USCPA(米国公認会計士)で経理転職はできる?採用されるための準備と面接のコツ

経理に転職するときに、何をどうしたらよいのか、コツがあれば知りたいよ。

ただし、資格があるだけで簡単に採用されるわけではないよ。
経理の転職では、
- 経理という仕事をどこまで理解しているか
- 自分がどんな経理を目指すのか整理できているか
- 今までの経験を応募先に合わせて伝えられるか
がかなり大事だよ。
どこは、USCPAに合格後、BIG4監査法人の監査職に転職し、さらに米国企業やグローバル企業の経理職に転職したよ。
また、経理に転職しただけではなく、管理職として経理の採用も担当してきたよ。
この記事では、「経理に転職した経験」と「経理を採用する経験」の両方をもとに、USCPAが経理職へ転職する際のコツをわかりやすく解説していくね。
1.結論:USCPAで経理転職はできる?
USCPAで経理転職は可能かからお話しします。
(1)USCPAは経理転職で評価されやすい
まず結論ですが、USCPAは経理転職で評価されやすい資格です。
理由は、経理職で評価されやすい
- 会計知識
- 英語力
- 学習を継続してきた実績
を示しやすいからです。
特に、上場企業、グローバル企業、連結決算や開示を含むポジションでは、USCPAがプラスに評価されやすいです。
(2)ただし、資格だけで決まるわけではない
一方で、ここは誤解しない方がいいです。
USCPAがあるだけで、経理転職がうまくいくわけではありません。
経理の中途採用では、資格以上に
- どんな実務経験があるか
- どのレベルの業務まで担当してきたか
- その経験を応募先でどう活かせるか
を見られることが多いです。
たとえば、月次決算を取りまとめた経験があるのか、監査対応ができるのか、連結や開示に関わったことがあるのか、といった点です。
(3)採用されるには「経理理解」と「転職準備」が必要
経理転職で大事なのは、資格そのものよりも、経理という仕事の理解と、転職活動の準備です。
経理とひとことで言っても、
- 財務会計
- 管理会計
- 財務
- 税務
- 事業会社の経理
- 会計事務所やアウトソーシング
- 上場企業、非上場企業、外資系企業
などで、仕事内容はかなり違います。
この違いを理解しないまま転職活動をすると、応募先選びも面接での受け答えもズレやすくなります。
この記事では、USCPAが経理へ転職する際に、何を整理し、何を準備し、どう伝えると採用されやすくなるのかを順番に見ていきます。
2.経理転職の前に決めるべきこと
経理転職をすることにした場合、最初にすべきことは何でしょうか。
(1)まずは仕事に関する自己分析をする
転職をすると決めたら、最初にやるべきことは、仕事に関する自己分析です。
考えたいのは、たとえば次のようなことです。
仕事に関する自己分析
- 自分のやりたいこと(仕事内容)
- 働きたい上司・仲間(上司との関係・人間関係)
- 働きたい環境(社風)
- 譲れない労働条件(労働時間・勤務地・休暇の取りやすさなど)
- 希望する待遇(給料・ボーナス・福利厚生など)
つまり、「何を」「誰と」「どこで」したいのかを整理することです。
(2)何をしたいかより、どんな経理になりたいかを考える
経理転職では、「経理に行きたい」というだけでは少し弱いです。
大切なのは、どんな経理になりたいのかを考えることです。
考えたいのは、たとえば次のようなことです。
どんな経理になりたいか?
