにおける、AUDのコンテンツエリアの割合は、以上のようになっています。

これを見ると、どのくらいの労力や時間をどのコンテンツエリアに割くべきかが分かるでしょう。

 

②どのくらいのレベルのスキルが必要かわかる

各タスクがどの程度のスキルを必要とするかが記載されています。

「Blueprints」においては、各タスクに対して、4つのスキルレベルのいずれかが割り当てられています。

「Remembering and Understanding(記憶と理解)」が最もシンプルなスキルレベルで、「Evaluation(評価)」が最も複雑なスキルレベルとなります。

つまり、高いスキルが必要な順に上から並んでいます。

 

スキルレベル

  1. 「Evaluation(評価)」:問題を検討または評価し、そして判断して結論を出すこと。
  2. 「Analysis(分析)」:原因を特定し、推論を裏付ける証拠を見つけるために、別々の分野の相互関係を調査、研究すること。
  3. 「Application(応用)」:知識・概念・技術を使用、あるいは実証すること。
  4. 「Remembering and Understanding(記憶と理解)」:ある分野の重要性を認識し、理解すること。

 

各科目ごとのスキルレベルの割合は、以下の通りです。

AUD スキルレベル割合

たとえばAUDを見ていただくと、最も複雑なスキルレベルである「Evaluation(評価)」は、AUDにしかないことが分かります。

 

AICPAによると、「RememberingとUnderstanding(記憶と理解)」のタスクは、ほとんどがMCで出題され、「Application(応用)」のタスクは、MCかTBSのどちららかで出題され、「Analysis(分析)」と「Evaluation(評価)」は、ほとんどがTBSであるとのことです。

スキルレベルと出題形式の関係

  1. 「Remembering and Understanding(記憶と理解)」:MCで出題
  2. 「Application(応用)」:MCかTBSのどちらかで出題
  3. 「Analysis(分析)」と「Evaluation(評価)」:ほとんどTBSで出題

ちなみに、「Evaluation(評価)」は、AUDのTBSでのみ出題されます。

 

USCPA試験のBlurprintsのスキルレベルについては、以下の記事を参考にしてください。

USCPA試験 Blueprintsのスキルレベルとは?
USCPAのBlueprintsのスキルレベル(Skill Level)とは?効果的な学習で必須!USCPA試験の学習を効果的に進めるため、Blueprints(ブループリント)に書かれているスキルレベル(Skill Level)は知っておくこと!スキルレベル(Skill Level)は4つあり、ブルームの「教育目標分類法」が基になっている。...

 

 

3.Blueprints(ブループリント)の利用法は?

「Blueprints」をどう使えば良いのかも見ていきましょう。

 

(1)Blueprintsはガイドブックとして参照する

「Blueprints」は、CPA試験のガイドブックとして活用するといいのではないでしょうか。

「Blueprints」を見ると、CPA試験でどのようなトピックが扱われるかの内容や、どの分野が重点的にカバーされているかの概要が把握できます。

 

AICPAは、CPA試験の内容に透明性を持たせるため、「Blueprints」を公開しています。

CPA試験中に出題された内容に驚くことがないように、CPA試験前に情報を得られるようにしているわけです。

 

ですので、CPA試験の学習の「オトモ」にして、どの分野にどのくらいの学習時間をかければよいのか悩んだ際に参照するなどして、困った時の「ガイド」にするといいのではないでしょうか。

 

(2)BlueprintsをUSCPA予備校の代わりにしない

「Blueprints」には、学習に必要なものが記載されてるので、「Blueprints」があれば、USCPA予備校は必要ないと思われるかもしれません。

ですが、「Blueprints」を自分の学習計画に活かすことはできると思いますが、「Blueprints」だけで学習を進めるのは難しいでしょう。

 

そもそも、USCPA予備校は、「Blueprints」に基づいてカリキュラムを作成し、教材を提供しています。

USCPA予備校が、受講生のために「Blueprints」の分析をしてくれていますので、受講生は、何を勉強すべきなのか考えることに時間をかける必要がなく、勉強自体に時間をかけることができるわけです。

 

さらに、USCPA予備校の教材で演習することで、「RememberingとUnderstanding」といった、ただ覚えたり理解していればいいという問題だけではなく、「Analysis」や「Evaluation」といった、高いレベルでのスキルが必要な問題にも対応できるようになります。

ですので、「Blueprints」があれば、USCPA予備校は必要ないとは考えない方がいいと思います。

Blueprintsの出題分野とアビタス教材の対応表は、アビタスの受講生専用サイトに掲載されています。

アビタスは「Blueprints」に基づいてカリキュラムを作成し、教材を提供しているので、心配はいりませんよ。

 

 

4.Blueprints(ブループリント)の注意点は?

