どこ
どこ
どこは、USCPA(米国公認会計士)としてBIG4監査法人や外資系企業で働いてきたよ。

FAS志望の人が、「FASはやめとけ」と言われて転職するか悩むという話を聞くよね。

 

たしかに、FASは楽な仕事ではないよ。

案件ベースで忙しくなりやすく、プレッシャーも強く、専門性も求められるし。

 

一方で、会計・財務・M&Aまわりの知識や経験を深めやすく、年収アップやキャリアにつながる可能性があるのも事実だよ。

つまり、FASは「誰にでもおすすめできる仕事」ではないけれど、向いている人にはかなり魅力的なキャリアと言えるね。

 

この記事では、FASが「やめとけ」と言われる理由、FASの主な業務内容、役立つ資格、年収の目安、そして転職で失敗しないための成功法まで整理して解説していくよ。

こんな人は、ぜひ最後まで読んでみてね。

  • FASに興味はあるけれど、不安もある
  • 何となく華やかなイメージで考えていた
  • 自分がFASに向いているのか知りたい
  • 転職するなら失敗したくない
目次(見たい項目へ)

はじめに:本当にFASになりたい?なりたいなら転職成功法を考える!

本当にFASに転職したい?転職したいなら成功法を考える!

 

FASというのは、Financial Advisory Serviceファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)の略です。

企業に対して、財務に関する専門的なアドバイスやサポートをするサービスのことですね。

もともとは「財務アドバイザリー業務」そのものを指す言葉でしたが、最近はそのサービスを提供する組織や部門もまとめてFASと呼ばれることが多いです。

 

FASと聞くと、M&A、企業再生、企業価値評価など、華やかでレベルの高い仕事をイメージする人も多いと思います。

たしかにそうした面はあります。

ただし実際には、短い納期の中で大量の資料を読み込み、数値を分析し、レポートをまとめ、関係者と調整する、かなり実務寄りで泥臭い仕事でもあります。

 

だからこそ、「FASってかっこよさそう」で入ると後悔しやすい一方で、「数字を使って企業の重要な局面に関わりたい」という人には向いています。

あなたは、FASに転職したいと思ったけれど、「FASはやめとけ」という言葉を聞いて、ほんとうにそうなのか心配になってしまったかもしれませんね。

 

(1)「FASはやめとけ」と断言はできない

結論からすると、「FASはやめとけ」と断言することはできません。

なぜなら、FASは厳しい側面がある一方で、それを上回る魅力を感じる人も多いからです。

まずは、FASの魅力と厳しい側面を整理してみましょう。

 

FASの魅力としては、たとえば次のような点があります。

FASの魅力

  1. 年収水準が高めになりやすい:専門性が高く、扱う案件の重要性も大きいため、一般的な経理職や管理部門と比べると年収水準が高めになりやすいです。もちろんファームや職位によりますが、「専門職として高く評価されやすい仕事」ではあります。
  2. キャリアアップにつながりやすい:M&A、企業再生、企業価値評価、PMIなど、企業の重要な意思決定に近い案件に関わることができます。経験できるテーマの密度が高いため、キャリアの幅を広げやすいです。
  3. 高度なスキルを身につけやすい:財務分析、企業価値評価、資料作成、仮説思考、クライアント対応など、ビジネスの現場で強い武器になるスキルが身につきやすいです。会計・財務の専門性を深めたい人にとってはかなり魅力があります。
  4. グローバル案件に関わる可能性がある:クロスボーダーM&Aや海外関係者とのやり取りが発生する案件もあります。外資系FASや英語を使う案件に興味がある人には、グローバルな仕事につながる可能性もあります。

 

反対に、FASの厳しい側面として以下の4つが挙げられます。

FASの厳しい側面

  1. 長時間労働になりやすい:案件ベースで動くため、納期が重なると忙しくなりやすいです。特に案件終盤やイレギュラー対応が続くと、労働時間が長くなることがあります。
  2. 高ストレスな環境になりやすい:扱う案件は、買収、売却、再生、不正対応など、企業にとって重要なものが多いです。ミスの影響も大きく、スピードと正確性の両方が求められるため、プレッシャーは強めです。
  3. 地道で細かい作業も多い:FASには華やかな印象がありますが、実際には資料確認、データ整理、分析、報告書作成などの積み重ねです。派手な仕事ばかりではありません。
  4. 学び続ける必要がある:会計、財務、税務、M&A実務、業界知識など、幅広い知識が関わるため、入って終わりではありません。継続的に勉強する姿勢が必要です。

 

このように、FASは魅力もあれば厳しい側面もあります。

だからこそ、「やめとけ」と一律に決めつけるのではなく、自分に合うかどうかで考えることが大切です。

 

(2)FASが合う人・FASが合わない人

それでは、FASが合わない、つまり「FASはやめておけ」となりやすいのはどんな人なのでしょうか。

反対に、「FASはやめておけ」という言葉をあまり気にしなくてよいのは、どんな人なのでしょうか。

 

まず、FASが合わない人はこんな人です。

FASが合わない人

  1. ワークライフバランスを最優先したい人:FASは時期や案件次第で忙しくなりやすいです。毎日キッチリ決まった働き方をしたい人には、負担が大きいかもしれません。
  2. ストレス耐性があまり高くない人:高いプレッシャーの中で動く案件もあるため、「強い緊張感の中で働くのがしんどい」という人にはきつい可能性があります。
  3. 数字を使った分析や資料作成が苦手な人:FASは、感覚で進める仕事ではありません。数字、資料、論点整理が多いため、そこが苦になりやすい人には向きにくいです。
  4. 専門知識を深めることにあまり興味がない人:会計・財務・M&Aの知識を積み上げていく仕事なので、学び続けること自体に前向きでないとつらくなりやすいです。

 

反対に、FASが合う人はこんな人です。

FASが合う人

  1. 問題解決が好きな人:FASでは、企業の課題に対して、限られた時間の中でどう整理し、どう前に進めるかを考える場面が多いです。複雑な論点を分解して考えるのが好きな人には向いています。
  2. 戦略的に考えるのが得意な人:FASは単なる数字の確認だけではありません。企業の将来や案件全体の流れを踏まえて考える必要があるため、俯瞰して判断できる人は強いです。
  3. 分析力がある人:財務諸表や経営データをもとに現状を把握し、数値的な根拠を持って説明する力が求められます。数字を読んで考えるのが得意な人には相性がよいです。
  4. プレッシャーに強い人:短納期や高い期待がかかる状況でも、落ち着いて進められる人はFAS向きです。焦って雑になるより、忙しい中でも精度を保てることが重要です。
  5. チームワークを大切にできる人:FASは一人で完結する仕事ではありません。社内メンバーや他分野の専門家、クライアントと連携しながら進めることが多いです。
  6. 変化に柔軟な人:案件の状況や外部環境が変わることもあるため、想定外のことが起きても対応し直せる柔軟性がある人は向いています。
  7. コミュニケーション能力がある人:分析した内容を相手に伝えられなければ仕事としては不十分です。口頭でも文章でも、分かりやすく伝える力がある人はFASで評価されやすいです。

 

FASは華やかなイメージだけで入るとギャップが出やすい仕事です。

一方で、地道な分析や短納期の対応を積み上げられる人には、かなりやりがいがあります。

 

(3)すぐに「FASはやめておく」となるのは短絡的では?

