試験科目はFAR・BEC・AUD・REGの4科目あると思うけど、それぞれどんな科目なのか知りたいな。
USCPA試験の科目は、それぞれ特徴があって対策のしかたも違うよ。
USCPAの勉強を始める前にその特徴を把握し、適した勉強法を知っておこうね。
USCPA試験科目(FAR・BEC・AUD・REG)の特徴と勉強法を合格者が解説!
USCPAの試験科目は、以下の4科目あります。
USCPA試験科目
- FAR (Financial Accounting & Reporting):財務会計
- BEC (Business Environment & Concepts):企業経営環境・経営概念
- REG (Regulation):諸法規
- AUD (Auditing & Attestation):監査及び証明業務
4科目について、それぞれの試験科目の特徴と、どのように対策をすれば良いか、勉強法を説明していきます。
1.FARの特徴と勉強法
まずは、FARについて見ていきましょう。
FARの内容
- 企業会計:80%
- 政府会計・非営利組織会計:20%
FARは、USCPA試験の中心となる科目です。
企業会計からの出題が大部分ですが、政府会計や非営利組織の会計も出題されます。
政府会計:州政府や地方自治体の公会計
非営利組織会計:学校・医療・福祉団体などの会計
アビタスの場合ですが、FARという科目の簿記との関係は、以下のようになっています。
- 英文会計入門:初級会計 ☜簿記3級レベル
- FAR1・2・3:中級会計 ☜簿記2級レベル
- FAR4:上級会計 ☜簿記2級と簿記1級の一部のレベル
- FAR5:政府・非営利組織会計 ☜簿記の範囲外
FARの範囲は、簿記3級から1級の一部までですが、FARの問題は、シンプルで簿記2級くらいの難易度です。
(1)全科目の基礎となる
FARは、USCPA試験全科目の基礎となる科目です。
FARで学習した知識は、特にBECやAUDの勉強で必要となってきます。
FARの知識がないと、BECやAUDで解けない問題もあります。
USCPA試験の学習は、まずはFARから始めましょう。
(2)ボリュームが多く、計算問題が多い
FARは、試験範囲は広く、ボリュームがあります。
アビタスの教材で判断すると、USCPA試験全体(4科目)を100%とすると、FARは35%くらいを占めています。
また、計算問題が多いため、MC問題を解くのにも時間がかかります。
特に、簿記検定などの勉強をしたことがなく、簿記や会計の知識が無い場合、学習に時間がかかるでしょう。
既にある程度、簿記や会計の知識がある場合も、FARはUSCPA試験で最初に学習する科目となりますので、学習のコツがつかめていなかったり、受験のタイミングを延ばしてしまいがちになります。
ダラダラと勉強せず、学習したことを忘れないよう、適度に復習しつつ、さっさと受験する必要があります。
FARは、できるだけ早く全範囲の学習を終え、さっさと受験しましょう。
(3)仕訳のスキルが大切
FARで必ず攻略しておかなくてはならないのが「仕訳」です。
「仕訳」とは、取引をルールに従って記録することです。
普段から仕事で「仕訳」をしている経理の方や、簿記検定の学習をしたことがある方なら、おそらく、最初からある程度理解できていると思います。
もし、USCPA試験で初めて「仕訳」に触れる場合は、まずは「仕訳」のスキルを身につけることが必要不可欠です。
「仕訳」ができないと、AUDでも解けない問題があります。
取引を見たら仕訳を書いてみるクセをつけること。
(4)政府・非営利組織会計の出題割合が意外に大きい
FARにおいて、政府・非営利組織会計の出題割合は20%となっています。
政府・非営利組織会計の出題割合は意外と大きいので、しっかりと対策をする必要があります。
ただし、出題されるのは簡単なものが多く、計算問題もほとんどないため、概念をしっかりと理解しておくだけでいいでしょう。
概念さえ理解しておけば、解き方が分かるパターンが多いので、得点源になります。
TBS問題で出題されることもありますが、大半はMC問題で出題されます。
MC問題の3問に1問は、政府・非営利組織会計の問題となる計算ですので、MC問題対策をしておきましょう。
- 政府・非営利組織会計は、簡単な問題が多いので、得点源になる。
- 計算問題はほとんど出ないので、本番の時間稼ぎにする。
- 本番のMC問題で、企業会計と混乱するなら、テストレット内で別々に解く。
2.BECの特徴と勉強法
つぎに、BECについて見ていきましょう。
BECの内容
- リスク管理
