IFRS検定は意味ない?役に立つ人・取らなくていい人を解説
※IFRS検定は、2026年6月1日から「IFRS Certificate試験」に名称変更されました。
試験形式・難易度・受験料に変更はありません。
IFRS検定は意味ないのでしょうか。
結論から言うと、IFRS検定が意味あるかどうかは、目的で決まります。
資格だけで転職を有利にしたい人には、期待しすぎない方がよいです。
一方で、IFRS適用企業、連結決算、海外子会社管理、監査法人のIFRS案件に関わる人には、知識の整理として役に立ちます。
つまり、IFRS検定は資格名だけで勝負する資格ではありません。
経理・監査・連結決算などの実務経験に、IFRS知識を足す検定と考えると分かりやすいです。
私はUSCPA試験に合格後、BIG4監査法人でIFRS適用企業の監査に関わりました。
その後、グローバル企業で海外子会社の財務諸表を見る仕事にも関わっています。
その経験から言うと、IFRSの知識は、使う場面がある人にとってはかなり重要です。
ただし、誰にでも必要な資格ではありません。
この記事では、IFRS検定が「意味ない」と言われる理由、役に立つ人、優先度が低い人、実務・転職での活かし方を解説します。
IFRS検定を受けるか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
1.IFRS検定が「意味ない」と言われる理由
IFRS検定が「意味ない」と言われることがあります。
これは、IFRS検定そのものに価値がないというより、期待する効果がズレていることが多いです。
特に、次のような理由で「意味ない」と感じられやすいです。
(1)日本での知名度が高くない
IFRS検定は、日本での知名度が高い資格ではありません。
日商簿記、税理士、公認会計士、USCPAなどと比べると、一般的な認知度はかなり低いです。
そのため、履歴書にIFRS検定と書いたからといって、採用担当者全員にすぐ価値が伝わるとは限りません。
特に、IFRSを扱わない会社や、国内基準中心の会社では、評価されにくいこともあります。
ここは正直に考えた方がよいです。
IFRS検定は、資格名だけで強烈に評価されるタイプの資格ではありません。
(2)資格だけで転職が決まるわけではない
IFRS検定に合格したからといって、それだけで転職が決まるわけではありません。
転職で見られるのは、資格だけではないからです。
たとえば、次のような経験が見られます。
- 経理経験
- 連結決算経験
- 開示経験
- 監査経験
- 英語力
- Excelスキル
- 会計基準を実務で扱った経験
- コミュニケーション力
IFRS検定は、こうした経験にプラスして活きるものです。
資格だけで一発逆転を狙うものではありません。
そのため、転職目的だけでIFRS検定を取ろうとすると、「思ったほど評価されない」と感じる可能性があります。
(3)IFRSを使わない仕事では活かしにくい
IFRS検定は、IFRSに特化した検定です。
そのため、仕事でIFRSを使わない人にとっては、学習内容を活かしにくいです。
たとえば、国内基準だけを扱う経理、税務中心の仕事、管理会計やFP&A中心の仕事では、IFRS検定の優先度は高くないかもしれません。
IFRS検定は、誰にでも必要な資格ではありません。
IFRSを実務で使う人、または今後使う可能性がある人に向いています。
つまり、「意味ない」と感じるかどうかは、IFRSを使う場面があるかどうかで大きく変わります。
2.IFRS検定が役に立つ人・優先度が低い人
IFRS検定は、人を選ぶ検定です。
全員におすすめできる資格ではありません。
だからこそ、自分にとって意味があるのかを先に確認した方がよいです。
(1)IFRS検定の優先度が低い人
IFRS検定の優先度が低いのは、次のような人です。
- 資格だけで転職したい人
- IFRSを使う予定がない人
- 会計初学者
- 会計キャリアの選択肢を広げたい人
- 税務を専門にしたい人
- 管理会計やFP&Aを専門にしたい人
特に、「履歴書に書ける資格が欲しい」という理由だけでIFRS検定を受けるのは、あまりおすすめしません。
IFRS検定は、資格名だけで強く評価される資格ではないからです。
また、会計初学者が最初に取る資格としても、少し専門的です。
まずは簿記や財務会計の基礎を固めた方がよいでしょう。