FASはやめとけ」という言葉を聞いて、すぐに「じゃあFASはやめておこう」と思うのは少し早いです。

 

たしかに、FASは忙しく、厳しく、向き不向きが出やすい仕事です。

ですが、ネット上の意見は、その人に合わなかっただけということもあります。

 

たとえば、次のように人によって感じ方は変わります。

  • ワークライフバランスを最優先したい人にはきつい
  • 多少忙しくても専門性や年収を重視したい人には魅力的
  • 地道な作業が嫌いな人にはつらい
  • 数字を深く見て考えるのが好きな人には向いている

 

大事なのは、「FASはやめとけ」ということばそのものではありません。

自分がFASの仕事内容に興味を持てるか、自分の価値観に合うかです。

 

(4)「FASはやめておく」と判断するポイント

「FASはやめておく」かどうかは、次のようなポイントで考えると判断しやすいです。

FASはやめておくか判断するポイント

  1. 忙しい時期の働き方に耐えられそうか
  2. 数字や資料に向き合う仕事が苦にならないか
  3. 会計・財務・M&Aの専門性を深めたいか
  4. プレッシャーの案件でも落ち着いて動けそうか
  5. 「かっこいいから」ではなく仕事内容で選べているか

 

このあたりに自信が持てないなら、FAS以外の選択肢も十分あります。

逆に、「多少きつくても専門性を身につけたい」と思えるなら、FASは有力な候補になります。

 

 

1.なぜ「FASはやめとけ」と言われる?

なぜFASはやめとけと言われる?

 

では、なぜ「FASはやめとけ」と言われるのでしょうか。

なんとなく「忙しそう」「大変そう」というイメージだけで語られることもありますが、実際にはいくつか理由があります。

 

主な理由は、次の5つです。

「FASはやめとけ」と言われる理由

  1. 激務と長時間労働
  2. 高ストレスな業務環境
  3. 期待と現実のギャップ
  4. キャリアの行き詰まり
  5. 報酬面での不満

 

(1)激務と長時間労働

なんといっても、FASは激務長時間労働であることが「FASはやめとけ」となってしまう一番の理由でしょう。

 

特にM&A案件だと、タイトなスケジュールで膨大なデューデリジェンスや分析作業を行うことになり、激務が続きます。

緊急性の高い案件や短期プロジェクトが多く、長時間労働が一般的です。

 

残業時間が月50時間を超えることも珍しくはありません。

深夜残業や休日出勤も当たり前で、ワークライフバランスが崩れる場合が多いです。

 

(2)高ストレスな業務環境

高ストレスな業務環境であることも、「FASはやめとけ」となる大きな理由となっているでしょう。

 

FASでは、財務知識だけではなく、法務や税務の高度な専門知識が必要です。

臨機応変な対応も求められます。

 

クライアントに明確な成果を提供する必要もあります。

結果が数字で示されるので、精神的なプレッシャーが大きくなるわけですね。

クライアント企業の運命を決めるような重要な案件に携わることもあり、責任の重さはかなり大きいです。

 

さらには、伝統的な年功序列制になっていないことが多く、評価によって年収水準や昇進のスピードが大きく異なってきます。

社内で他の社員との激しい競争にさらされることにもなります。

 

(3)期待と現実のギャップ

さらに、FASに対する期待と現実にギャップがあることも、「FASはやめとけ」の理由として挙げられます。

 

入社前に説明されていた業務内容と、実際にやる業務内容に大きな乖離がある場合があります。

希望していた案件や業務に携われなかったり、経験豊富な人に案件が集中し自分に機会が回ってこなかったり。

 

また、思ったよりも業務が単調で失望する場合もあります。

同じ業務を長時間担当することになり、変化に乏しかったり、細かい財務分析やデータ処理の繰り返しで飽きてしまったりします。

案件の進行・予定の調整など地味な作業が多く泥臭いと思ってしまうこともあります。

 

(4)キャリアの行き詰まり

キャリア面での行き詰まりを感じる人が多いのも、「FASはやめとけ」と言われる理由になります。

 

横移動が簡単ではなく、他の業務に関心をもっても転換が難しいです。

特定の分野(たとえば財務デューデリジェンス)しか経験できずスキルが偏ったり。

将来的なキャリア目標(たとえばプライベートエクイティファンドへの転職)に必要なスキルが身につかなかったりします。

 

(5)報酬面での不満

報酬面に満足できない場合があるため、「FASはやめとけ」と言われてしまいます。

 

もしかしたら、業務時間や業務内容に問題があっても、報酬に見合っていると感じられれば我慢できるかもしれません。

ですが、FASは業務量の割に報酬が見合っていないと感じる人がいます。

拘束時間が長いため、時間給で換算すると割に合わないわけですね。

 

  • 「FASはやめとけ」と言われてしまうには理由がある。
  • FAS転職を検討する際は、業務内容・労働環境・キャリア形成の可能性について十分に調査するべき。
  • 期待と現実のギャップを最小限に抑えることが重要。

 

 

2.FASの主な業務内容は?

FASの主な業務内容は?

 

FAS転職を成功させるためには、FAS業務の理解が不可欠です。

改めてFAS業務を解説しますね。

 

FASは前述のように、企業に対して財務の視点からアドバイスをする仕事です。

M&Aアドバイザリーを中心に、財務面で広くサポートします。

業務範囲の広さが、FAS業務の特徴と言えますね。

 

FASの主な業務内容を挙げると、以下のようになります。

FASの主な業務内容

  1. M&Aアドバイザリー(FA)
  2. デューデリジェンス(DD)
  3. 企業価値評価(Valuation)
  4. PMI(Post Merger Integration)
  5. 企業再生支援
  6. 不正調査(フォレンジック)

それぞれの業務内容について解説していきます。

 

(1)M&Aアドバイザリー(FA)

M&Aアドバイザリー(FA)は、M&Aの際、売り手と買い手のどちらかについて、取引案件全体のプロジェクトマネジメントを行う業務のことです。

具体的には、M&Aの戦略立案、候補企業の選定、財務調査などの準備、交渉、クロージングなどを支援します。

 

(2)デューデリジェンス(DD)

デューデリジェンス(DD)は、M&Aにおいて、売り手の財務リスクや課題を調査する業務のことです。

具体的には、売り手の財務分析を行うことで、M&A取引案件の評価や、買い手が投資の意思決定をするための情報を提供します。

 

(3)企業価値評価(Valuation)

企業価値評価(Valuation)は、M&Aアドバイザリー業務の中で、M&Aの対象となる売り手の企業価値を算定する業務のことです。

具体的には、財務モデリングを用いた企業価値の評価、減損テストや加重平均資本コスト(WACC)の計算などを行います。

 

