BATICは役に立たないという声を聞くんだけど、実際どうなのか分からなくて困ったな。
USCPA(米国公認会計士)を受ける前に、BATIC(国際会計検定)を受けたんだけど、役に立たないということはないと思っているよ。
BATICは本当に役に立たないのか、どんな人の役に立つのか、どんな人は受ける必要が無いのかご説明していくね。
BATIC(国際会計検定)は、2021年に試験制度が大きく変わりました。
BATICが役に立つか、立たないかというブログなどでの議論は、旧制度のBATICについての場合が多いので、ご注意ください。
新制度のBATICについての詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

これまで「BATIC(国際会計検定)は役に立たない」という声を聞いてきました。
この「役に立たない」というのは、何の役に立たないという意味なのでしょうか?
大きく分けると、「転職や就職の役に立たない」と、「英文会計の知識を身につけるのに役に立たない」の2つになると思います。
1.BATICは転職や就職で役に立たないのか?
まず、BATICは転職や就職で役に立たないのかという点です。
(1)何も資格がないよりは評価される
正直に言うと、BATICという試験を知らない人が多いので、BATICのスコアやレベルを履歴書に書いたり、転職面接でアピールしても、評価されないことが多いです。
BATICが転職で評価されるのは、以下のような場合が考えられます。
転職でBATICが評価される場合
- 外資系企業の経理職
- 日系大企業の連結決算職
親会社へのレポーティングが英語になる外資系企業では、英語で基礎的な会計を理解していることの証明となるBATICは、評価されるでしょう。
外資系企業へ応募する際は、BATICのことを多少なりとも知っている方が面接担当になることが多いです。
BATICは東京商工会議所の検定試験で、外国人には全く知られていませんので、日本人が面接担当になった場合だけではあります。
また、特に米国企業の場合は、USCPA(米国公認会計士)が高く評価されることは念頭に置いておいた方がいいでしょう。
さらに、日系の大企業で海外子会社がある場合、連結パッケージが英語で提出されます。
そうなると、英語で会計が理解できる(少なくとも英語で勘定科目が理解できる)人材が必要となりますので、TOEICよりもプラスの評価をしてもらえる場合もあります。
(2)評価が高いのはアカウンティングマネージャー以上
どこの経験からすると、BATICのことを多少なりとも知っている方だと、アカウンティングマネージャーレベル以上ではないと、高い評価をしていないように感じました。
旧BATICでのレベルとスコア
- Controller(コントローラー)レベル:880点以上
- Accounting Manager(アカウンティングマネージャー)レベル:700点以上
- Accountant(アカウンタント)レベル:320点以上
- Bookkeeper(ブックキーパー)レベル:200点以上
ブックキーパーレベルは単なる参加賞、アカウンタントレベルは英文会計のことが多少は分かっているという評価でしょう。
現在の新試験ではSubject2が廃止され、スコアによって与えられるレベル(称号)も変わりました。
以下のような3つのレベルになったのですが、旧試験のレベルとは、以下のような紐づきと考えていいと思います。
新BATICでのレベルとスコア割合☜旧BATICのレベル
- Advanced(上級レベル):360点以上(90%以上)☜旧Accountant(アカウンタント)ちょっとプラスレベル?
- Middle(中級レベル):320点以上(80%以上)☜旧Accountant(アカウンタント)レベル?
- Entry(初級レベル):200点以上(50%以上)☜旧Bookkeeper(ブックキーパー)レベル?
つまり、新BATICでは、最高でも、旧BATICのアカウンタントレベルにしかならないということです。
新BATICで、たとえ上級レベルを取って履歴書に書いても、高い評価は得られないでしょう。
本当はアカウンティングマネージャー以上のレベルの実力がある場合は、BATICでは証明できないので、BATICは転職時にアピールする資格として役に立たないということになります。
(3)新BATICは転職・就職で武器にはならない
旧BATICでのアカウンティングマネージャーレベル以上なら、高く評価される場合もありましたが、新BATICでは、最高でも旧BATICのアカウンタントレベルです。
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よって、今後は評価はアテにできないでしょう。
