• 「ビジネス会計検定と簿記は、何が違うの?」
  • 「どっちを取った方がいいの?」
  • 「経理や転職に役立つのは、ビジネス会計検定?それとも簿記?」

このように迷っている方は多いと思います。

 

会計系の資格といえば、まず思い浮かぶのは簿記検定ですよね。

一方で、最近はビジネス会計検定も、決算書を読めるようになりたいビジネスパーソンに注目されています。

 

では、ビジネス会計検定と簿記は何が違うのでしょうか。

結論を最初に書いてしまいます。

結論

  • 簿記は「決算書を作る力」を学ぶ資格
  • ビジネス会計検定は「決算書を読む力」を学ぶ資格
  • 経理を目指すなら、まずは簿記がおすすめ
  • 営業・企画・管理職・投資に活かしたいなら、ビジネス会計検定もおすすめ
  • 会計初心者なら、簿記3級から始めると理解しやすい
  • 英語×会計まで広げたいなら、USCPAも選択肢になる

ここから、それぞれの違いをもう少し具体的に見ていきます。

 

かなりざっくり言うと、簿記は「作る会計」、ビジネス会計検定は「読む会計」です。

簿記では、日々の取引を記録し、仕訳をして、帳簿を作り、最終的に決算書を作る流れを学びます。

一方、ビジネス会計検定では、すでに作成された貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書などを読み、会社の状態を分析する力を学びます。

 

つまり、どちらが上、どちらが下という話ではありません。

役割が違います。

 

私はUSCPAとして、監査法人や海外で会計に関わる仕事をしてきました。

その経験から言うと、会計の仕事では「作る力」も大事ですが、「読む力」もかなり大事です。

 

数字は、ただ並んでいるだけでは意味がありません。

その数字から、会社が儲かっているのか、資金繰りは大丈夫なのか、成長しているのか、無理をしていないのかを読み取る必要があります。

 

この記事では、ビジネス会計検定と簿記の違い、どっちを取るべきか、転職やキャリアにどう活かせるかを、USCPAの視点も交えて解説します。

目次(見たい項目へ)

1.ビジネス会計検定と簿記の違いは?

まず、ビジネス会計検定と簿記の違いを整理します。

一言でいうと、簿記は「決算書を作る力」、ビジネス会計検定は「決算書を読む力」を学ぶ資格です。

 

まずは、違いを図でざっくり整理すると次のとおりです。

簿記とビジネス会計検定の違い

 

この図のとおり、簿記は「決算書を作る力」、ビジネス会計検定は「決算書を読む力」を学ぶ資格です。

以下で、それぞれの違いをもう少し具体的に見ていきます。

 

(1)簿記は「決算書を作る」資格

簿記は、会社の日々の取引を記録し、帳簿を作り、最終的に決算書を作成するまでの流れを学ぶ資格です。

 

たとえば、次のような内容を学びます。

  • 仕訳
  • 帳簿記入
  • 試算表
  • 決算整理
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 工業簿記・原価計算

 

特に経理の仕事では、簿記の知識がかなり実務に近いです。

売上、仕入、経費、固定資産、減価償却、前払費用、未払費用など、経理でよく出てくる考え方を学べます。

 

経理を目指すなら、まず簿記を学ぶのはとても自然です。

求人でも「簿記2級歓迎」「簿記2級以上」と書かれていることがあります。

未経験から経理を目指す場合も、簿記は「会計の基本を勉強しています」と伝えやすい資格です。

 

(2)ビジネス会計検定は「決算書を読む」資格

ビジネス会計検定は、財務諸表を読み、会社の状態を分析する力を学ぶ資格です。

簿記が「決算書を作るまで」を学ぶ資格だとしたら、ビジネス会計検定は「作られた決算書をどう読むか」を学ぶ資格です。

 

たとえば、次のような視点を学びます。

  • 会社は成長しているのか
  • 利益を出す力はあるのか
  • 借入金が多すぎないか
  • 資金繰りは大丈夫か
  • 安全性は高いか
  • 収益性は高いか
  • 株価は利益に対して高いのか低いのか

 

これは、経理だけでなく、営業、企画、管理職、経営企画、投資などにも役立ちます。

 

