どうしたら仕事が見つけられるのか分からなくて困ったな。
いわゆる、現地採用だよ。
USCPAとして、現地採用で働くことについて、自分の経験をもとにお話ししていくね。
駐在の方向けではなく、現地採用の方向けの内容です。
会社から駐在員として海外に派遣されるのではなく、自分で海外に行き仕事を探す際に参考にしていただけます。
駐在員に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要なため、USCPA講座を受講することになります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
【現地採用】USCPAの海外就職入門!大事なこと3つ
USCPA(米国公認会計士)が海外就職する際、仕事を得るために大事なことを3つ紹介していきます。
現地採用に関しては、以下のようなご質問を受けます。
現地採用に関するご質問
- 「現地採用はそんなに簡単にはできないよね?」
- 「現地採用には英語力はどのくらい必要なの?」
- 「USCPAとして失敗しない現地採用される方法は?」
今回は、このようなご質問にお答えできる内容となっています。
USCPA向けではありますが、USCPA以外の方でも参考にしていただけます。
現地採用について、知っておきたい大事なことは以下の3つです。
現地採用について知っておきたいこと3つ!
- 現地採用のパターン
- 現地採用されやすい地域・国
- 現地採用で必要とされること
それぞれについて解説していきますね。
1.現地採用のパターン
現地採用について知っておきたいことの1つ目が、現地採用のパターンです。
現地採用のパターン
- 日系の現地法人で働く
- ローカルの現地企業で働く
- 現地の外資系企業で働く
(1)日系の現地法人で働く
日系の現地法人で働くのが、一番難易度が低いでしょう。
世界中に日系の現地法人があり、日本人に対する求人が常にある程度あります。
日本人が採用される場合、日本語が話せたり、日本の文化を理解していることが評価され、現地の日系企業とのやりとりをすることが期待されます。
ですので、英語などの語学力がなく、働いた経験がそれほど長くなくても、仕事を得ること自体はそれほど難しくありません。
よって、USCPAであると有利ではありますが、USCPAではないと働けないということは全くありません。
(2)ローカルの現地企業で働く
ローカルの現地企業で働くのは、かなり稀と思っていいと思います(ただし、英語圏を除く)。
なぜなら、日本人を雇わないといけない理由がないと雇わないのですが、その理由があまりないからです。
たとえ日本人を雇わないといけない理由があったとしても、常に求人があるとは限りません。
たとえば、通訳などとして働いている日本人の例は見たことがありますが、求人数はかなり少ない印象です。
(3)現地の外資系企業で働く
現地の外資系企業で働くのも、ローカルの現地企業で働くのと同じく難易度は高いです。
ですが、USCPAでしたら可能性があると思います。
たとえば、どこも、タイの米国企業で働いていました。
多くの求職者の中から、USCPAだから選び取ってもらえました。
特にタイは、人件費が安いということで、グローバル企業における、アジア・パシフィック地域のバックオフィス拠点となるケースが多々あります。
どこが雇われたのも、タイでアジア・パシフィック地域の会計業務を集めるためでした。
もともとは、日本の会計業務をタイで行いたかったので、どこが適任と考え採用されたようです。
とはいえ、採用時点で、日本子会社ではなく、シンガポール子会社のバックオフィス業務をタイに移す計画に変更されたため、シンガポールの会計担当になりました。
結果的に、日本人がタイでシンガポールを担当することになりました(国がバラバラです)。
- 日系の現地法人なら、USCPAではなくても、仕事を得るのは難しくない。
- ローカルの現地企業や現地の外資系企業は、そもそも日本人に対する求人があまりない。ただ、USCPAだと、その狭き門を突破できる可能性が出てくる。
2.現地採用されやすい地域・国
現地採用について知っておきたいことの2つ目が、現地採用されやすい地域・国です。
日本人が海外で仕事が得られる(就労ビザが出る)かどうかは、どのような仕事をしてきたか(職種)と、どの地域(国)で働くかによるでしょう。
就労ビザが出るかどうか
- どのような仕事をしてきたか(職種)
- どの地域(国)で働くか
今回は、USCPAのみなさんを対象としていますので、経理・会計職での就職とします。
どの地域(国)だと仕事が得やすいかに焦点を当てていきます。
