USCPA試験の学習を始めたばかりの人・これから学習を始める人は、どのように勉強をしたらいいのか迷うよね。
最適で完璧な勉強法というのは、人によって違うので残念ながらないよ。
でも、やってはいけない勉強法というのは、基本的に誰にでも当てはまるよ。
今回は、やってはいけない勉強法を12個挙げていくので、これからのUSCPA試験の学習で避けるようにしてね。
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USCPAの学習を始めていない場合「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
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USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
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はじめに:なぜ「やるべき勉強法」ではなく「やってはいけない勉強法」なのか
この記事の目的は、USCPA試験の合格を目指す皆さんが陥りがちな「やってはいけない勉強法」を具体的に解説することです。
多くの受験生が知りたいのは「どうすれば合格できるか」でしょうね。
ですが、あえて「やってはいけないこと」に焦点を当てるのには、明確な理由があります。
おすすめの勉強法は人それぞれ。
ですが、失敗する勉強法には驚くほど多くの人に共通するパターン、つまり「落とし穴」が存在するからです。
この記事で暴くのは、多くの受験生が陥る「やってる感の罠」。
一見、勉強しているように見えて、実は合格から遠ざかっている。
そんな非効率な行動パターンを一つずつ解き明かしていきます。
この記事を読めば、こうした落とし穴を事前に知り、無駄な努力や遠回りを避け、学習効率を格段に上げることが可能です。
特に、学習を始めたばかりの方や、これから始めようと考えている方にとって、効果的なスタートを切るためのガイドラインになると思いますよ。
学習習慣・計画に関するNG勉強法
まず、学習習慣・計画に関するNG勉強法から挙げていきます。
NG勉強法 1:講義視聴と問題演習を切り離す
講義を見たら一息つかずに、必ずその直後に関連するMC問題を解くべきです。
これは学習の鉄則と言えます。
講義の直後、一息つきたくなるその気持ちは、痛いほど分かります。
ですが、インプットとアウトプットの間に時間を置くことは非常に非効率です。
なぜなら、「人間の記憶は思った以上にすぐに薄れていってしまう」ため、せっかく集中してインプットした内容も、時間を空けると「あれ、何だったっけ?」と「思い出すところからまたスタートしないといけなくなる」からです。
「インプットしたら即アウトプット」というサイクルを習慣づけること。
これが知識を確実に定着させ、学習の強固な土台を作る上で非常に重要なのです。
NG勉強法 2:明確な目標・指標なしで学習を進める
あなたの学習計画に、具体的な数値目標はありますか?
もし「なんとなく全体を終わらせる」と考えているなら、今すぐ立ち止まるべきです。
漠然とした進め方は、まるで「どこに向かっているのか分からないマラソンを走っているようなもの」。
モチベーションの維持が困難になるだけでなく、自分の現在地や何が不足しているのかが見えなくなってしまいます。
対策として、具体的で測定可能な目標を設定することが不可欠です。
- 「この1週間で苦手な〇〇分野のMC正答率を10%上げる」
- 「今月末までにこの論点について誰かに説明できるレベルまで理解する」
このような目標があることで、日々の進捗が明確に確認でき、達成感を得ながら着実に前進することができます。
NG勉強法 3:苦手分野から目を背け、放置する
得意な問題を繰り返し解くのは楽しく、自信にも繋がります。
しかし、そればかりに偏ってしまうのは、不合格に繋がる典型的なパターンの一つです。
得意な問題を解くのは、最も手軽に「勉強した感」を得られる行為ですが、合格に必要な実力は全く伸びていません。
USCPA試験の出題範囲は非常に広く、満遍なく実力が問われます。
