USCPA試験の合格率ってどのくらいなのか知りたいな。
合格率が高くて受けたらお得な時期ってあるのかな?
日本人だけの合格率って、英語力の問題があるし、かなり低いのかな?
USCPA予備校ごとの合格率って、どのくらい違うのかな?
USCPA試験は、絶対評価だから、合格率はあまり気にしなくていいと思うんだけどね。
USCPA試験の合格率は試験制度変更があった年を除けば、基本的には右肩上がり。
日本の合格率はかなり低いと巷で言われているけれど、実際はそこまで低くないよ。
合格率を公表しているUSCPA予備校の中では、アビタス受講生の合格率が高いってことは判明していて。
USCPA試験の合格率(Pass Rate)について、徹底解説するね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
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USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
(2025/12/04 09:36:11時点 Amazon調べ-詳細)
- はじめに:USCPA試験の合格率(Pass Rate)は「気にしすぎない」のが正解
- 1.結論:USCPA合格率は「ざっくり2人に1人」、日本人は47.6%
- 2.最近のUSCPA試験の合格率
- 3.国別のUSCPA合格率:日本の位置づけ
- 4.日本のUSCPA試験の合格率の詳細(科目別・初回/再受験・性別・年齢)
- 5.USCPA予備校ごとのUSCPA合格率(アビタス・TACほか)
- 6.科目別のUSCPA合格率推移(2016年から2024年まで)
- 7.四半期別のUSCPA合格率の傾向:Q2・Q3が高くなりやすい理由
- FAQ:USCPA合格率に関するよくある質問
- まとめ:USCPA合格率を「味方」にして、自分の戦略に落とし込む
はじめに:USCPA試験の合格率(Pass Rate)は「気にしすぎない」のが正解
USCPA試験は「合格率が高い資格」とよく言われます。
一方で、
- 「USCPA合格率って本当はどのくらい?」
- 「日本人だけのUSCPA合格率は低いって聞いたけど・・・」
- 「USCPA予備校の合格率はどのくらい違うの?」
という質問も非常に多いです。
USCPA試験の合格率(Pass Rate)は、AICPAが四半期ごとに公表しており、年度・科目・四半期によってかなり変動します。
過去の合格率を見ていただくと分かるのですが、合格率はかなり変動しています。
ただし、AICPAの説明では、USCPA合格率は
- 「試験が簡単か難しいか」ではなく
- 「受験者がどれだけよく準備していたか」
を示している指標だとされています。
つまり、
- 合格率が高い=試験がぬるい
ではなく
- 合格率が高い=しっかり準備してきた人が多かった
ということです。
過去にさかのぼってみていくと、USCPA試験の合格率の変動には傾向があることがわかります。
ですが、このことを理解していれば、「合格率が高いときに自分も受験しよう」などという、的外れの受験計画をたてなくなるでしょう。
「USCPA試験はいつ受けると合格率が高くてお得?」という質問をいただくことがありますが、しっかり対策した受験生が多ければ合格率が高くなるだけ。
合格率を上げたかったら、あなたもしっかり対策すればいいだけですね。
「合格率に惑わされないのが吉」です。
とはいえ気になると思いますので、今回は、最新のUSCPA合格率を「世界全体」「国別」「日本人」「予備校別」「科目別」「四半期別」で整理したうえで、
- 「USPA合格率をどう解釈すればいいか」
- 「合格率に振り回されないための考え方」
までお伝えします。
USCPA試験そのものの難易度や勉強時間が気になる方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
1.結論:USCPA合格率は「ざっくり2人に1人」、日本人は47.6%
最初に、この記事の要点だけをまとめておきます。
USCPA合格率のざっくり結論
世界全体のUSCPA合格率
→ここ数年はおおむね50%前後
2024年度の日本人受験者のUSCPA合格率
→47.6%(世界全体49.2%とほぼ同水準)
USCPA予備校別の合格率(直近データ)
- アビタス:79.2%
- TAC:52.2%
- プロアクティブ:50%~52.2%(データ時点まで)
よくある誤解として、
「日本人のUSCPA合格率は、公式に出ている数字よりずっと低い」
という話が出てきますが、少なくとも最新の公式データではそうなっていません。
日本の合格率は全体とほぼ同じレベルで、決して極端に低いわけではないです。
そして一番大事なのは、
合格率がどうであっても、「自分が合格するかどうか」は自分の準備次第
というシンプルな事実です。
「USCPA合格率が高いタイミングだけを狙う」という発想はあまり意味がないので、合格率はあくまで参考情報として割り切ってみておきましょう。
2.最近のUSCPA試験の合格率
ここからは、具体的に科目別・四半期別のUSCPA合格率を見ていきます。
数値は小数点以下を四捨五入しています。
(1)2025年のUSCPA合格率
2025年のUSCPA試験の合格率は、以下の通りです(12月時点ではQ3まで公表)。
| 科目 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 累計 |
| FAR | 42% | 44% | 43% | 43% | |
| AUD | 44% | 49% | 50% | 48% | |
| REG | 62% | 64% | 66% | 64% | |
| BAR | 38% | 47% | 39% | 43% | |
| ISC | 61% | 72% | 67% | 68% | |
| TCP | 75% | 81% | 77% | 78% |
ざっくり見ると、
- FAR:40%前後で、依然としてタイト
- AUD:ほぼ40%台で、低めなまま
- REG:60%台半ばで、安定して高め
- BAR:30%台になるなど、合格率が低くて苦戦
- TCP:70~80%台で突出して高い
- ISC:60%台で比較的取り組みやすそう
という構図ですね。
2025年1Qの合格率
2025年1Qの合格率は2024年4Qと比較すれば高くなりました。
相変わらず、BARの合格率の低さ、TCPの合格率の高さは群を抜いています。
選択科目の中で、これほど合格率に差が出てしまうと、BARを受験する人がいなくなってしまいそうですよね。
USCPA試験2025年Q1の合格率が出たようです
(AICPAサイトでの公表はまだです)。
2024年Q4と比較すると、FAR・BAR・ISC・TCPの合格率は高くなりました。
とはいえBARは、選択科目の中で低いままですね。 pic.twitter.com/9R2m9PhXJQ— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) April 19, 2025