会計キャリアの選択肢を広げたいなら、IFRS検定よりUSCPAの方が土台になりやすいです。
税務を専門にしたいなら税理士やEA、管理会計やFP&Aに進みたいならUSCMA、内部監査を深めたいならCIAの方が目的に合う場合もあります。
(2)IFRS検定が意味ある人
IFRS検定が役に立ちやすいのは、次のような人です。
- IFRS適用企業で働いている人
- 連結決算に関わっている人
- 海外子会社管理に関わっている人
- 監査法人でIFRS案件に関わる人
- 外資系企業の経理に関心がある人
- IFRSを体系的に学び直したい人
- USCPA合格後にIFRS知識を補強したい人
こうした人にとって、IFRS検定は知識の整理に役立ちます。
IFRSは、日本基準とは考え方が違う部分があります。
収益認識、リース、金融商品、減損、連結、開示など、実務で重要な論点も多いです。
そのため、IFRSに触れる仕事をしている人にとっては、体系的に学ぶ価値があります。
(3)迷うなら「今の仕事でIFRSに触れるか」で判断する
IFRS検定を受けるか迷うなら、まずは次の質問を考えてみてください。
今の仕事、または近い将来の仕事で、IFRSに触れる可能性はありますか?
答えが「ある」なら、IFRS検定の学習は意味があります。
答えが「ない」なら、今すぐ優先しなくてもよいかもしれません。
資格は、取れば何でも役に立つわけではありません。
自分の仕事やキャリアとつながっているかが大事です。
IFRS検定は、IFRSを使う人には意味があります。
逆に、IFRSを使わない人には、優先度が下がります。
3.IFRS検定のメリット・価値
IFRS検定の価値は、資格名そのものよりも、学習を通じてIFRSの知識を整理できることにあります。
資格欄に書くためだけに受けるより、実務で使うために学ぶ方が価値が出やすいです。
なお、IFRS検定は必ず受験しなければ意味がないわけではありません。
実務でIFRSを使う人にとっては、受験するかどうかより、IFRSを体系的に学ぶこと自体に価値があります。
(1)IFRSを体系的に学べる
IFRS検定のメリットは、IFRSを体系的に学べることです。
IFRSは、独学でバラバラに調べると分かりにくいです。
基準ごとに論点があり、似たような用語も多く、全体像をつかむまで時間がかかります。
IFRS検定の学習を通じて、主要論点を整理できます。
たとえば、次のような分野です。
- 財務諸表の表示
- 収益認識
- リース
- 金融商品
- 棚卸資産
- 有形固定資産
- 無形資産
- 減損
- 引当金
- 連結財務諸表
- 企業結合
- 開示
IFRSを実務で使う人にとって、これらを体系的に学べることは大きなメリットです。
(2)連結・開示・監査で理解が深まる
IFRS検定の学習は、連結決算、開示、監査と相性がよいです。
IFRSは、個別の仕訳だけでなく、財務諸表全体の表示や開示にも関係します。
そのため、連結決算や開示業務に関わる人は、IFRSを学ぶことで業務理解が深まりやすいです。
監査法人でIFRS適用企業を担当する場合も、IFRSの知識は必要になります。
私もBIG4監査法人でIFRS適用企業の監査に関わったとき、IFRSの知識不足を強く感じました。
USCPA試験ではUSGAAPを学びますが、日本で大企業やグローバル企業に関わると、IFRSに触れる場面も多いです。
そのため、USCPA合格後にIFRSを補強するのも自然です。
(3)実務経験と組み合わせるとアピールになる
IFRS検定は、単体で強力な資格というより、実務経験と組み合わせると価値が出やすいです。
たとえば、次のような組み合わせです。
- 経理経験 × IFRS検定
- 連結決算経験 × IFRS検定
- 監査経験 × IFRS検定
- 開示経験 × IFRS検定
- 海外子会社管理 × IFRS検定
- USCPA × IFRS検定
このように、もともとの経験にIFRS知識を足すと、説得力が出ます。
「IFRS検定に合格しました」だけでは弱いかもしれません。
ですが、「連結決算を担当していて、IFRSの理解を深めるためにIFRS検定を学習しました」なら、話が通じやすいです。
IFRS検定は、実務経験にIFRS知識を足す検定。
この位置づけが一番しっくりきます。
4.IFRS検定は転職で役に立つ?
