会計資格

IFRS Certificate(国際会計基準検定)ー 概要、難易度、活かし方

困った君
困った君
IFRS Certificate(国際会計基準検定)って、どんな試験なのかな。

勤務先の会社でIFRS(国際会計基準)が適用されると聞いたから興味があるけど、あまり情報がなくて。

受けてみるか決められなくて、困ったな。

どこ
どこ
どこは、USCPA(米国公認会計士)に合格してから、アビタスという予備校で、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の勉強をしたよ。

IFRS Certificate(国際会計基準検定)について見ていこうね。

当記事は、IFRS(国際会計基準検定)の日本語受験について書かれています。英語受験は取り上げておりませんので、ご注意ください。

IFRSとは、International Financial Reporting Standardsの略で、国際会計基準のことです。

 

1.IFRS Certificate(国際会計基準検定)の概要

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の概要について見ていきましょう。

IFRS Certificate(国際会計基準検定)は、ICAEW(The Institute of Chartered Accountants in England and Wales:イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)が実施している資格試験です。

IFRSの広範な知識と理解力を測定することを目的としています。

日本では、IFRSコンソーシアムが、ICAEWより運営を委託され、試験の運営と受験者の管理をしています。

全世界で受験されている試験ですが、日本においては、英語ではなく日本語でも受験できます。

ですので、語学力の壁はなく、純粋にIFRS(国際会計基準)の知識を測ることができます。

 

(1)試験方式

マークシート形式の客観試験で、60問、日本語で出題されます。

試験時間は、2時間です。

合格基準は、正答率60%以上で合格となります。

 

(2)受験資格

希望者はだれでも受験できます。

学歴条件、実務条件はありません。

 

(3)試験内容

IFRS(International Financial Reporting Standards)、または、IAS(International Accounting Standards)から出題されます。

  1. IFRSの基準書は、IASB(国際会計基準審議会)が1年に1回発行しており、PartA、PartB、PartCの3冊あります。
  2. IASは、IASBの前身であるIASC(国際会計基準委員会)が策定しました。

計算問題や理論的な問題が、幅広く出題されます。

 

具体的な出題内容は、以下の通りです。

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の出題内容

  1. 財務報告に関する概念フレームワーク
  2. IAS1:財務諸表の表示
  3. IAS2:棚卸資産
  4. IAS7:キャッシュ・フロー計算書
  5. IAS8:会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬
  6. IAS10:後発事象
  7. IAS12:法人所得税
  8. IAS16:有形固定資産
  9. IAS19:従業員給付
  10. IAS20:政府補助金の会計処理及び政府援助の開示
  11. IAS21:外国為替レート変動の影響
  12. IAS23:借入コスト
  13. IAS24:関連当事者についての開示
  14. IAS26:退職給付制度の会計及び報告
  15. IAS27:個別財務諸表
  16. IAS28:関連会社及び共同支配企業に対する投資
  17. IAS29:超インフレ経済下における財務報告
  18. IAS32:金融商品
  19. IAS33:1株当たり利益
  20. IAS34:期中財務報告
  21. IAS36:資産の減損
  22. IAS37:引当金、偶発負債及び偶発資産
  23. IAS38:無形資産
  24. IAS40:投資不動産
  25. IAS41:農業
  26. IFRS1:国際財務報告基準の初度適用
  27. IFRS2:株式に基づく報酬
  28. IFRS3:企業結合
  29. IFRS4:保険契約
  30. IFRS5:売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
  31. IFRS6:鉱物資源の探査及び評価
  32. IFRS7:金融商品
  33. IFRS8:事業セグメント
  34. IFRS9:金融商品
  35. IFRS10:連結財務諸表
  36. IFRS11:共同支配の取決め
  37. IFRS12:他の企業への関与の開示
  38. IFRS13:公正価値測定
  39. IFRS15:顧客との契約から生じる収益
  40. IFRS16:リース

 

(4)スケジュール

試験実施は、年3回(2月・6月・11月)です。

2021年度の試験実施日は、以下の通りです。

2021年度の試験実施日

  1. 第42回:2月6日(土)
  2. 第43回:6月6日(日)
  3. 第44回:11月7日(日)

 

(5)試験会場

日本の試験会場は、USCPA(米国公認会計士)の予備校として有名なアビタスの校舎です。

東京会場(新宿本校)大阪会場(大阪校)の2か所のみです。

 

(6)受験料

受験料は、47,300円(先着30名は、早期割引で40,700円)です。

受験料は、カード決済のみです。

 

2.IFRS Certificate(国際会計基準検定)の受験の流れ

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の受験の流れについて見ていきましょう。

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の受験の流れ

  1. 新規ID登録
  2. 受験申込み
  3. 受験票プリントアウト
  4. 受験
  5. 試験結果の通知
  6. 合格証(Certificate)の受領

 

(1)新規ID登録

初めて受験する場合は、まずはID登録をします。

ウェブサイトより、新規ID登録をします。

 