たとえば営業なら、取引先の決算書を見て「この会社は大丈夫そうか」を考える場面があります。

企画や管理職なら、自社の数字を見て「利益が出ている理由」「コストが増えている原因」を考える必要があります。

投資をする人なら、決算書を読めないと、会社の中身を見ずに株価だけを見て判断することになってしまいます。

 

ビジネス会計検定は、こうした「数字を読んで判断する力」を鍛える資格です。

 

(3)どちらが上ではなく、使い道が違う

ビジネス会計検定と簿記は、どちらが上という資格ではありません。

使い道が違います。

 

簿記は、経理実務や会計処理に近い資格です。

ビジネス会計検定は、決算書を読んで、ビジネスに活かす資格です。

たとえるなら、簿記は「料理を作る力」、ビジネス会計検定は「料理を食べて、材料や味付けを分析する力」に近いです。

 

どちらも大事ですが、学ぶ目的と使う場面が違います。

経理として決算書を作る側に行きたいなら、簿記。

営業・企画・管理職・投資などで決算書を読む力をつけたいなら、ビジネス会計検定。

このように考えると、かなりわかりやすくなります。

 

2.ビジネス会計検定と簿記はどっちを取るべき?

次に、ビジネス会計検定と簿記のどちらを取るべきかを見ていきます。

 

(1)経理を目指すなら簿記

経理を目指すなら、まずは簿記がおすすめです。

理由は、簿記の方が経理実務に近いからです。

 

経理の仕事では、仕訳、帳簿、決算整理、財務諸表の作成など、簿記で学ぶ内容が土台になります。

もちろん、ビジネス会計検定の知識も役に立ちます。

決算書を読める経理担当者は強いです。

 

ただ、未経験から経理を目指すなら、最初に伝わりやすいのはビジネス会計検定より簿記です。

特に簿記2級は、経理転職で見られやすい資格です。

経理を目指すなら、まず簿記3級で会計の入口を学び、その後、簿記2級を目指す流れが現実的です。

 

(2)決算書を読めるようになりたいならビジネス会計検定

決算書を読めるようになりたいなら、ビジネス会計検定がおすすめです。

特に、経理ではないけれど会社の数字を読めるようになりたい人には向いています。

 

たとえば、次のような人です。

  • 営業で取引先の財務状況を見たい人
  • 企画職で数字を使って提案したい人
  • 管理職として部門の数字を理解したい人
  • 投資で企業分析をしたい人
  • 経営者目線で会社の状態を見たい人
  • 新聞や決算ニュースを理解したい人

 

簿記を勉強すると、決算書がどう作られるかがわかります。

一方、ビジネス会計検定を勉強すると、決算書をどう読めばよいかがわかります。

 

仕事で数字を見る立場なら、ビジネス会計検定はかなり実用的です。

会計を「処理する」よりも、会計を「判断に使う」人に向いています。

 

(3)会計初心者なら簿記3級から始めると理解しやすい

会計初心者なら、まず簿記3級から始めると理解しやすいです。

 

ビジネス会計検定は、簿記の知識がなくても受験できます。

ただ、財務諸表がどう作られるかを少し知っている方が、読み方も理解しやすくなります。

たとえば、貸借対照表や損益計算書を読むときに、「売掛金」「買掛金」「減価償却」「棚卸資産」などの意味がわかっていると、数字の見え方が変わります。

 

会計初心者がいきなりビジネス会計検定に進んでも、もちろん勉強はできます。

でも、簿記3級で会計の入口を学んでからビジネス会計検定に進むと、かなり理解しやすくなります。

 

個人的には、会計初心者なら次の順番がおすすめです。

  • まず簿記3級で、会計の基本を学ぶ
  • その後、ビジネス会計検定3級で決算書を読む力をつける
  • 経理を目指すなら、簿記2級へ進む
  • 会計を仕事の判断に使いたいなら、ビジネス会計検定2級へ進む

この順番なら、「作る力」と「読む力」の両方をバランスよく学べます。

 

ここまでの内容を、目的別に整理すると次のようになります。

目的別おすすめ資格

 

迷ったら、「どちらが上か」で選ぶのではなく、「自分は何のために学ぶのか」で選ぶのがおすすめです。

経理を目指すのか、決算書を読めるようになりたいのか、英語×会計まで広げたいのかで、選ぶべき資格は変わります。

 