(4)PMI(Post Merger Integration)

PMI(Post Merger Integration:ポスト・マージャー・インテクレーション:統合後業務)は、M&A後の企業をサポートする業務のことです。

M&Aにより、異なる人材、組織、業務、インフラ、評価制度、企業文化の統合で混乱しないように、アドバイスや支援をします。

 

(5)企業再生支援

企業再生支援は、業績不振である企業や事業を再生するためにアドバイスを行う業務のことです。

具体的には、財務DD(デューデリジェンス)を行い、企業が直面するリスクや課題を把握したうえで、事業再生計画を策定し、ステークホルダーとの交渉・スポンサーの選定などを行います。

 

(6)不正調査(フォレンジック)

不正調査(フォレンジック)は、法的証拠を見つけるための鑑識調査や情報解析を行う業務のことです。

具体的には、不正リスクマネジメント体制の構築や、不正防止マニュアルの作成などを行います。

また、実際に企業が直面した不正会計、粉飾決算、データ偽装、横領などの不正や不祥事を調査します。

 

まとめ:FASの仕事内容は幅広い

FASは、企業を財務面から幅広くサポートし、経営課題を解決し、企業価値の向上を支える仕事です。

同じFASでも、M&A案件そのものを前に進める仕事もあれば、財務リスクの調査、企業価値の算定、統合支援、不正調査まで、担当領域はかなり幅広いです。

そのため、FASに興味がある場合は、「FASに行きたい」と考えるだけでなく、その中でどの業務に興味があるのかまで整理した方が、転職後のミスマッチを減らしやすいです。

 

 

3.FASで役立つ資格は?

スキルと資格

 

FASに転職したいなら、FASで役立つ資格取得を検討しましょう。

FASで役立つ資格をカテゴリ別に分け、活用場面と対応させると、以下のようになります。

 

FASで役立つ資格の一覧

カテゴリ 資格名 活用場面
財務・会計関連資格
  • USCPA(米国公認会計士)
  • CPA(公認会計士)
  • 簿記検定(2級以上)
財務諸表分析、監査、税務、M&Aのデューデリジェンスや企業価値評価
バリュエーション・投資分析関連資格
  • CFA(Chartered Financial Analyst)
  • CVA(Certified Valuation Analyst)
企業価値評価、財務モデリング、投資分析
M&A関連資格
  • M&Aシニアエキスパート(日本M&Aセンター認定)
  • CM&AA(Certified Merger and Acquisition Advisor)
M&Aの実務スキル、取引戦略策定、統合計画(PMI)
リスクマネジメント・内部統制資格
  • CIA(Certified Internal Auditor)
  • ERM(Enterprise Risk Management)
内部統制評価、リスク管理、財務リスクの分析
法務・税務関連資格
  • 弁護士
  • 税理士
契約書作成、法務リスク管理、税務ストラクチャリング
プロジェクトマネジメント関連資格
  • PMP(Project Management Professional)
M&AプロジェクトやPMI(統合プロセス)の管理
データ分析・IT資格
  • MOS(Microsoft Office Specialist)
  • Python関連資格
  • データ分析資格(例: Tableau, Googleデータアナリティクス)
財務モデリング、データ分析、データ可視化
国際資格
  • IFRS検定(国際会計基準)
  • TOEIC・IELTSなどの英語資格
国際会計基準対応、クロスボーダー案件、海外クライアント対応
その他
  • 中小企業診断士
  • ESG関連資格(例: SASB、GRI認定資格)
事業承継、中小企業M&A、ESG投資やサステナビリティに関するアドバイザリー業務

 

 

FASで役立つ資格はいろいろありますが、まず優先したいのは、会計・財務の土台を示せる資格です。

そのうえで、担当したい領域に応じて、関連資格を広げていくのがよいでしょう。

 

(1)財務・会計関連資格

FASで役立つ財務会計関連資格

  1. USCPA(米国公認会計士)
  2. CPA(公認会計士)
  3. 簿記検定(日本商工会議所主催)

 

FASでまず相性がよいのは、財務・会計関連資格です。

 

FASでは、財務諸表を読み、数字の意味を理解し、会計論点を押さえる力がかなり重要になります。

そのため、USCPA、公認会計士、簿記検定などは、FASで役立つ資格として優先度が高いです。

 

特に、M&Aのデューデリジェンス、企業価値評価、再生支援などでは、会計や財務の知識が土台になります。

そのため、FASを目指すなら、まずはこの分野の資格をしっかり押さえておきたいですね。

 

(2)バリュエーション・投資分析関連資格

FASで役立つバリュエーション・投資分析関連資格

  1. CFA(Chartered Financial Analyst)
  2. CVA(Certified Valuation Analyst)

 

企業価値評価や財務モデリング、投資分析に関わる業務を目指すなら、CFAやCVAも役立ちます。

特にValuation寄りの業務に興味がある場合は、こうした資格との相性がよいです。

 

CFA(Chartered Financial Analyst):投資分析やポートフォリオ管理の知識を証明する資格です。

企業価値評価や財務モデリングに特化した内容が多く、バリュエーション業務に最適ですね。

 

CVA(Certified Valuation Analyst):企業価値評価に特化した資格です。

M&Aや事業承継など、企業価値算定に関わる場面で特に役立ちますね。

 

(3)M&A関連資格

FASで役立つM&A関連資格

  1. M&Aシニアエキスパート
  2. CM&AA(Certified Merger and Acquisition Advisor)

 

M&Aの実務スキルや取引戦略、PMIに関する知識を深めたいなら、M&A関連資格も候補になります。

M&Aの全体像や実務の流れを理解する上では役立つことがあります。

ただし、入口としては、やはり会計・財務系資格の方が優先度は高いと考えやすいです。

そのため、M&A関連資格は、会計・財務の土台がある程度できた後に、補強として検討するイメージでよいでしょう。

 

M&Aシニアエキスパート(日本M&Aセンター認定):日本市場におけるM&A実務スキルを証明する資格です。

中小企業のM&Aに特化した知識が学べます。

 

CM&AA(Certified Merger and Acquisition Advisor):グローバルなM&Aアドバイザリーに役立つ資格です。

取引戦略や統合計画などの専門知識を学べます。

 

(4)リスクマネジメント・内部統制関連資格

FASで役立つリスクマネジメント・内部統制関連資格

  1. CIA(Certified Internal Auditor)
  2. ERM(Enterprise Risk Management)

 

内部統制やリスク管理の知識は、フォレンジックや一部のアドバイザリー業務で活きる場面があります。

そのため、CIAやERMのような資格も、担当領域によっては役立ちます。

ただし、FAS全体でまず優先する資格というよりは、特定分野で強みになる資格と考えた方が自然です。

 

CIA(Certified Internal Auditor):内部監査やリスク管理の専門知識が証明できる資格です。

内部統制の評価や改善に関連する業務で役立ちます。

 

ERM(Enterprise Risk Management):リスクマネジメントに特化した資格です。

FAS業務におけるリスク評価や管理に有用です。

 

