USCPA(米国公認会計士)と日本の公認会計士の試験制度を比較|受けやすいのはどっち?
USCPA(米国公認会計士)と日本の公認会計士。
どちらも「公認会計士」と呼ばれる資格ですが、試験制度はかなり違います。
これから会計資格に挑戦しようとしている人は、次のように迷うのではないでしょうか。
- USCPAと日本の公認会計士は、試験制度がどう違うの?
- 受けやすいのはどっち?
- 合格までにどのくらい時間がかかる?
- 社会人が働きながら目指すならどちらが現実的?
- 試験制度や難易度を考えると、自分はどちらを受けるべき?
結論から言うと、制度上、社会人が受けやすいのはUSCPAです。
USCPAは、1科目ずつ受験でき、受験する順番やタイミングも自分で組み立てやすい試験です。
一方、日本の公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験があり、試験日も決まっています。
複数科目をまとめて仕上げる必要があるため、学習量もかなり大きいです。
ただし、ここで勘違いしてほしくないのは、受けやすい=簡単ではないということです。
USCPAには、英語、受験資格、出願州、単位要件というハードルがあります。
日本の公認会計士には、膨大な学習量、短答式と論文式の両方を突破する大変さがあります。
つまり、どちらもラクな資格ではありません。
ただ、試験制度として見ると、社会人が働きながら現実的に挑戦しやすいのはUSCPAです。
この記事では、USCPAと日本の公認会計士の試験制度を比較しながら、どちらを受けるべきか判断しやすいように解説します。
「資格としてどちらがおすすめか」「合格後のキャリアまで含めてどちらを選ぶべきか」は、こちらの記事で詳しく解説しています。
試験内容や難易度の中身を詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
USCPAが少しでも気になる方は、まず「自分が受験できるか」を確認しておくのがおすすめです。
USCPAは出願州によって受験資格や必要単位が変わるため、試験制度を比較する前に、自分のスタート地点を知っておくと判断しやすくなります。
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この記事でわかること
この記事では、以下のことがわかります。
- USCPAと日本の公認会計士の試験制度の違い
- 受験日・受験タイミングの違い
- 受験資格の違い
- 科目数と科目合格制度の違い
- 試験形式と英語負担の違い
- 合格までにかかる勉強時間・期間の目安
- 社会人が受けるならどちらが現実的か
- 学生や20代前半ならどちらが現実的か
- 制度面から見た向き・不向き
この記事は、試験制度の違いに絞って比較する記事です。
ただし、制度の違いを知るだけで終わらせず、最終的に「自分はどちらを受けるべきか」を判断できるようにまとめています。
1.結論|制度上、社会人が受けやすいのはUSCPA
USCPAと日本の公認会計士の試験制度を比べると、社会人が受けやすいのはUSCPAです。
理由は、次の3つです。
- 1科目ずつ受験できる
- 受験する順番やタイミングを調整しやすい
- 仕事や繁忙期に合わせて学習計画を組みやすい
日本の公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験があります。
短答式試験は年2回、論文式試験は年1回です。
試験日が決まっているため、その日に向けて複数科目をまとめて仕上げる必要があります。
一方、USCPAは1科目ずつ合格を積み上げていく試験です。
たとえば、次のように進められます。
- まずFARに集中する
- 次にAUDを受ける
- 繁忙期を避けてREGを受ける
- 最後に選択科目を受ける
このように、自分のスケジュールに合わせて進めやすいです。
社会人にとって、これはかなり大きな違いです。
ただし、USCPAにも準備は必要です。
英語で会計・監査・税法を学ぶ必要がありますし、出願州ごとの受験資格も確認しなければなりません。
つまり、USCPAは「ラクな試験」ではありません。
働きながら挑戦しやすい制度の試験です。
ここは分けて考えた方がいいです。
(1)USCPAは受験日・科目順を自分で決めやすい
USCPAは、科目ごとに受験できます。
