【USCPA試験】受験中

【2021年7月改正】USCPA試験 試験内容の変更点

知りたい君
知りたい君
USCPA(米国公認会計士)試験の勉強中だよ。

2021年7月に試験内容が変更されると聞いたけど、何が変更されるのか知りたいな。

どこ
どこ
どこは、ワシントン州のUSCPA(米国公認会計士)だよ。

FARとREGは、ほとんど変わらないと思っていいけど、BECとAUDは、大きく変わるよ。

各科目の試験内容の変更点をまとめたから、参考にしてね。

変更点の詳細については、2021年7月1日より有効のAICPAのBlueprintsを見ていただくのが一番です。

Blueprintsは、AICPA(米国公認会計士協会)が作成したもので、USCPA試験受験者の試験準備をサポートするためにあります。

 

USCPA試験で、どのような内容がどのくらいの理解度で問われるかを知るため、勉強を始めたらすぐ、一読しておくといいでしょう。

Blueprintsについては、以下の記事も参考にしてください☟

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はじめに:USCPA試験の2021年7月の改正とは

AICPA(米国公認会計士協会)は、2021年7月1日に、USCPA(米国公認会計士)の試験内容を変更します。

恐らく、USCPA試験受験生のみなさんは、USCPA予備校から、BECとAUDに関しては、2021年6月末までに受験し合格しておくようにと言われていると思います。

なぜなら、変更は、BECとAUDに集中しているからです。

 

(1)USCPA試験が変更される理由

なぜUSCPA試験が変更されるのかというと、新しくライセンスを取得したCPAに求められる要件が変化してきたので、USCPA試験も、求められるスキルを適切にテストできるように変更する必要があるからです。

ビッグデータ、クラウドコンピューティング、人工知能などの新しいテクノロジーは、会計分野に大きな影響を与えるようになってきました。

USCPA試験に関していうと、AUDとBECが新しいテクノロジーの分野を取り扱っているので、AUDとBECに大きな変更があるわけです。

反対に、FARとREGは、変更の影響は小さく、試験問題に追加される項目もありません。

 

(2)新しいテクノロジーの会計分野への影響

新しいテクノロジーは、会計分野に大きな影響を与えているとのことですが、具体的にどのような影響があるのでしょうか。

2021年7月改定の趣旨を理解するうえで、大事だと思うので、大きく3つに分けてご説明します。

 

新しいテクノロジーの会計分野への影響

  1. ビジネスプロセス
  2. デジタルマインドセットとデータ分析
  3. サービス組織におけるシステム・組織統制への依存度の高まり

①ビジネスプロセス

ビジネスプロセスの自動化が進んでいます。

よって、CPAは、業務、情報システム、データの流れ、リスク、関連する内部統制など、ビジネスを理解する必要があります。

ビジネスプロセスの自動化により、CPAは、より高度なIT知識を持つことが重要になってきたわけです。

②デジタルマインドセットとデータ分析

データ分析により、CPAは新しい技術や新しいデータソースを使って、より効果的に仕事をすることができるようになりました。

よって、CPAは、どこでどのようにデータにアクセスできるか、また、データをどのように利用できるかを理解することが重要になってきたわけです。

③サービス組織におけるシステム・組織統制への依存度の高まり

財務報告に係る内部統制は、複雑なITシステムの中にあることが多いです。

また、多くの組織がITを第三者に委託し、データをクラウドに保存することが増えています。

よって、CPAは、テクノロジーがサービス組織の内部統制に与える影響をより深く理解することが重要になってきたわけです。

 

(3)新しいテクノロジーのAUDとBECの試験への影響

では具体的に、新しいテクノロジーは、USCPA試験のAUDとBECにどのような影響を与えるのでしょうか。

 

新しいテクノロジーのAUDへの影響

  1. データ分析と自動化
  2. 内部統制
  3. ITの影響

新しいテクノロジーのBECへの影響

  1. データ駆動型(データドリブン)の考え方、SOCレポート、ビジネスプロセスの組み合わせ
  2. SOCレポートの要素
  3. データマネジメントとリレーションシップ

①新しいテクノロジーのAUDへの影響

データ分析については、既にUSCPA試験でも出題されています。

ですが、さらに深い問題が出題されることになります。

クライアントがどのようにデータを管理しているかは、監査人にとって非常に重要です。

そして、監査人がクライアントのデータに依存して手続きを行う場合、使用するデータが完全かつ正確であるかどうかを知るために、ITコントロールやデータフローについての知識が必要となります。

よって、AUDという科目でも、データ分析と自動化に、より深く焦点が当てられます。

そして、データや内部統制文書の信頼性に対する主要な統制の影響を理解することにも、より焦点が当てられことになります。

さらに、ITが財務報告に与える影響と、IT監査人の仕事の利用についても、更なる理解が必要になるというわけです。

②新しいテクノロジーのBECへの影響

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:DX)がCPAに与える影響が、BECの試験で反映されています。