「苦手分野は出ないかもしれない」という淡い期待は、まず裏切られると考えてください。
難しい問題や苦手な分野を後回しにしたくなる気持ちは分かりますが、重要な考え方があります。
実は、その「苦手だな」「難しいな」と感じる分野にこそ、あなたの点数の伸びしろがたくさん眠っているのです。
解けない問題から逃げずに、むしろ積極的に向き合う姿勢が合格を引き寄せます。
「毎週水曜の夜は一番苦手な論点の克服に充てる」というように、意識的に「弱点つぶしタイム」を設けることを強く推奨します。
合格ラインである75点の壁を超えるには、弱点の克服が不可欠ですよ。
学習内容の理解に関するNG勉強法
次に、学習内容の理解に関するNG勉強法を挙げていきます。
NG勉強法 4:理解が浅い段階で完璧なノート作りに時間を費やす
ノート作り自体が悪いわけではありません。
問題なのは、その「タイミング」と「目的」です。
特に、学習の初期段階で論点の全体像や重要度が掴めていないうちに、綺麗なノート作りに没頭してしまうのは注意が必要です。
典型的な失敗例として、「後で見返したら重要でなかった細かい部分まで書き写している」「単にテキストを丸写ししただけで理解が伴っていない」といったケースが多く見られます。
これこそ、時間をかけた満足感だけが得られる「やってる感の罠」の典型例です。
効果的なノートの活用法は、学習がある程度進み、自分の弱点が明確になってからです。
どうしても覚えられない論点や、繰り返し間違える部分に絞って「自分なりに整理する」「記憶を呼び覚ますキーワードを書き留める」といった使い方が最適です。
「試験直前に最終確認するためのお守り」という位置づけで作成するのが良いでしょうね。
NG勉強法 5:テキストを軽視し、MC演習だけに偏る
MC問題演習の重要性は言うまでもありませんが、それだけに頼る学習法は非常に危険です。
その最大の理由は、理解が表面的になりがちだからです。
「なぜこの選択肢が正解で他が間違いなのか」という根本的な理由(Whyの部分)を理解しないまま正解だけを覚えてしまうことになります。
そうなると、少し問われ方が変わったり、応用問題が出題されたりした途端に全く対応できなくなってしまいます。
定期的にテキストに戻り、各論点の定義、会計基準の背景にある考え方、具体的な処理方法、例外規定などを体系的に理解し直すことが不可欠です。
「問題ばかり解いていて伸び悩んでいた人が、テキストをじっくり読み込むようにしたら合格できた」という話は昔も今も本当によく聞きますよ。
「テキストは知識の土台であり、理解の寄り所」です。
演習で行き詰まった時こそ、テキストに立ち返る習慣をつけましょう。
USCPAのテキストの読み方については、こちらも参考にしてください。
NG勉強法 6:理解を伴わない丸暗記に頼る
そして、この「なぜ」を無視した学習の行き着く先が、次のNG勉強法である「丸暗記」なのです。
大学受験などで暗記中心の勉強法に慣れている方は特に注意が必要ですね。
USCPA試験では、単なる知識の断片ではなく、「なぜそうなるのか」という論理的な理解と、それを具体例に当てはめる「応用力」が試される問題が非常に多く出題されます。
学習を進める際には、常に「なぜそういうルールになっているのか?その背景にある会計原則は何か?」と自問自答しましょう。
それを自分自身の言葉で説明できるかを確認することが重要です。
「丸暗記は一見楽なようで、実は応用が効かない非常にもろい知識になりがち」です。
目先の暗記に頼るのではなく、背景を含めた深い理解を目指してくださいね。
教材・演習の進め方に関するNG勉強法
さらに、教材・演習の進め方に関するNG勉強法を挙げていきます。
NG勉強法 7:むやみに教材を増やす(特に洋書への安易な浮気)
試験への不安から、色々な教材に手を出したくなる気持ちはよーーーく分かります。
ですが、これはかえって逆効果になりやすい典型例です。
教材を増やすことには、以下のようなリスクが伴います。
USCPA試験の学習で教材を増やすリスク
- 知識が整理されるどころか、かえって混乱する:教材ごとに解説スタイルや論点の整理方法が微妙に異なり、知識の混乱を招く可能性があります。
- 解説が不親切で、根本的な理解に繋がらない:洋書の問題集は問題数が豊富でも、解説が非常に簡潔なことが多く、根本的な理解に繋がりにくい場合があります。
