USCPA試験の採点方法は:スコアは正解数でも正答率でも決まらない(75点の意味)

スコアがどのように決まるのか知りたいな。

USCPA試験は、各科目75点以上で合格なのは知ってるよね。
でも、75点が正答率75%ではないよ。
それに、USCPA試験のスコアは「何問正解したか」が「合否」でもないんだよ。
採点方法を理解しておけば、
- 手応えと結果がズレても、メンタルがムダに削れない
- 勉強の優先順位(どこを落とせないか)が明確になる
- 「74→75」を越える戦略が作りやすい
というメリットがあるから、解説していくね。
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1. まず結論:USCPAは「0~99の換算点」で、75が合格ライン
USCPA試験は、各科目のスコアがか0~99の尺度で報告され、75以上で合格です。
ここで大事なのは次の2つ。
- 75点は「パーセンテージ(正答率)」ではない
- スコアは「カーブ(相対評価)」ではない
AICPAは、75点については以下のように述べています。
- A common misconception is that 75 is a percentage or number of correctly answered questions.(よくある誤解は、75点は正解率または正解数であるというもの)。
- It’s simply the passing mark that signifies you have demonstrated the minimum knowledge and skills necessary to protect the public interest as a CPA.(75点というのは単に、CPAとして公共の利益を守るために必要な最低限の知識とスキルを実証したことを意味する合格点)。
2.「正解数からスコア計算できない」理由:難易度が考慮されるから
USCPAのスコアは、ザックリ言うと
- MC問題(選択問題)
- TBS問題(事例形式問題)
それぞれの結果を換算(Scaled)して、最後に合算して作られます。
この換算のときに、正誤だけでなく、問題の相対的な難易度などが考慮されます。
なので、同じ正解っぽくてもスコアが同じとは限りません。
イメージ
- 簡単な問題を落とす=痛い!
- 難しい問題にあたって落とす=致命傷とは限らない
- ただし「簡単な問題を確実に取る」が最優先なのは変わらない(ここが合否を分けがち)
USCPAの試験のスコア
- 素点(raw score):正解数などで決まる
- 換算点(scaled score):難易度を考慮して決まる ←USCPA試験の場合
USCPAの試験のスコアは、難易度が直接反映されてしまう素点ではない。
難易度が考慮された換算点。
ちなみに、TOEICのスコアも同じく換算点。
3.カーブ(相対評価)ではない:合格しやすい時期・しにくい時期はない
AICPAは、スコアを年度・試験フォームが違っても比較できるようにスケール調整しています。
よって、「試験が硬い時期/柔らかい時期」みたいな発想は基本不要としています。

試験が簡単になったんじゃないからね。
4.MC問題とTBS問題の比率:基本は50%:50%(ISCだけ例外)
採点は、MC問題とTBS問題の加重(Weighting)で決まります。
- FAR・AUD・REG・BAR・TCP → MC問題50%:TBS問題50%
- ISC →MC問題60%:TBS問題40%
基本はMC問題とTBS問題の比率は50%:50%ですが、ISCだけ60%:40%です。

逃げ道が塞がれているからね。
5.ダミー問題はある?スコアに入る?→入りません
USCPAには、Pretest Questions(採点対象外の問題)が含まれます。
通称「ダミー問題」ですね。
AICPAのFAQには、Pretest Questionsは、データ収集のために入っていて、スコア計算には含まれないと明記されています。
ただし、受験者側からはダミー問題かどうかは区別がつきません。
なので、戦略は1つだけ。
「全部本番(採点対象)だと思って解く」