2025年2Qの合格率
2025年2Qの合格率は、全体的に好調でした。
USCPA試験の合格率は、2Qと3Qは高くなるので、通常通りですね。
TCPの合格率はまた80%台になり、ISCの合格率も72%で過去最高。
FARは44%で依然として低いですね。
USCPA試験2025年Q2の合格率(Pass Rate) が公表されました。
✓全体的に好調
✓特に選択科目が大幅アップ
✓TCP:81%とまた80%台に
✓ISC:72%と過去最高
✓BAR:47%と40%台後半に
✓FAR:44%で依然として厳しめ
✓AUD:49%と回復
✓REG :64 %と安定的 pic.twitter.com/wTv05EBolw— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) July 18, 2025
2025年3Qの合格率
2025年3Qは選択科目の合格率が不調でした。
特にBARの合格率が大きく下がっています。
ISCやTCPも下がっていますが、もともと高いので、60%台、70%台にとどまっていますが、BARはまた30%台に戻ってしまっています。
USCPA試験2025年Q3の合格率(Pass Rate)が公表されました。
✓FAR:43% 依然タイト
✓AUD:50% ついに50%台
✓REG:66% 安定上昇
✓BAR:39% 30%台へ後退
✓ISC:67% 高水準キープ
✓TCP:77% 高止まり pic.twitter.com/TNQGgaQEkz— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) October 17, 2025
2025年4Qの合格率
12月時点で、まだわからないです。
(2)2024年のUSCPA合格率(注:新試験初年度)
2024年のUSCPA試験の合格率は、以下の通りです。
| 科目 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 累計 |
| FAR | 42% | 41% | 40% | 37% | 40% |
| AUD | 45% | 47% | 48% | 44% | 46% |
| REG | 63% | 63% | 63% | 61% | 63% |
| BAR | 43% | 40% | 40% | 34% | 38% |
| ISC | 51% | 58% | 62% | 56% | 58% |
| TCP | 82% | 76% | 73% | 72% | 74% |
2024年は新試験制度開始の初年度。
BAR・ISC・TCPがスタートし、旧BECは終了しました。
ポイントはこのあたりです。
必須科目
- FAR:40%ちょうどあたりでかなりシビア
- AUD:ややゆらぎつつも45~48%程度
- REG:60%代前半で安定して高め
選択科目
- BAR:30~40%台で全体的に低調
- ISC:50~60%台で徐々に上昇
- TCP:70%台超で非常に高い
TCPの合格率がこれだけ高くなった背景には、
- 2023年の時点でBECを受験しないと決めて
- 早めにTCP対策を始めた受験生が多かった
という事情があると言われています。
つまり「TCPだけが異常に簡単」なのではなく、
準備万端の受験生が集まりやすかったと考えるのが自然です。
2024年1Qの合格率
2024年1Qの合格率は驚きましたね!
TCPの合格率が80%超とのことで、予想していなかった人が多いのではないでしょうか。
USCPA試験の2024年Q1の合格率(Pass Rate)が公表されました。
なんとTCPの合格率は82.36%で、選択科目の中でダントツで高いです!
REGの合格率も63.42%で、必須科目の中で高くなっています。
40%代から50%代におさまると思っていたので、ここまで差がついて驚きです!#USCPA pic.twitter.com/GMt7Ey1lXv— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) June 6, 2024
2024年2Qの合格率
2024年2Qの合格率は、1Qと大きく変化はなく、TCPもさすがに80%超にはならなかったのですが、依然として高水準のままです。
個人的にはISCの合格率が大きく上昇したことに注目しています。
ISCは海外の受験生は多く受験しており、情報が出てきたので、日本の受験生もそろそろISCに挑戦してもいいと思います。
USCPA試験の2024年Q2の合格率(Pass Rate)が公表されました。
依然としてTCPの合格率は75.67%と選択科目の中で一番高く、REGの合格率も63.45%と必須科目の中で一番高いです。
ISCの合格率が50.93%から57.93%へと大幅に高くなったのにも注目ですね。#USCPA pic.twitter.com/8cvVUti0UU— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) August 8, 2024
2024年3Qの合格率
2024年3Qの合格率は、2Qと比較して、ISCとTCP以外は誤差の範囲ですね。
ISCは約4%の増加、TCPは約3%の減少になりましたが、これは母数の変化によるものでしょう。
TCPは合格率が高いからと受験生が増えましたが、準備が十分ではない受験生が増えたのでしょうね。
USCPA試験の2024年Q3の合格率(Pass Rate)が正式に公表されました。
Q2と比較し、ISCとTCP以外は誤差の範囲での変化となっています。
ISCは約4%の上昇、TCPは約3%の下落と少し変化がありましたが、これは母数の変化によるものでしょうね。#USCPA pic.twitter.com/9dQpaP0gFY— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) November 18, 2024
2024年4Qの合格率
2024年4Qの合格率は、全科目合格率が下がりました。
特に、FARとBARの合格率の低さが目立ちます。
FARは2004年にFARという科目ができて以来(CBT試験になって以来)、最低の合格率とのことで、米国の受験生・有識者がかなり騒いでいます。
FARは新試験になってもそれほど試験内容が変わっていなくて、試験範囲が減って、しかも応用的な内容がBARに移ったのに、なぜこんなに下がるのかわからないと。
選択科目については、TCPの合格率が下がってきていたとはいえ、BARの合格率が4Qで大きく下がったので、差が大きいまま。
もはやBARを受験したいと思う人がいなくなってきています(特に米国の受験生の場合)。
USCPA試験の2024年Q4の合格率(Pass Rate)が正式に公表されました。
FARは36.80%で、2004年にCBT(コンピュータ試験)になって以来、最低の合格率ですね。