- 月次・年次決算を回せる経理になりたい
- 開示や連結決算にも関わりたい
- 英語やUSCPAを活かせる経理になりたい
- 管理会計やFP&Aにも広げたい
- 将来的に経理マネージャーを目指したい
人によって方向性はかなり違います。
ここが曖昧だと、求人を見ても「なんとなく良さそう」で応募しやすくなり、後でミスマッチが起きやすいです。
(3)転職理由と転職軸を言語化する
もし今の職場に不満があって転職したいなら、その不満が次の職場でも起きないかを考える必要があります。
また、キャリアアップや、キャリアチェンジで転職するなら
- 仕事を通じて何がしたいのか
- 自分は何ができるのか
- 今後どんなキャリアを作っていきたいのか
をできるだけ言語化しておくことが大切です。
転職理由と転職軸が曖昧なままだと、書類でも面接でも説得力が出にくくなります。
3.「経理」の理解がないと転職はズレる
経理転職を考えるなら、まず「経理」の理解が必要です。
「自己分析をしましょう」と言われても、「経理」の理解が十分ではないと、なかなか難しいからです。
(1)経理の業務は大きく何に分かれるか
経理に就く場合の業務としては、大きくは
- 会計業務
- 財務業務
- 税務業務
に分かれます。
さらに、会計業務は
- 財務会計業務
- 管理会計業務
に分かれます。
経理への転職活動をしてきた実感としては、求人として多いのは財務会計の業務です。
財務会計業務の例としては、次のようなものがあります。
財務会計業務
- 日次業務:入出金の記帳や、売掛金・買掛金の管理など
- 月次決算業務:貸借対照表・損益計算書の作成など
- 四半期決算業務・年次決算業務:決算修正仕訳入力など
- そのほか:会計システムの導入・整備など
一方で、財務会計以外には次のようなものがあります。
財務会計以外の業務
- 管理会計業務:予算策定・予実分析など
- 財務業務:資金繰り・資金調達など
- 税務業務:法人税申告など
- そのほか:内部統制・内部監査など
(2)事業会社・会計事務所・シェアードサービスで何が違うか
経理に就く場合の所属先も、事業会社だけではありません。
たとえば、次のような働き方があります。
経理の所属先
- 事業会社:経理部・財務部・経営企画部・内部監査部など
- 会計事務所・税理士事務所:記帳代行・税務申告など
- アウトソーシング:クライアントの経理業務を受託
- シェアードサービス:グループ会社の経理業務を受託
また、事業会社の経理も企業規模によって業務内容が違います。
事業会社の経理の業務内容の違い
- 上場企業:四半期ごとに決算・開示をする
- 上場企業の子会社:親会社へ連結報告をする
- 非上場企業:経理・財務・税務などが一緒で、兼務となる場合がある
- 外資系企業:海外の本社へ英語で決算報告をすることがある
つまり、同じ「経理」でも所属先と会社の立ち位置で仕事はかなり変わるということです。
(3)業界や会社規模で経理の仕事はどう変わるか
経理は業界を越えて転職しやすいと言われますが、業界ごとに経理業務の違いはあります。
たとえば、このような違いがあります。
業界による経理の仕事の違い
- 製造業:本社の経理と別に、工場(生産拠点)の原価計算が必要
- 小売・サービス・飲食:多店舗との連携が必要
- 不動産・建設業:プロジェクト期間が長く、特殊な会計処理がある
- 金融業:金融業特有の会計ルールがある。
ここを理解せずに「経理なら何でも同じ」と考えると、自分に合う求人を選びにくくなります。
- 「経理」の理解が不十分だと、「経理」の求人の中から、自分に合った応募先を決定するのが難しくなる。
- 「経理」とひとことで言っても、財務会計か管理会計か、事業会社か会計事務所か、上場企業か非上場企業か、製造業か小売業か、日系企業か外資系企業かなどで違いがある。
- 自分のキャリアの方向性を考えて、どんな「経理」を選ぶか考える。
「経理」の仕事内容や考え方をもっと基礎から知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
4.USCPAの経理転職で評価されやすいスキル
経理転職で求められるスキルは、どのようなものでしょうか。
(1)経理特有のスキル
経理転職で求められるスキルは、まず経理業務そのものに関するスキルです。
たとえば、このようなスキルがあります。
経理転職で求められる経理特有のスキル
- 伝票入力から決算書作成までの流れを理解している