ですので、転職や就職のためにBATICの勉強をするというのはおすすめできません。
もし、ブログや資格・転職のサイトで、「BATICは転職・就職でおすすめの資格」と紹介されていたら、旧BATICでの話ではないか、確認してみてください。
2.BATICは英文会計の知識を身につけるのに役に立たないのか?
つぎに、BATICは英文会計の知識を身につけるのに役に立たないのかという点です。
(1)新BATICでも英文会計の基礎知識が身につけられる
新BATICの出題範囲ですが、旧BATICのSubject2の出題範囲が丸ごとなくなりました。
旧BATICの出題範囲
- Subject1(英文簿記)
- Subject2(国際会計理論)
新BATICの出題範囲
- 英文簿記☜Subject1(英文簿記)と同じ
- Accounting for Assets and Liabilities(資産と負債の会計処理)
新BATICは、旧BATICのSubject1(英文簿記)とほぼ同じです。
「Accounting for Assets and Liabilities(資産と負債の会計処理)」というトピックが追加されただけです。
新BATICは、国際会計検定という名前にもかかわらず、国際会計理論は出題されず、単なる英文簿記検定になっています。
ですが、依然として英語で簿記が理解できているかが問われる試験であり、英文会計の基礎知識を身につけるという意味では、十分に意味のある、役に立つ試験であると言えます。
(2)新BATICはUSCPAの準備としてちょうどいい
USCPA(米国公認会計士)の準備として、BATICの受験を考える方が多いです。
どこも、USCPAを受ける前にBATICを受けたのですが、英語で勘定科目や会計用語を覚えるのに役に立ち、USCPAの学習にスムーズに入れました。
旧BATICだと、せっかくだからコントローラーレベルまで取りたくなってしまうと思うのですが、コントローラーレベルは意外と難しいので、ここで時間を費やしてしまう人もいたようです。
BATICはIFRS(国際財務報告基準)の試験、USCPAはUSGAAP(米国会計基準)の試験ですので、そもそもちょっと違います。
今まではUSCPA試験でも、IFRSとUSGAAPの違いが出題範囲にあったので、全く無駄になるということはなかったのですが、2021年7月のUSCPA試験の改正で、IFRSとUSGAAPの違いが出題範囲から外れました。
新BATIC:IFRSが出題されなくなった
2021年7月改正後のUSCPA:USGAAPとIFRSの違いが出題されなくなった
よって、USCPAの準備としては、新BATICになったことと、USCPAの試験改正がGoodタイミングで起きたと思います。
3.まとめ:BATICはどんな人の役に立つのか?
BATICは、2021年度に新しくなりました。
そもそもBATICの知名度はあまり高くなく、旧BATICのアカウンティングマネージャーレベル以上ならば、外資系企業の経理の面接などで高く評価されるという感じでした。
それが、新BATICになり、試験自体が簡単になりましたので、面接などで高い評価を得ることは、今後はないと思います。
ですが、依然として英文会計の基礎を学習するという点では十分ですし、USCPAに挑戦する前段階の試験としてちょうどいいと思います。
BATICが役に立つ人
- 英文会計の基礎知識を身につけたい人
- USCPAを受ける準備がしたい人
BATICを受けない方がいい人
- 転職・就職の武器にしようと思っている人
- IFRSの知識を身につけたい人
「会計×英語」の資格の中で、転職・就職の武器になるのは、やはりUSCPAです。

そして、IFRSの知識を身につけたいのでしたら、IFRS Certificate(国際会計基準検定)を受けるのがいいと思います。

以上、「BATIC(国際会計検定)は役に立たないのか?どんな人の役に立つのか?」でした。
それに、ゆくゆくはUSCPA(米国公認会計士)を受けようと思っているよ。
だから、BATICは役に立ちそう。
ただ、USCPAの学習を始めてから、「自分には英語で会計の勉強をするのは無理だった」と挫折する人が少なからずいるので、BATICを受けてみることをおすすめしているよ。
USCPAの予備校の受講料は高いから、支払ってから挫折すると、大金が無駄になるからね。
ほか、転職はする気が無くても、英語で会計が理解できるということ自体はプラスだよね。
BATICを“TOEICよりビジネス寄りの英語の試験”ととらえて、受けてみてもいいと思うよ。
特に仕事で英語を使う人は、BATICの学習をすると、仕事でその知識が活かせると思うから、試験を受けなくても、学習だけはしてみてほしいよ。
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