さいごに、Blueprintsを使う際の注意点も挙げておきます。

 

(1)Blueprintsに載っていなくても出題される

Blueprintsに載っていないトピックもUSCPA試験で出題されるので注意しましょう。

 

Blueprintsに載っているのは、USCPA試験で必ず出題されるというわけではありません。

そして、よく誤解されているのですが、Blueprintsに載っていなければUSCPA試験で出題されないというわけでもありません。

 

Blueprintsが改正されて、あるトピックが消された場合、もうUSCPA試験で出題されないと言っている人がいますが、それは違います。

消されたのは単に、重要度が下がっただけということもあり得ます。

 

重要度が下がっても出題される可能性はあります。

それなら学習しないと思うか、それでも学習すると思うかは本人次第です。

ですが、Blueprintsに載っていないから出題されないと言い切るのは誤っているでしょう。

 

(2)試験内容は会計・監査基準や税法改正の影響も受ける

Blueprintsには反映されていなくても、会計・監査基準や税法などの改正により、試験内容は変更となる点にも注意しましょう。

 

参考までに、USCPA試験の試験内容の変更に関するAICPAの方針をご紹介します。

 

USCPA試験に関するAICPAの試験内容変更方針

改正の種類 AICPAの方針
会計・監査に関する公布の改正 以下のいずれか遅いほうの時期に出題できる。

(1)最も早い強制発効日の後に開始する最初の四半期、または、(2)発効日の6ヶ月後に始まる最初の四半期。

内国歳入法・連邦税法の改正 発効日または施行日のいずれか遅い日から6ヶ月後に開始する四半期に出題できる。
連邦税の分野以外の連邦法の改正 発効日から6ヶ月後の四半期に出題できる。
統一法の改正 各法域の単純多数決による採択から1年後に開始する四半期に出題できる。
その他のすべての科目に関する改正 以下のいずれか遅いほうの時期に出題できる。

(1)最も早い強制発効日の後に開始する最初の四半期、または 、(2)発効日から6ヶ月後。

 

何らかの改正があっても、USCPA試験に出題するまでには、しばらく猶予があることが分かります。

 

自分で検索などして最新の情報を得て、USCPA予備校のテキストの内容が新しくなっていないことに気が付いた人が、最新になっていないと非難しているのをよく見かけます。

ですが、すぐに出題されないので、すぐには反映されないことに注意が必要ですね。

 

何が出題範囲内なのか、出題範囲外なのかは、会計・監査基準や税法などの改正を確認すれば分かります。

SNSなどの噂ではなく、どのような改正があったのか自分で確認した方がよいでしょう(改正についてよく質問をいただきますが、一度は自分で調べてみてくださいね)。

 

 

 

以上、「USCPAのBlueprints(ブループリント)とは?何が分かる?利用法と注意点」でした。

知りたい君
知りたい君
AICPAのBlueprintsは、自分の学習のサポートになりそうだね。

USCPA予備校の代わりにはならないけど、知っておくべきUSCPA試験の情報が詰まっているから、ガイドとして使うといいみたいだね。

どこ
どこ
USCPA予備校に通っていれば、Blueprintsを隅から隅まで読んで理解しようとしなくてもいいと思うよ。

USCPA予備校は、高いスキルが必要なところは教材で深く説明し、単に覚えておけばいいところは、一応教材で取り上げていても、講義では軽く触れるだけなど濃淡をつけているはずだから。

まず、学習を始めるときに、学習を始める科目のBlueprintをざっと読んで、概要をつかむといいかな。

それから、効率よく勉強をしたいけど、USCPA予備校の情報だけでは、何にどのくらい時間をかけるべきか迷ったときに、Blueprintsを参照するといいと思うよ。

あと、なかなかギリギリの点で合格できないときに、Blueprintsを読んでみると、深く理解できないといけないものが抜け落ちているのに気が付くかもしれないよ。

USCPA予備校とBlueprintsと、どちらもうまく活用してUSCPA試験に合格してね。

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