USCPAで海外駐在はできる?現実的なルートと働き方を解説
どこは、ずっと海外で働きたいと考えていました。
そして、USCPA取得後、実際に次のような道をたどりました。
- BIG4監査法人で海外派遣を希望する
- 事業会社の海外駐在につながる仕事を探す
- 最終的に現地採用で自分で仕事を見つける
USCPAが現地採用以外で海外で働くチャンスを得る方法は、大きく2つあります。
- 監査法人から海外に派遣されるルート
- 事業会社から海外に派遣されるルート
この記事では、すでに海外展開している会社に勤めていて、海外赴任が決まっているケースはいったん除きます。
これから転職やキャリア選択を通じて、海外で働くチャンスをつかみたい方に向けて書いています。
USCPAで海外駐在を目指すことは可能です。
ただし、USCPAを取っただけで海外駐在が決まるわけではありません。
現実的には、監査法人や海外展開している事業会社で実務経験を積み、海外派遣のチャンスがあるポジションを狙う形になります。
この記事では、USCPAが海外駐在を目指す主なルートとして、
- 監査法人から海外に派遣されるルート
- 事業会社から海外に派遣されるルート
の2つを解説します。
あわせて、
- 海外駐在と現地採用の違い
- 資格だけでは決まらない理由
- 海外駐在を目指す前に知っておきたい現実
も整理します。
まだUSCPAの勉強を始めていない方へ
まだUSCPAの勉強を始めていない方は、まずはUSCPA資格の全体像や始め方を整理しておくと、海外キャリアまで見据えた動き方がしやすくなります。
\USCPAの全体像を知る/
また「USCPAの始めかた」も参考になります。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かし方やUSCPA短期合格のコツも記載しています。
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USCPAで海外駐在はできる?結論から解説
結論から言うと、USCPAで海外駐在を目指すことは可能です。
ただし、USCPA資格そのものが海外駐在を保証してくれるわけではありません。
実際には、次のような要素が大きく関わります。
- どの会社に入るか
- どの職種で経験を積むか
- 海外派遣の制度や実績があるか
- 英語力やマネジメント経験があるか
- 希望する国や地域がどこか
そのため、USCPAを取ったあとに「海外で働きたい」と考えるなら、資格取得だけで満足せず、海外駐在につながるキャリアの積み方まで考えることが大切です。
特に、今すでに海外展開している会社にいて海外赴任が決まっているケースを除くと、転職や異動を通じて海外駐在の可能性を高めていくのが現実的です。
この記事では、まず海外で働く方法を整理したうえで、USCPAが海外駐在を目指す主なルートを見ていきます。
USCPAが海外で働く方法は大きく2つある
USCPAが海外で働く方法は、大きく分けると以下の2つです。
海外で働く方法2つ
- 勤務先から海外に派遣(駐在員)
- 自分で海外の仕事を探す海外就職・転職(現地採用)
1つ目は、勤務先から海外に派遣される駐在員です。
日本の会社や法人に所属したまま、海外子会社や海外拠点に赴任する働き方です。
2つ目は、自分で海外の仕事を探して就職・転職する現地採用です。
こちらは、日本の会社から派遣されるのではなく、自分で海外の求人に応募して働く形です。
私は実際には現地採用で海外勤務をしましたが、海外で働く方法はそれだけではありません。
USCPAが海外駐在を目指す場合、現実的なルートは大きく分けると以下の2つです。
USCPAが海外駐在を目指すルート
- 監査法人から派遣される
- 事業会社から派遣される
この記事では、このうち海外駐在に絞って解説します。
現地採用について知りたい方は、こちらを参考にしてくださいね。
USCPAが海外駐在を目指す主なルート➀監査法人
USCPAが海外駐在を目指すルートの1つ目は、監査法人から海外に派遣される形です。
特にBIG4のような大手監査法人では、海外のグローバルファームや提携先に人員を派遣する仕組みがあります。
そのため、USCPA取得後に監査法人で経験を積み、将来的に海外派遣のチャンスを狙うルートは十分に現実的です。
ただし、監査法人に入れば誰でも希望通りの国に行けるわけではありません。
このルートにはメリットもありますが、注意点もあります。
(1)BIG4には海外派遣のチャンスがある
BIG4監査法人には、海外のグローバルファームや提携先へ人員を派遣するプログラムがあります。
派遣先は、米国、欧州、アフリカ、アジアなど幅広く、マネージャー以上の職位になり、自分の希望と派遣先の受け入れが合えば派遣されるケースがあります。