デジタルトランスフォーメンションというのは、「デジタルを利用した変革」のことです。

データ駆動型(データドリブン)という言葉も、最近はよく聞くようになってきていますが、「データに基づいて判断したり、行動する」ということです。

この考え方も、BECの試験では重要視されています。

デジタルおよびデータ駆動型(データドリブン)の考え方を持っているかが、変更後のBECの試験では問われます。

また、データ分析の重要性が増したことにより、「Data management and relationships」という全く新しいトピック分野が、変更後のBECのBlueprintsで設けられています。

 

(4)USCPA試験の2021年7月改正の見かた

2021年7月の試験内容の改正について、各科目ごとに、以下の3つに分けて見ていきます。

2021年7月の試験内容の改正

  1. 試験問題に追加された内容
  2. 試験問題から削除された内容
  3. 必要なスキルレベルが低下し、強調されなくなったトピック

 

必要なスキルレベルについては、AICPAのBlueprintsを見ていただくと分かるのですが、4つのレベルがあります。

必要なスキルレベル

  1. Evaluation(評価):問題を検討または評価し、そして判断して結論を出すこと。
  2. Analysis(分析):原因を特定し、推論を裏付ける証拠を見つけるために、別々の分野の相互関係を調査、研究すること。
  3. Application(応用):知識・概念・技術を使用、あるいは実証すること。
  4. Remembering and Understanding(記憶と理解):ある分野の重要性を認識し、理解すること。
上から順に高いスキルが必要です。

 

まずは変更点の少ないFARとREGから見て、そのあと、BECとAUDについて見ていくことにしましょう。

 

1.FARの変更点

まずは、FARについて見ていきましょう。

 

(1)追加される項目

FARは、追加される項目はありません。

 

(2)削除される項目

FARは、削除される項目は4つです。

FARで削除される項目

  1. 継続企業の要件
  2. 休暇引当金を除く有給休暇
  3. 退職給付(例:年金費用の計算と積立状況)
  4. IFRSとUSGAAPの相違点

 

(3)必要なスキルレベルの変更があるトピック

FARにおいて、必要なスキルレベルが変更されるトピックは1つです。

FARで必要なスキルレベルが変化するトピック

  1. デリバティブとヘッジ会計(例:スワップ、オプション、フォワード):「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下

 

2.REGの変更点

つぎに、REGについて見ていきましょう。

 

(1)追加される項目

REGは、追加される項目はありません。

 

(2)削除される項目

REGは、削除される項目は3つです。

REGで削除される項目

  1. 連邦証券規制
  2. 代替ミニマム税(AMT)
  3. 非課税資格の取得と維持(非課税団体について)

 

(3)必要なスキルレベルの変更があるトピック

REGにおいて、必要なスキルレベルが変更されるトピックは4つです。

FARで必要なスキルレベルが変化するトピック

  1. 倒産・支払不能(債務者と債権者の関係):「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下
  2. 有担保取引(債務者・債権者関係「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下
  3. 純営業損失および資本損失の制限(C法人の場合):「Analysis」から「Application」へ低下
  4. 非関連事業収入(非課税団体の場合):「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下

 

3.BECの変更点

つぎに、BECについて見ていきましょう。

 

(1)追加される項目

BECは、追加される項目は5つです。

BECで追加される項目

  1. ビジネスプロセスと取引の流れ(「Analysis」のレベル)
  2. アウトソーシングされたIT機能に対するSOC1レポートの必要性の理解(「Remembering & Understanding」のレベル)
  3. データの抽出と読み込み(「Remembering & Understanding」のレベル)
  4. データとデータの関係を変換して扱うこと(「Application」のレベル)
  5. データガバナンスとデータマネジメント(「Remembering & Understanding」のレベル)

ビジネスプロセスと取引の流れには、以下が含まれます。

  • 実現可能な技術
  • 効率化の機会の特定
  • 取引レベルのコントロールの特定と設計
  • サービスプロバイダーからのSOC1レポートの利用
  • リスクとコントロールギャップの特定
  • 企業の重要なビジネスプロセスに関連するデータとビジネスインテリジェンスの利用

 

(2)削除される項目

BECは、削除される項目は1つです。

BECで削除される項目

  1. SOX法以外のコーポレート・ガバナンスに関する規制のフレームワーク

 

(3)必要なスキルレベルの変更があるトピック

BECにおいて、必要なスキルレベルが変更されるトピックは3つです。

BECで必要なスキルレベルが変化するトピック

  1. 資本構成(新規事業のための資金調達戦略の比較など):「Analysis」から「Application」へ低下
  2. システム開発・保守(チェンジマネジメントと呼ばれているもの):「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下
  3. 継続性と回復計画(ビジネスレジリエンスと呼ばれているもの):「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下

 

4.AUDの変更点

さらに、AUDについて見ていきましょう。

 

