どうなったのかな?どうやって勉強したらいいのかな?
USCPAの勉強を始める前に、BATIC(国際会計検定)の勉強をして、英文会計の基礎を固めたんだよ。
BATICは、2021年に全面的にリニューアルされて、Subjectが廃止されてなくなったり、オンラインで受験することになったよ。
旧制度と比較しつつ、新制度のBATICについて、詳しく見ていこうね。
- 2021年にBATIC(国際会計検定)はリニューアルされ、旧制度と大きく変わっていますので、旧制度の情報のままのサイトにはご注意ください。
- 2022年にBATIC(国際会計検定)は PBT(Paper Based Testing・紙試験)から IBT(Internet Based Testing・インターネット経由で行う試験)とCBT(Computer Based Testing・テストセンターのPCで行う試験)に完全移行しました。
- CBT(テストセンターのPCで行う試験)方式でのBATIC受験については、BATIC(国際会計検定)CBT(コンピューターでの試験)方式の試験概要 も詳しいです。
1.BATIC(国際会計検定)の概要

(1)BATICとは?
BATIC(国際会計検定)は、「Bookkeeping and Accounting Test for International Communication(国際コミュニケーションのための簿記・会計検定)」の略称です。
BATICは「バティック」と読みます。
BATICは、あまり知られていないと思いますが、日商簿記検定の英語版のような試験です。
主催も日商簿記検定と同じように、商工会議所です。
検定の主催者
日商簿記検定:日本商工会議所
BATIC:東京商工会議所(東京都の商工会議所)
BATICは、日商簿記検定の英語版のような試験
(2)BATICが活かせる人
BATICは、グロバール化がすすむ現在、「会計×英語」の資格として人気があります。
たとえば、以下のような人がBATICの資格を取得しています。
こんな人にBATICは人気です
- 外資系企業やグローバル企業の経理職や財務職の人
- 海外子会社や工場を管理している人
- 海外取引先の経営状況を分析する人
BATICの資格を履歴書に書いて、転職などに活かすというよりは、BATICのテキストを読み、問題を解くことで、効率的に会計英語を身につけられるのが、人気なポイントです。
また、BATICは、「会計×英語」のプロフェッショナルとしてステップアップしたい人が、入門の資格として学習しています。
このような資格の入門資格としてBATICは学習されます
- 米国公認会計士(USCPA)
- IFRS検定(IFRS Certificate)
- 英国勅許会計士(Chartered Accountant)
BATIC自体は高く評価される資格ではないのですが、英語で会計を極めたいと考える人が手始めに受けて、「会計×英語」の適性を確かめるのに最適な資格です。
BATICは、英文会計の知識を効率的に学びたい人や、USCPAなどの上級会計資格にチャレンジしたい人向け
(3)BATICの他の会計資格との比較
会計資格は色々ありますが、BATIC(国際会計検定)は、他の会計関連資格と比べるとどのような資格になるのでしょうか。