(5)法務・税務関連資格

FASで役立つ法務・税務関連の資格

  1. 弁護士
  2. 税理士

 

FASでは、法務や税務の論点が絡む場面もあります。

契約書作成、法務リスク管理、税務ストラクチャリングなどに関わる場合は、弁護士や税理士の知識が役立つことがあります。

ただし、これもFAS全般の入口資格というよりは、特定の案件や領域で強みになる資格です。

 

弁護士:M&Aにおける契約書作成や法務リスクの管理に不可欠です。

クロスボーダー取引では特に重要となってきます。

 

税理士:税務リスクの評価や税務ストラクチャリングに役立ちます。

企業再編やクロスボーダー案件での税務アドバイスに強みがあります。

 

(6)プロジェクトマネジメント関連資格

FASで役立つプロジェクトマネジメント関連の資格

PMP(Project Management Professional)

 

PMIや統合支援のように、案件を前に進める色合いが強い業務では、PMPのようなプロジェクトマネジメント関連資格が活きることがあります。

M&A後の統合プロセスを管理する場面では、こうした視点はたしかに役立ちます。

ただし、資格そのものよりも、実際に関係者を巻き込みながら進めた経験の方が重視されやすいです。

 

PMP(Project Management Professional):プロジェクトの計画、実行、モニタリングの能力を証明する資格です。

M&AプロジェクトやPMI(Post Merger Integration)での管理に活用できます。

 

(7)データ分析・IT関連資格

FASで役立つデータ分析・IT関連の資格

  1. MOS(Microsoft Office Specialist)
  2. Python関連資格
  3. データ分析関連資格(Tableau、Googleデータアナリティクス認定など)

 

財務モデリング、データ分析、データ可視化などを行う場面では、MOS、Python関連資格、データ分析資格もプラスになります。

特に大量データを扱う業務では、こうしたスキルがあると強みになります。

ただし、これもFAS全体で必須というよりは、担当する領域によって評価されやすいスキルといえるでしょう。

 

MOS(Microsoft Office Specialist):Excelスキルの証明として、財務モデリングやデータ分析で有用です。

Python関連資格:財務データの分析やモデリング業務において、プログラミングスキルが活かせます。

データ分析関連資格:財務データや市場データの可視化・分析スキルが証明できます。

たとえば、Tableau資格Googleデータアナリティクス認定などがあります。

 

(8)国際資格

FASで役立つ国際資格

  1. IFRS検定(国際会計検定)
  2. TOEIC・IELTSなどの英語資格

 

クロスボーダー案件や海外クライアント対応を視野に入れるなら、IFRSや英語資格も役立ちます。

特に、国際会計基準への対応や海外案件では、英語での資料読解やコミュニケーションが必要になることがあります。

そのため、USCPAのように英語で会計・財務を学ぶ資格や、TOEIC・IELTSなどの英語資格は、グローバル案件を意識する場合に相性がよいです。

外資系FASや海外案件に興味がある人は、このあたりも意識しておくとよいでしょう。

 

IFRS検定(国際会計基準):IFRS適用企業の財務デューデリジェンスや会計処理に関わる場合に活かしやすい資格です。

 

IFRS検定については、こちらの記事を参考にしてください。

IFRS検定とは?難易度・勉強時間・勉強方法・活かし方を解説
IFRS検定とは?難易度・勉強時間・勉強方法・活かし方を解説IFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)の概要、難易度、勉強時間、費用、勉強方法、実務での活かし方を解説。独学できるか、USCPAとの違い、どんな人に向いているかも整理します。...

 

TOEIC・IELTSなどの英語資格:クロスボーダー案件や海外クライアント対応を狙う場合に、英語力の目安として使えます。

 

(9)その他資格

FASで役立つ資格

  1. 中小企業診断士
  2. ESG関連資格

 

その他にも、中小企業診断士やESG関連資格のように、特定領域で役立つ資格はあります。

たとえば、経営改善支援やESG関連のアドバイザリー業務では、こうした資格が活きる場面もあります。

ただし、FASでまず優先したいのは、やはり会計・財務の土台を示せる資格です。

そのため、これらは必要に応じて検討する資格と考えてよいでしょう。

 

中小企業診断士:事業承継や中小企業のM&A案件で役立ちます。

 

ESG関連資格:ESG投資やサステナビリティに関するアドバイザリー業務に対応できます。

たとえば、SASBGRI認定資格があります。

 

まとめ:FASで特に役立つ資格は会計・財務関連資格

FASで特に役立つ資格

国内案件だけ扱う:CPA(日本の公認会計士)

グローバル案件も扱う:USCPA(米国公認会計士)

 

FASで役立つ資格をできる限り多く挙げてみました。

各資格の取得優先度は、FASの分野や個人のキャリアプランによって異なります。

 

ただ、やはりFASの業務は、会計や財務に関する専門知識が一番必要だと思います。

そのため、会計・財務関連資格(USCPA・CPA・簿記検定)がFASで最も役立つ資格と考えていいでしょう。

まずは、会計・財務の土台を固め、そのうえで目指す領域に合わせて広げていくのがよいでしょう。

 

FASでは、会計・財務の知識に加えて、英語資料を読む場面も出てきます。

そのため、グローバル案件や外資系FASも視野に入れるなら、USCPAは相性のよい資格です。

 

FASを目指すうえで、会計・財務の土台を強めたいならUSCPAは有力な選択肢です。

まずは受験資格や必要単位を確認したい方は、アビタスの無料説明会を見てみてください。

 

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USCPAの始め方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。

USCPAの始めかた 5ステップ
USCPA(米国公認会計士)の始め方ロードマップ|何から始める?【5ステップ】USCPA(米国公認会計士)になりたい人のためのUSCPA始め方ロードマップ。最初に潰す壁と一手→今日やること2つで何からを解決。始め方5ステップで、予備校比較・州選び・費用/英語の不安まで整理します。...

 

 

 

4.FASの年収の目安は?

