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AUDのBlueprint(ブループリント)を解説!2025年USCPA試験対応

【2021年7月改正後】USCPA試験 AUD Blueprintsの内容
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知りたい君
知りたい君
USCPA(米国公認会計士)試験が2024年1月に大きく変わったみたいだね。

新試験のBlueprint(ブループリント)を読んでおこうと思ったけど、時間が無いから内容を手っ取り早く知りたいよ。

どこ
どこ
どこは、ワシントン州のUSCPA(米国公認会計士)だよ。

AUDは、旧試験制度でもあるけど、新試験ではどうなるのか気になる人も多いよね。

Blueprints(ブループリント)のAUD部分に、どんなことが書かれているのか、特に高いスキルが必要なのはどれなのか、説明していくね。

2025年1月の改訂にも対応しているよ。

AUDのBlueprint(ブループリント)を解説!

新USCPA試験のAUDのBlueprint(ブループリント)について解説します。

 

そもそも、USCPA試験のBlueprints(ブループリント)って何?という場合、こちらを参考にしてください。

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2025年1月に有効のBlueprintsの変更点については、こちらも参考にしてください。

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また、2024年1月からの新USCPA試験については、こちらを参考にしてください。

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新USCPA試験でのAUDの試験対策は、こちらを参考にしてください。

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AUDは沼りやすい(何度も不合格になりやすい)と言われています。

沼らないためのAUDの勉強のポイントとコツは、こちらを参考にしてください。

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1.AUDという試験科目について

Blueprintsには、AUD(Auditing and Attestation)という試験科目について、説明が書かれています。

 

USCPA試験のAUDは、CPAが以下のような業務を行う際に発揮すべき知識・スキルをテストします。

CPAが行う業務

  1. 監査業務
  2. 証明業務
  3. 会計およびレビューサービス業務

 

監査業務には、財務諸表監査・コンプライアンス監査・財務諸表監査と一体化した内部統制監査・連邦政府から助成金などを受ける事業体の監査が含まれます。

監査対象は、上場企業(PCAOBが規定する要件に従う)、非上場企業(AICPAのASBが規定する要件に従う)、政府機関(GAOやOMBが規定する要件に従う)などが含まれます。

 

証明業務には、AICPAのASBが規定する要件に従う、アサーションベース検証・直接検証・レビューまたは合意された手続きによる業務が含まれます。

会計およびレビューサービス業務には、AICPAのARSが規定する要件に従う、財務諸表の調整・レビュー業務が含まれます。

 

また、USCPA試験のAUDは、これらの業務における計画・リスク評価・手続の実施・証拠の入手・報告におけるCPAの役割をテストします。

USCPA試験のAUDがテストすること

  1. データやテクノロジーの概念
  2. 専門的な懐疑心・専門的な判断力
  3. 応用的なリサーチ

 

データがどのように構造化され、基礎となるシステムを通じて流れるかの理解・ソースデータの完全性と正確性の検証・リスク評価を支援し、計画した手続を完了するためのデータ分析技術の出力の使用がテストされます。

また、証拠に対する批判的な評価と、情報に基づいた意思決定を行うための知識・経験の適用がテストされます。

さらに、問題を特定したり、事実を分析したり、適切な対応をするといった色々なタスクのため、資料(監査基準、認証基準、会計およびレビューサービス基準など)の抜粋を確認・利用することをメインとした応用的なリサーチが評価されます。

 

 

2.AUDの出題分野と配点割合

Blueprintsには、AUDの出題分野と配点割合が書かれています。

どの分野から、どのくらい出題されるのか、全体像を知っておくことは大事でしょう。

 

出題分野は、以下の4つです。

AUD Content area allocation

AUDの出題分野と配点割合(和訳)

  1. 倫理、職責、一般原則:15–25%
  2. リスクの評価と計画的な対応の策定:25–35%
  3. 更なる手続きの実施と証拠の入手:30–40%
  4. 結論の形成と報告:10–20%

 

大きくは、出題分野1と出題分野2、3、4の2つに分かれます。

  • 出題分野1:倫理、独立性、専門家としての責任などをカバー。
  • 出題分野2、3、4:新たに資格を取得したCPA(nlCPA)が、監査などの専門サービスを提供する際に実施すべきことをカバー。計画から報告までの典型的な契約プロセスに沿っている。

 

各出題分野の詳細については、後ほど見ていきます。

 

 