BATICは、前述のように日商簿記検定の英語版のような試験です。
そこまで専門的な会計は問われませんので、会計のスペシャリストになろうとまでは考えていない人でも気軽に学習できます。
BATICは、会計を専門にしないグローバルに活躍したいビジネスパーソンが、気軽に受けられる資格
2.BATIC(国際会計検定)の詳細
それでは、BATIC(国際会計検定)の詳細について見ていきましょう。
(1)受験資格
BATIC(国際会計検定)を受験するのに、学歴、年齢、性別、国籍などに制限はないです。
ですので、受験のハードルは低いです。
ただし、受験当日に、日本国内に居住している方に限定しています(海外からは受験できません)。
日本に住んでいれば、誰でも受験可能
(2)試験日時
BATIC(国際会計検定)の試験日時は、自由に選択できます。
ただし、年2シーズン制で、各シーズン1回限りの受験となります。
2022年度のBATICの試験日は、以下の通りです。
申込期間 | 試験期間 | ||
2022年
上半期 |
第43回 | 7月22日(金)~8月8日(月) | |
2022年
下半期 |
第44回 | 10月5日(水)~10月17日(月) | 11月11日(金)~11月28日(月) |
試験開始時刻
- 10:30
- 11:00
- 13:30
- 14:00
- 15:30
- 16:00
試験開始時刻の20分前から待機が必要。
- インターネットでの申し込みです(東商検定IBT受験申込み)。
- 申し込みにはメールアドレスが必要です。
- 受験希望日の7日前までの事前申し込みが必要です。
- 先着順のため、早めに申し込むといいでしょう。
- 同一試験回において、1回のみ申込可能で、複数日の申込はできません。
旧制度では、試験実施日が7月下旬と12月中旬の年2回、決められた日でした。
新制度でも、最大年2回の受験ですが、試験期間の中で自由に試験日時が決められるので、受験しやすくなります。
年2回まで、好きなタイミングで受験可能
(3)受験場所
BATIC(国際会計検定)は、IBT(インターネット経由での試験)ですので、インターネット環境があれば、パソコンでどこででも受験ができます。
自宅などで受験でき、わざわざ会場に出向く必要がありません。
ただし、周りに誰もいない環境で、机の上に許可のないものは置かない状態で受験できる必要があります(壁などにポスターが貼られているくらいなら問題ないようです)。
よって、レストランやカフェ、公園、インターネットカフェなどでの受験はできません。
また、前述のように海外からは受験はできません。
旧制度では、商工会議所が指定する会場での受験でした。
好きな場所で受験可能
(4)受験に必要な物
インターネット経由での受験になったため、受験者が機器を準備する必要があります。
インターネット受験のために必要な機器
- インターネットに接続されたパソコン(タブレット、スマホは不可)
- パソコンの内部カメラまたはウェブカメラ
- パソコンの内部または外部のマイク
- パソコンの内部または外部のスピーカー
- キーボード
周りに人がいないか、テキストなどを出していないか受験環境を見せたり、身分証明書を見せるやり取りのために、カメラやマイクが必要となります。
そして、機器以外では、以下のものが必要です。
機器以外で必要なもの
- 身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
- 電卓またはそろばん
- 計算用紙(A4両面白紙が1枚のみ)
- 筆記用具(1本のみ)
規定で計算用紙の大きさや枚数、筆記用具の本数が決まっていますので、注意しましょう。
インターネット受験になったため、自分で準備するものが増えた
(5)受験料
受験料は、5,500円(税込)です。
支払いは、クレジットカード決済かコンビニ決済のみで、現金払いや振り込みは受け付けていません。
また、主催者都合での試験中止の場合を除き、受験料の返金はできません。
クレジットカード決済かコンビニ決済のみ
(6)試験方法
BATIC(国際会計検定)は、試験時間は70分(1時間10分)です(ただし、試験開始前に本人確認や説明などのため20分かかります)。
出題は、全て英語です。
形式は、5択の選択式問題(35問)と記述式問題(3問)の2種類です。
ちなみに、記述式問題といって、英語の文章を書かせるような問題は出題されず、数字や記号を記入するといったレベルです。
旧制度では、「Subject1(英文簿記)」と「Subject2(国際会計理論)」の区分がありましたが、新制度では廃止されています。
試験時間は、「Subject1(英文簿記)」が1時間30分、「Subject2(国際会計理論)」が2時間30分でした。
70分、英語で出題、選択式問題と記述式問題
(7)スコアと称号
BATIC(国際会計検定)は、400点満点のスコア制(合否はありません)です。
スコアに応じて、3つのうちいずれかの称号が付与されます。
称号 | レベル | 得点割合 | 得点 |
Advanced | 上級レベル | 90% | 360点以上 |
Middle | 中級レベル | 80% | 320点以上 |
Entry | 初級レベル | 50% | 200点以上 |
旧制度では、1,000満点のスコア制で、スコアに応じて、4つのうちいずれかの称号が付与されていました。
称号 | レベル | 得点 |
Controller | コントローラーレベル | 880点以上 |
Accounting Manager | アカウンティングマネージャーレベル | 700点以上 |
Accountant | アカウンタントレベル | 320点以上 |
Bookkeeper | ブックキーパーレベル | 200点以上 |
称号なし | 称号なし(得点のみ認定) | 200点未満 |
また、旧制度では、アカウンティングマネージャーレベル及びコントローラーレベルの認定期間は3年で、更新手続きが必要でした。
ですが、新制度では、更新制度は廃止となっています。
スコアに応じ、3つのうちいずれかの称号が付与
3.BATIC(国際会計検定)の出題範囲

