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【FAR基礎講座】キャッシュ・フロー計算書(Cash Flows Statement)解説!

キャッシュ・フロー計算書
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どこは、ワシントン州のUSCPA(米国公認会計士)だよ。

FARのキャッシュ・フロー計算書(Cash Flows Statement)のTBS問題に苦労するUSCPA受験生って多いんだよね。

複数の財務諸表を横断して現金の動きを追跡するのは、複雑なタスクだよね。

この記事を読めば、キャッシュ・フロー計算書が得点源になるから安心してね。

 

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【FAR基礎講座】キャッシュ・フロー計算書(Cash Flows Statement)徹底解説!

キャッシュ・フロー計算書の根本的な目的である「銀行口座の期首残高と期末残高を照合する」というシンプルな考え方から出発し、試験で問われる本質を明らかにしていきます。

そして、FAR Blueprintにおける位置づけから基本知識の再確認、間接法の調整、具体的な5ステップ解法、そして受験生が陥りがちな罠まで、合格に必要なことを網羅して解説。

 

もし音声で理解したい場合は、USCPAどこチャンネルの【FAR基礎】キャッシュ・フロー計算書(Cash Flows Statement)解説 USCPA受験生向け をご覧ください

 

 

USCPA試験FARの試験対策も参考にしてください。

【FAR】USCPA試験のFARはどんな科目?2024年新試験の対策と傾向を解説
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USCPA試験FARのBlueprintも参考にしてください。

【2021年7月改正後】USCPA試験 FAR Blueprintsの内容
FARのBlueprint(ブループリント)を解説!2025年USCPA試験対応FARのBlueprint(ブループリント)を解説!USCPA合格にはAICPAのBlueprintsは必読!FAR受験生が知っておくべきFARのBlueprintの内容・スキルを解説!...

 

 

1. なぜキャッシュ・フロー計算書はFAR試験で重要なのか?

キャッシュ・フロー計算書がFAR試験でこれほど重要視される理由は、AICPAが公表している試験の設計図(Blueprint)に明確に示されています。

まず、FARは3つのコアセクションの一つであり、その中でも「Area I – Financial Reporting(財務報告)」は全体の30–40%を占める最重要分野です。

そして、キャッシュ・フロー計算書は、このArea Iの中心的なトピックとして位置づけられています。

 

AICPAのBlueprintでは、キャッシュ・フロー計算書に関して以下のようなタスクが要求されています。

タスク内容(英語原文) タスク内容(日本語訳) スキルレベル
Prepare a statement of cash flow using the indirect method and required disclosures from supporting documentation. 間接法を用いてキャッシュ・フロー計算書と必要な開示を補足資料から作成する。 Application
Adjust a statement of cash flows to correct identified errors. 特定された誤りを修正するためにキャッシュ・フロー計算書を調整する。 Application
Detect, investigate and correct discrepancies while agreeing the statement of cash flows amounts to supporting documentation, including the source data. キャッシュ・フロー計算書の金額をソースデータを含む補足資料と照合しながら、不一致を検出し、調査し、修正する。 Analysis
Derive the impact of transactions on the statement of cash flows. 取引がキャッシュ・フロー計算書に与える影響を導き出す。 Analysis

 

注目すべきは、これらのタスクに要求される「スキルレベル」です。

単なる知識の記憶(Remembering and Understanding)にとどまらず、実践的な適用(Application)や高度な分析(Analysis)能力が求められています。

この「Application」と「Analysis」スキルへの重点こそが、キャッシュ・フロー計算書が定義の暗記だけでは通用しない、複雑なTask-Based Simulation(TBS)問題で頻繁に問われる理由なのです。

 

 

2. キャッシュ・フロー計算書の基本を再確認

TBS問題に取り組む前に、キャッシュ・フロー計算書の基本構造を完璧に理解しましょう。

キャッシュ・フロー計算書の根本的な目的は、「期首の現金残高と期末の現金残高を調整(reconcile)すること」です。

これは、発生主義で作成された損益計算書を、いわば「現金主義ベースの損益計算書」へと変換するプロセスに他なりません。

企業の活動は、以下の3つの区分に分類されます。

覚えるための簡単な語呂合わせとして 「OIF (Oops I Forget)」 をアメリカの受験生は使っているようです。(日本の受験生は覚えやすいかわからないですが)。

 

活動区分 定義 取引例

(現金の流入)

取引例

(現金の流出)

営業活動

(Operating)

事業の主要な収益獲得活動。純利益に関連する取引。 顧客からの現金回収、受取利息、受取配当金 仕入先への支払い、従業員への給与支払い、支払利息、法人税の支払い
投資活動

(Investing)

長期性資産および現金同等物に含まれないその他の投資の取得・売却。 固定資産の売却、有価証券の売却、貸付金の回収 固定資産の取得、有価証券の取得、他社への貸付
財務活動

(Financing)

資金の調達と返済。株主資本と長期負債に関連する取引。 株式の発行、借入、社債の発行 借入金の元本返済、自己株式の取得、配当金の支払い

 