外務省の「海外進出日系企業実態調査(平成29年度)」によると、海外に進出している日系企業の拠点数は、7万5,531拠点となっています。
拠点数が多い国を順番に並べると、中国、米国、インド、タイ、インドネシア、ベトナムとなります。
つまり、中国、米国、インド、タイ、インドネシア、ベトナムといった国だと、ある程度、日本人への需要あるということです。
- 日系企業の拠点数が多い国は、中国、米国、インド、タイ、インドネシア、ベトナムである。
- これらの国では、日本人の求人があると考えられる。
(1)アジアでの就職が現実的
どの地域(国)で働くかですが、アジアでの就職が現実的ではないかと思っています。
米国に関しては、日系企業は多く進出しているのですが、就労ビザを取得するのは簡単ではありません。
企業から採用されても、必ずしも就労ビザが出るとは限りません。
ですので、米国で働きたいのならば、駐在員として日系企業から派遣されるのが確実ということになります。
欧州も米国と同じように、就労ビザを取得できるかは、確実ではありません。
一方、アジアは、これから見ていきますが、基本的には、企業が採用すれば就労ビザは発行されます。
よって、「アジアが現実的な就職先」と言えます。
駐在ではない場合は、アジアだと就労ビザが取得しやすいため「現実的な就職先」となる。
(2)高い英語力が求められる国がおすすめ
どの国で働くかについては、高い英語力が求められる国がおすすめです。
アジア各国の就労ビザ、語学、求められるTOEICの点数(求人情報に書かれているTOEICの点数)について見ていきましょう(2020年11月12日時点の情報です)。
国 | 就労ビザ | 語学 | 求められるTOEICの点数 |
シンガポール | 就労ビザは3種類。
|
英語が公用語。かなり高い英語力が求められる。 | 800点以上 |
香港 | Employment Visa(就労ビザ):大卒、技術資格、専門能力、大卒は3年から5年の就業経験、高卒は10年の就業経験 | ビジネスでは英語が使用される。ただし、中国語ができると、採用の幅が広がる。 | 700点から750点 |
中国・台湾 | 大卒、働いた経験が2年以上。さらに、中国語ができるかが重要視される。ただし、中国語ができなくても、他に高度なスキルがあれば免除。 | 中国語ができることがマスト。 | 英語力より中国語力 |
タイ | Non-Immigrant VisaB(Bビザ):学歴制限なし | 最近は高い英語力が求められる。 | 700点以上 |
インドネシア | 就労許可(IMTA):原則、大卒、5年間の就業経験。 | 高い英語力は求められない。 | 500点以上 |
ベトナム | 四大卒、3年間の就業経験。 | 日常会話レベルの英語力が必要。 | 500点以上 |
マレーシア | Employment Pass(EP):大卒以上+3年の就業経験、短大+5年の就業経験、高卒+7年の就業経験 | ビジネスでは英語が使われるため、高い英語力が必要。 | 700点から750点 |
インド・フィリピン | Employment Visa(就労ビザ):企業にサポートをしてもらえれば、書類だけ | ビジネスでは英語が使われるため、高い英語力が必要。 | 700点以上 |
ミャンマー・カンボジア・ラオス | 基本的に、企業にサポートをしてもらえれば、就労ビザが出る。 | 高い英語力は求められない。 | 600点 |
シンガポールに関しては、新型コロナの影響で、2020年9月より、就労ビザの発給が厳しくなりました。
自国民の雇用を守るための緊急対策であり、経済状況によりさらに変わる可能性があります。
- シンガポールが東南アジアでは就職先として一番人気だが、就労ビザを取るのが難しい状況。
- 香港は、外国人が多いため高い英語力が求められ、さらに中国語ができると仕事がみつけやすい。
- 中国・台湾は、中国語ができるかが就労ビザを取る際に重要視される。
- タイ・インドは、日系企業が多く進出しており、かつ、就労ビザも取りやすい。
- インドネシア・ベトナムは、日系企業が多く進出しており、大卒で働いた経験があれば、就労ビザが取りやすい。
USCPAとして、英語力を発揮して働きたいということならば、シンガポール、香港、マレーシア、インド、フィリピンあたりが候補になるでしょうか。
ただ、タイも、バンコクに関していえば、英語がかなり通じるので、タイも追加してもいいと思います。
- USCPAに関しては、新卒で働いた経験がない場合を除き、企業に採用されれば、どの国でも就労ビザは出る。
- USCPAの現地採用は、高い英語力が求められる国において、英語力と実務経験の両方を身につけるのが、日本に帰国してからも高い評価が受けられるキャリアの成功パターンと考える。