3.ビジネス会計検定が役に立つ人

ビジネス会計検定は、経理だけの資格ではありません。

むしろ、経理以外のビジネスパーソンにも向いています。

 

(1)営業・企画・管理職

営業、企画、管理職の方には、ビジネス会計検定はかなり相性がいいです。

営業なら、取引先の決算書を読めると、相手の会社の状況を理解しやすくなります。

 

  • 「売上は伸びているけれど利益率が落ちている」
  • 「借入金が多くて資金繰りが苦しそう」
  • 「キャッシュ・フローは安定している」

こうしたことが見えると、取引先を見る目が変わります。

 

企画職なら、数字をもとに提案する力が上がります。

管理職なら、自分の部門の売上や利益だけでなく、会社全体の数字も見やすくなります。

 

会計を知っていると、会議で出てくる数字がただの記号ではなくなります。

数字の裏にある会社の動きが見えるようになります。

これは、会議や提案の場でかなり大きな差になります。

 

(2)投資や企業分析をしたい人

投資や企業分析をしたい人にも、ビジネス会計検定は役に立ちます。

 

株価だけを見ていると、会社の実態は見えません。

  • 売上が伸びているのか。
  • 利益率は改善しているのか。
  • 借金は多すぎないか。
  • 営業キャッシュ・フローは安定しているのか。

こうしたことを見るには、決算書を読む力が必要です。

 

もちろん、ビジネス会計検定を取れば投資で勝てる、という話ではありません。

そんな資格があったら、みんな苦労しません。

 

でも、決算書を読めるようになると、ニュースや株価だけに振り回されにくくなります。

企業を数字で見る基礎力をつけたい人には、ビジネス会計検定はよい資格です。

 

(3)経理以外で会計を仕事に活かしたい人

経理以外で会計を仕事に活かしたい人にも、ビジネス会計検定はおすすめです。

 

簿記は、どうしても経理実務に近い資格です。

仕訳や帳簿の勉強が中心になるため、経理以外の人には少し遠く感じることもあります。

 

一方、ビジネス会計検定は、財務諸表を読んで、会社の状態を理解することに重点があります。

そのため、経理以外の職種でも使いやすいです。

たとえば、営業、企画、マーケティング、人事、経営企画、管理職、投資などです。

 

会計は、経理だけのものではありません。

会社で働く以上、数字から逃げ続けるのはなかなか難しいです。

どうせ仕事で数字を見るなら、少しでも読めるようになっておく。

その方が、仕事はかなり楽になります。

 

4.簿記が役に立つ人

次に、簿記が役に立つ人を見ていきます。

 

(1)経理・会計職を目指す人

経理・会計職を目指すなら、簿記はかなり役に立ちます。

 

経理の仕事では、仕訳、帳簿、決算整理、会計処理など、簿記で学ぶ内容が土台になります。

もちろん、実務では簿記のテキスト通りにすべてが進むわけではありません。

会社ごとのルールもありますし、会計システムも使います。

それでも、簿記の考え方がないと、数字の意味がわかりにくくなります。

 

経理の仕事をするなら、簿記はやはり基本です。

特に未経験から経理に挑戦したい人は、まず簿記3級、できれば簿記2級まで学ぶとよいです。

 

(2)仕訳や決算の基礎を学びたい人

仕訳や決算の基礎を学びたい人にも、簿記がおすすめです。

 

会計を理解するうえで、仕訳の感覚はとても大事です。

売上が立ったとき、現金を受け取ったとき、費用を払ったとき、固定資産を買ったとき、減価償却をしたとき。

こうした取引が、どのように会計処理されるのかを学べるのが簿記です。

 

ビジネス会計検定では、決算書を読む力を学びます。

でも、決算書がどう作られているかを知っていると、読み方にも深みが出ます。

「この数字は、どんな会計処理の結果なのか」

ここまで考えられると、決算書の見え方が変わります。

 

(3)転職で会計知識をわかりやすく示したい人

転職で会計知識をわかりやすく示したいなら、簿記は強いです。

特に経理転職では、ビジネス会計検定より簿記の方が採用側に伝わりやすいです。

 