- 「もったいない精神」が、非効率な勉強を続けさせる:「せっかく買ったから」というサンクコストバイアスが働き、効果が薄いと分かっていてもやめられない悪循環に陥ることがあります。
結論として、まずはメインで使っている予備校の教材を徹底的にやり込むこと。
これが合格への一番の近道であり王道です。
一般的な予備校の問題集は、1科目のMC問題だけで700問あったりします。
これを完璧に理解するだけでも相当な実力が身につきますよ。
USCPA試験の洋書問題集については、こちらを参考にしてください。
NG勉強法 8:TBS問題対策を後回しにする
MC問題がある程度できるようになってからTBS問題の対策を始めようと考えるのは、非常に危険な落とし穴です。
TBS問題の配点比率は50%(ISCのみ40%)と高く、ここで大きく失点すると合格は非常に難しくなります。
また、苦手意識から対策を避け続けていると、本番で問題を見た瞬間に圧倒されてパニックに陥ってしまう可能性も十分にあります。
理想的な対策は、「学習のなるべく早い段階から、比較的簡単な問題で良いのでTBSの問題形式に触れておく」ことです。
最初から難しい問題に取り組む必要はありません。
MC問題でインプットした知識をTBS問題でどうアウトプットするのか、その感覚を少しずつ養っていくと考えてみてください。
少しずつ問題形式に慣れていくことが重要ですよ。
直前期・試験本番に関するNG勉強法
直前期・試験本番に関するNG勉強法も挙げていきます。
NG勉強法 9:模擬試験を本番直前(1~2週間前)に受ける
多くの受験生がやりがちですが、模試を本番の1~2週間前に受けるのは、致命的に遅すぎます。
模試の最大の目的は、「単なる力試しではなく、本番までに克服すべき弱点を特定し、対策を講じること」にあります。
本番直前期に受けて結果が悪くても、そこから効果的な対策を立てて実力を引き上げる時間はほとんど残されていません。
模試を受ける理想的なタイミングは「本番の約1ヶ月前」です。
この時期であれば、結果を冷静に分析し、残りの1ヶ月で弱点分野に集中的な対策を練り直すことが可能になります。
「模試は診断のために1ヶ月前に受ける」と覚えておいてくださいね。
「模試を直前に受けても大丈夫だった」と言う合格者がいます。
かなり仕上がっていて、模試の結果を受けて対策が必要なかった場合はそうかもしれません。
ですが、思った以上に自分の勉強に穴があった場合。
本番までに対策が終わらず、受験日を延長することになってしまったりしますよ。
他の人が直前でも大丈夫だったから、自分も大丈夫とは限らないですからね。
わざわざ危険な橋を渡る必要はないでしょう。
NG勉強法 10:山張りと称して重要論点から逃げる
特定の論点を「出ないだろう」と決めつけて避ける行為は、合否に直結する可能性が非常に高い、危険な賭けです。
特にFAR(財務会計)において、以下に挙げるような「試験の根幹をなす論点」、いわゆる「基幹論点」から逃げることは許されません。
- 連結会計
- キャッシュフロー計算書
- 税効果会計
これらの論点を「難しいから」「時間がかかるから」といった理由で避けるのは絶対にやめるべきです(実際に難しいし、時間がかかるんですけどね)。
苦手意識があったとしても、正面から向き合い、時間をかけて理解を深める努力が求められます。
これらの「基幹論点」の攻略なくして、安定した合格は難しいので、がんばりましょう。
マインドセットに関するNG勉強法
最後に、マインドセットに関するNG勉強法も挙げておきます。
NG勉強法 11:「受かりさえすれば中身はどうでもいい」という姿勢で臨む
暗記して受かってしまえば、会計や監査のことがよく分かってなくてもいいんだ。
このスタンスでは、全4科目にわたる長丁場の試験勉強を乗り切るのは精神的にかなり厳しいでしょう。
学習内容に対する知的好奇心がなければ、モチベーションを維持することは非常に困難です。
そして何より、「合格はゴールではなく、プロフェッショナルとしてのスタートライン」です。
たとえば、こんな話を想像してみてください。
医者や弁護士が『人の命や権利はどうでもいいけど、かっこいいから資格取った』と言っていたら信頼できますか?