受験する順番も自分で決めやすいです。
そのため、社会人でも学習計画を立てやすくなります。
仕事が忙しい時期は学習ペースを落とし、比較的余裕がある時期に受験することもできます。
たとえば、次のような進め方です。
- 今月はFARだけに集中する
- 繁忙期が終わったらAUDを受ける
- 短期間で1科目ずつ進める
このような進め方ができるのは、USCPAの大きな特徴です。
(2)日本の公認会計士は試験日が決まっている
日本の公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験に分かれています。
短答式試験は年2回、論文式試験は年1回です。
試験日が決まっているため、その日に合わせて複数科目を仕上げる必要があります。
自分の仕事や生活の都合に合わせて、自由に受験日を動かすことはできません。
また、短答式試験に合格した後は論文式試験に進みます。
短答式だけで終わりではなく、論文式まで突破する必要があるため、長期戦になりやすいです。
(3)「入口の広さ」と「合格しやすさ」は別
ここは、かなり現実的に考えた方がいいです。
日本の公認会計士試験は、受験資格の制限がありません。
年齢や学歴に関係なく受験できます。
そのため、入口はとても広いです。
一方で、入口が広いことと、合格しやすいことは別です。
短答式試験、論文式試験ともに学習量は多く、合格までにはかなりの時間と覚悟が必要です。
USCPAは、受験資格の確認が必要なので入口で少し手間がかかります。
でも、いったん受験資格を満たせば、1科目ずつ進められるため、社会人には計画を立てやすい試験です。
2.USCPAと日本の公認会計士の試験制度比較表
まずは、USCPAと日本の公認会計士の試験制度の違いを、図でざっくり整理してみましょう。
図で見ると、USCPAは「1科目ずつ受験できる」「英語のPC試験」「社会人と相性が良い」のが特徴です。
一方、日本の公認会計士は「短答式+論文式」「試験日が固定」「学生や専念学習と相性が良い」という違いがあります。
そのうえで、試験制度を表で整理すると次のようになります。
| 比較項目 | USCPA | 日本の公認会計士 |
|---|---|---|
| 試験日 | 科目ごとに受験タイミングを調整しやすい | 短答式は年2回、論文式は年1回 |
| 受験資格 | 出願州ごとに学位・単位要件あり | 受験資格の制限なし |
| 科目数 | Core3科目+Discipline1科目 | 短答式4科目、論文式5科目 |
| 試験形式 | 英語のPC試験。選択問題とシミュレーション問題が中心 | 短答式はマークシート、論文式は記述式 |
| 勉強スタイル | 1科目ずつ積み上げやすい | 複数科目を並行して仕上げる |
| 勉強時間の目安 | 1,000〜1,500時間程度が目安になりやすい | 3,000〜5,000時間程度が目安になりやすい |
| 合格までの期間 | 1年〜2年程度を目指す人が多い | 2年〜4年程度を見込む人が多い |
| 合格基準 | 各科目75点以上 | 短答式70%、論文式52%が目安 |
| 社会人との相性 | 高い | かなり大変 |
| 学生との相性 | 外資・英語志向なら選択肢 | 監査法人を目指すなら王道 |
この表だけを見ると、USCPAの方が軽く見えるかもしれません。
ただ、USCPAにも英語と受験資格のハードルがあります。
逆に、日本の公認会計士は学習量が大きいですが、日本国内の監査・会計専門職としての強さがあります。
そのため、単純に「楽そうだからUSCPA」「難しそうだから日本の公認会計士は無理」と決めるのはおすすめしません。
制度の違いを理解したうえで、現実的に続けられる方を選びましょう。
3.試験日・受験タイミングの違い
試験日と受験タイミングは、USCPAと日本の公認会計士でかなり違います。
特に社会人にとっては、この違いが大きいです。
(1)USCPAは受験タイミングを調整しやすい
USCPAは、科目ごとに受験できます。
受験する科目の順番も、自分で決めやすいです。
そのため、仕事や生活に合わせて学習計画を組みやすいです。
たとえば、次のような進め方ができます。
- 繁忙期前は学習ペースを落とす
- 繁忙期後に受験する
- 1科目ずつ集中して勉強する
- 不合格だった場合も次の受験計画を立て直す