- 月次決算や年次決算を取りまとめられる
- 監査対応ができる
- 開示資料の作成に関われる
- 税務調査対応ができる
- 連結決算ができる
- 海外連結子会社の決算とりまとめができる
どのような経理業務を担当するかによって、求められるスキルは変わります。
ただ、USCPAの場合は、より専門的な会計知識や、会計を英語で理解できることが期待されやすいです。
(2)経理に限らないビジネススキル
経理転職では、経理業務だけできればよいわけではありません。
実際には、このような経理に限らないビジネススキルもかなり見られます。
経理に限らないビジネススキル
- コミュニケーション能力
- 丁寧さ、正確性
- 主体性
- 臨機応変さ
- マルチタスク能力
- チームで働く力
- 説明力、調整力
- プレゼンテーション能力
特に中途採用では、
- 「この人は周囲と連携しながら仕事を回せるか」
- 「自分で考えて動けるか」
が重視されます。
(3)USCPAが強みになる場面と、そうでない場面
USCPAは強い資格ですが、どの求人でも同じように効くわけではありません。
たとえば、
- 上場企業の決算・開示
- 連結決算
- グローバル企業の経理
- 英語を使うポジション
- 海外子会社対応や本社報告があるポジション
では強みになりやすいです。
一方で、国内経理のごく基礎的な業務では、USCPAの強みがそのまま刺さるとは限りません。
経理経験がない場合は、日本基準や税務、日常経理の実務に戸惑うこともあります。
また、英語力も大事なポイントです。
必要な英語力は求人によって、ビジネスレベルから読み書き中心まで幅があります。
ただ、USCPAを採用したい企業では、英語を使う場面が多かれ少なかれあることが多いので、英語力が高いほど活躍の場は広がりやすいです。
また、経理ではExcelが使えることはマストです。
表計算、グラフ、中級レベルの関数などを使えないと、実務ではかなり厳しくなります。
USCPAとして日系グローバル企業の経理で働いた際の経験
- 求人票を見た限りでは高い英語力は求められていない印象だった。最初は、英語で書かれた連結パッケージのチェックや、英文財務諸表の作成などを比較的のんびりやっていた。だが、英語ができるということで、どんどん英語の仕事が回ってくるようになる。
- タイやフィリピンに住んでいたことがあり、アジア出張を望んでいたため、入社当初はアジアの子会社を主に担当していたが、いつの間にかUSCPAだからと米国の子会社も担当するようになった。
- また、いろいろな部署から「英語×会計」の仕事を頼まれるようになる。経営企画部から英語がわからなくて困っていた案件、海外事業部から会計がわからなくて困っていた案件が来る。
- さらに、英語ができて監査経験があるということで、役員から海外子会社の内部統制チェックの視察に同行するように依頼も来る。
- 英語も会計もできると思われて、英語か会計で困っている人たちからいろいろな仕事がきて疲弊するので、どのくらい引き受けるか線引きが大切。
5.USCPAの経理転職で見られるポイント
USCPAの経理への転職活動でのポイントを見ていきましょう。
(1)応募書類で見られること
通常、日本で転職活動を行う場合は、応募の際に「履歴書」と「職務経歴書」を提出します。
応募書類は、自分を会社に売り込むための資料です。
採用担当者は忙しいので、一目であなたが
- どんな人間か
- どんなことができるのか
- なぜ応募したのか
が分かるようにすることが大切です。
そのため、自分が一番よく見えるように、スキル・経験・資格を上手に整理してアピールする必要があります。
(2)書類選考で落ちる理由
書類選考は、転職活動の中でもハードルが高いです。
実感としては、10社に応募して2社くらい面接に進めば悪くない、というくらいの感覚です。
そのため、自分の希望を定めたら、選り好みしすぎず、ある程度幅広く応募してみる方がよいです。
書類選考で落ちやすい理由は、たとえば次のようなものです。
- 年齢に対して実務経験が足りない
- 求人が求める業務経験とズレている
- 経理として何ができるかが伝わらない
- 志望理由が浅い
- 職務経歴書が応募先向けに調整されていない
USCPAがあるとプラスになりますが、書類通過率が自動で上がるわけではありません。
年齢や実務経験とのバランス、そして応募先とのマッチの方が大きいです。
(3)面接で見られること
1次・2次面接では、しっかりと準備をしておく必要があります。