3.AUDの必要なスキルレベルと配点割合

Blueprintsには、AUDの必要なスキルの度合いと配点割合が書かれています。

AUD Skill allocation

AUDの必要なスキルレベルと配点割合(和訳)

  1. 評価:5–15%
  2. 分析:15–25%
  3. 応用:30–40%
  4. 記憶と理解:30–40%

 

Evaluation(評価)」のレベルの出題が5%から15%、「Analysis(分析)」のレベルの出題が15%から25%あります。

全科目の中で、AUDだけで「Evaluation(評価)」のレベルの出題があることに留意しましょう。

 

Evaluation(評価)」と「Analysis(分析)」のレベルの出題は、出題分野2と3で出題されますが、より高度な分析と解釈が要求されます。

証拠の十分性や適切性を結論付けるなど、専門的な懐疑心や判断を適用する必要があります。

 

Application(応用)」のレベルの出題は、4つの出題分野全てで出題されます。

CPAとしての責任や文書化などの一般的なトピックと、監査プログラムやサンプリング技術などの標準化されたアプリケーションツールを使用する、CPAが行う日常的なタスクが試されます。

 

記憶と理解(Remembering and Understanding)」のレベルの出題は、主に出題分野1と4で出題されます。

出題分野1には、CPAに必要な一般的な監査知識が多く含まれており、出題分野4では、多くが報告に関連しています。

 

ちなみに、このスキルレベルは、上に行くにつれて高いものとなります。

一番下の「Remembering and Understanding(記憶と理解)」が一番シンプルなスキルであり、一番上の「Evaluation(評価)」が一番複雑なスキルとなります。

 

各スキルレベルの説明は、以下を参照してください。

スキルレベルの説明

  1. 評価(Evaluation):問題を検討または評価し、そして判断力を働かせて結論を出すこと。
  2. 分析(Analysis):原因を特定し、推論を裏付ける証拠を見つけるために、別々の分野の相互関係を調査・研究すること。
  3. 応用(Application):知識・概念・技術を使用、あるいは実証すること。
  4. 記憶と理解(Remembering and Understanding):獲得した知識を利用して、ある分野の重要性を認識し、理解すること。

 

スキルレベルについて、他の科目と比較してみます。

AUD スキルレベル割合

AUDは、深い理解が必要な科目と言われますが、「記憶と理解(Remembering and Understanding)」のレベルの出題が30%から40%もあり、ただ覚えておけば解けるような問題も多いです。

ただし、AUDには、前述の通り、最も高いスキルが必要な「評価(Evaluation)」のレベルの出題が唯一あり、高いレベルが求められる科目と言えるでしょう。

 

AUDのスキルレベルについて、旧USCPA試験と新USCPA試験を比較するとこのようになります。

AUD 新旧USCPA試験のスキルレベル別配点割合比較

AUDはどちらかというと、旧USCPA試験と比べると覚えるだけの問題が微増しています。

新USCPA試験では難しくなるという話でしたが、スキルレベルだけで言えば少しだけ簡単になる方向ですね。

 

 

4.AUDの出題分野の詳細

AUDの出題分野の詳細について見ていきましょう。

前述のように、出題分野は以下の4つに分かれています。

AUDの出題分野

  1. 倫理、職責、一般原則:15–25%
  2. リスクの評価と計画的な対応の策定:25–35%
  3. 更なる手続きの実施と証拠の入手:30–40%
  4. 結論の形成と報告:10–20%

 

スキルレベルについては、分かりやすくするため、からで以下のように記載しました。

スキルレベルについて

  1. 評価(Evaluation):
  2. 分析(Analysis):
  3. 応用(Application):
  4. 記憶と理解(Remembering and Understanding):

一番上が高いスキルが必要で、下に行くにつれ、必要なスキルレベルが低下します。

 

(1)出題分野1「倫理、職責、一般原則」15–25%の詳細

 

出題分野1「倫理、職責、一般原則」について、出題内容とスキルレベルは以下の通りです。

 

出題分野1の「倫理、職責、一般原則」の出題内容とスキルレベル

  1. 倫理、独立性、職業的責任(Ethics, independence and professional responsibilities):③と④
  2. 職業的懐疑心・職業的判断(Professional skepticism and professional judgment):
  3. 業務の性質と範囲(Nature and scope):
  4. 業務契約の条件(Terms of engagement):③と④
  5. 監査文書の要件(Requirements for engagement documentation):③と④
  6. 経営者・ガバナンス責任者とのコミュニケーション(Communication with management and those charged with governance):③と④
  7. 監査品質の管理(Audit and assurance quality):

