会計知識

元BIG4大手監査法人の監査人が教える 監査対応のコツ



どこ
どこ
どこは、USCPA(米国公認会計士)だよ。

以前、Big4大手監査法人で会計監査をしていたし、現在、事業会社で監査対応をしているよ。

監査をする側と監査を受ける側と、どちらの立場も理解しているどこが、監査をスムーズに進めるためのコツを話していくね。

1.監査人と密にコミュニケーションを取る

一番大切なのは、監査人と密にコミュニケーションを取ることです。

監査人に隠しごとをしても、良い結果につながりません。何かわからないことや心配なことがあったら、早めに監査人に相談しましょう。

早めに伝えておけば、監査人も、監査チーム内で共有して、対応策を考えてくれます。また、会社の事情を理解してもらっていれば、粉飾にならない範囲で会社の意向を汲んでくれます。

ちなみに、どこは、自分が監査人だったときは、経理担当者と雑談を通して、経理担当者の住まい、家族構成、趣味、好きな食べ物などを把握していました。

経理担当者の情報をもっていれば、例えば、「経理担当者のAさんは残業できないから、帰宅してしまう前に資料をお願いしておこう」など、戦略が立てられます。

自分が経理担当者のときは、往査で監査人が来社したときは、邪魔にならない範囲で監査部屋まで御用聞きをしに行っていました。

「何か急ぎの質問や資料依頼はありますか?」とちょくちょく聞いてはすぐに対応していましたので、監査人にも喜ばれていました。

2.期限までに整合性のとれた監査資料を提出する

そして、依頼された期限までに、正確な資料を監査人に提出することも大切です。

監査資料依頼リスト(通称PBC:Prepared By Client)を監査人から受け取ったら、内容期限を確認し、社内の担当者(人事部や営業部など、経理部以外の場合もあり)に振り分けます。

もし期限までに提出するのが難しそうな資料があったら、監査人に相談しましょう。

リストからはどのような資料を要求されているのかわからないときも、監査人に確認しましょう。

監査というのは、TB残高試算表:Trial Balance)の勘定科目単位で検証します。

ですので、たとえば、勘定科目明細を依頼されたときは、明細の合計が勘定科目の残高と一致していることを確認してから提出しましょう。

勘定科目残高と一致していない明細を提出すると、監査人から、なぜ一致していないのか質問が来たり、再度資料の作成を依頼されることになります。

監査資料を提出するときは、監査資料依頼リストのどれを提出したかがわかるよう、リストに対応したナンバーを記載したり、資料を更新・修正した際は修正1(Revised 1)などとわかりやすく記録しておきましょう。

そうすることで、監査人との認識の不一致、しいては監査の遅れを防ぐことができます。

3.質問されそうなことは事前に調べておく

さらに、監査人から質問されそうなことは、事前に調べておくと良いでしょう。

前期比で大きく変動した勘定科目、反対に、大きく変動するはずなのに変動していない勘定科目などについては、監査人から質問が来ます。

質問が来てから慌てないように、事前に理由については調べておきましょう。

大きく変動しているのは単に間違っていただけ(二重計上してしまっていたとか、戻しすぎてしまっていたとか)ということもありますので、ミスの早期発見にもつながります。

特別利益、特別損失なども明細を作成しておくといいかもしれません。

連結決算の際には、子会社がよくわからない収益や費用をこういった科目に計上してしまっていることがあり、あとから間違えが判明すると修正が大変です。

4. 前期はそんな質問はなかった、そんな依頼はなかったなどと苦情を言わない

監査をやっていて困ったことの1つは、「前期の監査人はそんな質問をしなかった、そんな資料を依頼してこなかった」と言われることでした。

監査は重要性に従ってやっているので、前期は監査対象にならなくても、当期は監査対象になることがあります。

また、前期の監査時に間違えに気が付いても、重要性がないため、経理担当者に言わずにパスすることもあります。

前期と同じようにやっているのに、「前期は間違えの指摘はなかったのに、なぜ当期は指摘してくるのか」とか、「前期はそんな質問はされなかったのに、なぜ当期はそんなことを聞いてくるのか」などと苦情を言うのはやめましょう。

当期の監査人は、意地悪で前期と違うことをしてきているわけではありません。

対応するまで監査は終わらないので、苦情を言っても仕方がありません。

 

以上、「元BIG大手監査法人の監査人が教える 監査対応のコツ」でした。

どこ
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監査人は間違えを指摘する敵ではないよ。会社の味方なんだよ。

監査を早く終わらせたいという気持ちは、経理担当者と同じ。監査人に協力して、スムーズに監査を終わらせようね。

スムーズに監査を終えられれば、あなたの会社での評価も上がるよ。

 

監査というのは理論に基づいて進められます。監査人の依頼や質問の意図を理解しておくと、さらに監査がスムーズに進みますし、監査人に感謝されます。

米国公認会計士(USCPA)の試験では、監査論(Audit)が試験科目の1つです。

この勉強をしておくと、監査の目的や手法が理解できますので、さらに経理担当者としてのステップアップができます。

米国公認会計士(USCPA)にチャレンジすることも考えてみましょう。


ABOUT ME
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ワシントン州USCPA(米国公認会計士)。USCPAの立場から、USCPA試験、USCPAのキャリア、USCPAの人生設計について書いています。BIG4大手監査法人監査人→米国企業経理職@バンコク→大手グローバル企業連結決算担当。