BARも33.68%で、大きく下落しました。#USCPA pic.twitter.com/mOok1ghYwY— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) February 13, 2025
補足:2024年の合格率に関する予測と実際
2024年1月から新USCPA試験が開始。
試験科目が変わりましたし、BAR・ISC・TCPについては、2024年1Qが初めての合格率となったわけです。
ただ、AICPAのCPA Exam Teamの担当者によれば、2024年の合格率について次のように言われていました。
2024年の合格率予想
- FARとREGの合格率:上がる(FARとREGの一部の内容が減ったため)
- AUDの合格率:変化なし(AUDの内容は旧試験とほぼ変わらないため)
- BAR・ISC・TCPの合格率:2023年の合格率と同じくらいになる(自分のスキルに合った分野を選ぶため、準備ができているはずだから)。
2024年1QのAICPAによる合格率予想と実際を比較すると、このようになります。
予想と実際が大きく外れたのは、BARとTCPですね。
特に、TCPはここまで上がることは想定していなかったと思います。
2023年の時点でBECを受験しないと決めた受験生がTCP対策を始めたので、準備に時間をかけられた。
なので、合格率が高いのは不思議はないということのようです。
USCPA試験の2024年Q1合格率については、5月31日のAICPAとNASBAのWebinarではまだ詳細は話せず、後ほど正式な見解を出すとのことでした。
なので正式な見解を待っていたのですが、この「24Q1 CPA Exam Pass Rates」が今のところ正式な見解と言っていいのだと思います。「24Q1 CPA Exam Pass… pic.twitter.com/CKwkjhbsfQ
— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) June 7, 2024
AICPAの公式が出ましたが、TCP受験生はBAR受験生やISC受験生より準備ができていたので合格率が高かったということのようです。
TCPが簡単だから合格率が高いわけではないので、個人的には合格率が高いのでTCPを選ぶという人が増えないでほしいとは思います。
USCPA試験の選択科目の選び方については、こちらを参考にしてください。
(3)2023年のUSCPA合格率
2023年のUSCPA試験の合格率は、以下の通りです。
| 科目 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 累計 |
| AUD | 47% | 48% | 46% | 46% | 47% |
| BEC | 57% | 59% | 55% | 38% | 57% |
| FAR | 42% | 43% | 44% | 40% | 43% |
| REG | 59% | 60% | 59% | 55% | 59% |
2024年からの大改正を控え、BECがなくなる前の駆け込み受験が増えた影響で、
- BECの合格率は2023年Q4で38%まで急落
しています。
準備不足のまま「とりあえず受ける」受験生が増えたと考えると、合格率の急落にも納得感があります。
2023年1Qの合格率
2023年Q1の合格率は、全科目が低水準にとどまっています。
特に、BECの合格率が57%で低いのが気になります。
2024年1月からの新制度に際し、駆け込み受験が増えており、準備が十分ではない受験生が増えている可能性はあります。
注意:2024年1月からの新制度では、BECは科目自体がなくなります。
2023年2Qの合格率
2023年Q2の合格率は、Q1と大きくは違っていません。
少しBECの合格率は上がったくらいです。
2023年3Qの合格率
2023年Q3の合格率は、Q1と大きくは違っていません。
BECの合格率がまた下がって55%に。
AUDも下がりました。
BECはQ1と同じ理由で駆け込み受験が増え、AUDも新制度では負担が増えるので、いま受験してしまおうとした人が増えたからかもしれません。
2023年4Qの合格率
2023年Q4の合格率は、BEC、FAR、REGで下がりました。
特にBECの合格率が激下がり!!!
38%に。
どう考えても、駆け込み受験が増えた影響でしょう。
準備ができていない受験生が慌てて受けたのでしょうね。
(4)2022年のUSCPA合格率
2022年のUSCPA試験の合格率は、以下の通りです。
| 科目 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 累計 |
| AUD | 46% | 49% | 49% | 47% | 48% |
| BEC | 57% | 62% | 60% | 60% | 60% |
| FAR | 45% | 46% | 44% | 41% | 45% |
| REG | 60% | 61% | 62% | 56% | 61% |
例年通り、
- Q2・Q3の合格率が高くなり、
- Q4でやや下がる
という「四半期ごとの季節性」が現れています。
2022年1Qの合格率
2022年Q1の合格率は、REG以外は低水準にとどまっています。
特に、BECの合格率が57%で低いのが気になります。
もしかしたら、2024年1月からの新制度を踏まえて傾向が変化しているので、その影響かもしれません。
2022年2Qの合格率
2022年Q2の合格率は、通常通り全科目で上がりました。
BECの合格率も62%で通常通りになりました。
2022年3Qの合格率
2022年Q3の合格率も、特に変な動きをしている科目はないです。
試験内容の変更の影響がなく、十分に準備ができた受験生が多かったということではないでしょうか。
2022年4Qの合格率
2022年Q4の合格率は、FARとREGが低いです。
FARの合格率が41%なのも気になりますが、REGの合格率が56%なのは特に低く感じます。
(5)2021年のUSCPA合格率
2021年のUSCPA試験の合格率は、以下の通りです。
| 科目 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 累計 |
| AUD | 49% | 50% | 47% | 45% | 48% |
| BEC | 62% | 63% | 62% | 60% | 62% |
| FAR | 47% | 43% | 48% | 40% | 45% |
| REG | 59% | 59% | 63% | 58% | 60% |
2021年7月にAUD・BECの試験内容が変わり、
- AUD・BEC:負担増
- FAR・REG:負担減
となったため、2021年Q3・Q4のAUD・BECの合格率がやや低めに出ています。
2021年1Qの合格率
2021年Q1の合格率は、2020年Q1の合格率と大きな差異はありません。
2021年2Qの合格率
2021年Q2の合格率は、2020年Q2の異常に高かった合格率と比較すると、通常に戻っていますが、FARの合格率が43%で下がっています。
理由については、不明です。