IFRS検定は、転職でまったく役に立たないわけではありません。
ただし、資格だけで転職を決める力は強くありません。
ここは、期待しすぎない方がよいです。
(1)資格だけで転職できるわけではない
IFRS検定は、資格だけで転職できるものではありません。
特に、会計未経験からIFRS検定だけで経理や監査の仕事に転職するのは、かなり難しいと思います。
採用側は、資格だけではなく、実務経験を見ます。
たとえば、次のような経験です。
- 経理経験
- 監査経験
- 連結決算経験
- 開示経験
- 英語力
- Excelスキル
- 会計基準を実務で扱った経験
- 社内外とのコミュニケーション力
IFRS検定は、こうした経験を補強するものです。
転職のためだけに取るなら、費用対効果を慎重に考えた方がよいです。
(2)IFRS適用企業・外資経理・連結決算では話が通じやすい
一方で、IFRSに関わる求人では、IFRS検定の学習経験が話のきっかけになることがあります。
たとえば、次のような仕事です。
- IFRS適用企業の経理
- 外資系企業の経理
- 連結決算
- 海外子会社管理
- 監査法人のIFRS案件
- 開示業務
- 会計アドバイザリー
こうした仕事では、IFRSの知識があると業務理解が進みやすいです。
また、面接でも「IFRSを学習している」「IFRS検定に合格している」と言えると、IFRSに関心があることは伝わります。
ただし、それでも実務経験との組み合わせが大事です。
IFRS検定だけで勝負するのではなく、これまでの経験とセットで伝えましょう。
(3)会計キャリアの土台ならUSCPAの方が強い
会計キャリアの選択肢を広げたいなら、IFRS検定よりUSCPAの方が土台になりやすいです。
USCPAは、財務会計、監査、税務、ビジネスを広く学ぶ資格です。
監査法人、外資経理、グローバル企業、会計アドバイザリーなど、幅広いキャリアと相性があります。
一方で、IFRS検定はIFRSに特化しています。
そのため、会計キャリア全体を広げる資格というより、IFRS知識を補強する検定です。
IFRS検定とUSCPAの違いを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
(4)資格取得前にキャリアの方向性を確認する
IFRS検定は、資格だけで転職を決めるものではありません。
ただし、経理・監査・連結決算・開示などの経験と組み合わせると、IFRS適用企業や外資経理、連結決算の求人で話がしやすくなる可能性があります。
すでに経理・財務・監査の経験がある方は、資格取得前にキャリアの方向性を確認しておくのもおすすめです。
今の経験で外資経理・連結決算・IFRS関連求人を狙えるのか。
IFRS検定を取ると、どのようなキャリアにつながりやすいのか。
資格取得前に確認しておくと、勉強の目的がはっきりします。
USCPAや会計・経理系の転職エージェントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
5.学習経験者として感じたIFRS検定の価値
ここからは、私自身の経験も踏まえて、IFRS検定の価値を整理します。
結論として、IFRS検定の価値は、資格名ではなく、学習で得た知識にあります。
(1)BIG4監査法人でIFRS案件に関わった経験
私はUSCPA試験に合格後、BIG4監査法人に転職しました。
そこで、IFRS適用企業の監査に関わりました。
USCPA試験ではUSGAAPを学びます。
ですが、日本で大企業やグローバル企業に関わると、IFRSが出てくる場面は多いです。
当時、IFRSの知識が十分ではなく、実務でかなり苦労しました。
自分で本を買って勉強してみましたが、IFRSは独学だと全体像をつかみにくいです。
そのため、IFRSを体系的に学ぶ必要性を強く感じました。
IFRS検定の学習は、こうした実務上の不安を減らすのに役立ちます。
(2)グローバル企業の連結決算でIFRS知識が役立った経験
その後、グローバル企業で連結決算にも関わりました。
海外子会社の財務諸表を見ると、IFRSに準拠している会社もあります。
また、国によっては、IFRSに近いローカル基準を採用している場合もあります。
海外子会社管理や連結決算に関わると、IFRSの知識があるかどうかで、数字の見え方が変わります。