(2)受験申込み

つぎに、受験の申し込みをします。

ウェブサイトにて、受験したい日の検定試験を選択して、申し込みます。

受験料をカード決済します。

 

(3)受験票プリントアウト

後日、受験票が発行され、emailで送信されるので、プリントアウトします。

試験当日は、必ず持っていく必要があります。

 

(4)受験

東京会場(新宿本校)大阪会場(大阪校)のどちらかで受験します。

受験当日に持っていく必要があるのは、以下の通りです。

受験当日の持ち物

  1. 受験票
  2. 写真付の身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
  3. 筆記用具(HBの鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)
  4. 電卓(関数機能なしのもの)

 

(5)試験結果の通知

試験結果は、受験から1ヶ月から1か月半後、ICAEWよりemailにて結果が来ます。

 

(6)合格証(Certificate)の受領

合格者には、ICAEW発行の合格証(Certificate)がemailにて送られます。

 

3.IFRS Certificate(国際会計基準検定)の難易度

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の難易度について見ていきましょう。

 

(1)日商簿記2級より少し難しいくらい?

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の難易度は、そこまで高くないと言われています。

というのは、IFRS Certificate(国際会計基準検定)は、落とすための試験ではないからです。

IFRS(国際会計基準)の基本的な知識が身についていれば、合格できるでしょう。

試験自体は難しくなく、日商簿記2級より少し難しいくらいではないでしょうか。

とはいえ、試験範囲が広く、IFRS(国際会計基準)に過去触れたことがない人には、理解しづらく、独学で合格するのは大変だと言われています。

ただ、英語ではなく日本語で受験ができるので、語学力のハードルがなくなりました。

ですので、少なくとも、英語で受験する必要があるUSCPA(米国公認会計士)試験よりは、難易度は低いと言えるでしょう。

 

(2)合格率

合格率ですが、2021年2月に実施された第41回のIFRS Certificate(国際会計基準検定)の合格率は、73.3%でした。

また、正答率60%以上で合格となるのですが、合格者の平均点は76.9点でした。

合格率が高いのですが、それは、試験が簡単だからというわけではなく、受験者のレベルが高いからということが言えると思います。

受験者のほとんどが30代以降の比較的年配の方です。

また、受験者の半分以上が経理・財務・監査などの仕事にかかわっています。

さらに、60%以上の受験者が、日本の公認会計士、USCPA(米国公認会計士)、CIA(公認内部監査人)、簿記1級・2級・3級といった資格を保有しています。

 

(3)合格者の声

実際にIFRS Certificate(国際会計基準検定)に合格された方の声を参考までに掲載します。

この方自身は、日本の公認会計士さんで、IFRSは実務で学ばれたようですので、勉強しなくてもできたそうです。

この方がおっしゃっているように、IFRSに触れたことがない場合は、半年から1年くらいの勉強期間が必要ではないでしょうか。

そして、ある程度の会計の知識がある場合は、2か月から3か月の勉強で合格できるのではないかと思います。

USCPA(米国公認会計士)試験は、1年くらいの勉強が必要だと言われているので、USCPA(米国公認会計士)試験よりは、勉強量が少なくてすむということは言えます。

 

4.IFRS Certificate(国際会計基準検定)の資格の活かし方

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の資格を活かせるのは、以下のような方ではないでしょうか。

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の資格を活かせる方の例

  1. IFRS適用会社の経理職(に転職したい方)
  2. IFRS適用の海外子会社をもつ会社の連結決算担当(に転職したい方)
  3. 監査法人でIFRS適用会社を監査する監査人

IFRS適用済・適用決定会社数は、2021年3月時点では、IFRS適用済会社数が217社、IFRS適用決定会社数が14社、合計231社となっています。

このIFRS適用済会社は、大企業が多いです。

また、海外子会社をもつ会社も大企業であることが多いでしょう。

よって、大企業で働きたい場合は、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の資格を持っていると有利でしょう。

ちなみに、どこIFRS Certificate(国際会計基準検定)の勉強をすることになったのも、Big4大手監査法人で監査人をしていた際、IFRSプロジェクトにアサインされたためです。

IFRS適用第1期目の監査や、IFRSをこれから適用する会社のIFRS導入のサポートをしていました。

USCPA(米国公認会計士)ですので、米国基準(USGAAP)はある程度理解していましたが、IFRS(国際会計基準)についてもプロフェッショナルとして理解する必要があったので、アビタスに通い勉強しました。

また、現在、連結決算担当として、欧州子会社やアジア子会社の財務数値の管理もしていますが、欧州子会社やアジア子会社は、IFRS(国際会計基準)で連結パッケージを提出してきますので、IFRS(国際会計基準)の理解が役に立っています。

 

5.IFRS Certificate(国際会計基準検定)とUSCPA(米国公認会計士)試験やBATIC(国際会計検定)との比較

IFRS Certificate(国際会計基準検定)と他の資格(USCPAやBATIC)を比較してみます。

 

