米国公認会計士(USCPA)の相互承認協定(MRA)とは?米国以外でもCPAに!

でも、USCPAを持っているとどの国で働けるのか分からなくて困ったな。

USCPA資格は、国際的な専門資格なので、基本的にはどの国でも評価されるよ。
でも「相互承認協定(MRA)」を結んでいる国だと、その国の公認会計士(CPA)として働けるから、USCPA資格がより活かせるよ。
ただし、誤解してほしくないんだけど、そのまま自動でCPAになれるわけではなくて、一定の条件を満たす必要があるからね。
今回は、そのUSCPA資格の「相互承認協定(MRA)」について、詳しく解説していくね。
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まず結論:USCPAの相互承認協定(MRA)は「追加要件付きのショートカット」
USCPA(米国公認会計士)資格の相互承認協定(MRA)は、ザックリ言うと、こういう仕組みです。
- 米国(AICPA/NASBA側のIQAB)と海外の会計士団体が「お互いの資格を一定条件で認め合おう」と決める。
- その結果、通常より少ない追加要件で、相手国(相手団体)の資格や会員資格が取れる「道」ができる。
ポイントはここ。
- MRAは「国」というより「会計士団体(Professional Body)」の協定。
→同じ国でも団体が複数ある(例:アイルランド)
- USCPAは州ライセンスなので、米国側でも「どの州でどう扱うか」が絡む。
→協定があっても、手続きは必ず確認が必要(州ごとに運用がありうる)
1.USCPAの相互承認協定(MRA)とは?
USCPA資格の「相互承認協定(MRA)」についてご説明していきます。
米国公認会計士(USCPA)資格の相互承認協定(MRA)
- 相互承認協定(MRA)は、英語では Mutual Recognition Agreements。
- NASBA/AICPAが共同で関与するIQAB(International Qualifications Appraisal Board)が中心になって結ぶ、国際的な相互認定の枠組み。
- USCPA資格を持っていると、相互承認協定を結んでいる国々で、その国の会計士資格を再取得しなくても、その国の会計士と同じ業務ができる。
- 相互承認協定を結んでいる国々の会計士は、米国でUSCPAと同じ業務ができる。
つまり、MRAがあると何がいいのかというと
- 相手国(相手団体)の会計士資格を目指すとき、フルの試験を受け直さなくていい可能性がある
- その国特有の「会社法」「税法」「職業倫理」など、不足部分だけ追加で満たす形になりやすい
ということ。