ここで絶対に混同してはならない最重要ポイントがあります。

それは、支払利息(営業活動)借入金の元本返済(財務活動)配当金の支払い(財務活動)の分類です。

これらの分類は試験で頻繁に問われるため、明確に区別して覚えてください。

 

 

3. 間接法による営業活動キャッシュ・フローの「調整」をマスター

FAR試験では、特に間接法(Indirect Method)による、営業活動キャッシュフロー(CFO)の計算が中心となります。

間接法のコンセプトは非常にシンプルで、「純利益(Net Income)からスタートし、非現金項目と運転資本の変動を調整してCFOを算出する」というものです。

 

(1)非現金損益項目の調整

純利益には、現金の動きを伴わない損益項目が含まれています。

これらを調整して、現金ベースの利益に近づける必要があります。

 

項目 純利益への調整 理由
減価償却費・償却費

(Depreciation/Amortization)

加算 (+) 費用として計上されたが、実際の現金の支出は伴わないため。
固定資産売却益

(Gain on Sale of Asset)

減算 (-) 収益として計上されたが、売却代金全額が投資活動で計上されるため、営業活動からは二重計上を避けるために除く必要がある。
固定資産売却損

(Loss on Sale of Asset)

加算 (+) 費用として計上されたが、現金の支出を伴わず、投資活動で考慮されるため。
社債割引の償却

(Amortization of Bond Discount)

加算 (+) 支払利息費用を増加させた非現金項目であるため。純利益を押し下げているが、現金は出て行っていない。
社債プレミアムの償却

(Amortization of Bond Premium)

減算 (-) 支払利息費用を減少させた非現金項目であるため。純利益を押し上げているが、現金は入ってきていない。

 

 

(2)運転資本(流動資産・流動負債)の変動調整

運転資本の変動は、現金の動きと密接に関連しています。

ここでの調整ロジックを理解することが高得点への鍵です。

 

項目 変動 影響(調整) 理由(受験生向けの思考プロセス)
流動資産の増加

(例: 売掛金)

増加 減算 (-) 「売上として純利益を増やしたが、まだ現金は回収できていない」→ だからその分を純利益から差し引く。
流動資産の減少

(例: 売掛金)

減少 加算 (+) 「過去の売上が現金として回収された」→ 純利益には含まれていない現金収入なので、その分を加算する。
流動負債の増加

(例: 買掛金)

増加 加算 (+) 「費用は発生して純利益を減らしたが、まだ現金は支払っていない」→ 現金は手元に残っているので、その分を加算して戻す。
流動負債の減少

(例: 買掛金)

減少 減算 (-) 「過去の負債を現金で支払った」→ 純利益の計算とは無関係に現金が流出したので、その分を差し引く。

 

この調整には絶対に覚えておくべきルールがあります。

それは「流動資産の変動とは逆、流動負債の変動とは同じ方向に調整する」ということです。

これを試験中に素早く適用できるようにしてくださいね。

 

 

4. キャッシュ・フロー計算書のTBS問題を解くための具体的な5ステップ

それでは、実際のTBS問題を解くための体系的な手順を解説します。

この5ステップに従えば、どんな複雑な問題でも道筋が見えてきます。

 

キャッシュ・フロー計算書のTBS問題を解く5ステップ

  1. 純利益からスタートし、非現金項目を調整する
  2. 運転資本の変動を調整する
  3. T勘定を使って投資・財務活動のキャッシュフローを特定する

 

ステップ1:純利益からスタートし、非現金項目を調整する

まず、問題のExhibit(資料)から損益計算書を探し、純利益(Net Income)を計算の出発点とします。

次に、3.1で解説したルールに従い、減価償却費、資産の売却損益などの非現金項目を純利益に加算または減算します。

 

ステップ2:運転資本の変動を調整する

比較貸借対照表から、売掛金、棚卸資産、買掛金などの流動資産・流動負債の期首残高と期末残高を読み取り、その増減額を計算します。

そして、3.2のルール(資産は逆、負債は同じ)を適用し、各項目の増減額を営業活動のキャッシュ・フローの計算に反映させます。

 

ステップ3:T勘定を使って投資・財務活動のキャッシュフローを特定する

投資活動と財務活動のキャッシュ・フローの計算には、T勘定(T-account)が圧倒的に有効です。

なぜなら、T勘定は情報を視覚的に整理し、計算ミスを防ぎ、自分の作業を検証するのに非常に優れているからです。

暗算や単なる「roll forward」方式よりも確実です。

 

たとえば、固定資産(PP&E)勘定では、以下の表のように情報を整理することで、現金での購入額をプラグ(Plug)として簡単に導き出すことができます。

 

固定資産 (PP&E)

Debit Credit
期首残高 (Beginning Bal.) 減価償却費 (Depreciation)
購入額 (Purchase – Plug) 売却資産の簿価 (Book Value of Asset Sold)
期末残高 (Ending Bal.)