調査しましたし、AICPAに問い合わせもしましたが、AICPAからは返事がありませんでした(何かを問い合わせても分かるときは返事がくるので、返事がないのは分からないから?)。
2021年3Qの合格率
2021年Q3の合格率は、AUDが47%でBECが62%で合格率が下がっていますが、2021年7月の試験内容の変更による影響だと考えられます。
2021年7月の試験内容の変更では、AUDとBECについては、増加した項目が多く負担が重くなりましたので、AUDとBECについては、準備が間に合わなかった受験生がいたことでしょう。
ちなみに、FARとREGについては、増加した項目が無く、削減した項目のみで負担が軽くなりましたので、合格率に影響はなかったようです。
2021年4Qの合格率
2021年4Qの合格率は、まだAUDが45%でBECが60%で合格率は下がったままです。
そして、またFARの合格率が40%で下がっています(なぜなのかは不明です)。
(6)2020年のUSCPA合格率
2020年のUSCPA試験の合格率は、以下の通りです。
| 科目 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 累計 |
| AUD | 48% | 65% | 57% | 48% | 53% |
| BEC | 62% | 77% | 70% | 61% | 66% |
| FAR | 46% | 63% | 56% | 44% | 50% |
| REG | 55% | 75% | 66% | 58% | 62% |
2020年はロックダウンなどの影響で、
- 勉強時間が増えた
- 通勤・出張などの時間が減った
こともあり、Q2・A3の合格率は異常レベルで高くなりました。
この年だけを見て「USCPA 合格率はいつも70%前後」と考えるのは危険なので、あくまで特殊要因のある年として扱うのがおすすめです。
2020年は、1年を通して、4科目とも合格率が高くなりました。
2020年のQ2とQ3の合格率は異常な高さで、Q2の合格率は、過去10年の中で最も高くなりました。
特に、BECの2020年Q2の合格率は、Q1より15%増の77%で過去最高だったそうです。
2020年の合格率の急上昇は、新型コロナが原因です。
世界のほとんどの地域でロックダウンが実行されていたため、受験者にとっては勉強時間が増え、勉強時間を奪うような用事が減っていました。
AICPAによれば、合格率が上がっただけでなく、スコアも向上していたそうです(4科目全てにおいて、MC問題、TBS問題、WC問題で通常よりスコアが良かったそうです。
2020年は特殊な年だったので、これから受験するあなたにとっては、あまり参考にはならないかもしれません。
ですが、過去の合格率と比較する際に間違った解釈をしないよう、急上昇した理由を挙げ、あえて記載しておきます。
3.国別のUSCPA合格率:日本の位置づけ
続いて、国別のUSCPA合格率を見ていきます。
最新の国別の合格率は2024年度のものです。
2020年度から2023年度までは、合格率が非公開だったので、久しぶりのデータです。
(1)2024年度の国別USCPA合格率:日本は47.6%
USCPA受験者数が多い10ヶ国の2024年の合格率は次の通りです(米国を除く)。
| 国名 | 合格率 | 受験者数 |
| インド | 52.8% | 4,868名 |
| 日本 | 47.6% | 3,071名 |
| 韓国 | 50.5% | 1,141名 |
| カナダ | 47.1% | 552名 |
| サウジアラビア | 42.1% | 538名 |
| 台湾 | 51.9% | 375名 |
| 中国 | 56.2% | 301名 |
| UAE | 50.3% | 286名 |
| ヨルダン | 50.3% | 192名 |
| エジプト | 60.0% | 143名 |
ポイントは、
- 日本はインドに次いで受験者数が多い
- 日本の合格率47.6%は、全体合格率49.2%とほぼ同レベル
という2点です。
(2)2018年度の国別USCPA合格率(参考値)
少し古いですが、2028年のデータも参考として残しておきます。
| 国名 | 合格率 | 受験者数 |
| 日本 | 43.1% | 1,852名 |
| インド | 41.7% | 1,378名 |
| 中国 | 50.5% | 1,283名 |
| 韓国 | 48.3% | 988名 |
| カナダ | 51.8% | 327名 |
2018年当時は、今よりも日本の受験者数も少なく、合格率もやや低めでした。
そこから時間が経ち、
- 日本国内でUSCPAの認知度が上がり
- 日本受験会場も整備され
- さまざまなバックグラウンドの人が挑戦するようになった
ことで、受験者も増え、合格率も全体平均に近づいてきたと言えます。
(3)「日本の合格率は低くすぎる」はもう古い
NASBAが、日本のUSCPA受験生の合格率の詳細データを公表したのは、2024年の分が公表されるまでは2014年の分が最後でした。
2014年当時は、日本の受験生が年々減少しており、合格率もあまり高くなかったです(それは、日本だけではなく、全体的にですが)。
「日本人のUSCPA合格率は、公式よりかなり低い。だまされるな」
というような言い方を見かけますが、多くが昔のデータベース(2014年頃)を前提にした話です。
2014年当時とは状況が変わっています。
2014年当時は、日本でのUSCPAブームは去ったのかと思っていたのですが、最近は広告宣伝効果もあるのか、USCPAの認知度が上がり、色々な方がUSCPAに挑戦するようになっています。
さらに、日本で受験できるようになったので、気軽にUSCPA試験にチャレンジできるようになりました。
合格率自体は、日本では色々な方が挑戦できるので、他の国と比べるとそこまで高くないかもしれません(TOEICのスコアも、同じ理由で高くないですよね)。
とはいえ、前述のように
- 2024年の日本の合格率は47.6%
- 全体の合格率49.2%とほぼ同じ
なので、「日本だけ極端に低い」というのは、現状に合っていません。
大事なのは、
「自分は自分。しっかり準備をすれば合格できる試験」
と捉えて、合格率の数字に振り回され過ぎないことです。
- 日本は他国に比べればUSCPA受験の門戸が開かれており、受験者数もインドに次いで2番目。
- 気軽にUSCPA受験できるため、他国より合格率が低めになってもおかしくはない(TOEICなどと同じ)。
- 実際は、2024年の日本の合格率は47.6%で、全体の合格率である49.2%とほぼ同じであり、日本の合格率はかなり低いといっているのは古い。
- そもそも、USCPAはきちんと準備をして受験すれば合格するので、合格率は気にしなくていい。
4.日本のUSCPA試験の合格率の詳細(科目別・初回/再受験・性別・年齢)
日本の2024年度のUSCPA受験者数は、3,071人、合格率は47.6%だったことは既にご説明しました。
日本の受験者に絞った、科目別の合格率など詳細を紹介します。
(1)科目別:AUDの合格率が低い!
