MENU
【USCPA試験】基礎情報

USCPA(米国公認会計士)試験の採点方法 ースコアは正解数で決まるわけではない

知りたい君
知りたい君
USCPA(米国公認会計士)試験の採点方法って、複雑なんだってね。

スコアがどのように決まるのか知りたいな。

どこ
どこ
どこは、USCPA(米国公認会計士)の資格を持っているよ。

USCPA試験は、各科目75点以上で合格なのは知ってるよね。

でも、75点の意味が分かっていない人は多いと思うので、採点方法について説明するね。

当記事は、2017年4月1日に有効となったAICPA(米国公認会計士協会)公表の「How is the Uniform CPA Examination scored?(CPA試験の採点方法は?)」をベースにしています。

受験生の皆さんに、AICPAがCPA試験の採点方法をどのように説明しているか知っていただきたいと思い、内容を翻訳し、とりまとめています。

 

Contents

1.USCPA試験の構造

まず、USCPA試験の構造が説明されています。

 

(1)試験科目

USCPA試験の科目は、以下の4科目です。

試験科目

  1. FAR (Financial Accounting & Reporting):財務会計
  2. BEC (Business Environment & Concepts):企業経営環境・経営概念
  3. REG (Regulation):諸法規
  4. AUD (Auditing & Attestation):監査及び諸手続き

 

(2)出題形式

USCPAの出題形式は、以下の3つです。

出題形式

  1. MCQ (Multiple Choice Questions):択一問題
  2. TBS (Task-based Simulation):事例形式問題
  3. WC (Written Communication:記述式問題

4科目すべてに、択一問題と事例形式問題が含まれています。

BECにだけ、記述式問題が含まれます。

 

(3)テストレット(問題群)

各科目の試験は、テストレットと呼ばれるブロックで管理されます。

各科目5つのテストレットがあります。

テストレット

FAR、REG、AUD

  1. テストレット1と2:択一問題 ☜出題割合50%
  2. テストレット3、4、5:事例形式問題 ☜出題割合50%

BEC

  1. テストレット1と2:択一問題 ☜出題割合50%
  2. テストレット3と4:事例形式問題 ☜出題割合35%
  3. テストレット5:記述式問題 ☜出題割合15%

BECだけ、テストレット5が記述式問題です。

 

(4)問題の種類

各テストレットには、採点される問題と採点されない問題が含まれます。

問題の種類

  1. Operational Questions:採点される
  2. Pretest Questions:採点されない ☜通称「ダミー問題」

どの問題が採点されるか、採点されないかは、区別がつきません。

 

(5)択一問題のテストレットの難易度

択一問題のテストレットは、2つの難易レベルです。

択一問題のテストレットの難易度

  1. Medium(普通)
  2. Difficult(難しい)

テストレット1では、必ず「Medium(普通)」のテストレットを解きます。

テストレット2では、テストレット1がよくできていたかどうかで、難易度が違います。

テストレット2の難易度変化

  1. テストレット1がよくできた☞テストレット2は「Difficult(難しい)」のテストレット
  2. テストレット1があまりできなかった☞テストレット2は再度「Medium(普通)」のテストレット

 

 

2.スコアの換算と合格点

つぎに、スコアの決まり方が説明されています。

 

各科目のスコアは、0から99の尺度で換算されて報告されます。

各科目に合格するには、報告スコアで合計75が必要です。

この75というのは、パーセンテージというわけではありません。

 

AUD、FAR、REGのスコアは、択一問題と事例形式問題からの換算点を加重した組み合わせで決まります。

BECのスコアは、択一問題、事例形式問題、記述式問題からの換算点を加重した組み合わせで決まります。

択一問題と事例形式問題からの換算点は、各問題に正解したかや、各問題の相対的な難易度を考慮した式を使用して計算されます。

 

USCPAの試験のスコア

  1. 素点(raw score):正解数などで決まる
  2. 換算点(scaled score):難易度を考慮して決まる ☜USCPA試験の場合

USCPAの試験のスコアは、難易度が直接反映されてしまう素点ではなく、難易度が考慮された換算点だということですね。

ちなみに、TOEICのスコアも同じく換算点です。

 

3.採点に関するよくある質問(16個)

AICPAは、採点に関するよくある質問に回答しています。

質問は、全部で16個です。

 

(1)難易度も質問も異なるのに、受験者のスコアは比較できるのか?