もちろん、すべてを完璧に知っている必要はありません。
ですが、IFRSの基本的な考え方を知っていると、海外子会社の財務諸表を読むときに助かります。
(3)資格取得より、学習で得た知識の方が大事
IFRS検定は、資格名だけを見ると、そこまで強い資格ではないかもしれません。
ただし、学習で得た知識は実務で役立ちます。
特に、IFRS適用企業、連結決算、海外子会社管理、監査法人のIFRS案件に関わる人にとっては、学習する価値があります。
大事なのは、IFRS検定に合格することだけではありません。
IFRSを学んで、実務で使える知識にすることです。
資格取得そのものより、学習で何を身につけるか。
ここを意識した方がよいです。
6.IFRS検定を受けるべき人・急がなくてもいい人
IFRS検定は、人によっておすすめ度が変わります。
「意味ある」「意味ない」を一言で決めるより、自分の目的に合うかで考えましょう。
(1)IFRS検定を受けるべき人
IFRS検定を受けるべきなのは、次のような人です。
- IFRS適用企業で働いている人
- 連結決算に関わっている人
- 海外子会社管理に関わっている人
- 監査法人でIFRS案件に関わる人
- 外資経理に関心がある人
- IFRSを体系的に学び直したい人
- USCPA合格後にIFRS知識を補強したい人
このような人にとって、IFRS検定は実務とつながりやすいです。
勉強した内容を仕事で使う場面があるため、学習効果を感じやすいでしょう。
(2)IFRS検定を急がなくてもいい人
一方で、次のような人は、IFRS検定を急いで受けなくてもよいと思います。
- IFRSを使う予定がない人
- 資格だけで転職したい人
- 会計初学者
- 会計キャリアの選択肢を広げたい人
- 税務を専門にしたい人
- 管理会計やFP&Aを深めたい人
IFRSを使う予定がないなら、今すぐ受ける必要はありません。
会計初学者なら、まずは簿記や財務会計の基礎から始めた方がよいです。
会計キャリアの選択肢を広げたいなら、IFRS検定よりUSCPAを先に検討した方が自然です。
(3)受験せずに学習だけする選択肢もあり
IFRS検定は、必ず受験しなければ意味がないわけではありません。
IFRSを学ぶこと自体に価値があります。
特に、すでに実務でIFRSに触れている人なら、検定合格よりも、学習で得た知識の方が大事なこともあります。
もちろん、合格すれば学習の証明になります。
ですが、受験料や勉強時間もかかります。
そのため、まずはIFRSを学習し、必要なら受験するという考え方もあります。
資格取得を目的にするのではなく、IFRSを実務で使えるようにする。
この視点で考えると、IFRS検定の価値が分かりやすくなります。
7.まとめ:IFRS検定は意味ない資格ではないが、人を選ぶ
IFRS検定は、意味ない資格ではありません。
ただし、誰にでも必要な資格ではありません。
資格だけで転職を有利にしたい人には、期待しすぎない方がよいです。
一方で、IFRS適用企業、連結決算、海外子会社管理、監査法人のIFRS案件に関わる人には、知識の整理として役に立ちます。
IFRS検定は、資格名だけで勝負する資格ではありません。
経理・監査・連結決算などの実務経験に、IFRS知識を足す検定です。
IFRS検定をおすすめしやすいのは、すでに会計・経理・監査の経験があり、IFRSを実務で使う可能性がある人です。
反対に、会計初学者、資格だけで転職したい人、会計キャリアの選択肢を広げたい人には、優先度は高くありません。
会計キャリアの土台を作りたいなら、USCPAを先に検討した方がよいでしょう。
IFRS検定は、全員におすすめする資格ではありません。
ただし、IFRSに触れる仕事をしている人、またはこれからIFRSに関わりたい人にとっては、学習する価値があります。
資格名だけで判断せず、自分の実務にIFRSが必要かどうかで決めましょう。
すでに経理・財務・監査の経験がある方は、資格取得前にキャリアの方向性を確認しておくのもおすすめです。
今の経験で外資経理・連結決算・IFRS関連求人を狙えるのか、一度確認してみるとよいでしょう。
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