(1)USCPA(米国公認会計士)試験との比較

IFRS Certificate(国際会計基準検定)とUSCPA(米国公認会計士)試験を比較します。

知名度は、USCPA(米国公認会計士)の方が高いでしょう。

そして、転職などで評価されるのも、USCPA(米国公認会計士)でしょう。

ただ、USCPA(米国公認会計士)の方が、英語で受験しなくてはなりませんし、受験科目は4科目あり、難易度が高いです。

当たり前ですが、IFRS Certificate(国際会計基準検定)は、国際会計基準(IFRS)についての試験ですし、USCPA(米国公認会計士)試験は、米国基準(USGAAP)についての試験です。

よって、会計と英語のスキル「会計×英語」をアピールする必要がなく、また、IFRS適用会社で働いていたり、IFRS適用会社に転職したい方は、わざわざ難易度の高いUSCPA(米国公認会計士)試験にチャレンジする必要はなく、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の方が良いでしょう。

USCPA(米国公認会計士)試験については、以下の記事を参考にしてください☟

USCPA(米国公認会計士)試験&キャリア 完全ガイドUSCPA(米国公認会計士)試験について、USCPA(米国公認会計士)試験に合格したのち、USCPAとしてどのようなキャリアが築けるのかについて、情報をとりまとめました。随時更新中です。...

 

(2)BATIC(国際会計検定)との比較

IFRS Certificate(国際会計基準検定)とBATIC(国際会計検定)を比較します。

BATIC(国際会計検定)は、英文簿記とIFRS(国際会計基準)の会計知識を英語で問う試験でしたが、2021年に新制度となり、単なる英文簿記の試験となりました。

もはや、BATIC(国際会計検定)は、IFRS(国際会計基準)の会計知識を問う試験ではなくなりましたので、IFRS Certificate(国際会計基準検定)と比較できるレベルではありません。

IFRS(国際会計基準)の会計知識があることをアピールしたいならば、BATIC(国際会計検定)ではなく、IFRS Certificate(国際会計基準検定)を受験するといいでしょう。

BATIC(国際会計検定)については、以下の記事を参考にしてください☟

【2021年新制度】BATIC(国際会計検定)ー試験の概要や勉強のしかたBATIC(国際会計検定)は、2021年にリニューアルされました。旧制度と比較しつつ、BATIC(国際会計検定)の概要、出題内容、難易度、勉強法について詳しく見ていきましょう。...

 

6.IFRS Certificate(国際会計基準検定)の勉強法

IFRS Certificate(国際会計基準検定)の勉強法を挙げていきます。

 

(1)予備校を利用する

効率よく、IFRS Certificate(国際会計基準検定)に合格したいとのことでしたら、アビタスの「IFRS Ceritificate(国際会計基準検定)プログラム」を受講すると良いと思います。

アビタスは、USCPA(米国公認会計士)試験の講座がメインですが、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の対策プログラムも開講しています。

この対策プログラムは、日本で唯一、IFRSの基準書を体系的に学べるコンテンツです。

また、アビタスは、前述の通り、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の受験会場となっています。

どこも、アビタスのIFRS Certificate(国際会計基準検定)プログラムを受講して、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の勉強をしました。

アビタスのIFRS Certificate(国際会計基準検定)プログラム

  1. 基準書を3か月でマスター可能(150時間から200時間の学習時間)
  2. 実務家の講師によるわかりやすい講義
  3. 日本語と英語併記のテキスト
  4. 検定に即応した問題集

講義やテキスト、問題集など、よくできており、勉強しやすかったです。

ただ、受講料が20万円くらいして、高いのが難点です(笑)。

 

(2)独学

独学をする場合は、以下のような市販の本を購入して勉強すると良いでしょう。

Big4監査法人の同僚の中には、独学で合格している人もいましたので、多少効率的ではなくなるとしても、独学でも合格は可能だと思います。

 

 

以上、「IFRS Certificate(国際会計基準検定)ー 概要、難易度、活かし方」でした。

困った君
困った君
IFRS Certificate(国際会計基準検定)について、よくわかったよ。

勤務先の会社でIFRS(国際会計基準)が導入されるから、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の勉強は活かせそうだな。

でも、最初は、予備校に通うのではなく、紹介してもらった市販の本での勉強から始めようかな。

どこ
どこ
そうだね。IFRS(国際会計基準)は、どんな形であれ、勉強したほうが良いと思うよ。

たとえば、転職などで、IFRS Certificate(国際会計基準検定)に合格しているという実績まであった方が良いなら、IFRS(国際会計基準)をただ勉強するだけではなく、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の受験も考えてみるといいね。

USCPA(米国公認会計士)試験の詳細については、こちらを参考にしてください。

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また、会計英語の勉強については、こちらの記事もご参照ください。

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ワシントン州USCPA(米国公認会計士)。USCPAの立場から、USCPA試験、USCPAのキャリア、USCPAの人生設計について書いています。BIG4大手監査法人監査人→米国企業経理職@バンコク→大手グローバル企業連結決算担当。