相互承認=無条件ではないよ。
基本は「既にプロとして十分な要件を満たしている人向けの制度」だよ。
AICPA(米国公認会計士協会)によると、相互承認協定を結ぶ目的は、会計専門家の国家間での流動性を高めるため。
そして、米国および相互承認協定を結んでいる国々において、会計専門家の育成に貢献するためだそうです。
ちなみに、CPA試験の受験も、米国以外の国々でできるようになってきました。
それもグローバル化の一環と考えられます。
2.米国と相互承認協定(MRA)がある相手先リスト
ここが一番知りたいところだと思うので、先にまとめます。
(1)現行のMRA(会計士団体)
2026年2月時点では、AICPA(米国公認会計士協会)またはNASBA(全米州政府会計委員会)と、以下の会計士団体との間で、相互承認協定(MRA)があります。
米国と相互承認協定がある国の会計専門家団体
- South African Institute of Chartered Accountants(SAICA)
- CPA Australia
- Chartered Accountants Australia and New Zealand (CAANZ)
- CPA Canada (CPAC)
- Chartered Accountants Ireland (CAI)
- Institute of Certified Public Accountants in Ireland(CPA Ireland)
- Instituto Mexicano de Contadores Publicos (IMCP)
- SAICAは、2020年1月15日に相互承認協定が結ばれました(“AICPA and NASBA sign mutual recognition pact with South African accountants”)。
- CPA Irelandは、2022年6月1日に相互承認協定が結ばれました(NASBA/AICPA U.S. International Qualifications Appraisal Board (IQAB) Signs Mutual Recognition Agreement with CPA Ireland)。
国で言うと、以下の6ヶ国になります。
米国と相互承認協定がある国
- カナダ
- メキシコ
- 南アフリカ
- オーストラリア
- ニュージーランド
- アイルランド
NASBAのサイトには、7つの会計士団体で掲載されていますが、国で言い換えるとこの6ヶ国になるわけです(よく誤解があるので注意)。
(2)以前はMRAがあったが、終了・停止の扱いが見られる団体
各州のボードの案内では、過去に扱いがあったが現在は受付停止という記載がみつかります。
米国と相互承認協定があった国
- シンガポール:2016年受付停止
- 香港:2022年受付停止
- スコットランド:2024年受付停止
現在、シンガポール・香港・スコットランドとは相互承認協定が結ばれていないことの確認が取れています。
更新されていないサイトだと、シンガポール・香港・スコットランドを含んでいることがあるので注意(よく質問をいただきます)。
(3)今後MRAが結ばれる可能性があるのは?
現時点では、
- 米国と地理的に近いカナダとメキシコ
- 英国と関連の強い南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド
とMRAが結ばれているといったところでしょうか。
日本とはMRAは結ばれていませんし、結ばれる予定もないようです。
日本は、日本語という言語の問題と、日本の公認会計士試験の難易度の高さによる「参入障壁」により、グローバルなCPA競争に巻き込まれていないのでしょうね。
ちなみに、以前タイでUSCPAとして働いていましたが、日本よりさらに高い「参入障壁」があるように感じました。
タイもタイ語という言語の問題があり、タイの公認会計士試験は日本の公認会計士試験以上に難易度が高いからです(合格したら超エリートです)。
CPA試験の受験地についても、以前はアジアでは日本だけでした。
ですが、ネパール(2020年12月)とインド(2021年1月より)が追加。
さらには、フィリピン(2024年7月)も追加されました!
どこでUSCPA試験が受験できるかは、こちらを参考にしてくださいね。
英語圏かつ英国と関連が強いといった点を考慮すると、インドの方が日本より先にMRAが結ばれる可能性が高そうです。
3.相互承認協定(MRA)を使う時に出てくるキーワード:IQEX
海外資格者が米国USCPAに近道する話で有名なのが、IQEX(International Qualification Examination)です。
IQEXは
- 相互承認協定(MRA)のある団体の資格者に対して、USCPA資格プロセスを円滑にするための試験
- 範囲は主に、倫理・職業上/法的責任・ビジネス法・税など「米国実務に固有の部分」
- Uniform CPA Examの代替ではない(あくまでもMRA向けの枠組み)
とNASBAサイトでは説明されています。
また、手数料の例としてNASBAサイトでは
- Eligibility Application:255ドル
- IQEX Exam Section Fee:660ドル
が掲載されています。
よく変更されるので、最新情報はNASBAサイトのInternational Qualifications Examination(IQEX)を参照してくださいね。
もう1つ、よく聞かれるのがIQEXの受験地です。
IQEXはPrometriceで実施されます。
ただし、どの国・どのテストセンターで受けられるかは運用で変わる可能性があるため、申請時点のNASBA/Prometricの案内で最新の受験地を確認してください。
スコアリリースのNASBAポスト(たとえば、以下のようなポスト)には、IQEXの採点件数が記載されますね。
通常のUSCPA受験生は気にしなくていいですが。
On November 25, NASBA received and processed the following scores from the AICPA: pic.twitter.com/iiUeOyAQVC
— NASBA (@NASBA) November 25, 2025
4.「USCPAが海外で強い」って、結局どういう話?
誤解されやすいので、ストレートに書いておきますね。
- USCPAは「万能パスポート」ではない
- だが、英語圏・多国籍企業・外資系・クロスボーダー案件では、評価されやすい
「その国の公認会計士資格を取る」って、想像より大変です。
前述のように、どこは以前タイで働いていましたが、タイの公認会計士試験なんて、合格できる気がしませんでした。
タイ語で試験を受けないといけませんし、日本の公認会計士試験より難易度が高いと言われていましたし。
日本人が合格するなんて不可能では???
だからこそ、MRAのような「近道」がある国・団体は、戦略として知っておく価値があります。
5.相互承認協定国(団体)で会計士資格を取得するには?:オーストラリア例
MRA(相互承認協定)を結んでいる国で、USCPAが会計士資格を取得するためには何が必要かを見ていきます。