3.現地採用で必要とされること
現地採用について知っておきたいことの3つ目が、現地採用で必要とされることです。
現地採用は、アジアの場合は、ハードルが高くないことはわかっていただけたと思います。
とはいえ、実際に現地採用にチャレンジして、失敗して日本に戻ってくる人が一定数います。
それは、なぜなのでしょうか。
現地採用で必要と考えることを、タイで働いていた時の経験から3つ挙げてみます。
現地採用で必要とされること3つ
- 異文化コミュニケーション力
- サバイバル力
- 健康であること
(1)異文化コミュニケーション力
まず、現地採用で必要とされることは、異文化コミュニケーション力でしょう。
現地採用される先は、日系の現地法人、ローカルの現地企業、現地の外資系企業の3つに大きく分けられると前述しました。
そのうち、たとえ、日系の現地法人で働くとしても、日本人社員の数は基本的には少なく、ほとんどが現地の国の人や、他の国のアジア人などになります。
つまり、他の国の文化、宗教、価値観を理解し、受け入れていく必要があります。
様々な違いを受け入れ、さらに、日本人社員として自分の考えもアピールしていかなくていけません。
どんな国の人ともコミュニケーションを取り、お互いのことを理解し合う能力が必要となります。
(2)サバイバル力
さらに、現地採用で必要とされることとして、サバイバル力も挙げられます。
海外で働く場合、日本での常識や価値観は通じません。
現地の法律・文化・習慣に従う必要があります。
日本では考えられないようなことが日々次々と起こります。
どこも「タイで働いていた時に驚いたこと100選」が書けるほど、色々とありました。
そのたびに慌てていては仕事になりません。
何か想定外のことが起きても、冷静に対処し、1つ1つ乗り越えていくタフな精神が必要です。
(3)健康であること
最後になりますが、現地採用で必要とされることで一番重要なのは、健康であることです。
海外で働く場合、医療費が日本よりかかる場合が多いです。
また、国によっては、医療設備が十分ではなかったり、現地の薬が合わなかったり、医師に症状を伝えるのが言葉の問題で難しいこともあります。
日本でも健康であることはもちろん大切ですが、海外で働く場合は、さらに重要となります。
そもそも、労働許可証の申請などで「健康診断書」の提出が求められますので、健康でないと海外で働けません。
海外で働く際は、どの国の人ともコミュニケーションをうまく取り、何が起きても動じないタフさが必要。
そして、なによりも、健康であることがマスト!
まとめ:USCPAが海外就職のために知っておきたいこと
米国や欧州に関しては、就労ビザの発給が不確かであり、駐在でなければなかなか働くチャンスを手に入れることは難しいと思います。
ですので、現実的にはアジアの高い英語力が求められる国が現地採用される先の候補になるでしょう。
アジアの高い英語力が求められる国で「英語力と実務経験の両方を身につける」のが、帰国後のキャリアアップにもつながる現地採用かと思います。
あいにくシンガポールは、就労ビザを取るのが難しくなったので、進出日系企業の多さ、就労ビザの取りやすさ、求められる英語力を考えると、インドやタイなどもおすすめの国となります。
特に、タイ(バンコク)ですと、日本人が働きやすい環境が揃っています(6年間バンコクで働いていたどこが、働きやすさは保証します)。
タイがイチオシ!というところで、今回は終わりにしたいと思います(強引にタイをねじ込みました)。
タイで働くことについて、こちらの記事を参考にしてください☟
すぐに海外就職というとハードルが高い場合、まず外資系・日経グローバル企業に転職してもいいでしょう。
十分に海外就職に近づけます。
どこも、日本で米国企業で働いていて、それからタイの米国企業に転職しました。
エンワールド・ジャパンは、海外求人の取り扱いはないです。
ですが、国内の有名外資系企業・日系グローバル企業の案件を保有しているので、将来的に海外勤務ができる可能性がありますよ。
以上、「【現地採用】USCPA(米国公認会計士)のための海外就職入門!大事なこと3つ」でした。
それからアジアの英語圏で働くことにするよ。
でも、USCPAとして、色々な国の人と働き、色々な価値観を知るのは良い経験になるよね。
どんな価値観の人とも働け、どんな困難も乗り越えられる、最強のUSCPAになれると思う。
英語力と実務経験をきちんと身につければ、現地採用は人生のまわり道にならないからね。
海外で働いた経験は、帰国後も高く評価してもらえ、さらなるキャリアアップにつながるよ。