また、現地での仕事も一様ではありません。
日本で監査をしていれば監査、アドバイザリーならアドバイザリーとなる場合がありますし、コーディネーター的な役割になる場合もあります。
私自身、BIG4監査法人で監査人として働いていたとき、将来は海外で働きたかったため、入所1年目から「海外派遣説明会」や「海外事務所報告会」に積極的に参加していました。
監査法人ルートの良さは、
- 監査やアドバイザリーの専門性を活かしやすい
- 海外案件や英語案件に近づきやすい
- 海外派遣制度がある程度整っている
という点です。
一方で、派遣されるタイミングや役割は法人側の事情にも左右されます。
そのため、「海外で働きたい」という思いだけで決まるわけではなく、監査法人の中で経験を積みながらチャンスを待つ側面もあると理解しておいた方が現実的です。
(2)希望する国があると難易度は上がる
監査法人から海外派遣を目指す場合、「どの国でもいい」か「この国に行きたい」かで難易度はかなり変わります。
私が監査法人にいた当時、欧米は人気が高く競争率が高い一方、アジアは比較的人気が低い傾向がありました。
私はアジア希望だったため、「海外派遣説明会」のアジアブースでは「うちの国に希望を出して」とスカウトされていました。
ですが、当時はまだ希望していた国に提携ファームがなく、思うようには進みませんでした。
また、「海外派遣説明会」や「海外事務所報告会」に参加していたときの印象としては、参加者はそれほど多くありませんでした。
監査法人では、海外で働きたい人ばかりというより、日本でそのままキャリアを積みたいと考えている人も多かったのだと思います。
一方で、派遣先によって人気には差がありました。
当時はインドに進出する日系企業が増えていた時期で、インドの「海外事務所報告会」では派遣希望者を熱心に集めていたのを覚えています。
国によっては実際に派遣されても環境が合わず、早めに帰任するケースもあるようでした。
このあたりを見ても、海外派遣は「制度があるかどうか」だけでなく、どの国に行くのか、その環境が自分に合うのかも大事だと感じます。
つまり、海外派遣そのものを目指すならチャンスはあっても、
自分が行きたい国をピンポイントで実現するのは別の難しさがある
ということです。
海外駐在を目指すときは、
- まずは海外経験そのものを優先するのか
- 行きたい国や地域を優先するのか
を、自分の中で整理しておいた方が動きやすいです。
「海外で働ければまずはいい」のか、
「この国でなければ意味がない」のかで、
選ぶべき道も変わります。
(3)監査法人ルートが向いている人
監査法人ルートが向いているのは、次のような人です。
- 監査やアドバイザリーの専門性を高めたい人
- BIG4でキャリアを積みながら海外案件にも近づきたい人
- 海外赴任そのものをチャンスとして捉えられる人
- 希望国に強いこだわりがありすぎない人
一方で、
- 特定の国で働きたい気持ちがかなり強い人
- 監査ではなく事業会社の経理・財務に早く移りたい人
- 海外派遣のタイミングを自分でコントロールしたい人
には、合わない場合もあります。
実際に、私のUSCPAの同期でも、BIG4監査法人からロンドンやジャカルタに派遣された人がいました。
ジャカルタへ派遣された同期は、新型コロナの影響で早めに帰国することになりましたが、USCPAでも海外派遣の道があることは確かです。
また、タイで働いていた時や、現在勤務しているグローバル企業では、現地に派遣されているBIG4監査法人の日本人スタッフとやりとりをする機会があります。
その中には、日系企業のサポートや調整業務、営業的な役割が中心になっている方もいました。
このように、海外派遣といっても、必ずしも会計や監査の専門性を前面に出す仕事ばかりではありません。
そのため、海外に行けるかどうかだけではなく、現地でどのような仕事を任されるのかも確認しておくことが大切です。
- USCPAならば、BIG4大手監査法人から海外に派遣される道は十分ある
- ただし、希望する国に行けるとは限らない
- 派遣先でどのような仕事を任されるか、よく見ておく必要がある
BIG4への転職を考えている方は、こちらも参考にしてください。
USCPAが海外駐在を目指す主なルート➁事業会社
USCPAが海外駐在を目指すルートの2つ目は、事業会社から海外に派遣される形です。
海外展開している日系企業に入り、日本本社で経理や財務などの経験を積んだうえで、海外子会社や海外拠点へ赴任するイメージです。
ただし、事業会社ルートは赴任先によって求められる役割がかなり違います。
USCPAとして専門性を活かしやすいケースもあれば、むしろゼネラリスト的な役割が重視されるケースもあります。