 

必要なスキルレベルは、「応用(Application):」と「記憶と理解(Remembering and Understanding):」です。

基本的な知識が問われますので、覚えるだけで対応できる出題分野でしょう。

 

➀倫理、独立性、職業的責任

監査人が必ず守らなければならない行動規範について問われるパートです。

AICPA職業倫理規定(Code of Professional Conduct)をはじめ、SEC(証券取引委員会)、PCAOB(公開会社会計監督委員会)、GAO(米国政府会計検査院)、DOL(労働省)の独立性ルールや倫理基準も登場します。

この分野では、具体的な状況に対して「独立性が保たれているか?」「どのルールを適用すべきか?」を判断する力が問われます。

AIなど最新技術を使う場合の守秘義務についても出題される可能性がありますよ。

 

➁職業的懐疑心と職業的判断

監査人として「疑う心=プロフェッショナル・スケプティシズム」を持って行動できるか、また、状況に応じて正しい判断(プロフェッショナル・ジャッジメント)を下せるかが問われます。

人間は「無意識のバイアス」や「判断の近道(ヒューリスティック)」に流されがちなので、それに気づき、常に中立かつ論理的な姿勢を保つ力が必要です。

知識だけでなく、倫理観や思考プロセスの成熟度も問われる重要パートです。

 

③業務の性質と範囲

監査(Audit)、証明業務(Attestation)、レビュー業務(Review)、政府監査(GAO Standards)など、いろいろな業務タイプの違いと特徴を理解するパートです。

発行会社(上場企業)と非発行会社(非上場企業)では適用基準が違うこともあるので、業務ごとの目的・範囲・報告対象などを比較しながら学習しましょう。

 

➃業務契約の条件

監査を開始する前に、

  • 受けても良いかどうかの判断(前提条件)
  • 契約内容の合意(エンゲージメント・レター)
  • 業務の種類変更(監査からレビューなど)

といった受嘱時の基本的な判断と手続きについて学ぶパートです。

受験対策としては、監査契約書に含める内容や、受けてはいけないケース(前提が満たされない等)を理解しておくことが大切です。

 

⑤監査文書の要件

監査で行った手続や結論を第三者が見てもわかるように、きちんと記録に残すこと(=文書化)が求められるパートです。

紙か電子かを問わず

  • 何を
  • いつ
  • どれだけの範囲で
  • どんな判断をして
  • どんな結論に至ったか

が伝わるように記録を残す力が求められます。

文書の保存期間や構成要素にも注目して覚えましょう。

 

⑥経営者・ガバナンス責任者とのコミュニケーション

監査人は、監査の計画段階や、内部統制の不備を見つけた場合などに、「誰に・何を・いつ」報告すべきかを正しく判断して伝える責任があります。

このパートでは、

  • コミュニケーションが必要なタイミング
  • 伝えるべき内容
  • 書面の形式(例:管理者への報告書)

などが問われます。

TBS問題で文書作成を求められることもあるので、用語や構成の定型にも慣れておくと安心です。

 

⑦監査品質の管理

このパートでは、監査の「質」をいかに保つかという、会計事務所としての責任や仕組みについて学びます。

監査チームの内部で行われる「品質レビュー」や「スーパービジョン体制」、業務の受嘱から完了までの品質管理の方針と実施手続が問われます。

また、「品質管理の責任者の役割」や「重要な判断や結論のレビュー体制」など、実務においても極めて重要なトピックです。

USCPAとして求められる監査のプロフェッショナリズムを支える基盤部分なので、他のパートとあわせてしっかり理解しておきましょう。

 

(2)出題分野2「リスクの評価と計画的な対応の策定」25–35%の詳細

 

出題分野2「リスクの評価と計画的な対応の策定」について、出題内容とスキルレベルは以下の通りです。

 

出題分野2「リスクの評価と計画的な対応の策定」の出題内容とスキルレベル

  1. 監査業務の計画(Planning an engagement):③と④
  2. 企業とその環境の理解(Understanding an entity and its environment):③と④
  3. 企業の統制環境と、ITシステムを含むビジネスプロセスの理解(Understanding an entity’s control environment and business processes, including information technology (IT) systems):①、②、③、④全部
  4. 重要性(Materiality):③と④
  5. 不正または誤謬による重要な虚偽表示のリスクの評価と対応(Assessing and responding to risks of material misstatement, whether due to fraud or error):②と③
  6. 他者の作業の計画および利用(Planning for and using the work of others):③と④
  7. 契約リスクの特定領域(Specific areas of engagement risk):③と④