よくオーストラリアの場合について質問をいただくので、まとめておきます。
(1)オーストラリアの「会計士団体」は主に2つ(USCPAとのMRAがらみで出やすい)
USCPAが相互承認協定制度を使えるオーストラリアの会計士団体は2つですね。
オーストラリアの会計士団体
- CPA Australia
- Chartered Accountants Australia and New Zealand (CAANZ)
CAANZの方が法定監査ができます。
なので、オーストラリアの監査法人で働きたい場合は、CPA Australiaではなく、CAANZに登録することを意識する人が多い印象です。
どこは違いに詳しくはないのですが、オーストラリアでChartered Accountants(CA)をしている友達に「私はUSCPAだ」と言ったら、CAである自分の方が上と言われました。
なので、オーストラリアでは、CPAよりCAの方が上という認識なのだと思っています。
(2)MRA登録で必要なもの
登録に必要なのは、以下のとおりです。
CPA Australia登録に必要なもの
- Letter of Good Standing
- Congratulatory Letter
- 学歴証明
- 身分証明書(パスポート)
詳細はCPAオーストラリアのサイトを参考にしてください。
CAANZ登録に必要なもの
- AICPAからのレター
- 身分証明書(パスポート)
- CAANZメンバー2人からの推薦状
詳細はCAANZのサイトを参考にしてください。
基本的には「Good Standingを示す」「本人確認」「学歴や職歴確認」と考えていいでしょう。
この中で一番用意するのが難しいのは、CAANZメンバー2人からの推薦状でしょう。
これが手に入らない場合は、CPA Australiaに登録することになるということでしょうか。
6.どこ的:MRAを検討する人がハマりがちな落とし穴(重要)
MRAを検討する人がよく誤解する点を解説しておきます。
落とし穴1:MRAは「国」じゃなく「団体」で、US側は「州」
NASBA/AICPA側(IQAB)がMRAを結んでいても、USCPAは州ライセンスなので、州側の扱いが絡みます。
実際、MRA文書でも「州法に基づき、各州のボードが採用するか決める」という趣旨が明記されています。
落とし穴2:「Good Standing」要件を甘く見てしまう
MRA・相互ルートは、だいたい「Good Standing(懲戒等なし/会費や要件を満たしている)」が大前提です。
ここが崩れると、一気に詰みます。
補足:MRAで特に勘違いが多い3点(申請前に要チェック)
MRA・相互ルートは「Good Standing」が前提ですが、実務上躓きやすいポイントが3つあります。
- Step0:合格しただけ(Certificate Holder)やInactiveでは使えない場合があります。まずライセンス登録(Active化)がスタートラインとなりますね。
- 維持コスト:取得後は二重管理になりやすい(USCPA側のライセンス維持+相手団体側の年会費/CPE・CPDの申告・管理が発生する可能性)
- 実務経験年数:合格してすぐ申請できるとは限らない(団体によって1~3年などの実務経験が条件になる場合がある)
*要件は団体・州で差があるので、申請前に一次情報で確認してください。
落とし穴3:ビザ問題が、資格より強い
特にオーストラリア・NZは、資格の前に就労ビザが最大の壁になることがあります。
若いうちなら、ワーキングホリデービザで、「まず現地で会計の仕事を経験する」というルートも現実的な選択肢です(職歴とコネが作れる)。
資格は就労ビザの次、という順番になるケースが多いです。
海外で働くというと、就労ビザが一番のネックなんですよね。
参考:【現地採用】USCPA(米国公認会計士)の海外就職入門!大事なこと3つ
どこは、就労ビザが取りやすいので、タイの米国企業で働くことにしたという経緯があります。
タイの米国企業にスポンサーになってもらって就労ビザを取りましたが、タイのCPA資格は持っていないです(会計業務担当なだけで必要なかったので)。
参考:【保存版】タイ・バンコク 海外移住・海外就職ガイド 迷いを全部解決!
どこはワーキングホリデービザを活用し、オーストラリアのシドニーで会計インターンをしていたことがあります。
ワーホリというと、遊んでいるだけというイメージがあるかもしれませんが、若者であれば、簡単な手続きで働ける就労ビザがもらえる素晴らしい制度。
ご存知の通り、就労ビザというのはフツーは簡単には出ないので、活用した方がいいと思います。
どこも、1年間オーストラリアで働いた経験は、何にも代えがたいものになっており、この海外就労の経験が、BIG4監査法人の監査職で採用された理由の1つになっています。
オーストラリアでCPAとして働きたい場合、ワーキングホリデービザで会計の仕事をしてみることも考えてみるといいですよ。
7.相互承認協定(MRA)に関するよくある質問(FAQ)
相互承認協定(MRA)について、よくいただく質問にお答えしておきます。
Q1:USCPAを取れば、自動的にカナダCPAになれますか?
自動ではありません。
MRA(または相手団体のルート)で「近道」はあり得ますが、要件を満たして、申請する必要があります。
Q2:MRAがある国なら、現地のフル試験は不要ですか?
「不要になる」こともありますが、一般には不足分(法律・税・倫理など)を追加で満たす形になりやすいです。
Q3:IQEXって何ですか?
MRA対象団体の資格者が、USCPAに近道する際に使われる試験で、主に米国特有の法・税・倫理などを扱います。
Q4:どの国(団体)がいま対象?
NASBAのCurrent Agreementsに掲載されている団体(SAICA、CPA Australia/CAANZ/CPAC/CAI/CPA Ireland/IMCP)がまず基準です。
Q5:昔は対象だったのに、いまは違うことってありますか?
あります。
各州のボードなどの案内で、過去のMRAについて受付停止日が明記されている例もあります(ICASやHKICPAなど)。
まとめ:USCPA資格の相互承認協定(MRA)は「海外で戦うための保険」になり得る
相互承認協定(MRA)がある国・団体では、
- その国の会社法・税法などの勉強は必要になり得るが、
- 現地の公認会計士試験をフルで受験せずに済む「可能性」がある
という意味で、USCPAの価値がもう一段上がります。
ただし、MRAは制度が動きます。
そして「国」ではなく「団体」×「米国は州」で話が進むので、利用する際は必ず、一次情報(NASBA・相手団体・州ボード)で最終確認してくださいね。
以上、「米国公認会計士(USCPA)の相互承認協定(MRA)とは?米国以外でもCPAに!」でした。

結構お得だね!

今後さらに相互承認協定を結ぶ国が増えていくだろうから、ますますUSCPAが活躍できる国が増えるね。
もしUSCPAに挑戦するか迷っている人がいたら、このUSCPA資格の相互承認協定もぜひ考慮に入れてね。
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