(1)追加される項目

AUDは、追加される項目は10あります。

AUDで追加される項目

  1. 技術が企業とその環境に与える影響の検討(「Application」のレベル)
  2. 財務報告に使用されているITシステムの理解(「Application」のレベル)
  3. データの完全性と信頼性に対する主要な統制(手動統制、IT全般統制、アプリケーション統制など)の影響(「Analysis」のレベル)
  4. 内部統制のウォークスルーと、重要なビジネスプロセスを含む取引の流れの文書化(フローチャート、プロセスダイアグラムなど)、およびそれらが財務諸表とどのように関連するか(「Application」のレベル)
  5. 重要な虚偽表示のリスクが高い可能性のある取引を特定するためのADA(オーディットデータアナリティクス)技術の使用(「Analysis」のレベル)
  6. IT監査人の作業の利用(「Application」のレベル)
  7. 十分な適切な証拠の情報源を決定し、データの網羅性と正確性を検証するための手順の特定(「Evaluation」のレベル)
  8. 自動化されたツールやADAを使った監査サンプリングの実施(「Application」のレベル)
  9. 再計算に関連する自動化されたツールと技術の使用(「Application」のレベル)
  10. ADA手順の結果の分析、注目すべきまたは異常な項目の重要性の理解(「Analysis」のレベル)

 

(2)削除される項目

AUDは、削除される項目は7つです。

AUDで削除される項目

  1. エンゲージメントのタイミングと内部統制関連事項以外のすべての事項に関する経営陣およびガバナンスを担当する者とのコミュニケーション
  2. 構成員である監査人(グループ監査の場合)、経営陣およびガバナンスを担当する者以外の関係者とのコミュニケーション(法律で要求されるコミュニケーションなど)
  3. 期首残の監査
  4. デリバティブ商品への投資の監査
  5. 単一の財務報告書の監査に関する報告
  6. コンフォートレターおよびSECへの提出物
  7. 相手に誤解される可能性があるなどの理由で、文字によるコミュニケーションが制限されるアラート

 

(3)必要なスキルレベルの変更があるトピック

AUDにおいて、必要なスキルレベルが変更されるトピックは8つです。

AUDで必要なスキルレベルが変化するトピック

  1. エンゲージメントの受諾または継続の前提条件:「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下
  2. 詳細なエンゲージメントプランの策定:「Analysis」から「Application」へ低下
  3. 関連当事者の定義と識別:「Analysis」から「Application」へ低下
  4. 訴訟、クレーム、評価:「Analysis」から「Application」へ低下
  5. 継続企業としての企業の存続能力:「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下
  6. 経営陣またはガバナンスを担う者から入手すべき書面による表明:「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下
  7. 後に発見された事実:「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下
  8. 規制または契約上の合意事項の遵守に関する報告:「Application」から「Remembering & Understanding」へ低下

 

まとめ:USCPA試験の2021年7月の変更点

2021年7月のUSCPA試験の変更について見てきました。

変更の内容については、AICPAが作成するBlueprintsにまとめられています。

AICPAは、CPA受験生が、新人のCPAに必要な最新の知識やスキルを持っているかどうかを確認できるように、CPA試験の内容を変更するわけです。

今回の変更の目的は、CPAが基本的なビジネスプロセスを深く理解しているか、デジタルやデータについて知識があるかが重要になったため、それを試すような試験内容に改定することです。

よって、主な変更はBECとAUDに集中しており、簡単に言うと以下のような大きな変更点があります。

2021年7月変更での、BECとAUDの大きな変更点

  1. ビジネスプロセスをより重視すること
  2. データ分析能力と、デジタルスキルセットを評価すること
  3. SOC1レポートがより重要になること

 

あとは、FARにおいて「IFRSとUSGAAPの相違点」が削除されたことが大きな変更点でしょうか。

「IFRSとUSGAAPの相違点」がほとんどなくなったから削除されたと誤解されている方がいるようですが、それは違います。

米国ではUSGAAPを採用している企業が多く、CPA試験(新人のCPAが知っておくべき知識)への出題として適していないと判断したからだそうです(AICPAがはっきりとそう明記しています)。

 

 

以上、「【2021年7月改正】USCPA試験 試験内容の変更点」でした。

知りたい君
知りたい君
USCPA(米国公認会計士)試験の2021年7月に変更される点が分かったよ。

IT関連の変更が多いという理解でいいかな。

どこ
どこ
USCPAの業務においてITがますます重要となり、USCPAとしても、ITの知識や能力がますます不可欠になってきたわけだよね。

だから、これからUSCPAになる人が、監査の現場で対応できるだけのITの知識や能力があるかを確認できるように、USCPA試験のBECとAUDも変更することになったわけだね。

BECとAUDに関しては、既に勉強を始めていて、2021年7月1日以降に受験する場合は、何が追加されて、何が削除されるのかしっかり確認してから、本番の試験に挑むようにしてね。

特に、新しく追加された項目のうち、「Evaluation」や「Analysis」レベルでの理解度が求められるものは、しっかり対応しておいてね。

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ワシントン州USCPA(米国公認会計士)。USCPAの立場から、USCPA試験、USCPAのキャリア、USCPAの人生設計について書いています。BIG4大手監査法人監査人→米国企業経理職@バンコク→大手グローバル企業連結決算担当。
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