- 経済学
- 財務管理(ファイナンス)
- 情報技術(IT)
- 管理会計
20%くらいずつ出題される
BECは、ビジネスに関連する分野を網羅しており、ビジネス全般の実践的な内容を多く含んでいます。
(1)試験範囲が幅広い
BECの試験範囲は幅広いです。
そして、各分野は、互いにあまり関連していません。
コーポレートガバナンス、経済学、ファイナンス、IT概論、管理会計の5分野から、まんべんなく出題されます。
深い知識は要求されていないので、出題される可能性のあるレベルを判断して学習を進めます。
つまり、広く浅く、どの分野も相応に学習する必要があります。
BECは、各分野からまんべんなく出題されるので、苦手な分野を作らないこと。
(2)WC(記述式問題)が出題される
BECでは、USCPA試験で唯一、Written Communication(記述式問題)が出題されます。
WCの配点は15%で、3問出題されます(1問はいわゆる「ダミー問題」で採点されません)。
基本的な回答のフォーマット、キーワードやフレーズを覚えておけば、5点から10点くらい取るのは可能です。
機械が採点をします(人が採点をする場合もあります)ので、ポイントとなるキーワードやフレーズを盛り込んで、ある程度のボリュームの回答を書けば得点がもらえます。
あまり時間をかけなくて良いので、最低限の対策だけはしておきましょう。
BECでは、WC(記述式問題)が出題されるので、英語で書く練習が必要。
BECのWC(記述式問題)については、こちらの記事を参考にしてください。

(3)FARの知識が必要
BECのファイナンスや管理会計といった分野では、FARの財務会計の知識が必要となります。
ですので、FAR学習をした後に、BECの学習を始めると良いでしょう。
ただし、管理会計に関しては、FARの学習だけでは不十分なので、苦手分野になりそうならば、簿記検定2級の工業簿記テキストなどで理解を補強するといいかもしれません。
BECの学習は、FARの学習を終えてから。
(4)AUDの知識も必要
BECのリスク管理では、AUDの内部統制やリスクマネジメントといった知識が必要となります。
ですので、AUDを学習した後であれば、リスク管理の分野は理解がしやすくなります。
BECをAUDより先に学習する場合、AUDの内部統制やリスクマネジメントだけでも先に学習をしておくいいでしょう。
特に、リスク管理は、計算問題がなく理論問題ですが、難しい問題は出題されないため、基礎だけ理解して、得点源にすると良いでしょう。
- リスク管理の分野は、簡単な問題が多いので、得点源になる。
- 計算問題はほとんど出ないので、本番の時間稼ぎにする。
- AUDの内部統制やリスクマネジメントを併せて勉強する。
(5)経済学やITは基本的な知識で対応できる
経済学は、大学で経済学の講義を取っていた人ならば、ほとんど勉強をしなくても大丈夫なレベルです。
経済学の講義を取っていなかった人でも、日ごろ経済ニュースを観たり、日経新聞などを読んでいれば、聞いたことがあるような一般常識のような内容が出題されます。
ITに関しては、用語や知識の整理が必要ではありますが、基本的なことしか聞かれません(ただし今後は分かりません)。
BECのITの内容(例)
- AI
- ソフトウェア
- EC
- 情報セキュリティ
ビッグデータ、クラウド、プロキシサーバー、クッキー、電子マネー、スパムといった用語の理解が問われます。
経済学やITは、用語や基礎的な知識の整理をしておく。
3.AUDの特徴と勉強法
さらに、AUDについて見ていきましょう。
AUDの内容
- 倫理、職責、一般原則
- リスクの評価と計画的な対応の策定
- 更なる手続きの実施と証拠の入手
- 結論の形成と報告
監査基準や監査の流れなどで、③がボリュームが大きく、④のボリュームが小さい
AUDは、CPAにとって最も大切な業務である監査・証明業務が出題されます。
(1)沼にはまりやすい
AUDは、日本人のUSCPA受験生が苦手としがちな科目です。
何度もギリギリ73点や74点で不合格になってしまう受験生を見てきました。
AUDは出題範囲が狭く、ほとんど計算問題が出題されないため、簡単だと誤解して、甘くみてしまうようです。
また、監査や会計の実務経験がないと理解しにくい問題や、抽象的な言い回しの問題が出題されるため、実務経験や英語力が高くない受験生にとっては、ハードルが高い科目となります。
- 他の科目と違って、簡単に見えるけど、合格しにくい科目。
- 他の科目と違う勉強法が必要となる。
(2)深い理解が必要