 

同様に、長期借入金や資本金などの勘定でもT勘定を用いることで、現金での借入額や元本返済額、新株発行による現金収入などを正確に特定できます。

 

ステップ4:重要な非現金取引と開示項目を特定する

キャッシュ・フロー本体の計算だけでなく、注記(Disclosure)として開示が求められる項目を特定することもTBS問題では重要です。

開示が必要な主要項目は以下の通りです。

開示が必要な項目

  • 現金で支払った利息と法人税の額 (Cash paid for interest and income taxes)
  • 重要な非現金投資・財務活動 (Significant non-cash investing and financing activities)

例: 株式発行による資産取得、社債の株式転換、キャピタルリースによる資産取得、同種資産の交換

 

ステップ5:全体を統合し、現金残高を検証する

最後に、計算したCFO、CFI、CFFを合計して、当期の現金の純増減額を算出します。

そして、以下の検算式が成り立つかを確認します。

 

期首現金残高 + 現金の純増減額 = 期末現金残高

 

この式が成り立てば、あなたの計算は正確である可能性が非常に高いです。

この最終検証は、ミスを防ぐための重要なセーフティネットとなります。

 

 

5. 受験生が陥りやすいキャッシュ・フロー計算書の注意点と対策

多くの受験生がつまずくポイントとその対策をお伝えします。

 

注意点1:利息と配当の分類ミス

まず、利息と配当の分類ミスが挙げられます。

  • 誤り: 支払利息を財務活動、配当金の支払いを営業活動としてしまう。
  • 対策: これはルールとして覚えるしかありません。「支払利息は営業活動」「配当金の支払いは財務活動」と何度も唱えてください。

 

注意点2:資産売却損益の誤った処理

そして、資産売却損益の誤った処理が挙げられます。

  • 誤り: 投資活動のキャッシュフローに、売却「損益」の金額を入れてしまう。
  • 対策: 投資活動には売却による現金収入の「総額」を計上します。売却損益は、あくまで営業活動で純利益を調整するための項目であり、投資活動では登場しないことを再確認してください。

 

注意点3:現金同等物の誤った処理

さらに、現金同等物の誤った処理も挙げられます。

  • 誤り: 満期3ヶ月以内の財務省短期証券(Treasury Bills)の購入を、投資活動のキャッシュ・アウトフローとしてしまう。
  • 対策: 現金同等物(Cash Equivalents)間の移動は、キャッシュ・フロー計算書全体には影響を与えません。銀行の普通預金から定期預金にお金を移すようなものだと考えてください。現金の総額は変わっていません。

 

注意点4:T勘定を使わないことによる計算ミス

さいごに、T勘定を使わないことによる計算ミスも挙げておきます。

  • 誤り: 資料に記載された数字だけで暗算しようとして、資産の購入や売却、負債の返済による現金の動きを正確に把握できない。
  • 対策: これが最も多い失敗例です。特に固定資産や長期負債のように複数の取引が絡む勘定科目については、必ずT勘定を書き、情報を整理する習慣をつけましょう。プラグ金額を正確に算出することが正解への最短ルートです。

 

 

6. 試験直前!これだけは押さえるべきキャッシュ・フロー計算書の最終チェックリスト

試験直前に、以下のポイントを最終確認してください。

 

ポイント1:間接法の調整ルールを暗唱できるか?

関節包の調整ルール、覚えてますか?

  • 非現金費用(減価償却費など)は「+」、利益は「-」、損失は「+」。
  • 流動資産の増加は「-」、減少は「+」。
  • 流動負債の増加は「+」、減少は「-」。

 

ポイント2:営業活動キャッシュ・フローの重要分類を覚えているか?

営業活動キャッシュ・フローの分類、覚えていますか?

  • 支払利息 → 営業活動
  • 配当金の支払い → 財務活動
  • 借入金の元本返済 → 財務活動

 

ポイント3:T勘定の準備はできているか?

T勘定は書けますか?

T勘定は、固定資産、長期負債、資本金のキャッシュフローを特定するための必須ツール。

すぐに書き出せるようにしておきましょう。

 

ポイント4:非現金取引の開示を忘れないか?

開示は理解していますか?

「株式による資産取得」などの代表例を思い出し、注記の必要性を常に意識しておきましょう。

 

 

以上、「【FAR基礎講座】キャッシュ・フロー計算書(Cash Flows Statement)解説!」でした。

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USCPA(米国公認会計士)試験の FARにおけるキャッシュ・フロー計算書について解説したよ。

キャッシュ・フロー計算書のTBS問題は、一見すると複雑に見えるよね。

でも、その本質は「純利益からスタートし、現金ではなかったものを調整する」というシンプルなロジックに基づいているよ。

今回解説した5つのステップをマスターし、よくある間違いを避けることで、自信を持って試験に臨めると思うよ。

本番でどんなキャッシュ・フロー計算書の問題が出題されても、冷静に対処できる自分を想像してくださいね。

USCPA試験については、どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。

短期合格のコツも記載しています。

 

まだUSCPAの学習を開始していない場合「USCPAの始めかた」も参考にしてください。

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