USCPA試験のダミー問題については、こちらの記事が詳しいです。
6.試験は5つのテストレット構成。戻れない仕様も「採点ストレス」の原因
各科目は、テストレットが5つあり、
- 最初の2つ:MC問題
- 後の3つ:TBS問題
という構成です。
そして、一度提出(Submit)したテストレットには戻れません。
これが「後から見直せない」→「ミスった気がする」→「手応えがあてにならない」原因にもなります。
USCPA試験の試験制度については、この記事も参考にしてください☟
7.よくある誤解(ここで落とし穴をつぶす)
USCPA試験の採点方法に関して、よくある誤解8つに回答しておきます。
誤解1:75点=正答率75%
違います。
75は換算点の合格ラインで、正答率ではありません。
誤解2:カーブ(相対評価)だから周り次第
違います。
カーブ(相対評価)ではなく、絶対評価です。
良くできていれば、何人でも合格になります。
誤解3:正解数が分かれば合否が予想できる
できません。
難易度が考慮される換算点だからです。
誤解4:難しい問題が多かった回は不利
採点側で難易度差は調整される前提です。
誤解5:ダミー問題は捨ててもいい
見分けがつかないので、捨てるのは危険です。
捨てたのが本採点だったら終わってしまいます。
誤解6:TBS問題は最後に気合いで何とかなる
TBS問題は配点が重いので、最後に崩れると普通に落ちます。
AICPAも「TBS問題ができないと不合格になる」と明言しています。
気合いは大事だけど、先に準備しないと。
誤解7:手応えがない=不合格
USCPAは採点方法のせいで、手応えと結果がズレやすいです。
先に知っておくと精神衛生が守られます。
誤解8:直前期は難問だけやれば伸びる
まず伸ばすべきは「落としてはいけない基礎問題の取りこぼしゼロ」です。
難問特攻は、その後にしましょう。
8.よくある質問(誤った受験戦略を立てないために)
USCPA試験の採点方法について、USCPA受験生からよくいただく質問をまとめておきます。
Q1. 正解した問題の数から、スコアの計算はできるのか?
正解した問題の数から、スコアの計算はできません。
スコアは、各問題への解答と統計的特性の両方を考慮に入れて換算された値です。
Q2.「問題の価値でスコアが変わる」という理解でいいのか?
自分の大学の教授の何人かは、1点の価値がある問題と2点の価値がある問題を含む試験を出しました。
ある学生は、1点の問題を5つ正解し、5点獲得しました。
また、ある学生は、2点の問題を5つ正解し、10点獲得しました。
これは、USCPA試験の採点でしていることと同じでしょうか?
考え方としては、そうです。
ただし、教授は、自分の判断に基づき、重みづけをしました。
USCPA試験では、項目応答理論(Item Response Theory:IRT)を使用して、受験者の応答データから重みづけを決めます。
項目応答理論(Item Response Theory: IRT)
- 受験者が各問題に正解・不正解していく応答パターンを用いて、その受験者の能力レベルを計算する理論のこと。
- 受験者の能力は、能力尺度上の値で表す。
- 事前に難易度を分析しておけば、受験者の集団レベルや、テストのレベルに左右されることがなく、個人の能力を換算点で表せる。
Q3. 試験問題の「statistical characteristics(統計的特徴)」とは、どういう意味か?
問題を説明するために使用される3つの統計があります。
- 難易度:問題が、受験者にとって簡単か、難しいか
- 区別:問題がどれだけうまく、より有能な受験者と、より能力の低い受験者を区別するか
- 推測:受験者が問題に正解する可能性を推測する
統計は、問題がPretest Questions(採点されない「ダミー問題」)として出題されるときに取られます。
統計を取り、試験で採点するための公式は、項目応答理論(Item Response Theory:IRT)と呼ばれる採点アプローチから来ています。
項目応答理論は、米国において、大規模なライセンス試験のほぼすべてにおいて使用されています。
Q4. 2人の受験者が、同じ数の問題に正解しても、スコアは異なるか?
スコアは、問題の特性に依存するため、正解の数だけでは決まりません。
たとえば、10の難しい問題に正解した受験者は、10の簡単な問題に正解した受験者より多くのスコアを獲得します。
Q5. 各出題分野のスコアを確認するには、どうすればよいか?
AICPAは、出題分野ごとにサブスコアは発表しませんが、カテゴリでの成績を報告します。
ただし、受験者は、解釈する際に注意する必要があります。
より少ない項目で計算されるため、最終スコアほど信頼性が高くありません。
よりできない(Weaker)、同じくらいできた(Comparable)、よりできた(Strong)という成績の比較が受験者に提供されます。
受験者は、再受験する場合、すべての出題分野を学習する必要があります。
受験者が弱点のある分野だけを勉強すると、再受験では、その分野はうまくいくかもしれませんが、他の分野は悪くなる可能性があります。
Performance Reportについては、こちらの記事を参考にしてください。
Q6. 報告スコアは、どのような手順で作成されるのか?
MC問題、TBS問題は、別々に取り扱います。
MC問題と選択問題については、項目応答理論(Item Response Theory:IRT)を用いて、問題の種類ごとにスコアを算出します。
MC問題の推定値は、MC問題の尺度でのスコアにマッピングされます。
同じように、TBS問題の推定値は、TBS問題の尺度でのスコアにマッピングされます。
AUD、FAR、REG、BAR、TCPについては、MC問題を50%、TBS問題を50%の割合で加重します(ISCは、MC問題が60%、TBS問題が40%)。
そして最後のステップで、75が合格点として、集計されたスコアを0〜99でマッピングします。
9.まとめ:採点方法を知ると、勉強の優先順位がズレなくなる
USCPA試験の採点方法をまとめます。
- USCPA試験は0~99の換算点、75が合格ライン
- 正答率ではない/カーブでもない
- MC問題/TBS問題の加重でスコアが決まる(ISCだけ60/40の例外アリ)
- ダミー問題(Pretest Questions)は存在し、スコアには入らない
- 手応えがズレても焦らず、「落とせない基礎」を最優先で固める
採点方法を知っておくのは、点数を上げるというより、ムダに不安になって勉強がブレるのを防ぐ効果が大きいです。
以上、「USCPA試験の採点方法は:スコアは正解数でも正答率でも決まらない(75点の意味)」でした。

複雑ではあるけど、理論的だね。

項目応答理論と呼ばれる採点アプローチを使用しているわけだね。
難しい問題ができなかったから不合格になるというわけでも、簡単な問題にたくさん正解できたから合格になるわけでもないよ。
だから、USCPA試験では、手ごたえと合否が一致しないんだね。
結局、誰でもできる簡単な問題は確実に正解できるようにする。
それから難しい問題も解けるようにしていくのが、効率的な合格対策ってことだろうね。
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