年収と特徴

 

FASの年収は、企業規模・役職・地域・担当業務の種類・経験年数などによって大きく異なります。

ここでは、FASの年収の目安を解説します。

 

(1)FASの年収の目安(日本国内の場合)

FASの年収は、一般的には以下のようになっています。

職位 経験年数 年収目安(万円) 補足
アナリスト 0~3年 400~800 新卒採用や若手中途採用。M&Aの基礎業務やデューデリジェンスを担当。
アソシエイト 3~6年 700~1,200 中堅レベル。バリュエーションやプロジェクトの一部を独立して担当。クライアント対応が増える。
シニアアソシエイト 5~8年 1,000~1,500 チームリーダー的役割。プロジェクト全体の管理、提案書作成、クライアントとの交渉を担当。
マネージャー 8~12年 1,200~2,000 プロジェクトの全体責任者。新規顧客獲得、クライアントの経営層とのコミュニケーションを担当。
ディレクター/VP 10~15年 1,800~3,000 組織の中核メンバー。大型案件のリードや、複数プロジェクトの管理、若手メンバーの育成に責任を持つ。
パートナー/MD 15年以上 3,000~6,000+ 会社全体の収益に直接責任を持つ。新規顧客開拓、重要クライアント対応、戦略策定、組織運営を担当。

 

FASは大きくは、BIG4系FASと独立系FASの2つに分かれます。

同じ職位であっても、BIG4系FASの方が独立系FASより200万円ほどは高くなると考えられます。

 

(2)FASの年収を左右する要因

FASの年収を左右する要因は、以下のようなものです。

FASの年収が決まる要因

  1. 業務の種類
  2. 企業規模・種類
  3. 地域
  4. スキルと資格

 

➀業務の種類

FASの年収は業務の種類で変わります。

M&Aアドバイザリーは、デューデリジェンスやバリュエーションを行う職種は年収が比較的高い傾向にあります。

また、事業再生/ターンアラウンドも、難易度の高い案件を担当することが多いため、経験者は高収入になる可能性が高いです。

さらに、フォレンジックは、不正調査や紛争解決支援を行う職種も需要が高く、専門性が評価されます。

 

➁企業規模・種類

FASの年収は企業規模・種類でも変わります。

BIG4系(監査法人系FAS部門)、つまりDeloitte、PwC、KPMG、EYなどのFAS部門は、年収が高い水準で安定しています。

そして、外資系投資銀行も、クロスボーダー案件を多く扱うため、さらに高い年収水準(アナリストで1,000万円以上、VP以上で3,000万円以上)が期待できます。

一方、国内独立系FASは、スタートアップ企業や中小企業案件が中心の場合、年収は大手よりやや低めです(ただし、裁量が大きいのが魅力です)。

 

③地域

FASの年収は勤務地にもよります。

東京・大阪であれば案件数が多く、年収水準が全国平均より高くなります。

一方、地方都市の場合、地域密着型の案件が多く、報酬もやや低めの傾向があります。

 

④スキルと資格

スキルと資格でも年収が変わります。

USCPA(米国公認会計士)、CPA、MBAなどの資格を持っていると評価につながりやすく、昇給や転職時のアピール材料になることがあります。

 

(3)海外のFAS年収

海外のFASの年収も、比較として挙げておきます。

海外のFASの年収

北米

  • アナリスト: $70,000~$120,000
  • アソシエイト: $100,000~$180,000
  • VP以上: $200,000~$500,000+

ヨーロッパ

  • アナリスト: €60,000~€100,000
  • アソシエイト: €80,000~€150,000
  • VP以上: €200,000~€400,000+

 

海外ではクロスボーダー案件が多く、国やファームによって差はありますが、日本より高水準になるケースもあります。

 

  • FASは高い専門性と成果が求められる分、年収の上昇余地が大きい仕事。
  • ただし、ファーム、担当領域、地域、経験によってかなり差がある。
  • そのため、FASに行くべきかどうかを考えるときは、年収の高さだけで判断するのではなく、仕事内容や働き方、自分の目指すキャリアにつながるかまで含めて考えることが大切。

 

 

5.FAS転職で成功した人の共通点と成功法は?

FAS転職で成功した人の転職成功法は?

 

FAS転職では、「M&Aに興味があります」だけだと少し弱いです。

面接で見られるのは、これまでの経験をFASの仕事にどうつなげられるかです。

FASは、会計・財務・M&Aに関わる仕事ですが、実際の業務はかなり細かく分かれます。

たとえば、同じFASでも以下のような領域があります。

 

FASの主な領域

  • 財務デューデリジェンス
  • バリュエーション
  • PMI
  • 事業再生
  • フォレンジック
  • M&Aアドバイザリー

 

領域が違えば、求められる経験やスキルも変わります。

そのため、FAS転職では、

「自分の経験なら、FASのどの領域と相性がいいのか」

まで考えておくことが大事です。

 

ここから、FAS転職で成功しやすい人の共通点と、転職活動で意識したいポイントを見ていきましょう。

 

(1)監査経験者は「財務デューデリジェンス」との接点を整理する

監査経験がある人は、FASの中でも財務デューデリジェンスと相性がよいです。

 

監査では、財務諸表が適正に作成されているかを確認します。

一方で、財務デューデリジェンスでは、買収対象会社の財務数値を見て、M&Aの意思決定に必要な情報を整理します。

似ている部分もありますが、目的は違います。

 

監査では「財務諸表が正しいか」を見ます。

財務デューデリジェンスでは、「この会社を買ううえで、数字から見て注意すべき点は何か」を見ます。

たとえば、以下のような視点です。

財務デューデリジェンスで見られやすいポイント

  • 売上や利益は一時的なものではないか
  • 正常収益力はどの程度あるのか
  • 運転資本に大きな変動はないか
  • ネットデットに含めるべき項目はないか
  • 会計処理に買収後のリスクはないか
  • 財務諸表だけでは見えない調整項目はないか

 

監査経験者は、財務諸表を読む力や会計論点を確認する力をアピールできます。

ただし、「監査をしていたのでFASでも大丈夫です」だけでは少し弱いです。

 

監査で担当した勘定科目、業界、会計論点、クライアント対応、英文資料の確認経験などは、FAS業務につながるアピール材料になります。

たとえば、以下のように具体化できます。

監査経験者のアピール例

  • 売上や売掛金の監査で、取引の実在性や期間帰属を確認してきた
  • 固定資産や減損の論点に関わり、事業計画や将来キャッシュフローを見る機会があった
  • 海外子会社の監査資料や英文の会計資料を確認した経験がある
  • クライアントにヒアリングし、資料と説明内容の整合性を確認してきた

 

このように、自分が担当してきた監査業務を、FASで使う視点に置き換えて説明できると強いです。

 

(2)経理経験者は「数字を作る側」の経験を強みにする

経理経験者は、監査経験者とは違う強みがあります。

それは、会社の中で実際に数字を作ってきた経験です。

FASでは、財務諸表を分析するだけでなく、その数字がどのように作られているのかを理解する力も大事です。

 

経理経験者は、たとえば以下の経験をアピールしやすいです。

経理経験者がアピールしやすい経験

  • 月次決算・年次決算
  • 連結決算・開示資料作成
  • 予実管理・管理会計
  • 海外子会社対応
  • 監査法人対応
  • 経営層へのレポーティング

特に、予実分析や管理会計の経験がある人は、事業理解や収益性分析につなげやすいでしょう。

 

FASでは、単に会計処理を知っているだけでなく、

「なぜ利益率が下がっているのか」
「どの事業が収益を支えているのか」
「一時的な費用なのか、構造的な問題なのか」

といった視点も求められます。

 

経理出身者は、日々の数字の動きや現場とのやり取りを知っている点が強みになります。

ただし、経理経験をそのまま話すだけでは、FASとのつながりが弱く見えることがあります。

 

職務経歴書や面接では、以下のような点まで説明できるとよいです。

経理経験をFASにつなげるポイント

  • どの数値を見ていたのか
  • どのような分析をしていたのか
  • 経営判断や改善活動にどう関わったのか
  • 監査法人や他部署にどのような説明をしていたのか