はい、スコアは標準的な尺度で設定されるので、比較可能です。

合計スコアは、0から99の範囲で報告されます。

 

(2)試験により、難しさが違うのか?

試験ごとに、若干の難しさの違いがあるかもしれません。

ただし、この違いは採点時に考慮されます。

より簡単な問題が出題されたからといって、より高いスコアを取得しやすいということにはなりません。

 

(3)簡単な問題や難しい問題は、いつ出題されるのか?

択一問題のテストレットは、2つあります。

最初のテストレットは、常に中程度のテストレットです。

最初のテストレットでよくできた場合、2番目のテストレットはより難しいものになり、最初のテストレットでよくできなかった場合は、2番目のテストレットは中程度のテストレットになります。

 

これは、多段階テスト(multi-stage testing:MST)と呼ばれます。

ただし、事例形式問題は、択一問題でよくできたかどうかで決まるわけではなく、事前に割り当てられています。

 

(4)正解した問題の数から、スコアの計算はできるのか?

正解した問題の数から、スコアの計算はできません。

スコアは、各問題への解答と統計的特性の両方を考慮に入れて換算された値です。

 

(5)「問題の価値でスコアが変わる」という理解でいいのか?

自分の大学の教授の何人かは、1点の価値がある問題と2点の価値がある問題を含む試験を出しました。

ある学生は、1点の問題を5つ正解し、5点獲得しました。

また、ある学生は、2点の問題を5つ正解し、10点獲得しました。

これは、CPA試験の採点でしていることと同じでしょうか?

 

考え方としては、そうです。

ただし、教授は、自分の判断に基づき、重みづけをしました。

CPA試験では、項目応答理論(item response theory:IRT)を使用して、候補者の応答データから重みづけを決めます。

 

項目応答理論(item response theory: IRT)

  1. 受験者が各問題に正解・不正解していく応答パターンを用いて、その受験者の能力レベルを計算する理論のこと。
  2. 受験者の能力は、能力尺度上の値で表す。
  3. 事前に難易度を分析しておけば、受験者の集団レベルや、テストのレベルに左右されることがなく、個人の能力を換算点で表せる。

 

(6)記述式問題は、どのように採点するのか?

記述式問題のほとんどの解答は、コンピューターのプログラムによって採点されます。

ただし、候補者のスコアが合格点に近い場合、人間が再採点します。

複数の採点者がいる場合は、スコアの平均が最終的なスコアとなります。

 

(7)択一問題がよくできるだけで合格できるのか?

いいえ、事例形式問題と記述式問題の割合が大きすぎます。

合格するためには、事例形式問題の何問かに正解する必要があります。

 

(8)多段階テストは公正か?なぜ使ってるのか?

多段階テスト(multi-stage testing:MST)は、公正です。

採点ではテスト問題の特性が考慮されるため、難易度の異なるテストレットを割り当てることにメリットもデメリットもありません。

 

AICPAは、テストの問題が習熟度レベルに一致しているため、多段階テストを使用しています。

したがって、習熟度の正確な推定値を得るために必要な質問は少なくなります。

 

(9)どの問題が難しいか、中程度なのかをどう判断するのか?

問題の難易度は、受験者の解答の統計分析によって決定されます。

問題のレベルでは、難易度は、中程度または難しいといったカテゴリーとしてではなく、尺度に沿った数値として定量化されます。

 

(10)難しいテストレットでも簡単な問題が出題され、中程度のテストレットでも難しい問題が出題されるのか?

はい、「難しい」テストレットでも簡単な問題が出題され、「中」程度のテストレットでも難しい問題が出題されます。

すべてのテストレットには、難易度の異なる問題があります。

「難しい」テストレットの問題は、「中」程度のテストレットの問題より、平均的な難易度が高くなります。

 

(11)最初のテストレットがよくできなかった場合でも、合格できるのか?

最初のテストレットがよくできなかった場合でも、合格できる可能性があります。

ですが、2番目のテストレットで、より良い成績を取る必要があります。

 

(12)試験問題の「statistical characteristics(統計的特徴)」とは、どういう意味か?