社会人の場合、仕事が忙しい時期とそうでない時期があります。
USCPAは、その波に合わせて計画を調整しやすいです。
(2)日本の公認会計士は試験日が固定されている
日本の公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験に分かれています。
短答式試験は年2回、論文式試験は年1回です。
試験日はあらかじめ決まっています。
自分の都合で大きく動かすことはできません。
そのため、試験日に向けて複数科目を一気に仕上げる必要があります。
(3)働きながらならUSCPAの方が現実的
働きながら挑戦するなら、USCPAの方が現実的です。
理由は、1科目ずつ進められるからです。
日本の公認会計士試験も、働きながら合格する人がいないわけではありません。
ただし、かなりハードです。
短答式試験では複数科目をまとめて仕上げる必要があり、論文式試験では記述式の対策も必要です。
仕事をしながら挑戦するなら、学習時間の確保が最大の壁になります。
4.受験資格の違い
次に、受験資格の違いです。
ここは、USCPAと日本の公認会計士で大きく違います。
(1)USCPAは出願州ごとに受験資格が違う
USCPAは、米国の州ごとに受験資格が異なります。
学位要件、会計単位、ビジネス単位などを確認する必要があります。
日本の大学を卒業していても、会計単位やビジネス単位が不足することがあります。
その場合、不足単位を追加で取得してから出願します。
また、どの州に出願するかによって、受験資格やライセンス登録の要件も変わります。
USCPAは、勉強を始める前に受験資格を確認することがとても重要です。
(2)日本の公認会計士は受験資格の制限がない
日本の公認会計士試験には、受験資格の制限がありません。
年齢、学歴、国籍に関係なく受験できます。
この点だけを見ると、日本の公認会計士試験の方が入口は広いです。
ただし、何度も言いますが、入口が広いことと、合格しやすいことは別です。
試験範囲は広く、短答式試験と論文式試験を突破するには相当な学習量が必要です。
(3)USCPAは「自分が受験できるか」を先に確認する
USCPAを検討する場合、最初に確認すべきなのは「勉強を始めるかどうか」よりも、「自分が受験資格を満たせるか」です。
特に確認したいのは、次の3つです。
- 学位要件を満たしているか
- 会計単位・ビジネス単位が足りているか
- どの州で出願するのがよいか
ここを確認しないまま勉強を始めると、あとから不足単位や州選びでつまずくことがあります。
USCPAは、出願州によって受験資格や不足単位が変わります。
自分の学歴で受験できるのか、不足単位を追加で取る必要があるのか、どの州で出願するのがよいのかは、早めに確認しておきましょう。
ここを確認しておくと、「USCPAを目指せるのか」「どのくらい準備が必要なのか」がかなり見えやすくなります。
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5.科目数・科目合格制度の違い
USCPAと日本の公認会計士では、科目数と科目合格制度も違います。
この違いは、勉強の進め方にかなり影響します。
(1)USCPAは4科目に合格する試験
USCPA試験は、必須3科目と選択1科目の合計4科目です。
必須科目は、次の3科目です。
- FAR:Financial Accounting and Reporting
- AUD:Auditing and Attestation
- REG:Taxation and Regulation
選択科目は、次の3科目から1科目を選びます。
- BAR:Business Analysis and Reporting
- ISC:Information Systems and Controls
- TCP:Tax Compliance and Planning
USCPAは、この4科目すべてに合格する必要があります。
1科目ずつ受験できるため、社会人でも計画を立てやすいです。
(2)日本の公認会計士は短答式4科目・論文式5科目
日本の公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験に分かれています。
短答式試験は、次の4科目です。
- 財務会計論
- 管理会計論
- 監査論
- 企業法