これは、ビジネス会計検定が悪いという意味ではありません。

ただ、経理職の求人では、簿記の方が一般的に知られていて、評価されやすい場面が多いです。

経理転職を目指すなら、まず簿記2級を優先した方が現実的です。

 

一方で、ビジネス会計検定は、経理転職の切り札というより、決算書を読んで仕事に活かすための資格です。

営業、企画、管理職、投資、経営企画など、数字を見て判断する仕事では価値があります。

 

ここを混同しない方がいいです。

資格は、名前の印象ではなく、実際に使う場面で選びましょう。

 

5.USCPAから見たビジネス会計検定と簿記の違い

ここからは、USCPAの視点で、ビジネス会計検定と簿記の違いを少し整理します。

 

ただし、先に言っておくと、全員がUSCPAを目指す必要はありません。

国内経理を目指すなら簿記は強いですし、決算書を読めるようになりたいならビジネス会計検定もよい資格です。

そのうえで、さらに英語×会計まで広げたい人には、USCPAという選択肢もあります。

 

(1)簿記は「作る力」、ビジネス会計検定は「読む力」、USCPAは「英語×会計で広げる力」

USCPAの視点で見ると、簿記とビジネス会計検定の違いはかなりわかりやすいです。

 

簿記は、日々の取引を記録し、仕訳をして、決算書を作る力を学ぶ資格です。

ビジネス会計検定は、作られた決算書を読み、会社の状態を分析する力を学ぶ資格です。

そしてUSCPAは、会計・監査・税法・ビジネスを英語で学び、数字を見て判断する力を広げる資格です。

 

つまり、次のように整理できます。

  • 簿記:作る会計
  • ビジネス会計検定:読む会計
  • USCPA:英語で会計を理解し、判断する会計

 

これはかなりざっくりした整理ですが、

  • 国内経理の土台を作りたいなら簿記
  • 決算書を読んでビジネスに活かしたいならビジネス会計検定
  • 英語で会計・監査・ビジネスを扱うキャリアまで広げたいならUSCPA

このように目的で分けると、選びやすくなります。

 

(2)監査では、決算書を読んで違和感に気づく力が大事

私が監査法人で働いて感じたのは、会計では「処理がわかること」と同じくらい、「数字を見て違和感に気づくこと」が大事だということです。

 

たとえば、次のような変化です。

  • 売上が伸びているのに、利益率が落ちている
  • 売掛金が急に増えている
  • 在庫が増えているのに、売上が伸びていない
  • 利益は出ているのに、営業キャッシュ・フローが弱い
  • 借入金が増えている
  • 固定資産が急に増えている

 

こうした変化を見たときに、「なぜだろう?」と考える力が必要になります。

これは、簿記だけでは鍛えにくい部分です。

 

簿記は、正しく処理する力を鍛える資格です。

一方、ビジネス会計検定は、財務諸表を読んで、会社の状態を考える力を鍛える資格です。

監査でも、経理でも、営業でも、投資でも、この「数字を見て考える力」はかなり役に立ちます。

 

数字を見て違和感に気づける人は、仕事で強いです。

ただ数字を眺めている人と、「この増減は何だろう」と考えられる人では、同じ決算書を見ても得られる情報が違います。

この力をつける入口として、ビジネス会計検定は使いやすい資格です。

 

(3)USCPAを目指す前の準備としても使える

将来的にUSCPAを目指す人にとっても、簿記やビジネス会計検定の学習は無駄になりません。

 

簿記で仕訳や決算書の作られ方を学び、ビジネス会計検定で財務諸表の読み方を学ぶと、USCPAの学習にも入りやすくなります。

特に、USCPAのFARでは財務会計の知識が必要です。

AUDでは、財務諸表、内部統制、リスク、監査手続などを見る視点が必要になります。

つまり、USCPAでも「作る会計」と「読む会計」の両方が土台になります。

 

ただし、USCPAを本気で目指すなら、簿記やビジネス会計検定に長く寄り道しすぎる必要はありません。

簿記3級やビジネス会計検定3級で会計の入口をつかんだら、早めにUSCPAの学習に進むのも十分アリです。

 

資格は、順番を完璧にそろえることが目的ではありません。

自分の行きたいキャリアに近づくために、必要なものを選ぶことが大事です。

 

6.ビジネス会計検定は何級から受けるべき?