 

「決算を担当していました」で終わらせず、数字をどう見て、どう説明してきたのかまで伝えると、FASで働くイメージにつながりやすいです。

 

(3)未経験者は「FASで何をしたいか」を具体化する

FAS未経験者がやりがちなのは、FASを広く捉えすぎることです。

  • 「M&Aに関わりたい」
  • 「専門性を高めたい」
  • 「年収を上げたい」

という志望動機だけだと、少し浅く見えます。

 

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

ただ、面接ではもう一歩踏み込んで、

「FASの中でも、どの業務に関心があるのか」

を聞かれることがあります。

 

たとえば、以下のように方向性を分けて考えると整理しやすいです。

FAS未経験者が考えたい方向性

  • 財務デューデリジェンスに興味がある
  • バリュエーションに興味がある
  • PMIに興味がある
  • 事業再生に興味がある
  • フォレンジックに興味がある
  • クロスボーダー案件に関わりたい

ここが曖昧なままだと、「FASの仕事をあまり理解していない」と見られやすいです。

 

未経験でFASを目指すなら、まずは求人票や転職エージェントの情報を見ながら、FASの中身を分解して理解しておく必要があります。

そのうえで、たとえば以下のように話せるとよいです。

FAS未経験者の志望動機例

  • 自分の経験なら、まずは買収前の財務調査に近そう
  • 会計だけでなく事業分析にも関心があるので、事業再生やPMIにも興味がある
  • 英語を使う案件に関わりたいので、クロスボーダー案件のあるFASを見たい

「FASに行きたい」だけではなく、「FASのどの領域に行きたいのか」まで具体化しておくと、面接でも話しやすくなります。

 

(4)職務経歴書では「何を見て、どう考えたか」まで書く

FAS転職では、職務経歴書がかなり重要です。

特に未経験からFASを目指す場合、職務経歴書で「FASに活かせる経験」が伝わらないと、書類選考で苦戦しやすいです。

 

よくある弱い書き方は、以下のようなものです。

弱く見えやすい職務経歴書の書き方

  • 監査業務を担当
  • 月次決算を担当
  • 財務分析を担当
  • Excelで資料作成
  • クライアント対応

 

これだけだと、何をどのレベルでやっていたのかが伝わりません。

FAS転職では、もう少し具体的に書いた方がよいです。

 

監査経験者なら、以下のような点を整理します。

監査経験者が書きたいポイント

  • どの業界の監査を担当したのか
  • どの勘定科目を担当したのか
  • どのような会計論点を検討したのか
  • クライアントにどのようなヒアリングをしたのか
  • 英文資料や海外子会社資料を扱った経験があるのか

 

経理経験者なら、以下のような点を整理します。

経理経験者が書きたいポイント

  • どの決算業務を担当したのか
  • どの財務数値を見ていたのか
  • 予実差異をどのように分析したのか
  • 経営層や他部署にどのような報告をしたのか
  • 監査法人対応でどのような説明をしたのか

 

大事なのは、業務名だけで終わらせないことです。

「何を見て、どう考え、誰にどう説明したのか」

まで書くと、FASで働くイメージにつながりやすくなります。

 

職務経歴書では、単に経験を並べるよりも、

「この経験は、FASのこの業務に活かせそうだ」

と読み手がイメージできるように書くことが大事です。

 

(5)面接では「FASの華やかな面」だけを話さない

FASは、M&Aや企業再生に関われるため、華やかな仕事に見えやすいです。

 

しかし、実際には地道な作業も多いです。

FASで多い地道な作業

  • 大量の資料を確認する
  • Excelでデータを整理する
  • 財務数値の変動理由を追う
  • 会計処理の前提を確認する
  • クライアントに追加資料を依頼する
  • 報告書の細かい表現を調整する

こうした作業の積み重ねです。

 

そのため、面接で「M&Aに関わりたい」「経営に近い仕事がしたい」という話だけをすると、少し浅く見えることがあります。

FASでは、華やかな案件の裏側で、かなり細かく数字を見る仕事があります。

 

そこを理解したうえで、以下のように話せると現実感が出ます。

面接で伝えたい視点

  • 地道に資料を読み込み、数字の違和感を見つける仕事にも興味がある
  • 監査や経理で培った数字を見る力を、M&Aや企業分析の場面で活かしたい
  • 会計・財務の視点から、企業の重要な意思決定に関わりたい

FASの魅力だけでなく、大変な部分も理解していることが伝わると、面接でも納得感が出やすいです。

 

(6)求人票の「FAS」「M&Aアドバイザリー」は中身まで確認する

FAS転職では、求人票の見方も大事です。

同じ「FAS」や「M&Aアドバイザリー」と書かれていても、実際の業務内容はかなり違います。

 

財務デューデリジェンス中心の求人もあれば、バリュエーション中心の求人もあります。

中堅・中小企業のM&A支援に近い仕事もあれば、PMIや事業再生寄りの仕事もあります。

 

そのため、求人を見るときは、職種名ではなく、業務内容まで確認しましょう。

FAS求人で確認したいポイント

  • 主な業務はDDなのか、バリュエーションなのか、FAなのか
  • クライアントは大企業中心なのか、中堅・中小企業中心なのか
  • クロスボーダー案件はあるのか
  • 未経験者にどの程度の会計・財務知識を求めているのか
  • Excelや財務モデリングのスキルがどの程度必要なのか
  • 入社後にどの領域を担当する可能性が高いのか

 

ここを確認しないまま入社すると、

「思っていたFASと違った」

となりやすいです。

FAS転職では、会社名だけでなく、担当する業務の中身まで見て選ぶことが大事です。

 

(7)資格は「持っていること」より「どう活かすか」が大事

FAS転職では、資格もアピール材料になります。

 

たとえば、以下のような資格は、会計・財務・英語力を示す材料になります。

FAS転職でアピールしやすい資格

  • USCPA
  • 日本の公認会計士
  • 日商簿記
  • CFA
  • CVA
  • TOEIC・IELTS・TOEFL

 

ただし、資格があるだけでFAS転職が決まるわけではありません。

大事なのは、その資格をFAS業務にどうつなげるかです。

 

USCPAなら、英語で会計・監査・ビジネスを学んでいることを示せます。

そのため、グローバル案件や外資系FASを視野に入れる場合には、アピールしやすい資格です。

 

ただし、面接では、

「USCPAを学んできました」

だけで終わらせない方がよいです。

 

たとえば、以下のようにFAS業務とつなげて話せるとよいでしょう。

USCPAをFAS転職で活かす例

  • 財務会計の知識を、DDでの会計論点の理解に活かしたい
  • 英語で会計を学んだ経験を、英文資料やクロスボーダー案件に活かしたい
  • 監査や内部統制の知識を、買収対象会社のリスク把握に活かしたい

 