 

必要なスキルレベルは、「評価(Evaluation):」、「分析(Analysis):」、「応用(Application):」、「記憶と理解(Remembering and Understanding):」の4つ全てです。

 

「評価(Evaluation):」の高いスキルが必要となっているタスク

  1. 「業務プロセスまたはITシステムを含む内部統制の設計」における、「関連する自動または手動による取引レベルの内部統制が、効果的に設計され、運用されているかどうかを結論付ける」というタスク

「評価(Evaluation)」の高いスキルが必要となっているタスクは、1つだけです。

 

➀監査業務の計画

このパートでは、監査の出発点となる「計画」がテーマです。

全体の戦略をどう立てるか、どの取引や勘定を重点的に見るか、 そのための準備資料(時間予算やクライアントへの依頼リスト)も含まれます。

ただやみくもに監査するのではなく、「どこを見るかを決める力」が問われます。

 

➁企業とその環境の理解

ここでは、企業の中と外をよく知ることがテーマです。

たとえば、業界や経済の動き、会社のガバナンス体制、AIの活用状況などを確認し、「どこにリスクがありそうか?」をイメージする力が問われます。

景気循環や需要と供給の話など、ちょっと経済学寄りの知識も出てくるので要チェック!

 

③企業の統制環境と、ITシステムを含むビジネスプロセスの理解

ここは実務っぽい内容が多く、COSOフレームワークやIT統制の考え方が出てきます。

ウォークスルーをして取引の流れを確認したり、自動化された統制や手作業の統制がうまく機能しているかをチェックする内容です。

図やフローチャートが出題されることもあるので、流れで理解することが大切ですよ。

 

➃重要性

このパートでは、「どのくらいの金額の誤りなら気にするか」を考えます。

重要性(マテリアリティ)は、全体の金額だけでなく、質的な判断(たとえば、重要な開示の見落とし)も含まれます。

試験では計算と考え方の両方が問われるので、概念の理解と数値の感覚をバランスよく押さえておきましょう。

 

⑤不正または誤謬による重要な虚偽表示のリスクの評価と対応

ここでは、不正や誤りのリスクをどう見つけて、どう対応するかがテーマです。

職業的懐疑心を持ちながら、内部統制をテストするか、実証手続で直接チェックするか、など監査人の判断力が問われます。

監査データ分析(ADA)もここで出るので、手続の柔軟な選び方が大事になります。

 

⑥他者の作業の計画および利用

他の人の仕事をどこまで信頼して使えるか?というテーマです。

たとえば、内部監査部門の結果をどこまで使ってOKか、IT監査人や専門家の意見をどう活かすか、といった連携のルールを理解しておきましょう。

 

⑦契約リスクの特定領域

ここでは、ちょっと注意が必要な分野がまとめられています。

たとえば、

  • 法令違反のチェック
  • 関連当事者との取引
  • 会計見積もりのバイアス
  • 政府の助成金に関する監査(Single Audit)

など、間違えやすく、実務でもトラブルになりやすいテーマが中心です。

 

(3)出題分野3「更なる手続きの実施と証拠の入手」30–40%の詳細

 

出題分野3「更なる手続きの実施と証拠の入手」について、出題内容とスキルレベルは以下の通りです。

 

出題分野3「更なる手続きの実施と証拠の入手」の出題内容とスキルレベル

  1. データと情報の活用(Use of data and information):②と③と④
  2. 十分かつ適切な証拠の確保(Sufficient appropriate evidence):①と②と③
  3. サンプリング技法(Sampling techniques):③と④
  4. 十分かつ適切な証拠を入手するための手続き(Procedures to obtain sufficient appropriate evidence):①と②と③
  5. 特に注意すべき事項(Specific matters that require special consideration):①、②、③、④全部
  6. 虚偽表示と内部統制の不備(Misstatements and internal control deficiencies):①と②と③
  7. 経営者確認書(Written representations):
  8. 後発事象と発見された事実(Subsequent events and subsequently discovered facts):②と③と④

必要なスキルレベルは、「評価(Evaluation):」、「分析(Analysis):」、「応用(Application):」、「記憶と理解(Remembering and Understanding):」の4つ全てです。

 