(1)欧米に会計のスペシャリストとして海外派遣されるケース
事業会社ルートの中で、USCPAとして最も力を発揮しやすいのは、米国や欧州に会計のスペシャリストとして派遣されるケースです。
海外展開している日系企業に入社し、まずは1年ほど日本のオフィスで経理業務を担当し、その後に海外に派遣されるという前提の求人を見かけることがあります。
こうしたポジションでは、財務や会計の実務経験に加え、マネジメント経験や高い英語力が求められることが多く、ハードルはかなり高いです。
どこも米国や欧州にUSCPAとして派遣されたいと考え、駐在ができる事業会社への転職を検討したことがあります。
ただ、実際に見ていた求人は、すでに米国や欧州での駐在経験がある人を前提としているものが多く、応募できませんでした。
これから駐在したい人にとっては少し厳しく感じるかもしれませんが、理想的なポジションほど、すでに高い実務経験や海外経験を求められることがあります。
このルートでは、
- 経理
- 財務
- 連結決算
- 海外子会社管理
- 内部統制
のような会計・財務の専門性が評価されやすいです。
USCPAとの相性も良く、
「せっかくUSCPAを取ったなら、会計の専門職として海外で働きたい」
という人に合っています。
つまり、USCPAと相性のよい欧米駐在ルートは確かにありますが、誰でもすぐに狙えるわけではなく、実務経験・英語力・マネジメント経験を積み上げた先にあるルートと考えた方が現実的です。
(2)アジアにゼネラリストとして海外派遣されるケース
もう1つは、アジアにゼネラリストとして派遣されるケースです。
タイ、ベトナム、ミャンマーなど、まだ人件費の安い国に進出している日系企業では、現地工場の管理責任者や管理部門の責任者のような立場で派遣される求人を見かけることがあります。
ただ、このタイプの求人では、USCPAそのものよりも、原価計算の知識や経験、現地スタッフのマネジメント、予算管理、日本本社との橋渡しができることが重要視されやすいです。
実際の経理実務は現地スタッフが担っていることも多いです。
その背景には、国が現地雇用を守る制度がある場合もあります。
よって、求められるのは会計の専門職というより、現地拠点の管理者に近い役割となります。
つまり、
- 日本本社の考え方や求める水準を理解していること
- 現地スタッフと日本本社の間に立って調整できること
- 現地スタッフをまとめるマネジメントスキルがあること
- 場合によっては現地語や現場対応力があること
の方が、USCPAそのものより重視されることがあります。
どこも当時、このような求人を見たことがありますが、原価計算の実務経験がありませんでした。
また、工場管理や現地スタッフのマネジメントまで求められるポジションが多かったのですが、マネジメント経験など全くなく、応募を見送ったことがありました。
このように、アジア駐在の求人は、USCPAを活かして会計のスペシャリストとして働くというより、会計知識を持ったゼネラリストとして現地拠点を管理する役割に近いことがあります。
- USCPAとして会計の専門性を深く活かしたいなら、アジアよりも米国や欧州に進出している企業の方が相性がいい場合がある
- 一方で、海外子会社や現地マネジメントに関わりたい人にとっては、アジア駐在は魅力のあるルート
(3)事業会社ルートが向いている人
事業会社ルートが向いているのは、次のような人です。
- 監査より事業会社の経理・財務でキャリアを積みたい人
- 海外子会社や海外拠点の管理に興味がある人
- 会計だけでなく、経営管理やマネジメントにも関わりたい人
- 将来的に経理、財務、連結、管理会計、内部統制などへ広げたい人
一方で、
- 監査やアドバイザリーの専門性を深めたい人
- 海外派遣制度が整った環境で狙いたい人
には、監査法人ルートの方が合う場合もあります。
事業会社ルートは、会社やポジションによって役割の違いがかなり大きいのが特徴です。
そのため、同じ「海外駐在あり」の求人でも、
- 会計スペシャリスト型なのか
- ゼネラリスト型なのか
を見極めることが大切です。
USCPAで海外駐在を目指す前に知っておきたい現実
ここまで、USCPAが海外駐在を目指す主なルートとして、監査法人と事業会社の2つを見てきました。
どちらのルートにも可能性はありますが、実際に動いてみると、理想通りに進むとは限りません。
海外駐在を目指すなら、最初に知っておいた方がいい現実があります。
(1)USCPAを取っただけで海外駐在が決まるわけではない
USCPAは、海外志向のキャリアを考えるうえで強い武器になります。
以下は、確かに評価されやすいです。
- 英語で会計を学んでいること
- 国際的な資格であること
- 会計や監査の基礎があること