特に経理の中途採用では、
- どんな経験があるか
- 何ができるか
- どんな強みがあるのか
がかなり重要視されます。
今までどのような経理業務を担当してきたのか、具体的に詳しく聞かれることも多いです。
これは、理解して経理業務をこなしてきたかを見ているからです。
言われたことを何となくやっていただけの人だと、転職後に自発的に動けず、即戦力になりにくいと見られます。
面接に向けては、少なくとも次のようなことは整理しておきたいです。
- 自己紹介(職務経歴書に沿った職務経歴の説明)
- なぜこの会社に応募したのか
- なぜこの仕事がしたいのか
- 今までの仕事で学んだこと
- 今までの仕事で活かせること
- 5年後、10年後のキャリアプラン
- 残業の可否
- 給料の希望
- 逆質問
面接では、即戦力になるか、すぐに辞めないか、他のメンバーとうまくやれそうか、仕事を理解しているかを見られていると考えてよいでしょう。
(4)最終面接で決まること
最終面接まで進んだ場合、合格の可能性はかなり高くなります。
そのため、最終面接は単に合否を待つ場というより、本当に入社してよいかを自分でも判断する場と考えた方がよいです。
企業ごとに、
- 業務内容
- 年収・待遇
- 忙しさ
- 勤務地
- 一緒に働く人
- 会社の方向性
が違うので、比較したうえで、自分の中のベストだと思う企業を選びたいところです。
その意味でも、転職活動は1社ずつダラダラ進めるより、比較できる状態を作る方が有利です。
USCPAとして日系グローバル企業の経理で働いた際の経験(面接に関して)
- 面接は3回で、1回目が人事担当者、2回目が上司になる経理担当者、3回目が管理部門担当役員との面接。
- 1回目:ビジネスマナーができているかのチェック、志望理由のヒアリング、待遇や条件などの確認
- 2回目:今までの経理経験の確認、任せたい仕事の説明
- 3回目:会社が目指すビジネスの方向性の説明、共感して働けるかの確認
USCPAを活かして働く経理の具体例として、外資系企業の経理や連結決算に興味がある方は、以下の記事も参考にしてください。
6.経理転職を成功させる進め方
経理転職を成功させるための進め方を解説していきます。
(1)1社ずつ受けず、比較できるように動く
経理転職を成功させるには、最初から1社に絞り過ぎない方がよいです。
書類選考の通過率や、面接の進み方を考えると、3社から5社くらいは比較できる状態を作った方が判断しやすくなります。
条件の比較もしやすいですし、自分に合う会社を選びやすくなります。
(2)応募のタイミングをそろえる
転職活動で意外と大事なのが、応募のタイミングです。
1社応募して落ちてからまた1社、という進め方だと、かなり時間がかかります。
また、最終面接や内定のタイミングがバラバラになると、比較したうえで決めるのが難しくなります。
そのため、応募書類を出すタイミングはなるべくそろえた方がよいです。
(3)転職エージェントも使いながら進める
経理への転職では、
- 転職理由は方向性の整理
- 希望に合った求人探し
- 職務経歴書の作成
- 面接対策
- 年収や待遇の確認
- 選考スケジュールの調整
など、やることがかなり多いです。
現職と並行して一人で進めるのは正直かなり大変です。
そのため、なるべくサポートを得て、効率的に進めたほうがよいです。
特に、条件交渉やスケジュール調整のように、自分ではやりにくいことは、転職エージェントに任せた方がうまく進みやすいです。
USCPAを活かせる経理・財務キャリアを目指すなら、会計・経理・財務の転職に強いレックスアドバイザーズを活用するのが相性がよいです。
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7.まとめ:USCPAの経理転職は「資格」より「準備と伝え方」で差がつく
USCPAは、経理転職で十分に武器になる資格です。
ただし、資格があるだけで決まるわけではありません。
実際の転職活動では、
- 経理という仕事をどこまで理解しているか
- 自分がどんな経理を目指すのか整理できているか
- どんな経験があり、応募先でどう活かせるかを伝えられるか
で差がつきます。
そのため、
「USCPAがあるから受かる」ではなく、
「USCPAを土台に、自分の経験と志望先をつなげて伝えられるか」が大切です。
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