「評価(Evaluation):」の高いスキルが必要となっているタスク

  1. 「十分に適切な証拠」における「計画された手続の目的を達成するために十分に適切な証拠が得られたかどうかを結論付ける」というタスク
  2. 「十分かつ適切な証拠を入手するための手続き」における「分析手続きから生じる差異(他の情報や期待値と矛盾する変動や関係など)を評価・調査することができる」というタスク
  3. 「特別な配慮を必要とする特定の事項」における「監査において、重要な虚偽表示のリスクや複雑性がより低い、重要な会計上の見積りの合理性について結論づける」というタスク
  4. 「特別な配慮を必要とする特定の事項」における「監査において、在庫および他者によって保有される在庫の存在と状態に関する証拠(例:テストカウントや確認状)を入手し、在庫記録がカウント結果を正確に反映しているかどうかを結論づけることによって、期末在庫数量をテストする」というタスク
  5. 「虚偽表示および内部統制の不備」における「内部統制の不備を評価し、監査手続きの性質・時期・範囲に及ぼす潜在的な影響を判断する」というタスク

「評価(Evaluation)」の高いスキルが必要となっているタスクは、5つもありますので、他とは違った対策が必要な出題分野だということがわかるでしょう。

 

➀データと情報の活用

ここでは、データをどう扱って監査に役立てるかがテーマです。

ITが発達した今の時代に合わせて、「データの抽出・整形」「信頼性の検証」「監査データ分析(ADA)」などが出題されます。

  • リレーショナルデータベースの基本
  • データの前処理(スクラビングやクレンジング)
  • AIで作られた資料のチェックポイント

など、新しいトピックも含まれているので、「実務で使えるITリテラシー」が問われます。

 

➁十分かつ適切な証拠の確保

ここでは、「この証拠で本当にいいの?」と自分に問いかける力が求められます。

  • 専門家の資料
  • 外部から得たデータ
  • 監査チームが作成した分析結果

など、さまざまな証拠を職業的懐疑心をもって見極める必要があります。

証拠の関連性・信頼性・真正性の判断がポイントです。

 

③サンプリング技法

「全部見ないとダメ?」 いいえ、効率的に調べるためにはサンプリングが大切です。

このパートでは

  • 母集団の選び方
  • サンプルサイズの決定
  • 分析的手続と組み合わせた使い方

など、統計と監査の知識をつなげた出題がされます。

ADAと一緒に問われることもあるので要注意です。

 

➃十分かつ適切な証拠を入手する手続

ここは実践的で、監査手続の王道がたくさん出てきます。

  • 観察、閲覧、再計算、再実行(四天王のような存在!)
  • インタビューや質問とフォローアップ
  • 統制テストと詳細テストの使い分け

監査現場をイメージしながら、「この状況ならどの手続がベストか?」を考える力が問われます。

 

⑤特に注意すべき事項

このパートは、特定の監査対象に対して「特別な配慮」が必要なケースを扱います。

  • 会計見積(特に公正価値など)
  • 証券投資、在庫、訴訟
  • 継続企業の前提
  • Single Audit(連邦助成金の監査)

など、実務でよく問題になる分野が詰まっているので、丁寧に復習しましょう。

 

⑥虚偽表示と内部統制の不備

監査で見つけた誤りや統制の問題をどう評価し、どう文書化するか?がテーマです。

  • 修正/未修正の虚偽表示の整理
  • 内部統制の欠陥があると、監査手続はどう変わる?
  • 誤りの影響が個別だけでなく「累積」でどうなるか?

など、監査報告に直結する判断力が問われます。

 

⑦経営者確認書

経営者から「うちの財務諸表はちゃんとしてますよ!」とお墨付きをもらうプロセスです。

確認書の内容や、いつ誰から取るかといった基本知識をおさえておきましょう。

 

⑧後発事象と発見された事実

決算日後に何か大きな事件が起きたら?

監査報告書を出したあとにミスを見つけたら?

このパートでは

  • 後発事象の識別と対応
  • 監査報告への影響
  • 事後的に発見された重要な事実への対応

など、タイミングと判断力がカギとなる問題が出てきます。

 

(4)出題分野4「結論の形成と報告」10–20%の詳細

 

出題分野4「結論の形成と報告」について、出題内容とスキルレベルは以下の通りです。

 

出題分野4「結論の形成と報告」の出題内容とスキルレベル

  1. 監査業務に関する報告(Reporting on audit engagements):③と④
  2. 保証業務に関する報告(Reporting on attestation engagements):③と④
  3. 会計・レビューサービス業務(Accounting and review service engagements):③と④
  4. コンプライアンスに関する報告(Reporting on compliance):
  5. その他の報告上の配慮事項(Other reporting considerations):