日本のUSCPA受験者の科目別USCPA合格率(2024年度)は以下の通りです。
| 試験科目 | 合格率 | 受験者数 | 平均スコア |
| FAR | 40.9% | 1,725人 | 67.0点 |
| AUD | 36.3% | 1,147人 | 68.9点 |
| REG | 65.3% | 1,007人 | 75.1点 |
| BAR | 50.7% | 1,094人 | 73.4% |
| ISC | 42.2% | 74人 | 72.6% |
| TCP | 82.2% | 139人 | 81.5% |
顕著なのが、AUDの合格率の低さですね。
通常は「FAR→AUD→REG」の順に受験していくので、
「最初に受験するFARの合格率が一番低くなる」
と言われています(AICPAがそのように解説しています)。
ですが、日本の受験生の場合は、AUDの合格率が36.3%と、FARの40.9%より低くなっています。
- FAR:受験資格を満たして受験までたどり着けた人は、簿記や会計の素地がある人も多く、「受験にたどり着ければ意外と合格できる」印象
- AUD:再受験でハマりやすい科目で、73点・74点当たりで足踏みする人が多い
その結果として、全体のAUD合格率が押し下げられていると考えるのが自然です。
AUDは沼りやすいと言われており、再受験した人の合格率が低いです。
AUDはギリギリ不合格(73点とか74点の壁が超えられない)になる人が多いので、そのような人が合格率を押し下げていると推測します。
REGは、日本人受験生にとっても比較的高い合格率となっており、
- ある程度勉強法が確立されている
- 最後の科目に回しやすく、追い込みが効きやすい
という事情も影響していそうです。
ISCとTCPについては、2024年の受験者はかなり少ないため、気にしなくていいでしょう。
(2)初受験 VS 再受験:再受験のUSCPA合格率は低い!
初受験と再受験の合格率の差が大きいのも、日本の受験者の特徴の1つでしょう。
| 合格率 | 受験者数 | 平均スコア | |
| 初受験 | 52.0% | 2,590人 | 71.6点 |
| 再受験 | 39.4% | 1,393人 | 69.3点 |
| 平均 | 47.6% | 3,071人 | 70.8点 |
数字を見ての通り、
- 初受験の合格率:52.0%
- 再受験の合格率:39.4%
で、10ポイント以上の差があります。
再受験の合格率が下がる理由としては、
- 不合格後になった理由の分析が甘い
- Performance Reportをちゃんと読んでない
- 解きなおし・弱点つぶしが足りないまま「勢い」で再受験してしまう
といったパターンが考えられます。
不合格になったときこそ、
- Performance Reportをしっかり読み込む
- 原因を言語化する
- 必要な勉強量を冷静に積み直す
という工程が非常に重要です。
不合格の場合は、Performance Reportが発行されるので、それを見てしっかり対策をしてから再受験をしましょう。
(3)男女別:男性の方がUSCPA合格率が高い!
日本のUSCPA受験者について、男女別の合格率が公表されていますので、ご紹介します。
| 合格率 | 受験者数 | 平均スコア | |
| 男性 | 49.1% | 2,015人 | 71.6点 |
| 女性 | 43.6% | 958人 | 69.2点 |
| 不明 | 52.5% | 98人 | 69.8点 |
| 平均 | 47.6% | 3,071人 | 70.8点 |
男性の方がやや合格率が高いですが、極端な差ではありません。
他国の男女の合格率を見ても、男性の方がやや合格率が高い傾向はあるので、日本だけが特殊というわけではありません。
差はそこまで大きくないため、そこまで気にする必要はないと思います。
(4)年齢別:若い方がUSCPA合格率が高い!