論文式試験は、必修科目と選択科目があります。
必修科目は、会計学、監査論、企業法、租税法です。
選択科目は、経営学、経済学、民法、統計学から1科目を選びます。
つまり、短答式試験4科目に合格し、その後に論文式試験5科目を受ける流れです。
(3)USCPAは1科目ずつ、日本の公認会計士はまとめて仕上げる
USCPAは、1科目ずつ合格を積み上げる試験です。
一方、日本の公認会計士試験は、複数科目をまとめて仕上げる必要があります。
この違いは、かなり大きいです。
1科目ずつ集中して進めたい人には、USCPAの方が合いやすいです。
複数科目を同時に勉強し、短答式・論文式まで一気に突破する覚悟がある人には、日本の公認会計士試験が向いています。
6.試験形式・英語負担の違い
試験形式も大きく違います。
USCPAは英語のPC試験、日本の公認会計士は短答式と論文式の筆記試験です。
(1)USCPAは英語のPC試験
USCPA試験は、PC上で受ける試験です。
出題形式は、選択問題とシミュレーション問題が中心です。
すべて英語で出題されます。
計算問題もありますが、単純な計算だけではありません。
英文を読み、会計・監査・税法の論点を理解し、必要な情報を拾って解答する力が求められます。
そのため、英語に苦手意識が強い人は、最初かなり大変に感じると思います。
ただし、USCPAに必要な英語は、会計英語・試験英語です。
ネイティブのように話せる必要はありません。
重要なのは、問題文を読んで、論点を理解し、選択肢を判断できることです。
(2)日本の公認会計士は短答式と論文式がある
日本の公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験があります。
短答式試験はマークシート方式です。
論文式試験は記述式です。
論文式では、計算だけでなく、理論を文章で説明する力も必要です。
日本語で正確に答案を書く力が求められます。
この論文式の負担はかなり大きいです。
知識があるだけではなく、答案として表現できる必要があります。
(3)英語が苦手ならUSCPAは不利?
英語が苦手なら、USCPAは不利です。
これは正直に言っておきます。
ただし、英語が得意でないと絶対に無理、というわけではありません。
USCPA試験で必要なのは、会計・監査・税法の英文を読める力です。
日常会話の流暢さよりも、英文問題を正確に読む力が大事です。
一方、日本の公認会計士試験は日本語中心ですが、論文式で文章を書く力が求められます。
英語があるUSCPAが大変なのか。
論文式がある日本の公認会計士が大変なのか。
ここは人によって感じ方が変わります。
7.合格までにかかる勉強時間・期間の違い
合格までにかかる勉強時間や期間は、人によって大きく変わります。
会計知識、英語力、学習環境、仕事の忙しさによって違うからです。
ここでは、あくまで目安として見てください。
合格までの流れと、かかる時間・期間のイメージを図で整理すると、次のようになります。
USCPAは、受験資格の確認や不足単位の対応が必要ですが、その後は4科目を1科目ずつ進めやすいのが特徴です。
一方、日本の公認会計士は、短答式試験と論文式試験を順に突破していく流れで、学習時間も長くなりやすいです。
ここからは、それぞれの勉強時間と期間の目安をもう少し詳しく見ていきます。
(1)USCPAは1,000〜1,500時間、1年〜2年が目安になりやすい
USCPAの学習時間は、1,000〜1,500時間程度が目安と言われることが多いです。
合格までの期間は、1年〜2年程度を目指す人が多いです。
ただし、これはかなり個人差があります。
会計知識がある人、英語に慣れている人、毎日学習時間を確保できる人は進めやすいです。
一方、会計初学者で英語にも不安がある場合は、もっと時間がかかることがあります。
私自身は、簿記3級、TOEIC850点程度、経理経験ありの状態で、USCPA合格まで約1,000時間でした。
ただし、これはあくまで一例です。
同じ時間で全員が合格できるわけではありません。
(2)日本の公認会計士は3,000〜5,000時間、2年〜4年が目安になりやすい
日本の公認会計士試験は、3,000〜5,000時間程度の学習が必要と言われることが多いです。
合格までの期間は、2年〜4年程度を見込む人が多いです。
もちろん、もっと短期間で合格する人もいます。