ビジネス会計検定には、3級・2級・1級があります。

では、何級から受けるべきなのでしょうか。

 

(1)会計初心者は3級から

会計初心者は、まず3級からで大丈夫です。

 

3級では、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の基本的な構造や読み方を学びます。

いきなり難しい分析に入るというより、まず財務諸表に慣れるイメージです。

会計に苦手意識がある人でも、3級からなら取り組みやすいです。

特に、経理ではないけれど決算書を読めるようになりたい人には、3級がちょうどよい入口になります。

 

(2)簿記2級レベルの知識があるなら2級も検討

すでに簿記2級レベルの知識がある人や、仕事で財務諸表に触れている人は、ビジネス会計検定2級も検討してよいです。

 

2級になると、連結財務諸表、キャッシュ・フロー分析、セグメント情報、損益分岐点分析など、より実務寄りの内容が出てきます。

会社の決算書をもう一段深く読みたい人には、2級はかなり勉強になります。

ただし、会計初心者がいきなり2級から始めると、少し重く感じる可能性があります。

自信がない場合は、3級から進めた方が安心です。

 

(3)1級は目的がある人向け

ビジネス会計検定1級は、かなり専門的です。

 

一般的なビジネスパーソンが、いきなり目指す必要はないと思います。

まずは3級、必要に応じて2級。

ここまでで、決算書を読む力はかなり鍛えられます。

 

1級は、財務分析をさらに深く学びたい人、会計や財務を専門的に扱う人、企業分析を本格的にしたい人向けです。

「せっかくだから1級まで」と考える前に、自分がそこまで必要としているかを考えた方がよいです。

資格は、上の級を取れば必ず評価されるというものではありません。

仕事やキャリアに必要なところまで取れば十分です。

 

7.ビジネス会計検定と簿記は両方取るべき?

ビジネス会計検定と簿記は、両方取るべきなのでしょうか。

結論から言うと、人によります。

ただ、両方学ぶと「作る力」と「読む力」の両方が身につくので、相性はよいです。

 

(1)おすすめは簿記3級→ビジネス会計検定3級

会計初心者におすすめしやすいのは、簿記3級からビジネス会計検定3級に進む流れです。

 

まず簿記3級で、仕訳や決算書が作られる流れを学びます。

その後、ビジネス会計検定3級で、作られた決算書を読む力を学びます。

この順番だと、会計の理解がかなりつながりやすいです。

 

  • 「決算書って、こうやって作られるんだ」
  • 「作られた決算書は、こう読めばいいんだ」

この両方が見えてくるからです。

会計初心者にとっては、かなりバランスのよいルートです。

 

(2)経理を目指すなら簿記2級を優先

経理を目指すなら、ビジネス会計検定より簿記2級を優先した方がよいです。

理由は、経理転職では簿記2級の方が伝わりやすいからです。

ビジネス会計検定もよい資格ですが、経理実務に直結しやすいのは簿記です。

 

未経験から経理を目指すなら、まずは簿記2級。

そのうえで、決算書を読む力も強めたいなら、ビジネス会計検定を追加する。

この順番が現実的です。

 

(3)決算書を読む力を強めたいならビジネス会計検定を追加

すでに簿記を学んだ人が、決算書を読む力を強めたいなら、ビジネス会計検定を追加する価値があります。

 

簿記を学んでいると、会計処理や決算書の作り方はわかります。

でも、それだけでは「会社の状態をどう読むか」までは十分ではないことがあります。

ビジネス会計検定を学ぶと、安全性、収益性、成長性、キャッシュ・フローなどの視点が入ります。

この視点があると、決算書を見たときに、ただ数字を眺めるだけではなくなります。

 

数字から会社の状態を考えられるようになります。

ここまで来ると、会計が少しおもしろくなります。

ただの暗記ではなく、会社を見る道具になるからです。

 

8.会計資格をキャリアに活かすなら、資格の順番より目的が大事

ここからは、少しキャリアの話をします。

ビジネス会計検定と簿記で迷っている方の中には、「転職に役立つのはどっち?」と考えている方も多いと思います。

この場合、大事なのは資格の順番よりも、キャリアの目的です。

 

資格選びをキャリアの方向性ごとに整理すると、次のようになります。

会計資格のキャリア別ロードマップ

 