BATIC(国際会計検定)の出題範囲について見ていきましょう。
Basic Concepts of Accounting and Bookkeeping | 会計と簿記の基本概念 |
Transactions and Journal Entries | 取引と仕訳 |
Journal and Ledger | 仕訳帳と元帳 |
Trial Balance | 試算表 |
Adjusting Entries | 決算修正仕訳 |
Accounting for Inventory and Cost of Sales | 棚卸資産と売上原価の会計処理 |
Worksheet and Closing Entries | 精算表と締切仕訳 |
Financial Statements | 財務諸表 |
Basic Assumptions and GAAP | 基本的な前提とGAAP |
Financial Statement Analysis | 財務諸表分析 |
Internal Control | 内部統制 |
Cash Control | 現金管理 |
Accounting for Assets and Liabilities | 資産と負債の会計処理 |
(1)ほぼ英文簿記のみ、Subject1のみ
出題範囲は、旧制度の Subject1(英文簿記)とほぼ同じです。
つまり、BATICは Subject1(英文簿記)のみになったと考えてよいでしょう。
旧制度の Subject1(英文簿記)と違うのは、最後の「Accounting for Assets and Liabilities(資産と負債の会計処理)」が範囲に含まれている点だけです。
ちなみに「Accounting for Assets and Liabilities(資産と負債の会計処理)」は、以下のような内容です。
Accounting for Assets and Liabilities(資産と負債の会計処理)
- 有形固定資産(取得原価と売却・処分)
- 無形固定資産
- 社債
(2)IFRSや会計理論は出ない
新制度では、Subject2(国際会計理論)の出題範囲が丸々カットされています。
つまり、Subject2(国際会計理論)は廃止になったと考えてよいでしょう。
BATIC(国際会計検定)は、「IFRS(国際財務報告基準)」や「会計理論」の知識が試される試験ではなくなっています。
新制度では、BATIC(国際会計検定)のことを「国際会計検定」ではなく、「英文簿記検定」と言った方が正確でしょう。
英文簿記のみ出題
4.BATIC(国際会計検定)の難易度

BATIC(国際会計検定)の難易度について見ていきましょう。
(1)新制度の難易度:簿記3級、TOEIC500点
新制度のBATICの難易度は、日商簿記検定3級と同じくらいでしょう。
簿記3級に合格しているならば、そこまで難しく感じないでしょう。
ただし、英語で出題されるので、英語力が必要となります。
英語力に関しては、過去の受験生のレベルを見ていると、TOEIC500点以上の英語力がある人が多く受けているようです。
(2)旧制度の難易度:簿記2級以上、TOEIC750点
旧制度のBATICの難易度は、「Subject1(英文簿記)」は新制度と変わらないと思われますが、「Subject2(国際会計理論)」の難易度は高いものでした。
旧制度のBATICの「Subject2(国際会計理論)」の難易度
- 「コントローラーレベル」:日商簿記検定1級に近いレベル
- 「アカウンティングマネージャーレベル」:日商簿記検定2級レベル
また、英語力に関しては、過去の受験生のレベルから推測するのでは、TOEIC750点以上の英語力が求められていたのではないかと思います。
新制度のBATICの難易度は、日商簿記検定3級、TOEIC500点以上?
旧制度のBATICの難易度は、日商簿記検定2級以上、TOEIC750点以上?
BATICの英語力については、受験に必要な英語力の身につけ方をご説明していますので、参考にしてください。

5.BATIC(国際会計検定)の勉強法

BATIC(国際会計検定)の勉強法について見ていきましょう。
(1)十分に独学可能
BATIC(国際会計検定)の勉強法ですが、公式テキストと公式問題集を購入し、独学ができます。
2021年新制度のBATIC(国際会計検定)の公式テキスト・公式問題集はこちらです。
2021年 公式テキスト
2021年 公式問題集
注)現時点(2022年6月時点)では、2021年2月に出版されたものが最新です。
公式テキストには、BATIC受験で覚えておきたい英文会計単語集が含まれており、親切設計です。
2020年の旧制度のBATIC(国際会計検定)の過去問題集(TAC出版)はこちらです。
2020年 過去問題集 Subject1
2020年 過去問題集 Subject2
注)現時点(2022年6月時点)では、2020年3月に出版されたものが最新で、新制度の過去問題集は出版されていません。
過去問題集については、公式問題集は全部やってしまって、もう少し問題演習をしたい場合は利用しても良いでしょう。
(2)学校の利用もアリだった旧制度とは違う
旧制度では、「Subject2(国際会計理論)」の内容は難しかったので、独学ではなく、学校(TACや大原)を利用し、効率よく勉強をしても良かったと思います。
ですが、新制度では、もはや難しい会計理論は出題されませんので、公式テキストと公式問題集を使った独学で十分と言い切れます。
独学なら、公式テキストと公式問題集を併せても、6千円もかかりません。
学校に通うと、TACは簿記初学者用で3万円以上、簿記経験者用で2万円近く、そして大原も2万円近くかかります。
ですので、わざわざ学校に通う必要はないと思います。
ですが、独学はどうしても無理という方のために、TACと大原のBATIC講座の比較をしていますので、参考にしてください。