日本のUSCPA受験者の年齢別の合格率も公表されていますので、ご紹介します。
| 合格率 | 受験者数 | 平均スコア | |
| 21歳以下 | 57.1% | 66人 | 72.8点 |
| 22歳、23歳 | 51.0% | 242人 | 71.8点 |
| 24歳、25歳 | 51.3% | 383人 | 71.7点 |
| 26歳、27歳 | 49.7% | 479人 | 71.2点 |
| 28歳、29歳 | 49.1% | 437人 | 71.4点 |
| 30歳以上 | 44.9% | 1,680人 | 70.2点 |
| 平均 | 47.6% | 3,071人 | 70.8点 |
はっきりと、
- 若いほどUSCPA合格率が高く
- 年齢が上がるほど合格率が下がる
という傾向が見て取れます。
これは、
- 年齢が上がるほど仕事や家庭での役割が増え
- 勉強時間を確保しづらくなる
という、ある意味わかりやすい理由によるものです。
AICPAも理由をそのように解説しています。
これは日本の受験者だけの傾向ではなく、受験者全体に言えることです。
「年齢が高いと頭が悪くなるから」ではなく、物理的な時間とエネルギーの問題と考えるのが健全でしょうね。
また、30歳以上の受験者がかなり多いことが分かりますね。
ちなみに、インドも30歳以上の受験者も多いですが、24歳、25歳の受験者が1,129人と多く、大学もしくは修士課程を終えた段階で、挑戦する人が多いのかと思っています。
日本の方が、社会人として働いて3年くらいたって、仕事に慣れたころに挑戦しようと考える人が多いのかもしれないですね。
5.USCPA予備校ごとのUSCPA合格率(アビタス・TACほか)
教育訓練給付制度の対象となっているUSCPA予備校は、自校のUSCPA合格率を公表しています。
現時点で対象になっているのは、
- アビタス
- TAC
の2校です
ㇷ゚ロアクティブは、過去に対象だった時期あります。
CPA会計学院は対象ではありません。
USCPA予備校ごとのUSCPA試験の合格率をご紹介します。
| USCPA予備校 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 |
| アビタス | 47.1% | 68.0% | 72.4% | 79.2% |
| TAC | 52.5% | 54.1% | 52.6% | 52.2% |
| プロアクティブ | 50.0% | 52.2% | N.A. | N.A. |
いずれも「教育訓練給付制度」の講座詳細ページに掲載されている数値です。
(1)アビタス:直近のUSCPA合格率は70~80%台とかなり高い!
アビタスは、直近数年で70~80%台で高いUSCPA合格率を出しています。
教育訓練給付制度のアビタスのUSCPA講座詳細のデータを見てみましょう。
- 令和3年度:68.0%
- 令和4年度:72.4%
- 令和5年度:79.2%
アビタスの合格率は低いという噂が流れてくるので、定期的にツイートしています。
アビタスのUSCPA受講生の合格率については「教育訓練給付制度」の講座詳細に情報が掲載されています。
受講修了者に限られてしまいますが、たとえば令和4年度の合格率は72.4%です。
「教育訓練給付制度」
アビタスUSCPA講座詳細 pic.twitter.com/jybRBNhyaO— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) February 26, 2024
アビタスの合格率は20%などと根拠なく書いているブログがあります。
それを読んだ受験生が、そのブログをツイート。
そして、そのツイートを読んだフォロワーさんに「本当か?」とDMで問い合わせ。
同じ問い合わせが多いです。
受講修了者・受験者数の前提はあるものの、20%ということはないでしょうね。
数字だけ見れば頭一つ抜けた合格率です。
(2)TAC:50%前後で「しっかり勉強すれば通る」水準
TACのUSCPA試験の合格率についても、教育訓練給付制度のTACのUSCPA講座詳細のデータを見てみましょう。
TACのUSCPA合格率は、
- 令和3年度:54.1%
- 令和4年度:52.6%
- 令和5年度:52.2%
とほぼ一貫して50%超で推移しています。
受験率が高いのが素晴らしいですね(ちょっと母数が少ないですが)。
(3)プロアクティブ:データが出ているっ期間は50%超
プロアクティブのUSCPA試験の合格率についても、教育訓練給付制度のプロアクティブのUSCPA講座詳細のデータを見てみましょう。
令和3年度は52.2%です。
TACと同じく、受験率が高いのが素晴らしいですね(こちらも、ちょっと母数が少ないですが)。
令和4年度以降は、新規募集停止などもあり、給付制度が適用されないのでデータがないです。
6.科目別のUSCPA合格率推移(2016年から2024年まで)
ここからは、各科目の「長期的な合格率流れ」をざっくり押さえておきます。
USCPA必須科目
2016年から2023年までの合格率を比較すると、このようになります。
| 合格率 | AUD | BEC | FAR | REG |
| 2016年 | 46% | 55% | 46% | 48% |
| 2017年 | 49% | 53% | 44% | 47% |
| 2018年 | 51% | 59% | 46% | 53% |
| 2019年 | 51% | 60% | 46% | 56% |
| 2020年 | 53% | 66% | 50% | 62% |
| 2021年 | 48% | 62% | 45% | 60% |
| 2022年 | 48% | 60% | 45% | 61% |
| 2023年 | 47% | 47% | 42% | 58% |
| 2024年 | 46% | NA. | 40% | 63% |
注1:2017年に大きな試験変更があり、十分に準備ができなかった受験者が多かったことにより、いったん合格率が下がっています(同様のことが2011年の試験変更でも起きています)。
注2:2020年は、新型コロナにより外出規制などの影響で、合格率が通常より高くなりました(外出せず勉強できたということですね)。少し特殊な年であったことに留意してください。
注3:2023年は、合格率が下がっていますが、これは2024年から新試験が始まる影響で駆け込み受験が増えたからでしょう。特にBECは、2023年で終了してしまうので、十分に準備ができなくても受験した受験者が多かったと考えられます。
注4:2024年は、合格率が下がっていますが、特にFARはなぜこんなに下がったのかわからないため米国の有識者の間でも騒がれています。