問題を説明するために使用される3つの統計があります。

  1. 難易度:問題が、受験者にとって簡単か、難しいか
  2. 区別:問題がどれだけうまく、より有能な受験者と、より能力の低い受験者を区別するか
  3. 推測:受験者が問題に正解する可能性を推測する

統計は、問題がPretest Questions(採点されない「ダミー問題」)として出題されるときに取られます。

 

統計を取り、試験で採点するための公式は、項目応答理論(item response theory:IRT)と呼ばれる採点アプローチから来ています。

項目応答理論は、米国において、大規模なライセンス試験のほぼすべてにおいて使用されています。

 

(13)2人の受験者が、同じ数の問題に正解しても、スコアは異なるか?

スコアは、問題の特性に依存するため、正解の数だけでは決まりません。

たとえば、10の難しい質問に正解した受験者は、10の簡単な問題に正解した受験者より多くのスコアを獲得します。

 

(14)各科目の合格点は、どのように設定されているのか?

エントリーレベルのCPAを最近監督した、CPAライセンスを持っているボランティアが、合格点調査に参加します。

どのような試験の成績が、公益を保護するためには必要かを判断するため、試験の問題と受験者の解答を確認します。

調査の結果は、審査委員会(Board of Examiners:BOE)が各科目の合格点を確立する際のガイドとして使用されます。

 

(15)各出題分野のスコアを確認するには、どうすればよいか?

AICPAは、出題分野ごとにサブスコアは発表しませんが、カテゴリでの成績を報告します。

ただし、受験者は、解釈する際に注意する必要があります。

より少ない項目で計算されるため、最終スコアほど信頼性が高くありません。

弱い(Weaker)、同等(Comparable)、強い(Strong)という成績の比較が受験者に提供されます。

 

受験者は、再受験する場合、すべての出題分野を学習する必要があります。

受験者が弱点のある分野だけを勉強すると、再受験では、その分野はうまくいくかもしれませんが、他の分野は悪くなる可能性があります。

 

(16)報告スコアは、どのような手順で作成されるのか?

択一問題、事例形式問題、記述式問題は、別々に取り扱います。

択一問題と事例形式問題については、項目応答理論(item response theory:IRT)を用いて、問題の種類ごとにスコアを算出します。

 

択一問題の推定値は、択一問題の尺度でのスコアにマッピングされます。

同じように、事例形式問題の推定値は、事例形式問題の尺度でのスコアにマッピングされ、記述式問題の素点は、記述式問題の尺度でのスコアにマッピングされます。

 

AUD、FAR、REGについては、択一問題を50%、事例形式問題を50%の割合で加重します。

BECについては、択一問題を50%、事例形式問題を35%、記述式問題を15%の割合で加重します。

 

そして最後のステップで、75が合格点として、集計されたスコアを0〜99でマッピングします。

 

AICPAは、16の採点に関するよくある質問に回答することで、採点方法に関する受験生の疑問を解消しています。

分かりやすく説明してくれていると思うのですが、いかがでしょうか(訳が分かりにくかったらすみません)。

 

 

以上、「USCPA(米国公認会計士)試験の採点方法 ースコアは正解数で決まるわけではない」でした。

知りたい君
知りたい君
USCPA試験の採点方法がわかったよ。

複雑ではあるけど、理論的だね。

どこ
どこ
USCPA試験の採点は、日本の公認会計士試験のように、単純ではないようだね。

項目応答理論と呼ばれる採点アプローチを使用しているわけだね。

難しい問題ができなかったから不合格になるというわけでも、簡単な問題にたくさん正解できたから合格になるわけでもないよ。

だから、USCPA試験では、手ごたえと合否が一致しないんだね。

結局、誰でもできる簡単な問題は確実に正解できるようにし、それから難しい問題も解けるようにしていくのが、効率的な合格対策ってことだろうね。

ABOUT ME
どこ
ワシントン州USCPA(米国公認会計士)。USCPAの立場から、USCPA試験、USCPAのキャリア、USCPAの人生設計について書いています。BIG4大手監査法人監査人→米国企業経理職@バンコク→大手グローバル企業連結決算担当。
こちらの記事もおすすめ