一方で、長期化する人もいます。
短答式試験に合格したあと、論文式試験に合格する必要があります。
論文式では、計算力だけでなく、理論を文章で書く力も必要です。
そのため、学習期間は長くなりやすいです。
(3)社会人は「何時間かかるか」より「続けられるか」が大事
社会人の場合、勉強時間の合計だけを見てもあまり意味がありません。
大事なのは、続けられるかどうかです。
たとえば、1,000時間の勉強でも、毎日2時間なら500日かかります。
平日は1時間、休日に多めに勉強するスタイルなら、さらに調整が必要です。
日本の公認会計士のように3,000時間以上が目安になる試験を、働きながら進めるのはかなり大変です。
無理ではありません。
でも、生活をかなり試験中心に寄せる覚悟が必要です。
USCPAは1科目ずつ進められるため、社会人でも計画に落とし込みやすいです。
8.合格基準・合格率の違い
合格基準や合格率を見るときは、注意が必要です。
数字だけを見て「USCPAの方が簡単」「日本の公認会計士の方が難しい」と決めるのは危険です。
(1)USCPAは各科目75点以上で合格
USCPAは、各科目75点以上で合格です。
ただし、この75点は75%の正答率という意味ではありません。
0〜99のスケールスコアで、75点以上が合格という仕組みです。
USCPAは科目ごとに合否が出るため、1科目ずつ合格を積み上げていきます。
ただし、合格した科目には有効期限があります。
そのため、1科目合格した後は、期限内に残りの科目も合格する必要があります。
(2)日本の公認会計士は短答式70%、論文式は偏差値52が目安
日本の公認会計士試験では、短答式試験は総点数の70%とし、論文式試験は偏差値52前後が目安とされています。
ただし、科目ごとに一定の基準を下回ると不合格になることがあります。
また、実際の合否は試験ごとの状況も踏まえて決まります。
そのため、単純に「短答式は70%取れば必ず大丈夫」と考えるのは危険です。
(3)合格率だけで難易度を判断しない
USCPAは、科目別合格率を見ると日本の公認会計士試験より高く見えることがあります。
しかし、それだけで「USCPAの方が簡単」とは言えません。
理由は、受験者層も試験制度も違うからです。
USCPAは受験資格があり、科目ごとに準備して受験する人が多いです。
一方、日本の公認会計士試験は受験資格の制限がなく、幅広い人が受験できます。
また、日本の公認会計士は短答式と論文式を突破する必要があります。
合格率は参考になります。
でも、合格率だけで難易度を判断すると、かなりズレます。
9.社会人が受けるならどっちが現実的?
社会人が受けるなら、制度面ではUSCPAの方が現実的です。
これはかなりはっきり言えます。
(1)働きながらならUSCPAの方が計画を立てやすい
社会人の場合、仕事をしながら勉強することになります。
繁忙期もあります。
残業が増える時期もあります。
家庭や生活の予定もあります。
その中で複数科目を一気に仕上げるのは、かなり大変です。
USCPAは、1科目ずつ受験できるため、仕事と両立しやすいです。
もちろん楽ではありません。
それでも、試験制度としては社会人に向いています。
(2)社会人が日本の公認会計士を目指すなら覚悟が必要
社会人が日本の公認会計士を目指すこともできます。
ただし、かなり覚悟が必要です。
考えるべきことは多いです。
- 仕事を続けながら勉強するのか
- 仕事を辞めて専念するのか
- 生活費をどうするのか
- 合格まで何年見込むのか
- 合格後の年齢で監査法人に入るのか
日本の公認会計士試験は、学習量が大きいです。
働きながら目指す場合は、相当な時間管理が必要になります。
「なんとなく会計資格がほしい」くらいの気持ちだと、かなり厳しいです。
(3)社会人は資格取得後の回収まで考える
社会人の場合、資格にかける時間とお金をどう回収するかも大事です。
USCPAを取るなら、外資系企業、日系グローバル企業、経理・財務、FP&A、内部監査、海外子会社管理などで活かすイメージを持った方がいいです。
日本の公認会計士を目指すなら、監査法人、FAS、会計アドバイザリー、IPO支援などに進む覚悟があるかを考えた方がいいです。
資格は取って終わりではありません。
取った後にどこで使うかが大事です。
10.学生・20代前半ならどっちが現実的?