AUDは、他の科目に比べて深い論点理解が必要です。
テキストの隅から隅までしっかりと読み込んで、理解を深める必要があります。
MCを解く際も、なんとなく解くのではなく、なぜこの選択肢が正解になるのか考えるなど、1問1問を深堀りしていく必要があります。
また、個々の監査手続きを理解するだけではなく、監査というプロセスの中のどれに該当し、どのような役割があるのか、監査意見に与える影響なども、常に意識する必要があります。
監査基準を暗記しようとするのではなく、監査基準が作成された背景、適用される状況などを考えながら学習を進めていくといいでしょう。
- テキストを熟読し、問題を深堀りしていく。
- 個々の論点だけではなく、全体の流れをイメージする。
(3)レポートの基本形の暗記が必要
AUDでは、監査意見のレポートの基本形を覚え、他の各レポートとの違いを理解することが大切です。
レポートの基本形さえ覚えておけば解ける問題も出題されます。
基本形をベースにして、他の各レポートで変わってくる文言をハイライトして理解していくといいでしょう。
レポートの基本形は暗記し、他のレポートとの違いを理解する。
AUDの勉強のポイントについては、こちらの記事を参考にしてください☟

4.REGの特徴と勉強法
さいごに、REGについて見ていきましょう。
REGの内容
- 税法:70%
- ビジネス法:15%
- ビジネス倫理・職業責任:15%
法律が大部分を占める
REGは、連邦税法とビジネス関連諸法規が出題されます。
(1)ボリュームが多く、暗記事項も多い
REGは、FARの次にボリュームが多いです。
アビタスの教材で判断すると、USCPA試験全体(4科目)を100%とすると、REGは30%くらいを占めています(FARは35%くらい)。
また、数値を覚えるなど暗記をしなくてはいけない科目です。
REGは、他の科目とあまり関連性が無いため、最後に受験する場合が多いと思いますが、最後に重くのしかかってくる科目と言えます。
REGは、最後に根性で暗記して乗り越えましょう。
(2)税法は深い理解が必要、ビジネス法は広く浅い理解でOK
REGの出題範囲は、大きくは、米国連邦税法、ビジネス法、ビジネス倫理・職業責任に分かれています。
税法は、TBSの出題に対応するためにも、深い理解が必要となります。
特に「Basis」の理解と整理、所得申告書に慣れることが重要となってきます。
申告手続きの全体の流れを最初に理解し、代表的な申告書のフォーマットを覚えておくと学習がスムーズでしょう。
ビジネス法は、出題範囲が広いのですが、主にMCでの出題ということや、配点が15%ほどということもあり、広く浅い理解でいいでしょう。
税法は深い理解、ビジネス法は広く浅い理解と濃度を変える。
(3)ビジネス倫理・職業責任の出題割合が意外に大きい
ビジネス倫理と職業責任は、出題範囲は狭いのですが、前述のように配点割合が15%と高いので、しっかりと対策する必要があります。
ただし、出題されるのは簡単なものが多く、計算問題もほとんどないため、基礎を理解しておけばいいでしょう。
法律用語なので難しく見えますが、USCPAのREGで出題されるのは、基礎的な法律の解釈のみです。
重要な法律用語を覚え、解釈のプロセスをマスターしておけば正解できる問題が出題されます。
TBSで出題される可能性がありますが、基本的にはMCで出題されます。
倫理規定や職業責任のルールなどを理解し、頻出分野を確実に押さえれば対応できるでしょう。
ビジネス倫理と職業責任は、簡単な問題が多いので、得点源になる。
計算問題はほとんど出ないので、本番の時間稼ぎにする。
まとめ:USCPA試験科目の特徴と勉強法
4科目について、それぞれの科目の特徴と、どのように対策をすれば良いか勉強法を見てきました。
ポイントをまとめると、このようになります。
科目 | 科目の特徴 | MC対策 | TBS対策 |
FAR |
|
|
仕訳ができるように |
BEC |
|
|
|
AUD |
|
|
修正仕訳ができるように |
REG |
|
|
|
ぜひ、各科目の特徴を理解し、ポイントを押さえた勉強を心がけてください。
以上、「USCPA試験科目(FAR・BEC・AUD・REG)の特徴と勉強法を合格者が解説!」でした。
どのように勉強するかのイメージもできたよ。
理論をしっかりと理解し基礎を固めてから、細かい論点を覚えたり、深堀りして応用力をつけていくのは、どの科目でも同じだから忘れないでね。

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