USCPA選択科目
2024年から選択科目ができたため、今後追記していきます。
| 合格率 | BAR | ISC | TCP |
| 2024年 | 38% | 58% | 74% |
(1)AUDのUSCPA合格率の推移
過去のUSCPA試験のAUDの合格率は、以下の通りです。
| 合格率 | |
| 2016年 | 46% |
| 2017年 | 49% |
| 2018年 | 51% |
| 2019年 | 51% |
| 2020年 | 53% |
| 2021年 | 48% |
| 2022年 | 48% |
| 2023年 | 47% |
| 2024年 | 46% |
AUDの合格率は、長期で見ると
- 45~53%のレンジでゆらぎつつ、
- 近年はほぼ50%弱あたりで安定
していると言ってよさそうです。
(2)BECのUSCPA合格率の推移(2023年まで)
BECは2024年からの新試験で廃止になりましたが、過去の推移も参考までに残しておきます。
| 合格率 | |
| 2016年 | 55% |
| 2017年 | 53% |
| 2018年 | 59% |
| 2019年 | 60% |
| 2020年 | 66% |
| 2021年 | 62% |
| 2022年 | 60% |
| 2023年 | 47% |
| 廃止 | データなし |
- 60%前後で4科目中トップクラス
- 2020年Q2の77%等、コロナ禍の影響でさらにはねた時期もあり
- 2023年は駆け込み受験の増加で47%まで急落
という、かなりドラマチックな科目でした。
(3)FARのUSCPA合格率の推移
過去のUSCPA試験のFARの合格率は、以下の通りです。
| 合格率 | |
| 2016年 | 46% |
| 2017年 | 44% |
| 2018年 | 46% |
| 2019年 | 46% |
| 2020年 | 50% |
| 2021年 | 45% |
| 2022年 | 45% |
| 2023年 | 42% |
| 2024年 | 40% |
ほぼ一貫して、
- 40~45%台
- 必須科目の中で最も合格率が低い科目
として君臨しています。
出題範囲の広さ・計算量・概念理解の必要性などから、USCPA受験の最大の山場になりやすい科目です。
(4)REGのUSCPA合格率の推移
過去のUSCPA試験のREGの合格率は、以下の通りです。
| 合格率 | |
| 2016年 | 48% |
| 2017年 | 47% |
| 2018年 | 53% |
| 2019年 | 56% |
| 2020年 | 62% |
| 2021年 | 60% |
| 2022年 | 61% |
| 2023年 | 58% |
| 2024年 | 63% |
REGは、長期的には60%前後の比較的高い合格率を維持しています。
(5)BARのUSCPA合格率の推移
USCPA試験のBAR合格率は、BARが2024年1月に新しく設けられた科目です。
| 合格率 | |
| 2024年 | 38% |
BARの合格率は38%とかなり低いです。
特に、Q4は34%だったので、BARを選択しない受験生が増えています。
(6)ISCのUSCPA合格率の推移
USCPA試験のISC合格率は、ISCが2024年1月に新しく設けられた科目です。
| 合格率 | |
| 2024年 | 58% |
ISCの合格率は58%とそこまで低くはなく、選択科目3科目の中では必要なスキルレベルが一番低いので、今後は選ぶ受験生が増えていくでしょう。
(7)TCPのUSCPA合格率の推移
USCPA試験のTCP合格率は、TCPが2024年1月に新しく設けられた科目です。
| 合格率 | |
| 2024年 | 74% |
TCPの合格率は74%と高く、1Qは82%と非常に高かったので、特に米国の受験生の間ではTCPを選ぶ人が増えていました。
Q4になっても合格率はそこまで下がらなかったので、2025年もTCPを選ぶ人が増えそうです(とはいえ、TCPが楽勝という意味ではないので注意)。
推察:科目ごとの合格率の推移
2016年から2023年の8年間の科目ごとのUSCPA試験の合格率を記載しましたが、約20年間の合格率を見ても、基本的には右肩上がりで合格率が上がってきています。
ただし、2011年のUSCPA試験の大きな改正があったのち、科目ごとの合格率には、大きな差が出るようになりました。
2011年までは、各科目の合格率にほとんど差はありませんでした。
2011年のUSCPA試験の改正までは、FAR、AUD、REGの3科目でWC(記述式問題)が出題されていましたが、2011年以降は反対に、BECだけでWC(記述式問題)が出題されることになりました。
また、FARでIFRS(国際会計基準)が出題されるようになりました(ただし、2021年にIFRSは出題されなくなりました)。
2011年のUSCPA試験の改正後は、BECの合格率が他の科目に比べて高くなり、FARの合格率が他の科目に比べて低くなっています。
日本人受験者の間では、WC問題(記述式問題)は大変だというイメージが強いのですが、米国の受験者にとっては、WC問題(記述式問題)は得点源で、BECの合格率が高くなったのかもしれません。
また、FARの範囲が広くなったことが、特に米国の受験者には大きな負担となって、FARの合格率が低くなる要因になったのかもしれません。
前述のように、2021年7月にも、大き目な試験内容の変更がありました。
受験者にとっては、FARとREGは負担が軽くなり、AUDとBECは負担が重くなりました。
ですので、2021年3Qと4QのAUDとBECの合格率が低くなっています。
さらに、2023年も2024年からの大きな試験制度変更の影響を既に受けて、合格率が下がっています。
BECは2024年からの新試験で科目自体がなくなってしまうため、多くの受験生が駆け込み受験をしました。
7.四半期別のUSCPA合格率の傾向:Q2・Q3が高くなりやすい理由
さいごに、四半期別のUSCPA合格率の傾向について説明します。
実は、USCPA合格率を四半期別に眺めると、ここ10年ほどで明らかな傾向があるんです。
四半期別のUSCPA試験の合格率の傾向
- 四半期でUSCPA合格率が変動する!
- Q2とQ3のUSCPA合格率は高くなる!
(1)四半期でUSCPA合格率が変動する!
ざっくり言うと。
- Q1とQ4の合格率が低い
- Q2とQ3の合格率が高い
という季節性があります。
ただし、これは
Q2・Q3は試験が簡単だから合格率が高い
という話ではなく、
Q2・Q3は準備が間に合った受験生が受験しやすいタイミング
というだけです。
(2)Q2とQ3のUSCPA合格率は高くなる!