学生や20代前半なら、日本の公認会計士もかなり強い選択肢です。
特に、監査法人を目指すなら日本の公認会計士が王道です。
(1)学生で監査法人を目指すなら日本の公認会計士
大学生や20代前半で、日本の監査法人を目指すなら、日本の公認会計士が第一候補です。
理由は、監査法人への採用ルートが整っているからです。
学生のうちにまとまった学習時間を確保できるなら、日本の公認会計士試験に挑戦する価値は大きいです。
合格後は、監査法人で会計専門職としてのキャリアを始めやすくなります。
(2)学生でも外資・海外志向ならUSCPAは選択肢
一方で、学生でもUSCPAが合う人はいます。
たとえば、次のような人です。
- 外資系企業に興味がある
- 英語を使って働きたい
- 海外勤務に関心がある
- グローバル企業の経理や財務に進みたい
- 日本の公認会計士試験に専念するのは現実的ではない
このような人です。
ただし、学生の場合はUSCPAの受験資格に注意が必要です。
学位要件や単位要件を満たしていないことがあるため、早めに確認した方がいいです。
(3)若いなら「難しい方が偉い」ではなく「進みたい道」で選ぶ
若いと、つい「難しい資格の方がすごい」と考えがちです。
でも、資格選びで大事なのは、難しさではありません。
進みたい道に合っているかです。
日本の監査法人で会計専門職としてキャリアを始めたいなら、日本の公認会計士。
英語×会計で外資・グローバル企業を目指したいなら、USCPA。
このように、進みたいキャリアから逆算した方が後悔しにくいです。
11.制度面から見た向き・不向き
ここまでの試験制度をふまえると、向き・不向きはかなり整理できます。
(1)USCPAに向いている人
USCPAに向いているのは、次のような人です。
- 働きながら1科目ずつ進めたい
- 受験タイミングを自分で調整したい
- 英語に強い抵抗がない
- 外資系企業やグローバル企業に関心がある
- 経理・財務経験を活かしてキャリアを広げたい
- 受験資格や出願州を確認しながら計画的に進められる
USCPAは、社会人が今の仕事を続けながら挑戦しやすい試験です。
特に、英語×会計でキャリアを広げたい人には向いています。
(2)日本の公認会計士に向いている人
日本の公認会計士に向いているのは、次のような人です。
- まとまった学習時間を確保できる
- 日本の監査法人を本気で目指している
- 短答式と論文式を突破する覚悟がある
- 日本の会計・監査・開示を深く学びたい
- 学生や20代前半で監査法人を目指している
- 国内の会計専門職として強くなりたい
日本の公認会計士は、試験制度としては重いです。
ただし、日本国内の監査・会計専門職としての強さは非常に大きいです。
(3)迷ったら「受かりやすそう」ではなく「続けられそう」で考える
資格選びで大事なのは、「受かりやすそう」ではありません。
「続けられそうか」です。
USCPAも日本の公認会計士も、途中でやめてしまえば合格できません。
働きながら続けられるのか。
まとまった勉強時間を確保できるのか。
英語で学ぶことに耐えられるのか。
論文式までやり切れるのか。
ここを現実的に考えましょう。
ここまでの内容をふまえて、試験制度の面からどちらを選ぶとよいかをフローチャートで整理すると、次のようになります。
このように、働きながら受けたいか、まとまった学習時間を確保できるか、英語×会計のキャリアを広げたいか、国内監査を本気で目指したいかによって、選び方はかなり変わります。
迷ったときは、「どちらがすごいか」ではなく、「自分の今の状況で続けやすいのはどちらか」で考えるのがおすすめです。
12.受けやすさだけで選ぶと失敗する理由
最後に、受けやすさだけで資格を選ぶと失敗する理由を説明します。
試験制度は大事です。
でも、資格選びは制度だけで決めない方がいいです。
(1)USCPAは「簡単そうだから」で選ぶ資格ではない
USCPAは、日本の公認会計士試験と比べると、社会人が挑戦しやすい制度です。
でも、簡単な資格ではありません。
英語で会計・監査・税法を学ぶ必要があります。
受験資格や出願州の確認も必要です。
合格後にライセンス登録まで目指すなら、さらに要件を確認する必要があります。
「日本の公認会計士は難しそうだからUSCPAにする」という選び方だと、途中でつまずきやすいです。
USCPAは、英語×会計でキャリアを広げたい人に向いている資格です。