このあと、経理転職、会計を武器にキャリアを広げたい場合、転職前に市場価値を確認したい場合の3つに分けて見ていきます。

 

(1)経理転職なら簿記2級が伝わりやすい

経理転職を目指すなら、まず簿記2級が伝わりやすいです。

ビジネス会計検定は、決算書を読む力を示すには、よい資格です。

ただ、経理職の求人では、簿記の方が一般的に知られています。

 

採用側から見ても、「簿記2級を持っている」と言われた方が、経理の基礎を学んでいることが伝わりやすいです。

そのため、未経験から経理に行きたいなら、まず簿記2級を目指すのが現実的です。

ビジネス会計検定は、その後に決算書を読む力を補強する資格として使うとよいです。

 

(2)会計を武器にキャリアを広げるならUSCPAも選択肢

簿記やビジネス会計検定で会計の基礎を学んだあと、さらに英語×会計でキャリアを広げたいなら、USCPAも選択肢になります。

 

USCPAは、米国会計・監査・税法・ビジネスなどの知識を英語で問われる資格です。

外資系企業、グローバル企業、監査法人、海外勤務などを目指す人にとって、相性がよい資格です。

 

簿記やビジネス会計検定は、日本語で会計を学ぶ入口として、とてもよい資格です。

ただ、英語で会計を扱う仕事に挑戦したいなら、USCPAまで視野に入れるとキャリアの幅が広がります。

 

私自身、USCPAとして監査法人や海外で働いた経験がありますが、英語で会計資料を読めることはかなり大きな武器になりました。

英語が話せるだけではなく、英語で会計や監査の話がわかること。

ここに価値があります。

 

ただし、USCPAは日本の簿記検定とは仕組みが違います。

出願州によって受験資格や必要単位が異なるため、興味がある方は、まず無料説明会で自分が受験できるか確認しておくと安心です。

ここで大事なのは、「ビジネス会計検定か簿記か」で迷っている人全員にUSCPAが必要という意味ではないことです。

 

国内経理を目指すなら簿記で十分なこともあります。

決算書を読めるようになりたいだけなら、ビジネス会計検定で目的を満たせることもあります。

ただ、将来的に外資系企業、グローバル企業、監査法人、海外勤務まで視野に入れるなら、USCPAは早めに知っておいて損はありません。

 

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(3)転職前提なら市場価値を先に確認する

転職を前提に資格を選ぶなら、「どの資格がすごいか」より、「自分の職歴と組み合わせたときに、どの求人を狙えるか」を確認した方が現実的です。

 

経理を目指すなら簿記2級が伝わりやすいです。

一方で、営業や企画の経験を活かして、数字に強いビジネス職を目指すなら、ビジネス会計検定の知識も活かせます。

さらに、外資系企業やグローバル企業、監査法人まで視野に入れるなら、USCPAも選択肢になります。

 

ただし、どの資格が必要かは、年齢、職歴、英語力、希望職種によって変わります。

ここを自分だけで判断するのは、意外と難しいです。

求人票で評価される資格と、自分が取りたい資格がズレることもあるからです。

特に30代以上でキャリアチェンジを考えている場合、「資格を取れば何とかなる」と考えるのは少し危険です。

 

資格を取る前に、自分の市場価値や狙える求人を確認しておくと、遠回りを減らせます。

会計・経理系の転職を考えている方は、勉強を始める前に、会計・経理に強い転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。

 

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9.ビジネス会計検定と簿記のよくある質問

ビジネス会計検定と簿記に関するよくある質問(FAQ)にもお答えしておきます。

 

(1)ビジネス会計検定と簿記はどちらが難しいですか?

単純にどちらが難しいとは言えません。

理由は、問われる力が違うからです。

 

簿記は、仕訳や会計処理、決算書を作る力が問われます。

ビジネス会計検定は、財務諸表を読み、会社の状態を分析する力が問われます。

 

会計処理が苦手な人には簿記が難しく感じるかもしれません。

一方で、数字を読んで分析するのが苦手な人には、ビジネス会計検定が難しく感じるかもしれません。

難しさの種類が違うと考えた方がよいです。

 

(2)ビジネス会計検定に簿記の知識は必要ですか?