また、日商簿記やCFA、CVAなども、資格名だけでなく、どの業務に活かせるのかまで説明できると強いです。

資格は入口としては見てもらえますが、最後は「その知識を仕事でどう使うか」が見られます。

 

(8)転職エージェントには「FASに行きたい」だけで相談しない

FAS転職では、転職エージェントを活用するのも有効です。

特に未経験からFASを目指す場合、自分の経験でどの求人を狙えるのか判断しにくいことがあります。

 

ただし、エージェントに相談するときも、

「FASに行きたいです」

だけだと、希望がぼんやりしすぎます。

 

相談前に、以下の点を整理しておくと話が進みやすいです。

転職エージェントに相談する前に整理したいこと

  • 財務デューデリジェンス、バリュエーション、PMI、事業再生など、どの領域に興味があるのか
  • 監査・経理・財務など、どの経験を活かしたいのか
  • 英語を使う案件に興味があるのか
  • 年収アップを重視するのか、専門性を重視するのか
  • 激務や繁忙期をどの程度許容できるのか

 

FASは、仕事内容も働き方も会社によってかなり違います。

良い面だけでなく、大変な面も確認しておくことが大事です。

 

会計・管理部門に強い転職エージェントに相談すると、求人の違いや選考で見られるポイントを整理しやすくなります。

自分の経験で狙いやすいFAS求人を知りたいなら、会計・管理部門に強いレックスアドバイザーズに転職相談してみるのもよいでしょう。

 

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まとめ:FAS転職では「自分の経験とFAS業務の接点」を見せる

FAS転職で大事なのは、資格やスキルを並べることだけではありません。

自分の経験を、FASの仕事にどうつなげるかです。

 

監査経験者なら、財務諸表を読む力や会計論点を確認する力を、DDなどに結びつけやすいです。

経理経験者なら、決算や予実管理を通じて数字を作り、分析してきた経験をアピールできます。

未経験者でも、会計・財務の基礎を学び、FASのどの領域に関心があるのかを整理しておけば、転職活動で話しやすくなります。

 

FASは華やかなイメージだけで選ぶと、入社後にギャップが出やすい仕事です。

だからこそ、求人票の職種名だけで判断せず、実際に担当する業務の中身まで確認しましょう。

 

「FASに行きたい」ではなく、

「自分のこの経験を、FASのこの業務で活かしたい」

と言える状態にしておくと、FAS転職でも「なんとなく憧れている人」ではなく、「FASで活かせる経験がある人」として見てもらいやすくなります。

 

 

FAQ:FASに関するよくある質問

よくある質問 Q&A

 

FASに関するよくある質問にお答えします。

 

Q1:FASとコンサルは違うの?どんな違いがあるの?

FASとコンサルは違います。

とはいえ、違いについて公式な定義はありません。

ほぼ同義に扱われることも多いので留意してください。

 

あえてFASとコンサルの違いを比較すると、以下のようになります。

比較項目 FAS コンサル
対象領域 財務・M&Aを中心に、不正・不祥事など 経営全般にわたる広範な領域
緊急度 企業経営を左右する「有事」 何も問題が起こっていない「平時」
業務の深さ 専門性で財務データを深掘りし、短期間で成果を出す 戦略立案から実行まで、中長期的な業務改善を総合的に支援する
適している人材 数字に強く、ロジカルな分析を得意とする人 創造的なアイデアや広範なビジネス知識を持つ人
キャリアの方向性 財務・M&Aの専門家、投資銀行やCFO職へ 経営陣、事業開発リーダー、変革推進者

 

「有事」の対応をするのがFAS、「平時」の対応をするのがコンサルと考えるとわかりやすいですね。

 

FASもコンサルも、企業の成長や課題解決に貢献する重要な役割をもちます。

よって、どちらになりたいか考える場合は、自分の得意分野やキャリア目標に合った選択が重要となります。

 

FASとコンサルとして働く場合、どんな違いがあるのかというと、以下の4つが挙げられます。

FASとコンサルの違い

  1. 専門性
  2. 業務範囲
  3. アプローチ
  4. 年収

 

➀専門性

FASとコンサルは専門性が違います。

 

FASは、財務領域に特化した専門的なサービスを提供します。

財務分析やバリュエーション、M&Aプロセス、会計・税務知識が求められます。

 

コンサルは、経営全般に関する幅広いアドバイスを提供します。

戦略立案、業務プロセスの改善、IT導入、マーケティングなど、幅広いビジネススキルが必要となります。

 

➁業務範囲

また、FASとコンサルでは業務範囲も違います。

 

FASは、M&Aアドバイザリー、企業再生支援、バリュエーション、フォレンジックなどの財務関連業務を行います。

コンサルは、戦略、経営、ITなどさまざまな領域をカバーします。

 

➂アプローチ

そして、FASとコンサルではアプローチも違ってきます。

 

FASは財務データの詳細分析に基づく具体的な解決策を提示します。

論理的な根拠に基づいて経営判断をサポート。

財務面に特化しているため、短期間で特定の成果を出すプロジェクトが多いです。

 

コンサルは、経営全般の広い視点からの助言をします。

顧客の業務課題やビジョンに基づき、創造的かつ柔軟な方法で解決策を提示。

長期間にわたるプロジェクトや包括的な変革をサポートする場合が多いです。

 

➃年収

最後に忘れてはいけないのが、FASとコンサルでは年収も違うということです。

FAS コンサル
初任給: 約500万~800万円(経験に応じる)。 初任給: 約500万~900万円(戦略系が高い)。
中堅レベル: 800万~1500万円。 中堅レベル: 800万~2000万円(特に外資系は高い)。
特徴: 成果報酬が大きいことがあり、
M&A案件の成功報酬が収入に反映される場合も。
特徴: 年収はコンサルの種類(戦略系、IT系)や
企業規模によって異なる。

 

一般的にFASよりコンサルの方が年収が高い傾向にあります。

 

FASの初任給だと500万~800万円(BIG4や外資系では上限に近い)。

M&Aや財務分野に特化した高度なスキルが求められるため、比較的高めです。

コンサルの初任給だと約500万~900万円(戦略系が高い)。

戦略コンサル(マッキンゼー、BCGなど)や外資系ITコンサルは初任給が突出して高くなります。

 

中堅レベル(5~10年目)の場合FASだと、年収800万~1500万円程度。

成果報酬(インセンティブ)が加わる場合、1案件ごとに大きく収入が変わることがあります。

中堅レベル(5~10年目)の場合コンサルティングだと、年収800万~2000万円程度。

戦略系コンサルはこの層での年収が突出して高く、IT系コンサルや総合系コンサルは若干下回る傾向にあります。

 

シニアレベル(10年以上)の場合FASだと、年収1500万~3000万円以上

特に外資系やBIG4系のパートナークラスでは、案件規模に応じて数千万円を超えることもあります。

 

シニアレベル(10年以上)の場合コンサルだと、年収1500万~5000万円以上(戦略系が高い)。

戦略系コンサルのパートナーやIT系コンサルのトップクラスは、年収が数千万円~1億円規模に達する場合もあります。

 

つまり、若手~中堅レベルだと、戦略系コンサルのほうが平均的に高いです(特に外資系)。

ただし、FASでも成功報酬次第で大きな伸びが期待できます。

そして、シニアレベル以上だと、戦略系コンサル(特にパートナークラス)のほうが上限が高いです。

ただし、FASのパートナーや外資系のエグゼクティブクラスも十分高収入を得られる可能性はあります。

 

 

FASとコンサルの違い

  • FAS:財務・会計の専門知識を使って、M&A、企業再生、企業価値評価などを支援する仕事。
  • コンサル:企業の全般的な経営改善を目指し、より幅広い領域でサービスを展開。
FAS・コンサルの求人で比較

 

Q2:BIG4系FASと独立系FASの違いは?