(2)日本の公認会計士は「難しいからすごい」だけで選ばない
日本の公認会計士は、非常に強い資格です。
ただし、「難しいからすごい」という理由だけで選ぶのは危険です。
学習量がかなり大きいため、目的が曖昧だと続けるのが大変です。
日本の監査法人で働きたい。
日本の会計・監査・開示の専門家になりたい。
FASや会計アドバイザリーに進みたい。
このような目的があるなら、日本の公認会計士はとても強い選択肢です。
(3)制度とキャリアの両方で判断する
最終的には、制度とキャリアの両方で判断するのが大事です。
制度面では、社会人が受けやすいのはUSCPAです。
一方、日本の公認会計士は、日本国内の監査・会計専門職として非常に強い資格です。
どちらが上かではありません。
どちらが自分の状況と目的に合っているかです。
まとめ|働きながらならUSCPA、国内監査の王道なら日本の公認会計士
USCPAと日本の公認会計士は、試験制度が大きく違います。
USCPAは、科目ごとに受験でき、受験タイミングや科目順を自分で組み立てやすい試験です。
1科目ずつ合格を積み上げられるため、社会人が働きながら挑戦しやすい制度になっています。
一方、日本の公認会計士試験は、短答式試験・論文式試験という流れがあり、試験日も決まっています。
複数科目をまとめて仕上げる必要があり、学習量も大きいです。
ここまでを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | USCPA | 日本の公認会計士 |
|---|---|---|
| 制度上の受けやすさ | 社会人が挑戦しやすい | まとまった学習時間が必要 |
| 受験タイミング | 科目ごとに調整しやすい | 試験日が決まっている |
| 受験資格 | 州ごとに学位・単位要件あり | 制限なし |
| 科目数 | 4科目 | 短答式4科目、論文式5科目 |
| 試験形式 | 英語のPC試験 | 短答式+論文式 |
| 勉強スタイル | 1科目ずつ積み上げる | 複数科目を並行して仕上げる |
| 向いている人 | 働きながら英語×会計でキャリアを広げたい人 | 日本の監査・会計専門職を目指す人 |
制度として受けやすいのはUSCPAです。
特に、社会人が仕事を続けながら会計資格を目指すなら、USCPAの方が現実的なケースが多いです。
ただし、USCPAには英語、受験資格、出願州、単位要件というハードルがあります。
「受けやすいからUSCPA」ではなく、「自分の状況とキャリアに合うからUSCPA」と考えることが大切です。
一方、日本の公認会計士は、試験制度としては重いです。
でも、日本の監査法人で王道キャリアを歩みたい人や、日本国内の会計専門職として強くなりたい人にとっては、とても強い資格です。
迷ったら、次のように考えてみてください。
- 働きながら1科目ずつ進めたい → USCPA
- 英語×会計でキャリアを広げたい → USCPA
- 学生のうちに監査法人を目指したい → 日本の公認会計士
- 日本の監査・会計専門職として強くなりたい → 日本の公認会計士
- 社会人だけど国内監査を本気で目指したい → 日本の公認会計士もあり。ただし学習時間と生活設計の覚悟が必要
制度面を見て「USCPAの方が自分に合いそう」と感じた方は、まず受験資格の確認から始めましょう。
USCPAは、出願州によって必要な単位や条件が変わります。
受験資格・不足単位・出願州がわかると、USCPAを目指すべきか、どのくらい準備が必要なのかを判断しやすくなります。
\USCPAを目指す第一歩に/
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USCPAになるまでの全体像は、こちらの記事も参考にしてください。
「自分にはUSCPAと日本の公認会計士のどちらが合っているのか」を知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
試験範囲や難易度の中身を知りたい方は、こちらも参考にしてください。
拙著『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
- USCPA資格の活かし方
- 短期合格のコツ
- 勉強計画の立て方
等も詳しくまとめています。
(2026/05/15 10:39:26時点 Amazon調べ-詳細)