ビジネス会計検定は、簿記の知識がなくても受験できます。

ただし、簿記の知識があると理解しやすいです。

 

特に、貸借対照表や損益計算書がどう作られるのかを知っていると、財務諸表の読み方も理解しやすくなります。

会計初心者なら、簿記3級を学んでからビジネス会計検定3級に進むと、かなりスムーズです。

 

(3)経理転職にはビジネス会計検定と簿記のどちらが役立ちますか?

経理転職なら、まずは簿記の方が役立ちやすいです。

特に簿記2級は、経理求人で評価されやすい資格です。

 

ビジネス会計検定も会計知識のアピールにはなりますが、経理実務に直結しやすいのは簿記です。

そのため、未経験から経理を目指すなら、まず簿記2級を優先するのがおすすめです。

 

(4)ビジネス会計検定は意味ないですか?

意味ないことはありません。

ただし、使い方を間違えると、期待したほど役に立たないと感じるかもしれません。

 

ビジネス会計検定は、経理転職の切り札というより、決算書を読んで仕事に活かすための資格です。

営業、企画、管理職、投資、経営企画など、数字を見て判断する仕事では役に立ちます。

一方で、「経理に転職したいからビジネス会計検定だけ取る」という使い方だと、簿記2級の方が伝わりやすい場面が多いです。

 

(5)簿記3級とビジネス会計検定3級はどちらを先に受けるべきですか?

会計初心者なら、簿記3級を先に受けるのがおすすめです。

 

簿記3級で、仕訳や決算書が作られる流れを学びます。

その後、ビジネス会計検定3級で、作られた決算書を読む力を学ぶと理解しやすいです。

 

ただし、経理を目指すわけではなく、決算書を読めるようになりたいだけなら、ビジネス会計検定3級から始めてもよいです。

 

(6)ビジネス会計検定の次に目指すなら何がおすすめですか?

目的によります。

 

経理を目指すなら、簿記2級がおすすめです。

決算書をさらに深く読みたいなら、ビジネス会計検定2級に進むのもよいです。

英語×会計でキャリアを広げたいなら、USCPAも選択肢になります。

 

大事なのは、資格を増やすことではありません。

その資格を、どんな仕事やキャリアにつなげたいかです。

 

10.まとめ:簿記は作る力、ビジネス会計検定は読む力

ビジネス会計検定と簿記の違いをまとめます。

  • 簿記は、決算書を作る力を学ぶ資格
  • ビジネス会計検定は、決算書を読む力を学ぶ資格
  • 経理を目指すなら、まずは簿記がおすすめ
  • 営業・企画・管理職の仕事や投資に活かすなら、ビジネス会計検定もおすすめ
  • 会計初心者なら、簿記3級から始めると理解しやすい
  • 英語×会計まで広げたいなら、USCPAも選択肢になる
  • 転職に活かすなら、資格名よりキャリアの目的が大事

 

簿記とビジネス会計検定は、どちらが上という資格ではありません。

役割が違います。

 

経理として決算書を作る側に行きたいなら、簿記。

決算書を読んで、仕事や投資、経営判断に活かしたいなら、ビジネス会計検定。

このように考えると、自分に必要な資格が見えてきます。

 

そして、さらに英語×会計でキャリアを広げたいなら、USCPAも選択肢になります。

 

ただし、最初から全部を目指す必要はありません。

たとえば、次のように考えると選びやすくなります。

  • 会計の入口として簿記を学ぶ
  • 決算書を読む力をつけるためにビジネス会計検定を学ぶ
  • 外資系企業、グローバル企業、監査法人、海外勤務まで視野に入れるならUSCPAを検討する 

このように、自分の目的に合わせて選べば大丈夫です。

 

資格は取ること自体がゴールではありません。

大事なのは、その資格をどう使うかです。

経理に転職したいのか。

今の仕事で数字に強くなりたいのか。

将来的に外資系企業や監査法人、グローバル企業まで視野に入れたいのか。

目的によって、選ぶ資格は変わります。

 

会計は、知っているだけで仕事の見え方が変わります。

数字が読めるようになると、会社の見え方も変わります。

最初は簿記でも、ビジネス会計検定でも大丈夫です。

自分に合う入口から、会計の世界に一歩入ってみましょう。