FASは大きくはBIG4系FASと独立系FASの2つがあると解説しました。

どちらもメリット・デメリットがあるため、自分のキャリアプランや働き方の希望に合った選択が重要ですね。

 

BIG4系FASと独立系FASでは、扱う案件も働き方もかなり違います。

「FASならどこでも同じ」と考えると、入社後にギャップが出やすいです。

 

具体的にどのような違いがあるのか、ポイントは以下の5つです。

項目 BIG4系FAS 独立系FAS
規模とブランド力 グローバル規模、強いブランド力 中小規模、個々の実績や専門性が評価される
案件の種類と規模 大型・複雑な案件、クロスボーダーが多い 中小企業案件や地域密着型、比較的小規模な案件が多い
仕事内容と専門性 専門分野に特化した分業制 幅広い業務を一貫して担当、オールラウンド型
キャリアパス 投資銀行やグローバル企業への転職機会が多い、MBAや海外経験が得られる 中小企業向けコンサルや地域密着型のキャリアを構築しやすい
働き方と文化 多忙だがプロフェッショナルな環境、厳格な業務プロセス 柔軟な働き方やアットホームな雰囲気、裁量が大きい

 

➀規模とブランド力

BIG4系FASと独立系FASは、規模とブランド力が異なります。

 

BIG4系FAS規模は、Deloitte、PwC、EY、KPMGといったグローバルな監査法人グループに属しており、世界的なネットワークとリソースを活用可能です。

ブランド力は「BIG4」の知名度が高く、クライアントからの信頼度も非常に高いです。

 

独立系FASの規模は、比較的小規模で、スタートアップや中小企業に特化しているケースが多いです。

ブランド力は、一部の大手独立系(M&Aキャピタルパートナーズなど)は知名度がありますが、BIG4ほどの認知度はなく、個々の実績や専門性で評価されます。

 

➁扱う案件の種類と規模

BIG4系FASと独立系FASは、扱う案件の種類と規模が異なります。

 

BIG4系FAS案件の種類は、クロスボーダー案件、大型M&A、企業再編、事業再生など幅広い分野に対応しています。

多くの場合、規模の大きい上場企業や多国籍企業がクライアントになります。

案件規模も、数百億~数千億円規模の案件が多く、難易度の高い複雑な案件に取り組む機会が多くなります。

 

独立系FAS案件の種類は、中小企業のM&A支援や事業承継、地域密着型の案件が中心となります。

一部の独立系ではベンチャー投資や特定業種に特化する場合もあります。

案件規模は、数億~数十億円規模の案件が多く、比較的スピーディーな進行が可能な案件が多いです。

 

③仕事内容と専門性

BIG4系FASと独立系FASは、仕事内容と専門性が異なります。

 

BIG4系FAS仕事内容は、各プロジェクトが高度に分業化されており、財務デューデリジェンス(FDD)、バリュエーション、フォレンジック、PMI(統合支援)など、専門分野ごとに業務を担当することが多いです。

専門性としては、深い専門性を持つ人材が多く、各分野のスペシャリストとして成長しやすい環境です。

 

独立系FAS仕事内容は、少人数のチームで幅広い業務を担当することが多く、案件の初期段階から契約締結後のフォローまで一貫して関わることができます。

専門性としては、総合的なスキルが求められるため、オールラウンドな経験を積むことができます。

 

④キャリアパス

BIG4系FASと独立系FASは、キャリアパスが異なってきます。

 

BIG4系FASキャリアの選択肢は、BIG4内での昇進や、外資系投資銀行やコンサルファームへの転職など、多様なキャリアパスが開かれています。

MBA取得や海外勤務の機会も得られやすいです。

スキルの習得としては、国際案件を経験する機会が多く、英語力や高度な財務スキルが磨かれます。

 

独立系FASキャリアの選択肢は、中小企業向けコンサルティングや事業再生、地域密着型のFAS業務を続けるケースが多くなります。

一部ではM&Aアドバイザリー業務に特化するキャリアも選択可能となります。

 

スキルの習得としては、中小企業特有の課題解決力や、実務ベースでのスキルが身につきます。

 

⑤働き方と文化

BIG4系FASと独立系FASは、働き方と文化も異なります。

 

BIG4系FAS働き方は、大規模案件が多いため、チームでの協働が重視されます。

労働時間は長くなる傾向があり、多忙なプロジェクトが続く場合もあります。

文化としては、グローバルスタンダードに基づく厳格な業務プロセスが求められ、プロフェッショナルな雰囲気が強いです。

 

独立系FAS働き方は、少人数のため裁量が大きく、意思決定がスピーディー。

個々のスケジュール管理が求められますが、ワークライフバランスを重視する企業も増えています。

文化としては、アットホームで柔軟な働き方ができる場合が多く、トップダウンよりもフラットな組織が多いです。

 

まとめ:「FASになるのはやめとけ」に従わなくてもいい

今回の結論

 

「FASはやめとけ」と言われる背景には、FAS業務の特性や働き方に起因する厳しさがあります。

実際に、激務と長時間労働、高ストレスな業務環境、期待と現実のギャップ、キャリアの行き詰まり、報酬面での不満など、注意すべき点があるのは事実です。

 

その一方で、FASには次のような魅力もあります。

  • 高収入が期待できる
  • M&Aや企業再生など、企業の重要な局面に関われる
  • 財務分析、企業価値評価などの高度なスキルが身につく
  • グローバル案件に関わるチャンスもある

 

つまり、FASは「誰にでもおすすめできる仕事」ではありませんが、向いている人にとっては非常に魅力的なキャリアです。

大事なのは、「FASはやめとけ」という言葉だけで判断するのではなく、自分の適性やキャリア目標に照らして、本当に合うかどうかを見極めることです。

 

特に、FASを目指すなら、会計・財務の知識は大きな武器になります。

そのため、FASで働きたいと考えているなら、まずは会計・財務の土台をしっかり固めることが大切です。

 

中でもUSCPA(米国公認会計士)は、会計・財務の知識を体系的に学べるうえ、グローバル案件との相性もよいため、有力な選択肢のひとつです。

会計・財務の知識を強みとしてFASを目指したい方は、まずはアビタスの無料説明会で、USCPAの受験資格や必要単位を確認してみてください。

 

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