独学で十分
6.BATIC(国際会計検定)の勉強時間

BATIC(国際会計検定)受験までの勉強時間について見ていきましょう。
(1)勉強時間の目安は40時間から60時間
勉強時間の目安ですが、簿記の学習経験があれば(日商簿記検定3級合格者ならば)、40時間から60時間時間くらいだと思われます。
BATIC受験までに必要な勉強時間(簿記の学習経験がある場合)
- 公式テキストを読む:16時間
- 公式問題集を解く:16時間
- 試験前の総復習:8時間
合計で40時間
(2)勉強のスケジュールが立てやすい
毎日平日2時間の勉強で、1か月(10時間/週×4週間=40時間)でBATICの勉強が終えられると考えられます。
申込期間が来て、申し込みを終えてから勉強を始めても間に合います。
自分で試験日が決められるので、どのくらい勉強に時間をかけたいのか考えてから申し込んでもいいでしょう。
たとえば、2021年上半期の受験ならば、6月末に申し込み、7月末に受験をするというスケジュールでも大丈夫でしょう。
簿記の基礎知識があれば、勉強時間の目安は40時間から60時間
まとめ:2021年新制度のBATICとは

BATIC(国際会計検定)は、2021年に新しくなりました。
2021年新制度のBATIC(国際会計検定)
- 試験日が選べるようになった
- インターネット受験になった(試験会場に行く必要がなくなった)
- ほぼ英文簿記のみが出題される(会計理論やIFRSは出題されない)
出題範囲は、旧制度の Subject1(英文簿記)とほぼ同じです。
旧制度の Subject2(国際会計理論)は、出題範囲から除かれています。
つまり、BATICは、Subject2(国際会計理論)が廃止され、Subject1(英文簿記)のみになったと考えてよいでしょう。
難しい会計理論や会計基準は出題されませんので、40時間から60時間ほど独学すれば、受験レベルに到達できるでしょう。
以上、「【2022年最新版】2021年にBATIC(国際会計検定)が新しく!どうなった?どう勉強する?」でした。
もはや、「国際会計検定」というよりは、「英文簿記検定」だね。
とはいえ、英文会計の基礎知識が身につけられるのは変わらないし、好きなタイミングで、好きな場所で受験できるようになったのはいいことだね。
今まで時間や場所の制約で受けられなかった人が受けられるようになるから、もしかしたら、今後BATICは人気が出るかもしれないな。
公式テキストと公式問題集を買ってきて、独学することにするよ。
BATIC(国際会計検定)は、日商簿記検定3級の英語版のようなものになったわけだね。
今までは、転職の武器となる資格だったけれど、今後は、仕事で活かすための自己啓発的な資格、そして、上級会計資格の入門的な資格という立ち位置になるだろうね。
英文会計をもっと極めたかったら、USCPA(米国公認会計士)がおすすめだよ。
まずは、サクッと独学でBATICをマスターしてしまい、BATICでは物足りなかったら、USCPAにも挑戦してみてね。
2021年新制度のBATIC(国際会計検定)の公式テキスト・公式問題集
BATIC(国際会計検定)講座の資料請求(無料)
USCPA(米国公認会計士)に興味がある場合は、シェアNo1のアビタスというUSCPAの予備校に資料請求・説明会参加してみてください☟
アビタスについては、元アビタス受講生のUSCPAとして、アビタスにご紹介ができます(入学金11,000円オフになります)。
「英語×会計」の資格として、USCPA(米国公認会計士)受験も考えてみてください。

USCPA(米国公認会計士)とBATIC(国際会計検定)の比較は、こちらを参考にしてください。


IFRS(国際会計基準)については、IFRS Certificate(国際会計基準検定)の受験も考えてみてください。

BATIC(国際会計検定)とIFRS(国際会計基準検定)の比較は、こちらを参考にしてください。

USCPA(米国公認会計士)以外にも、USCMA(米国公認管理会計士)やEA(米国税理士)といった国際会計資格もあります。

CIA(公認内部監査人)、CISA(公認情報システム監査人)、CFE(公認不正検査士)といった内部監査資格もあります。

また、会計英語の勉強については、こちらの記事もご参照ください。