公認会計士(USCPA)も同様に、高い専門知識と倫理感が求められる専門職ですよね。
せめて「クライアントや上司にその論点を自分の言葉で説明できるレベル」を目指しましょう。
結果的に深い理解に繋がり、合格への一番の近道となります。
どこは、USCPAの勉強をしていた時、1時間の勉強をするごとにUSCPAに近づいていると考え、プロフェッショナルとして働いているイメージを膨らませていました。
レンガ職人の例が分かりやすいと思います(この話が好きです)。
お城を作る際にレンガを積み上げていくという作業も、ただレンガを積み上げるだけと思うのか、できあがったお城をイメージして、その大事な1ピースを自分がになっていると考えるのか。
やっていることの意味が変わってきますよね。
USCPAの勉強は「レンガ職人の話」に似ていて。
・ただUSCPA試験に合格すればいいと、科目合格を積み上げるだけの勉強をする人。
・USCPAになって誰かの役に立ちたいと具体的なビジョンをもち、USCPAとして働く姿をイメージしながら勉強をする人。
USCPAの勉強への取り組み方が全然変わってきます😊
— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) April 30, 2023
NG勉強法 12:試験を自分流に解釈し、合わせようとする
忘れてはならない根本原則があります。
試験があなたに合わせてくれるわけではない。
あなたが試験の要求に合わせていく必要があるのです。
受験生がすべきことは、設問で与えられた前提条件や定義された用語に厳密に従って回答する訓練です。
「普通はこうだから」「うちの会社ではこうやってる」「たぶん、こういう意味だろう」といった自己流の解釈や思い込みは、思わぬ失点に繋がります。
試験が何を求めているのかを正確に読み取り、その枠組みの中で思考し回答するプロセスに、自分自身を適合させていく意識が非常に重要です。
試験のルールにきちんと乗っ取って戦うこと。
これが大前提です。
試験を自分流に解釈しないって当たり前と思った方もいるかもしれません。
ですが、たとえば、旧試験のBECにはWC問題(英文ライティング)があって、不合格になる日本のUSCPA受験生が多かったです。
「やはり英語ネイティブではないから」という人が多かったのですが、実際に何度もBECで不合格になる人に、WC問題を解いてもらったところ、英語力よりも、問題文をそのそもちゃんと読めていなかったんですよ。
- 省略形を使わないで(たとえば、Present ValueはPVにしない)。
- 箇条書きは使わないで。
こんな指示が問題文に書いてあるのに、ことごとく従っていませんでした。
なぜ箇条書きを使って書いているのか聞いたら「読みやすいから、いつもビジネス英語メールではこう書いている」と返事がありました。
ちゃんと試験の問題文の指示は読んで、従ってくださいね。
不合格になってしまいますからね。
まとめ:遠回りしないための「合格への王道」
ここまで紹介した12のNG勉強法に共通しているのは「一見勉強している感はあるが、実際には実力が伸び悩む行動(やってる感の罠)」と言えるでしょう。
遠回りせずに合格に着実に近づくための、シンプルで効果的な「王道」は以下の4つのポイントに集約されます。
- コアとなる教材(テキストと問題集)を徹底的に繰り返して理解を深める。
- その過程で見つかった自分の苦手分野・論点を特定し、逃げずに徹底的に潰す。
- 定期的にテキストに戻り、論点の背景や繋がりといった体系的な理解を補強する。
- 本番の約1ヶ月前に模試を受け、最終的な弱点を確認して対策を講じる。
この基本的な流れを常に意識して、学習を進めていってくださいね。
以上、「USCPA受験生向け「やってはいけないNG勉強法」12選!」でした。
やってしまっていたことはあったかな?
なるべくわかりやすく、やってはいけない理由も解説したつもりだよ。
短期合格を目指したい場合は、今回挙げた勉強法はやらないようにしてね。
まだUSCPAの学習を始めていない場合は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
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