Q2とQ3のUSCPA試験の合格率が高くなるのには、きちんとした理由があります。
USCPA試験でQ2とQ3の合格率が高くなる理由
- Q1は繁忙期で勉強がしにくい(米国の多くの企業は、12月末決算ですね)。
- Q1とQ4は年末年始やクリスマスなどのイベントで勉強がしにくい。
- Q2は繁忙期が終わり、勉強に時間が取れるようになる。
- Q2は大学を卒業したばかりの受験者が、大学の授業に時間がとられないようになる(米国の大学は、9月から5月までの学期制で、5月に卒業ですね)。
- Q3はQ2から試験の準備をしてきた受験者の準備が十分に整う。
合格率が季節変動するのは、米国の決算スケジュールや大学の学期制の影響ですね。
日本の受験者の皆さんだと、3月決算の会社にお勤めの場合も多いでしょうし、大学の卒業も3月です。
それに、大学生の受験者の皆さんは、在学中に並行して勉強すると思うので、卒業とはあまり関係ない気もします。
つまり、日本の受験者の皆さんだけの合格率の統計を取ると、AICPAの公表の合格率と傾向が違ってくるでしょう。
参考にすべきは、
「自分の忙しさの波」と「USCPA受験次期」の関係を意識してスケジュールを組む
ということでしょうね。
合格率動向以前に、非常に大事な戦略になります。
「Q2とQ3は合格率が高いことから分かる通り、簡単になるので、受験はQ2かQ3にしましょう」とアドバイスをしていたUSCPA合格者がいました。
大きな誤りなので、注意してください。
FAQ:USCPA合格率に関するよくある質問
USCPA試験の合格率に関してよくいただく質問にお答えします。
(1)USCPA全科目「一発合格」する人の割合はどのくらい?
USCPA試験に全科目「一発合格」する率(全科目合格率)ですが、公式なデータは公開されていません。
どこが受験生だったときの肌感としては、20%くらいなのではないかと思います。
- 1科目あたりの合格率:ざっくり50%
- FAR・AUDあたりで1回は落ちる人も多い
- 一方で、FAR・AUDを一発で抜けた人は、その後の科目をもスムーズ
FARとAUDに関しては1回くらいずつ不合格になる人が多い印象。
100人の受験生がいるとして、FARで50人だけが合格となります。
次にその50人がAUDを受験した場合、25人だけが合格となります。
FARもAUDも一発で合格した人は、その後のREGや選択科目も合格できる可能性が高い印象。
その25人の中で20人は合格となるのでは?
つまり、20%くらいが全科目一発合格。
USCPA試験に関しては、均等にみなさん50%の確率で不合格になるというより、不合格になる人は何度も不合格。
不合格になった理由をきちんと考えなかったり、見当違いな理由を考えてしまうためなのだと思います。
合格できる人は合格できる!
USCPA試験に全科目一発合格する率(全科目合格率)を非常に低く見積もっている人がいますよね。
ですが、合格できない人が何度も不合格になって合格率を押し下げ、受験回数を押し上げているだけだと思っています(現に、再受験合格率は低いですし)。
重要なのは、
- 不合格の旅にきちんと原因分析をする
- 同じ失敗パターンを繰り返さない
という「受験マネジメント力」です。
何度も不合格にならないためには、USCPAやってはいけない「NG勉強法」12選!合格できない人の勉強法を早い段階で知っておいてください。
(2)USCPA試験は「合格率が高いから簡単」って本当?
結論から言うと、合格率だけを見て「簡単」と言い切るのは危険です。
- USCPA試験は、ある程度の大学教育と会計・ビジネス単位が必要
- 受験者の平均的なバックグラウンドがある程度揃っている
- そもそも途中であきらめる人も一定数いる
という前提の下での合格率なので、
「誰でも受験できる日本の公認会計士試験の合格率10%前後」と
単純比較することはできません。
USCPA合格率が40~60%だからと言って「ラクな試験」とは考えず、
- 自分のバックグラウンド
- 使える勉強時間
- 英語・会計の現在地
を冷静に見て、「やれば届く試験」として捉えるのがちょうどよいスタンスです。
まとめ:USCPA合格率を「味方」にして、自分の戦略に落とし込む
ここまでUSCPA合格率について
- 年度別・科目別・国別・日本人・予備校別・四半期別
- 新試験移行期の動き
- 合格率の解釈のしかた
を一通り見てきました。
最後にもう一度、大事なポイントだけ整理すると
- USCPA合格率はおおむね50%前後
- 日本人のUSCPA合格率(47.6%)は世界平均とほぼ同じ
- 予備校別ではアビタスが直近70~80%台と頭一つ抜けた合格率
- 合格率の高低は「試験の甘さ」ではなく「受験生の準備度合い」を映している
- Q2・Q3に合格率が高くなりやすいのは、繁忙期・楽器スケジュールなど「生活リズム」の影響
- 最終的には「自分がどれだけ準備できたか」がすべて
合格率のグラフを眺めて心を乱されるより、
- 自分の仕事・家庭・学業のスケジュール
- 自分の得意・不得意
- 勉強に割ける時間
を踏まえて、自分にとってベストな受験計画を組む方が、はるかに合格に直結します。
以上、「USCPA合格率はどのくらい?日本人・科目別・国別データを徹底解説」についてでした。
日本の受験生の合格率が特別低いわけではないということに、なんか励まされたなあ。
Q2とQ3の合格率が高いけど、Q2とQ3は試験が簡単というわけではないんだね。
Q2かQ3に受験しようかなって思ってたから、間違った判断をするところだったよ。
色々と合格率について分かったことがあるけど、結局のところ合格するかは、どれだけ準備ができているかにかかっているわけだよね。
自分の環境に影響を与える要因を事前に把握して、少しでも影響を受けないですむような勉強のスケジュールを立てることが大事ってことだろうね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
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USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
(2025/12/04 09:36:11時点 Amazon調べ-詳細)