必要なスキルレベルは、「応用(Application):」と「記憶と理解(Remembering and Understanding):」です。

基本的な知識が問われますので、監査報告書の書式と内容を覚えるといった対策でいいでしょう。

 

➀監査業務に関する報告

ここはまさに、監査の最終ゴールに関わるパートです。

財務諸表に対して「無修正意見でいいのか?」「限定意見にすべきか?」 といった意見の種類と出し方がテーマになっています。

特に問われやすいのは、意見の種類の違いとその根拠。

また、「強調事項段落」や「その他事項段落」を どんな時に、どう追加するか? も押さえましょう。

ポイント

  • 無修正 vs 限定 vs 不適正 vs 差控え
  • 内部統制監査との統合報告 or 別々に報告?
  • 段落の配置や文章構成も出題されることがあります!

 

➁保証業務に関する報告

このパートでは、いわゆる「アテステーション業務」の報告が出題されます。

たとえば、経営者の表明に基づく検証(Assertion-based)や、 合意された手続業務(AUP)などが登場します。

それぞれの業務には、報告書の形や使い方のルールがあります。

用語が独特ですが、シンプルに「誰が何に対してどんな保証をしているか?」を整理すると理解しやすいですよ。

ポイント

  • アサーション型 vs ダイレクト型の違い
  • AUP報告は結論を出さない形式!
  • レビュー報告は限定的な保証!

 

③会計・レビューサービス業務

ここは、いわゆるコンパイル業務・レビュー業務・作成業務などの非監査サービスの報告について問われます。

監査とは異なり、保証の程度が低かったり、保証自体がないサービスなので、その分、報告書の内容や文言も違います。

ポイント

  • コンパイルは保証なし
  • レビューは限定的な保証あり
  • 作成業務には報告書なしもある!
  • それぞれの特徴と報告内容の違いを整理して覚えましょう。

 

➃コンプライアンスに関する報告

ここでは、契約・規制・助成金などへの遵守状況の報告がテーマです。

たとえば、連邦助成金の使用ルールを守っているか?などを検証する場面ですね。

また、内部統制の有効性についての報告も問われます。

特に出題されやすいのが、「GAO監査基準」に従った報告。

どんな項目を盛り込むべきか、どんなレポート構成にすべきか、 要件をきちんと確認しておきましょう。

ポイント

  • GAO基準は政府系の監査に必須
  • コンプライアンス報告には内部統制と所見の報告も含まれることがある

 

⑤その他の報告上の配慮事項

このセクションは、一見バラバラに見えますが、報告上の落とし穴対策集みたいな感じです。

たとえば、

  • 会計方針の変更があったとき、比較可能性がどう変わるか?
  • 財務諸表に含まれている「その他情報」って、監査人はどこまで責任を負うの?
  • 中間財務情報のレビューはどう報告すべき?

こういった「特殊ケースの対処法」がメインなので、状況を整理して、「こういう時はどうすべきか?」を一つずつ押さえましょう。

ポイント

  • 「補足情報」や「特別目的フレームワーク」での監査報告も出ます
  • 通常とは違う会計基準(現金主義など)での報告方法も確認!

 

 

 

以上、「AUDのBlueprint(ブループリント)を解説!2025年USCPA試験対応」でした。

知りたい君
知りたい君
AUDのBlueprint にはどんなことが書かれているのか、特に高いスキルが必要なのはどれなのかが分かったよ。

2025年の変更点は大きくなさそうで安心したよ。

どこ
どこ
AUDは、出題分野は4つあるけれど、出題分野2「リスクの評価と計画的な対応の策定」と出題分野3「更なる手続きの実施と証拠の入手」が、量と質ともにガツンと重いことが分かったでしょう。

AUDにだけ「評価(Evaluation)」という一番高いスキルが求められるんだけど、出題分野3には5つも「評価(Evaluation)」のレベルのタスクがあるからね。

今回は、AUDのBlueprint についてざっくりとご説明したけど、余裕があったら、ぜひ自分でも読んでみてね。

USCPA試験については、どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。

USCPA短期合格のコツも記載しています。

 

まだUSCPAの勉強を始めていない場合は「USCPAの始めかた」も参考にしてください。

USCPAの始めかた 5ステップ
USCPA(米国公認会計士)になるには?USCPAの始めかた【5ステップ】USCPA(米国公認会計士)に興味がある人は必見!「USCPAの始めかた」を5つのステップで『USCPAになりたいと思ったら読む本』の著者USCPAどこが解説!...