ただし、実際の海外駐在は、資格だけで決まるものではありません。
会社側から見れば、大事なのは
- 海外で任せられる実務力があるか
- 現地スタッフや本社とやりとりできるか
- マネジメントや調整ができるか
といった点です。
そのため、USCPAは海外駐在のスタート地点としては有利ですが、
それだけで海外駐在の切符が手に入るわけではない
と考えておく方が現実的です。
(2)希望する国があると、一気に難しくなることがある
海外で働きたいと思っても、
「どの国でもいい」のか、
「この国に行きたい」のかで、難易度はかなり変わります。
監査法人でも事業会社でも、海外駐在の枠そのものはあっても、希望する国に行けるとは限りません。
特に人気の高い国や地域は競争になりやすく、チャンスがあっても思うように進まないことがあります。
そのため、海外駐在を目指すときは、
- まずは海外経験そのものを優先するのか
- 行きたい国や地域を優先するのか
を、自分の中で整理しておくことが大切です。
(3)海外に行けても、仕事内容が理想通りとは限らない
これは意外と見落とされやすいポイントです。
海外駐在と聞くと、USCPAの知識を活かして、会計や財務の専門職として働く姿をイメージする人も多いと思います。
でも実際には、会社やポジションによって、求められる役割はかなり違います。
たとえば、
- 会計や財務の専門性を活かせるポジション
- 現地拠点の管理や調整が中心のポジション
- 日系企業のサポートや橋渡しが中心のポジション
など、仕事内容はさまざまです。
そのため、海外に行けるかどうかだけでなく、
現地でどのような仕事を任されるのか
まで見ておくことが大切です。
(4)理想的なポジションほど、実務経験を求められやすい
特に、米国や欧州でUSCPAとして会計の専門性を活かせるようなポジションは魅力的です。
ただ、そうした求人ほど、
- 財務・会計の実務経験
- マネジメント経験
- 高い英語力
- 場合によっては海外勤務経験
まで求められることがあります。
つまり、理想に近い海外駐在ほど、いきなり狙えるわけではなく、
その前に積むべき経験がある
ということです。
海外駐在を目指すなら、
「USCPAを取れば行けるか」ではなく、
「USCPAを土台に、どんな経験を積めばそこに近づけるか」
で考えることが大切です。
なお、海外駐在の可能性は、USCPAを持っているかどうかだけではなく、どんな企業・どんな職種に入るかによっても大きく変わります。
同じ海外展開企業でも、会計・財務人材を海外に出しやすい会社もあれば、海外駐在の中心が営業職や技術職になっている会社もあります。
そのため、海外駐在を目指すなら、資格取得や実務経験だけでなく、どの会社でどんな経験を積むかまで考えておくことが大切です。
どんな企業に就職・転職すれば海外駐在を目指しやすいのかは、こちらを参考にしてください。
海外駐在は、「USCPAを持っているか」だけでなく、「どんな職種に入るか」で可能性が大きく変わります。
会計・経理に強い転職エージェントに相談しながら、自分の経験で狙える求人を整理しておくと動きやすいです。
海外駐在につながる会計キャリアを整理したい方は、レックスアドバイザーズの無料転職相談を活用してください。
\海外駐在を目指したい方へ/
まとめ:USCPAで海外駐在を目指すなら、資格+実務+キャリア選択が必要
USCPAで海外駐在を目指すことは可能です。
ただし、USCPAを取っただけで海外駐在が決まるわけではありません。
現実的なルートとしては、
- 監査法人から海外に派遣される
- 事業会社から海外に派遣される
の2つがあります。
監査法人ルートは、海外派遣制度がある点が魅力ですが、希望する国に行けるとは限りません。
事業会社ルートは、会計スペシャリストとして赴任するケースもあれば、現地法人管理のようなゼネラリスト寄りの役割になるケースもあります。
大事なのは、
- USCPAを武器にすること
- そのうえで実務経験を積むこと
- 自分に合ったルートを選ぶこと
です。
海外駐在を目指すなら、資格だけでなく、どんな経験を積み、どんな会社でどんな役割を担うかまで考えて動くことが重要です。
現地採用にも興味がある方は、こちらの記事も参考にしてください。
海外駐在のために、どんな企業を選ぶべきか知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
まだUSCPAの勉強を始めていない方は、こちらも参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
海外で働いた経験もまとめてあります。
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